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2013年4月14日

体操とテーブル茶の研究会

家元招請研究会−【基本】

藤田宗松(福岡不白会)

点心で一献
 青楓の若葉が眼に心地いい日本庭園で、家元招請の研究会が行われました。
 午前中は、体操です。
 体操十種のうち五種を参加者は、パンツ姿あり、スカート姿あり、作務衣ありでの参加です。お家元のユーモアを交えた指導を皆で受けながら、私はまず「頭の位置と腹式呼吸」を習慣つけることに努力してみようと思います。
 午後は、お家元ご亭主のテーブル茶です。
 床は、お家元筆の「喫茶往来」のお軸、グレーの服紗のうえに染付の隅田川の香合が置かれています。
一献のあとの一服
 お客は、初々しい若い女性三人です。塗り盆に、点心と盃が運ばれ、ご亭主が、九谷焼金襴手の徳利を持ち出されての、おもてなしの始まりです。
 点心から茶へと進み、会話もお家元の誘導で、住まいのことやどんたく、博多祇園山笠などの博多のお祭りの話が交わされていました。緊張のためかお客様の硬さを、テーブルの上の、縄文土器に生けられた薄紫の山藤と淡いピンクの桜空木がやわらかくしているように感じました。
テーブルの茶花

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2013年4月12日

テーブル茶での一献とお濃茶

家元招請研究会−【基本】

久保山宗久(久留米不白会)

テーブル茶
テーブル茶、まずは一献
 家元招請研究会が久留米の少林寺にて行われました。
 午前中は、体操十種から始まりました。お家元から体操の動きの解説を伺い、日頃運動不足の体を隅々までほぐすことができました。
 午後からのテーブル茶は、お家元のご亭主で私はお詰めを勤めさせていただきました。床にはお家元直筆で「只ひたすらに 茶の湯の心」、花入れは東京からご持参の弥生時代の水注形土器に都わすれ・鯛つり草を添えてテーブルに置かれました。
 本日のテーマのテーブル茶でのお濃茶は、先ずは一献ということで九州では珍しい東北のお酒をいただきました。心尽くしの点心は弥生土器に合わせられたのか、熊笹の大葉に季節の食材が盛られお酒共々美味しくいただきました。
家元持参の器に季節の花
家元持参の器に季節の花
 お席では家元が連載されている「東京人」四月号の写真の話題が出ました。私はテーブルのお花の話から、「お家元が花や葉を見立てていらっしゃるとき、手を添えられると花が花器に寄り添うようにすっきりと収まるように見えます」と、申し上げますと、「そうゆう風に見えますか。なかなか決まらない時は、花が気になってお点前に集中できない。思い通りになった日は、誰かお客に来てくれないかと心待ちなる。お客を思い描きながら、花や花器をよせる、それを繰り返して、今に至っています。皆さんも家庭で茶事をすれば、一つ一つ設え数を熟して身についていくものではないですか」と、お家元は優しくお話してくださいました。お濃茶席は静寂の空間が保たれ、亭主とお客の席は離れているように思いますが、このテーブル茶は亭主とお客の距離が近く和やかに会話と食事を楽しみながらお茶をいただく場と感じました。
 お家元は本来茶の湯は、家にお客を招いて御馳走しお茶を一服差し上げ交流を楽しむ事と仰られています。今回のテーブル茶では、何か私にも真似できる事があるのではないか、お客を招いて楽しみたい気持ちになる大変有意義なものでした。

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2013年4月11日

「テーブル茶事」--縄文土器に茶花

家元招請研究会−【基本】

大久保宗世(八女不白会)

テーブル茶
テーブル茶の実践
 お家元の亭主で私達三人が客の設定。家元ご所蔵の縄文土器をはるばる九州まで持って来られ、皆に披露されました。それに紅柏、白い山吹、薄紫の都忘れをざっくり活けられ、いつもと異なる仕方に驚きの声が聞こえました。朱盃のお酒季節のごちそうに舌鼓を打ち、菓子も美味しくいただきました。食べる事が好きな私は、ここで緊張をほぐしたい所でしたが、、大好きな土物の極み「土器」のことも美しいお花の事も、話題にできませんでした。
 いよいよ薄茶。茶筌を横から持ちそのまま茶碗に入れ自然な感じの点て方……。少し肩の力が抜けて味わっていただけました。次客の次に、自服用を点てられ慌てられましたが、かえって愛嬌、とびっきり旨いお茶を出され詰の方は大喜びでした。
 茶事が終わり退席中、改めて土器のお花を眺め「見る位置で様子が変わる、私の位置が一番よかったんだわ」などと話していると、そういう話題が自然にでるといいですね、と言われハッとしました。緊張のほぐれが生み出す言葉それが感性?
 茶事は正客に左右されます。今回、年齢、経験共に不足している私には重い役目でしたが、勉強させてもらいました。動じない囚われない遊び心をこれからもっと養い、色んな場所で空間で楽しんでいけたらなあと思います。

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2013年4月7日

東京不白会春の茶会に参加して

長野不白会(艸雷庵:亭主 李宗福支部長)

席中
■護国寺春の茶会  初デビュー……原 宗友
 私事ながら昨年四月より、長年勤めた仕事を退き主婦に専念することになりました。お陰様で、休んでばかりいた稽古にも、少しばかり精進できる時間と心のゆとりが持てるようになりました。
 そんな折、今年の護国寺春の茶会のお誘いがありました。しかも、支部長李先生が艸雷庵のお席を持たれるとのこと。今まで一度も出席できなかったので、初めて参加し体験できることに興味と期待感でワクワクしながら、そして、未熟者の私なりに少しでもお手伝いできることがあればと思いながら出席のお願いをしました。ところが、何とお手伝いどころか、支部長先生よりお点前役のご指名をいただいてしまいました。ワクワク感が一気にドキドキ感にとって代わり、楽しみだったお茶会が不安なお茶会となり私の心にのしかかりました。そんな中、諸先輩の先生方から、誰でも経験できることではないよ」「良い勉強の機会だと思うよ」などと温かい励ましの言葉をいただき、確かに有り難いことだと思い直すと同時に、できることの巡り合わせに感謝しつつ、やらせていただくことに致しました。
炉辺
 さて、決断したはよいものの、実力の伴わない私ですので、それからが大変です。濃茶点前の基本を再度見直していただいたり、貴重なお道具を実際に手にとって実践させていただいたりと、先生方からは沢山のご指導をいただきました。取り分け、不白造の掌に納まり切らない程大振りの茶入「末広」から、名心庵作の茶杓「三輪山」にて茶を掬い出すのです。ありえないことです。扱いには手が震える程、気を遣いました。
 そして当日、無我夢中の内に何とか持ち場の二点前を終えることができましたが、改めて周囲に目をやると、ご亭主や半東さんは勿論のこと、大風の中で下足番をされる方、汗を拭きながら水屋で準備や片付けをされる方、等、支部の皆さんがそれぞれの持ち場で甲斐甲斐しく気配りされていること、沢山の手によってお席が流れていることに気づきました。私のたどたどしい点前が、その流れの一端を担えたのかと不安になると同時に、大切な仕事を任せて下さった李先生の潔い決断に頭が下がる思いでした。
 こうして私の護国寺茶会デビューは、大変思い出深いものとなりました。この場を借りて改めて、このような機会を与えていただいたこと、親身に稽古をつけていただいたこと、そして、当日支えて頂いたことに感謝致します。支部の皆さんで出かけたバスの旅も楽しかったです。でも、次回は是非、もう少し楽な気持ちでお席を拝見できたらなあと願っています。
席主:李先生
  ◇   ◇   ◇
■艸雷庵にて……小宮山宗裕
 前日からの雨があがり、爽やかな風の中開催された護国寺の東京不白会春の茶会。
 私は点前をさせていただく事になっていましたので、茶室の中、点前座と道具の確認など、そして心の準備へと、気持ちを集中させていきました。
 長野不白会一同が心を一つにして作り上げた席、艸雷庵にお客様をお迎えし、濃茶を差し上げる、本当に素敵な事だと思いました。
 寄付には、信州を代表する浅間山の掛軸がかけられました。お正客と席主の先生、半東さんとのお話しは、緊張感の中にも和やかな雰囲気で、今日のお客様と、この席をともに出来ることへの感謝の気持ちを込めて濃茶を練るひとときは、亭主としてこの上ない幸せな時間でした。
家元を囲んで
  ◇   ◇   ◇
■「春の茶会」感動を再び……神農宗洋
 四月二十日春の茶会の慰労会を兼ね、李先生のご厚意により、お茶席に招待していただきました。
 寄付で小山敬三の浅間山に迎えられ、そして不昧公の掛軸、流祖不白のお茶入、同じお道具を拝見していると、春の茶会のことが、ありありと思い浮かびます
。  私は、お濃茶を点てさせていただいたのですが、お茶入の「末広」は大振りで清めるのが難しく粗相をしてはと思い緊張しておりました。その時、李先生から「いつも通り」というお言葉を掛けていただき、また教本に書かれてある「濃茶の点前は、静かにゆったりと進めるものである。そして心を込めるということに比重を移す」という言葉を思い出し、ゆっくりとお茶を点てることができたのではないかと思います。
 李先生に、めぐり逢い、そして支部の方々と共に、美味しいお茶を差し上げたいという一人一人の思いがかない、無事にお茶会を終えることができ、安堵の思いが致しました。
席主:李先生

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2013年3月3日

「岩崎宗蓬先生を送る会」乾杯のご挨拶

青森不白会

岩崎宗蓬先生
岩崎宗蓬先生
 長きにわたり江戸千家で茶の湯を学ばれ、青森不白会会長として、また、全国不白会常任理事、そして名誉理事として多大な貢献をされました岩崎宗蓬先生が、青森の地を去られることになり、青森不白会主催で「送る会」が開催されました。その際の岩崎社中のスピーチを、そのまま掲載させていただきます。
  ◇   ◇   ◇
 「月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり」
 お稽古で先生のお宅に伺いますと、玄関のドアを開けた瞬間から、そこは別天地です。季節ごとに変わる床飾り、お道具は、普通ならガラス越しにしか拝見できないものばかりです。野に咲く花が、先生のおん手で床の間に生けられますと、一段と光を増します。
 お花の大好きな岩崎先生に、MOA美術館の創始者岡田茂吉師のお歌を進呈させていただきます。
 「美はしき 花に憧る人こそは 花にも似たる 心持つなり」
 さてJR三島駅に降り立ちますと、そこには大きなおおきな富士山がドーンと眼前に迫って参ります。
 最高の芸術品を求めて止まない岩崎先生は、ついに日本一のお山、富士山をお求めになりました。これからは富士山のふもとで「めざして百歳」です。
割稽古
蓮鶴先生三回忌の際に、家元から贈られた色紙「めざして百歳」
 それでは、岩崎先生が富士山のふもとで百歳を迎えられますことを、皆様と共にご祈念申し上げます手乾杯です。ご唱和お願いいたします。
 「乾杯!」
 どうもありがとうございます。
岩崎社中 奈良宗規  (平成二十五年三月三日、ホテル青森)

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総会の茶会に参加して

坂田宗秀(熊谷不白会)

ぜんざいを振る舞う
 平成二十五年度熊谷支部総会が、去る三月三日開かれました。総会後、お席が二席用意されました。当日は春とは名ばかりの寒い一日でしたが、お席を担当された先生の趣向を凝らした、春らしい楽しいお席ができました。特にお料理上手でアイディア豊富な中田先生のお席では、手作りの温かい白玉ぜんざいが寄付で振る舞われ、お客様に大変喜ばれました。水屋では本席の準備、白玉作り、ぜんざいの温め盛り付けと、それぞれが責任を持って仕事を分担し、社中全員による見事な連携プレーで無事終わることができました。
 日頃から、お水屋の大切さについてご指導いただいておりますが、実際お水屋に入って体験することで、その重要性をますます痛感いたしました。大変勉強になった一日でした。

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花月と大花月の実践

博子先生招請研究会

牟田泰雪(久留米不白会)

花月指導
 三月三日、博子先生をお迎えし、花月のご指導をしていただきました。
 まずは、美味しいお茶をたくさん楽しんでいただけるよう、亭主は火、湯の準備を十分に、とのお話から始まり、続いて四畳半花月。実践の中で、折据、札の扱い、足の運びにいたるまで、こまやかにお教え下さり、曖昧でした所も、しっかりと学ぶことができました。
 午後は大花月。こちらは、お家元のご提案により、各々の服紗を用いての居付き大花月の実践でございました。日頃、結び服紗でのお稽古を常としておりましたので、大変興味深く、しっかり拝見いたしました。
花月
 本来はここまでの予定でしたが、博子先生のお心遣いにより、改めて大花月を行うことができ、私も急遽参加させていただけることとなりました。「学んだことを踏まえて」と臨んではみたものの、目の前のことに精一杯。折据、札の扱いにも戸惑う始末。周りをよく見、間合いを考え、常にスムーズに……とは程遠い私でした。
 また、日頃よりきちんと立つこと、とのお話がございました。基本の立居の大切さは、お家元からも繰り返しご指導いただいてきたことですが、省みますと、反省しきりです。
 ぎこちないながらも、ただ目の前の一碗に向き合っていた自分を思い返し、心新たにした桃の節句の一日でございました。

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2013年2月2日

祝いの席で精進誓う

西村宗櫛社中(ロサンゼルス不白会)

初釜で相伝式
羅府新報より  クリックすると大きな画像で見られます
 江戸千家ロサンゼルス不白会西村宗櫛会長宅にて二月二日、お初釜を兼ねて西村社中の舟木綜雪、乗富宗久二人の相伝式が執り行われました。江戸千家十代川上宗雪家元より師範の免状とお看板を授かりました。  床には相伝式に相応しく「福寿」が飾られ、鶴首の竹入れに松竹梅椿などが生けられ、黄瀬戸不二窯の「福寿」宝珠香合そして結び柳が添えられました。
 竹台子にしめ縄飾り,江戸千家不白好み青花鳳凰紋皆具・川瀬順一作。八卦盆にて西村宗櫛師により「乱飾」のお点前にて厳粛の内濃茶が煉られ相伝式が始められました。その後お免状と木礼のお看板が手渡されました。
  ミヤコホテル「多門」より祝い懐石膳、吸い物とお酒が甲山貴明社長自らお持ちくださり乾杯の音頭にて花を添え、皆祝いの味覚満載の膳を堪能しました。
  ドラの音にて蹲をし席入りの後、亭主・舟木綜雪、半東・乗富宗久により「台天目」の点前 が始まりました。続いて亭主・乗富宗久、半東・舟木綜雪により「盆点」にて濃茶が煉られ、厳かな祝いの席にふさわしく美味しく濃茶を堪能し、和やかな相伝茶会となりました。
  舟木氏は今まで面倒を見てくれた人達に「おめでとう」と言う言葉をかけられて初めて実感がわいて来ました。家元より戴いた「御看板」これには沢山の意味が含まれている事に気付きました。此れからが大変です。今日まで教えていただいた基礎を基に綜雪と言う名にはじない、皆様にご理解いただける美味しいお茶を楽しんでいこうと思います。と豊富を述べた。
  介添えをした西村宗櫛師は「入門してから13年以上地道な努力を重ねてきました。今後は精神文化である茶の湯の精神を土台として精進してください」と励ましの言葉を贈り師範を喜こび、祝品を2人に贈りました。又来賓者一同に内祝いが贈られました。
*今回,「不白会だより」で紹介できなかったロサンゼルス不白会西村社中の相伝式の写真は,同不白会新井社中の初釜とあわせてfacebookの江戸千家ページで公開しています。是非ご覧下さい。

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2013年1月19日

心新たに 初釜

下村宗悦(長野不白会)

正月飾り
 新しい年を迎えた一月十九日、先生のご自宅の茶室にて初釜が行われました。
 その日は寒くピーンと張りつめた空気の中の席入りでした。青竹に柳、南天の枝が飾られた床には、弦が描かれた孤峰不白の掛物、しめ飾りのお棚には朱桶の水指、皆具、私は緊張感で一杯になりました。
 お炭に始まりいよいよ点心です。先生の愛情が詰まったお雑煮をいただき、心が和みました。そして八寸から千鳥へと進み、皆さんのお顔もほんのり色づき、昔の人は優雅に茶の湯を楽しんでいたのだと思いました。
 中立を経て次はお濃茶です。先生のお点前の所作に見惚れ、その茶筌通しの美しさに一瞬ドキッとし目の前が明るくなった感覚に襲われました。嶋台の茶碗の金色に真新しい白い茶筌の美しさ、なんときれいな景色なのでしょう。  日頃はお茶を点てることに励んでおりますが、昔から続いている茶道とはもっと美しいものだと改めて認識致しました。
 今年も心新たに茶の湯のを楽しみお稽古に励もうと感じた初釜でした。
 

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2013年1月8日

初釜報告 羅府新報から 

新井社中(ロサンゼルス不白会)

回り花
季節の花で廻り花
 江戸千家ロサンゼルス不白会、新井宗京社中は8日、ロングビーチ自宅の鶴林庵で初釜を催し新春を祝い、七事式の廻り花を行った。
  床には江戸千家十代家元名心庵筆、『「廻り花」竹の清を切り 水の清を盛り 花の清を入れて 心の清を楽しまん』を掛けた。花入-竹花入、棚-竹台子、皆具-青磁 千舌関、濃茶器-瓢茶入 喜山造、薄器-平菊赤 金輪寺、茶杓-名心庵作 松の友、茶-星の奥 八女星野園、菓子-打菓子 諸江屋
 例年のごとく、札を引き各担当を決め、正客はマーセリオ宗和、次客は藤田宗明、三客は新井宗京、東は榊原美香で七事式の廻り花を学んだ。そして、炭点(マーセリオ宗和)の後、懐石には新井宗京師の手造りのお節とお雑煮を頂き、中立。後座は濃茶点前(榊原美香)、薄茶点前(藤田宗明)の後、皆で廻し点てにて初釜を祝った。
 幸い、当日は素晴らしい天候に恵まれ幸先が良い一日であった。
お炭点"
炉の炭点前で気持ちも温まる
濃茶点前
新春らしい竹台子で濃茶点前
 

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2012年12月1日

「奇跡の抹茶茶碗」

生きる勇気を与えた茶碗の物語

   

志野茶碗
「蓮鶴大姉を偲ぶ会」に展示された志野茶碗
 九月三十日に行われた「蓮鶴大姉を偲ぶ会」の遺品コーナーに、一点の志野茶碗が展示されました。蓮鶴先生が旅先で選んだというこの茶碗が、先の東日本大震災で被災された方に生きる勇気を与えました。
 岩手不白会所属の寄松久美子さんは、経営していた美容院と一切の家財を津波で失いましたが、大事にしていた志野茶碗をがれきの中から無傷で発見しました。「絶望の淵から生きる意欲がわいてきた」という寄松さんは、本年五月に美容院を再開し、見舞いに訪れた家元が、この茶碗に「希望」という銘を付け、箱書きを認めました。
寄松久美子さん
寄松さん 偲ぶ会にて
 八月二十九日の毎日新聞岩手版では、この茶碗を「奇跡の抹茶茶碗」として紹介しています。ここでは記事の一部を掲載します。また、江戸千家便覧『ひとゝき草』111号「不白会だより」では、被災後に岩手不白会の福士宗信さんが、寄松さんの慰問に避難所を訪れたときの記事が掲載されています。
 以下、毎日新聞岩手版 平成二十四年八月二十九日より抜粋します。
   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
  それはまさに奇跡だった。震災から数日たった昨年三月十五日ごろ。津波で押し流されて見つかった友人宅の後片付けを手伝いに出掛けたその時、地面に伏した茶わんが目に入った。「もしかしたら」と、まみれた粉炭を手で払うと、器のぬくもりで一瞬にして分かった。どこにも傷はなかった。自宅兼美容院から約四百メートル離れた釜石製鉄所の通称中番庫。がれきの中で、持ち主を待っていた。(中略)
箱裏
江戸千家家元が認めた箱書
(クリックすると大きな画像で見られます)
 避難所に間もなく、同門の友人夫婦がお茶道具一式を携えて慰問にやってきた。茶会用の着物、お釜などのお茶道具も失うなど手足をもがれた日々にあって、茶わんと共に、あきらめかけた茶道に向き合わせてくれる一服のぬくもりだった。  家元が寄松さんが暮らす市内の仮設住宅を訪れたのは今年六月。借りて持ち帰り送ってきた箱のふたには「今尚 仮設住いなれど 再生を期すといふこの茶碗 希望のよすがになれと期す 名心庵」と記されてあった。寄松さんはいつの日か、盛岡の三田宗明先生など震災で世話になった人たちを招いてお茶事ができることを夢見ている。
新聞記事
毎日新聞岩手版 平成24年8月29日

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2012年11月18日

研究会に参加して 「盆点」

家元招請研究会−【盆点】

舟山宗恵(山形不白会)

一献の風景
 小国町で、今年千三百年祭を迎えた大宮子易両神社の母屋をお借りして盆点の家元招請研究会を行いました。始めに準備した席と水屋を確認していただいたところ亭主、半東が動きやすいように改められ、床にはご持参くださいましたお軸と座敷に飾られていた古い鼓と笛を飾られました。重厚なお席にぴったりのしつらえとなりました。
 初座はご亭主様のお酒のお勧めで座が自然に和み会話も弾んで、お家元が常日頃おっしゃる「お客をもてなす心」がわかったような気が致しました。
 後座では、盆点のお点前がゆっくりと流れて行き、それに伴う唐物の扱いと服紗のたたみ方など拝見でき勉強になりました。お家元自らの亭主役でございましたので初座から後座への席の運びがよく理解できました。ご持参下さいました立派な萩のお茶碗でお客になったお三方は、おいしいお茶にとても喜んでおいででした。見ている私たちも幸せな気持ちになりました。

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2012年11月17日

茶道入門

家元招請研究会

舘山ふみ(新潟不白会)

家元による講義
家元による講義に耳を傾ける参加者
 私は今回初めて勉強会に参加させていただきました。週に一度、家事、育児、仕事の合間に自分の心を静めるために稽古させていただいているシングルマザーです。私のような初心者が参加してもいいのだろうか? 場違いなのではないだろうか? 大恥をかくだろう…。大後悔するかもしれない。でも、よし! 一生に一度のチャンス。挑戦して後悔しよう、そう覚悟して臨んだ勉強会でした。
 しかし、いざ始まりますと「そんな初心者の私」は一瞬にしてどこへやら「学びたい」「お家元の言葉一つ一つを聞き逃したくない」そんな欲望がどんどん湧き、気づくと、手招きいただくままに、一番前の席で拝見、拝聴している自分がおりました。
 お茶事の一連の流れ、会話やおもてなしの心、人と人との係わり方、普段のお稽古は、ここにつながっており、お茶事を愉しむための訓練なのだ、と改めて気づきました。茶道は決して堅苦しいものではなく、人間関係を和やかにしたり、楽しくするものだと…。
 燕喜館での体験は、私の目指したい空間の体現化そして、心の持ちようの大きな柱となりました。
 お家元の教えて下さった「茶道」という「道」は、とても美しく、厳しく、そして楽しい。果てしない階段が続いているように感じました。その一段一段を一歩ずつ登らせていただき、人間として、成長していきたい。そう思った一日でした。
 

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家元による茶事の研究会

研究会会場
 宗匠よりいただきました「しのばずの 桜並木は紅葉いろ」で始まる研修当日の「新潟出張スナップ(句集)」は、新幹線の車窓から刻々と変わりゆく冬景色の様子、そして「…やがて雲低き都会(まち)新潟」とあります。
 私の自宅近くに日本最大の亜種オオヒシクイの越冬地「福島潟」が有り、既にオオヒシクイ二千四百羽、コハクチョウ三千四百羽が記録されていました。研修会場「燕喜館」はそうした〈雲低き新潟〉の中心街に隣接する白山公園内に、明治から昭和にかけ活躍された斎藤家邸宅を平成九年移築再建したもので、会場の「奥座敷」は、三つの広間からなる四十畳。メーンは紫壇、黒壇などを使った床を擁する「三の間」。研修は、今年のテーマである相伝物から「茶通箱」。宗匠が会場のお床、棚等の設えを点検され、水屋でお持たせのお茶入に自ら茶を掃き準備されるなど、普段お目にかかれない所作の一端を垣間見ることができました。
 研修前の緊張感を和らげる優しい気功を交えた体操を終え、いよいよ本番です。
 宗匠自らご亭主を務められ、初座のお床には、流祖不白が喜寿に書かれた力強い「鐡團圝」のお軸が掛けられ凛とした緊張感が走る。
一献
 宗匠の流れるようなお炭点前と見事な景色、ほんのりとした香の漂う雰囲気に何時しか心なごみ、続いて運ばれた八寸に盛られた山海の珍味と地酒。宗匠の気さくなお話とお酒で暫し舞台に居ることをも忘れ、こんなに飲んでいいのかしらとふと我に返ったこと。
 銅鑼のお鳴り物で後座が始まり、お床にはジャノメ木の花入れに椿と照り葉。
宗匠のゆったりとした服紗裁き、お茶碗を温める所作のやさしさ、たっぷりと点てられた芳潤なお濃茶のおいしさ……。この度の研修で一番の収穫は「おもてなしの心」を身を以って体験できたことです。
宗匠の流れるような所作と、美味しく頂いた二碗それぞれの個性あるお濃茶。ご一緒した方が「もう二度と頂けない」とおっしゃった感動の言葉は決して演技ではありませんでした。客に少しも違和感を感じさせない宗匠の心配りに、ふと研修中であることを忘れ至福のひと時を過ごさせて頂きました。
 亭主が如何に客を和ませ豊かな気持ちにさせることができるか。それは温かい包容力のある自然な〈気くばり〉がどこまでできるか、客も又その心をしっかりと受け止め感動する感性をもった人間性が問われているように思いました。将に「啐啄」の精神そのものと肝に銘じた貴重な経験をさせて頂きました。
掛軸

    ◇   ◇   ◇
 《研修後雑感》
 この度の燕喜館での研修で、少し気なっていたことですが「流祖不白」が書かれた「鐡團圝」についてです。なぜこの言葉を喜寿(寛政七年・一七九五)に書かれたのでしょう。
禅僧は、十年毎に遺偈をそれとなく残すといいます。寛政二年良寛(三十三歳)は、備中玉島の円通寺での十一年に及ぶ厳しい禅の修行を終え諸国を行脚し、寛政九年頃国上の五合庵に住むわけですが、その頃「流祖不白」は七十二歳位ですから同時代を生きた人として因縁めいたものを感じてします。その良寛が偈に相当する次のような漢詩があります。「回首す 五十有余年 是非得失 一夢の中……」「閃電光裏 六十年 世上の栄枯 雲の往還……燈火明滅す 古窓の前」「回首す 七十有余年 人間の是非 看破するに飽く……一炷の線香 古匆の下」と自らの命を「夢」から「燈火」に、そして更に細い「線香」に。限りなく「無」に帰すと。
 「鐡團圝」を「禅学大辞典」では、「分別の歯の立たぬもの。堅固にして円かなこと。また、没巴鼻。「見成公案、大難大難、百雑砕(ひゃくざつさい)、鐡團圝、和レ風塔二 在玉闌干一」(虚堂碌1)]とあり、臨済宗では特に重んぜられる語録の一つ虚堂(きどう)碌(虚堂和尚語録十巻)に出てきます。人智では、何ともし難い自然の法則、全ては無に帰す、悟りの境地。江戸時代の末期という歯止めの利かない胎動とも言うべき大きな時代のうねりの中で、真に大切なものが失われて行くことに危機感を感じての激文ともいうべき想いを、喜寿の今この「鐡團圝」という言葉に託されたのでは……。「燕喜館(研修会場)」の大きな床に喜寿とは思えない堂々たる気迫に満ちた「鐡團圝」の書は、私たちに何を捨て何を伝えて行くべきかを訴えて居られるように思えてなりません。
 時代が変わっても人間の本質的な心情は変わらない。先取り・スピードの時代と情報が氾濫し、目先の現象のみに振り回され右往左往してしまっては、身も心も疲弊し自らを失ってしまう。一瞬の内にすべてを失った3.11のあの大災害を、私を含め多くの人達はテレビのドラマを見ているような錯覚を覚え、一瞬思考が停止した状態になったことを今更ながら思い出します。真の苦しみはそれを経験した人にしか分からないけれども、相手の心情を少しでも思いやるやさしい「気くばり」「心くばり」を忘れないようにしたい。古来のお稽古ごとは、人間としての大切な感性を呼び戻し磨き、そして何よりも自然の恵みに感謝し共生して行く智恵を学ぶことができる。その基本を大切に伝承する重要な役割を担っているものと思います。

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2012年11月7日

軸飾り・花入飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

石元泰雪(高知不白会)

軸飾り
 去る十月七日(日)高知市文化プラザかるぽーとにおきまして、宗康先生の研究会が開かれました。
 今回、軸飾りと花入飾りの亭主をさせていただきました。始めに、宗康先生から、軸のかけ方、しまい方の説明があり、軸飾りが始まりました。
 軸飾りは、名物、拝領の特別なお軸を、お客様の前で掛け、ご披露するものです。お客様は、三人。小間の設定です。正客は、旧知の友人ですが、大勢の方の前では、あいさつの言葉もスムーズに出てきません。
 軸は、ちょうど十年前、当地で茶事研究会があった時に、家元からいただいた色紙「只 ひたすらニ茶の湯ノ心」を表装した軸を使わせていただきました。日頃、人前で、軸を掛けることがありませんので、宗康先生からのお話を念頭におきながら、臨みました。いつもより、ゆっくりと歩くこと。軸を持つ手は、しっかりと持ち、軸をおろす時も、ゆっくりと、おろすこと。厳かになりますとの指摘がありました。
花入飾り
 その後の、花入飾りでは、家元好みの竹筒花入を使わせていただきました。初座で、花入をお客様に見ていただき、中立ち後、花入に水を入れ、花台を置き、お客様に入っていただきます。正客は、桐の実と藤袴を入れて下さいました。季節感のなかった空間に、秋の風情が漂います。宗康先生から、花入飾りの時は、先に花入が決まっていますが、花は、多くなく、適当な量の花を用意するようにとのお話もありました。その後、お客様に濃茶を差し上げましたが、ちょっと、少なかったのでは、と反省しております。
 茶杓は、昨年、全国大会の時、宗康先生から支部にいただいた「をにおふさま」の銘の茶杓を使わせていただきました。「仁王」を連想する大きな茶杓でした。 ※お仁王様とは、坂本龍馬の姉、乙女のことです。
   滅多に行うことのない、軸飾りと花入飾りを、緊張のなか、体験させていただきましたが、会話の難しさ、所作の難しさを痛感しました。これからは、軸の扱いのみならず、ゆったりと、ゆとりを持って、落ち着いた茶の湯を目指したいと思っております。ありがとうございました。

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2012年10月27日

竹台子でのおもてなし

家元招請研究会−【相伝物-台子】

三ケ島宗汲(佐賀不白会)

竹台子手前
 お家元がご亭主、私は詰として参加させていただきました。風炉で竹台子が用いられ、どのようにお点前が進められて茶事が展開していくのかを、会員の皆様も注目していました。お家元ご持参の掛物は、流祖のお筆で『萬嶽松風一啜』でした。脇には故蓮鶴先生のご自作の茶杓が添えられていました。
 炭点前の後に八寸での一献が勧められました。塗りの折敷膳に秋の実り満載の品々が彩り能く盛られ、従来の八寸盛りに囚われない柔軟な一献の進め方を学ぶことができました。お家元の巧みな話術に、研究会茶事であることを忘れてしまいそうな程に和ませていただきました。
 後座は銅鑼の音に導かれ入室すると佐賀の山野の花が籠に活けられていました。竹台子のお点前で粛々と濃茶が練られていく様をみつめていると、心地良い緊張感に包まれていきました。丁寧に練られたお茶は格別の幸福感をもたらしてくれました。ご持参のお道具は、古瀬戸の大振りの茶入と最近お求めに成られたという唐津焼の井戸茶碗。新旧のお道具が迷いなく並び、主客一致へ導いてくれているようでした。『木守り』のお銘と共に心に残っています。
 亭主としての在り方、客の在り方を実践の中でご指導いただき、お点前の稽古に付随して学ぶべき人間磨きの課題を確認することができました。「東京になかなか出向けない地方の皆さんに月釜の雰囲気を……」とのお心遣いをありがたく受け止め、茶事の実践に前進するという思いを新たにする一日でした。
 

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2012年10月22日

茶事の研究会から学ぶ

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

久留米不白会

◎貴重な水屋の経験………大崎宗佐
 研究会で始めてお家元の水屋を担当させていただきました。九月から道具の準備を始め、八寸の献立を考え、試作もしてみました。気を使って準備をしたつもりでしたが、当日は足りないものが多々ありました。亭主であるお家元が水屋に戻られ、「料理が美味しかった」と言ってくださった時はほっとした一瞬でした。
 濃茶では、お家元の所作、立居を緊張して拝見しました。二十代でお茶を始めて、もう四十年以上になりますが、お茶を極めるのは難しいこと、でも最近ようやくお茶の面白さを感じられるようになりました。四季折々を肌で感じ、お花に、お料理に、お道具に心を配り、お客をおもてなしする、これからの人生を一期一会の精神で、工夫のお茶を楽しみたいと思います。
  ◇   ◇   ◇   ◇
◎研究会を活かし自宅の茶………大石宗清
 私はお詰の役をさせていただきました。お家元からは、亭主が心を込めて準備したお道具に対して、客は関心を持ってお尋ねする心配りが必要と、ご指導いただきました。点心の時は、お家元から会話をリードしてもらい、また勉強しなければという気持ちになりました。
 「人を招いて、点心とお茶を差し上げなさい」という家元の言葉に従い、数日後に、私も若い頃から一緒だった先輩三人を自宅にお招きしました。点心はお重と椀物にし、お重にはお刺し身や我が家で採れた季節の野菜なども入れました。お道具は先生や先輩にいただいた物も使いましたので、会話が弾みました。
 薄茶の後は、居間のソファで寛ぎながら亡き恩師、森田宗香先生や若かった頃の話になり、時間が過ぎるのを忘れる程でした。お茶事に不慣れな私のため、反省する事多々有りましたが、まずは、お客様に喜んでもらえた事で、私なりに充実感もありました。
 仕事していた頃は、職場の人に薄茶を飲んでもらったり、若い人を家に招いてお濃茶を出して、初めて飲みましたと、感動してもらったりで、お茶を飲むだけを楽しんでいましたが、これからは、お茶事の時に掛けた掛軸、「一志一道」のごとく、茶道一筋、お茶事も楽しでいきたいと思います。
茶事の一コマ

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2012年10月14日

飾り方の基本を学ぶ

宗康先生招請研究会

水野宗美(高田不白会)

米棚の十三飾り
 十月十四日、市内寺町の東本願寺高田別院において、宗康先生招請研究会を行いました。会員四十名余りが参加しました。
 当日の課題は、流祖不白八十八歳の時の好みの棚「米棚の十三飾り」の仕様でございました。
 東役の方がご指示通り順を追って飾り方を示し、その型の説明を事細かにご指摘いただきました。午後には、順番に茶杓、茶入等の拭き方、服紗の捌き方までご教授いただき、緊張の中にも時折宗康先生のユーモアを交えたご指導に、一同、厳しさの中に心穏やかにお教えを賜りました。
 水屋で清めてお持ちだしましても、お客様の前で、今一度、己の心も清めるという気持ちを込めてお道具を扱うという所作にこそお茶の究極の精神があるように感じ取りました。
 「茶の湯者覚悟十体」の中の「点前」の項に「薄茶を建(点)てるが専一也、是を真の茶と云う。世間に真の茶を濃茶と云うは非也」とあり、この度の宗康先生の一言一句、胆に命じて基本に立ち返って見たいと思います。
 

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2012年9月24日

貴人清次  -自然体の亭主?-

家元招請研究会−【貴人清次】

大黒裕明(青森不白会)

初座の一献
初座で一献 
 茶の湯の研究会に参加した。今回はお家元が直接青森まで出張してご指導いただける会で、テーマは貴人清次。貴人とは身分の高い人、つまりお殿様にお茶を差し上げる時の作法の研究で、私たちの社中が当番を承ることになり裏方から演者まで役割を分担したら、なんと私にお殿様役が回ってきた。
「お家元が亭主をしてくださるんです。こんなチャンスはめったにないんだからお受けなさい」
 師匠のお言葉があったので覚悟を決めたがどう見ても柄ではなく、落ち着かない。当日、他の人が準備するのを見ながらうろうろしていると、
「あまり難しく考えないで。お家元の点てて下さるお濃茶を直にいただける最高の時と思ったらどうですか」
 それは面白い。少し安堵して、いろんな場面を想像しながら一人ほくそ笑んだ。
 研究会は初座から始まった。初座とはお酒をふるまい、亭主と主客が談笑する席である。お殿様に祭り上げられ床の間の前に座ると、参加している皆さんの視線が集まってきた。ご亭主と丁寧に挨拶を交わし、さて何から話題にすればいいのかと迷っていると、
「お軸は流祖の筆で、米寿の時のものです」お家元がうまく話を誘導してくださった。さすがである。
「俳句のようですが、何と書いてあるのでしょうか」
 あとは上手く話が繋がった。私よりも茶歴のうんと長いお供役の方がニコニコしておられたのは、まずまずの流れだからだろうか。まあ、そういうことにしておこう。
天目茶碗でお濃茶を一服
天目茶碗で、お濃茶をおいしくいただく
 やがてお酒が出された。飲み過ぎないようにと、師匠から釘を刺されていたが、お家元はなかなか飲ませ上手である。一口頂くと緊張が少しばかりほぐれたので、調子に乗ってもう一杯、さらに意地汚いのも手伝って続けて何杯かいただくと目の周りが火照ってきた。でもこのくらい、今日は緊張しているから大丈夫だろうと軽く考えたのが間違いで、途中に挟まった休憩が終わるころになるとやたらに瞼が重く、頬を両手で張っても眠気が繰り返し襲ってくる。後座に入った時にはくらくらと頭が揺れていた。
 後座は濃茶の席である。誰よりも近くでお家元のお点前を拝見できるのは師匠のおっしゃったようにめったにないチャンスだが、何しろ眠い。足の裏に爪を立て必死でこらえた。急ぐでもなく弛むでもない時間が流れ、その隙間に吸い込まれそうになったころ目の前に点てたばかりのお茶が運ばれた。つやのある香りの深い液体である。それを啜ると、口の中に残っていたお酒が洗い流されるような気がふとした。今までに何度もいただいたが、お酒の後は初めてである。何とも言えず相性が好いではないか。これは素晴らしい発見をしたと悦に入っていると次第に意識がはっきりし、酔いが醒めてきた。良かった、おかげで不調法をせずに役目を終えることができそうである。
 お稽古後の総評で、お家元からお言葉をいただいた。
「今日の貴人は自然体でしたね」
 どういう意味かと色々考えた。さては酔っぱらっていたのを見抜かれたか。しかしお褒めいただいたんだと解釈して素直に喜ぶことにした。だってその方が、気が楽だから。
 お茶の世界は奥が深いらしい。この世界に踏み込んでもう八年目になるが、それなのに未だに入口でうろうろしているばかりで奥なんてとても見えそうにない。今日のお稽古でそのことを改めて自覚した。それで良いとしよう。深遠に辿り着くのは一生無理かも知れないけれど、今の私には、朋輩の皆さんと稽古でお抹茶を飲んでいる時間がただ、ただ、楽しいのである。
道具拝見
家元持参の道具を拝見する
後座の花
尺八花入に季節の花 
花入の銘は「洗心」

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2012年9月16日

米棚 十三飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

牟田泰雪(久留米不白会)

米棚指導
 今回の研究会の課題は、「米棚 十三飾り方」でした。初めて実演を担当した私は、宗康先生のご指導の声を聞き逃さないように耳を傾け、ご指示通りに点前を進めていきました。
 仕舞い飾りでは、両器飾り以上と以下との点前の違いや、拝見の所望がある時とない時との点前の違いを続けて学ぶことによって、お点前をする時に疑問を持っていたことが解決していきました。また、お点前の流れの中の一部だけを繰り返すことの難しさも学び、もっと精進しなければいけないなと痛感いたしました。
割稽古
 宗康先生には、自分の点前の癖をご指摘して頂いた上に、丁寧にご指導していただき、この役を担当できて嬉しく思います。
 午後からは、茶入の清め方、仕服の扱い方、服紗の捌き方などを、宗康先生の丁寧なご指導の下、研究会の参加者から数名を選ばれ、みんなの前で所作を行うことで、見学者と一体になって稽古ができて充実した研究会になったように思います。

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