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2010年9月19日

基本の点前を学んで

家元招請研究会−【基本】

古舘ヨネ(七戸不白会)

家元の見本点前
点前の要所要所で家元による見本点前が行われる
 基本の点前の研究会で、亭主を務めさせていただきました。掛軸はお家元御自筆の「喫茶往来」、雲鶴棚、雪輪紋入り風炉釜という取り合わせで始まりました。陰の支度では、びく形花入籠に秋の草花を生けましたが、思うようにできずお家元よりご指導いただきました。いつも行っていることでも人前で行う事の難しさを痛感させられました。
 濃茶点前では途中でお家元が四方捌き、茶筌通しのお手本を示してくださり、流れるような動きの中で道具を一つ一つ丁寧に扱う様子を間近で見ることができとても勉強になりました。
反省会
亭主役、客役から、さまざまな感想が述べられる
 主客との問答もなかなか言葉が出ず、正客の優しい笑顔の声かけに助けていただきました。会話は自然に季節の話題等がよいでしょうとの事でした。薄茶点前では、雰囲気も一変しそれぞれが会話を楽しみながらの一服でした。その中には卒寿を迎えられた盛田支部長の慈しみに満ちた眼差しがありました。
 反省するときりがありませんが、貴重な経験の中で得たものを糧にこれからの稽古を続けてまいりたいと思います。

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2010年9月4日

妙高天心茶会バス旅行に参加して

幸田宗陽(福島不白会)

天心山荘茶室
天心山荘茶室
 天心山荘の周辺は、下草が借り上げられた清々しさの中に、夏の侘びた残花と、初秋の花々が入り混じり猛暑の中にも高原の少し早い秋を感じさせてくれました。
「美の国からの美のための大使……天心。妙高高原こそなり、霊感満ち満つ世界一! 世界一の景勝の地!」との案内板を目にして、ここはそういう土地なのかと、記憶にとどめ山荘に向かいました。
 お家元の供茶式が厳かに始まり、六角堂の天心像の前に捧げられた白天目の前で、袴姿に式章を懸け、般若経を唱える会員の方のうしろで、今ここに参加できました幸せに感謝致しました。
 天心山荘のお席は、一行づつ替わる金と銀の法華経のお軸、端正な文字の並びに心の引き締まる思いが致しました。
 視線を落とすと、野の花に囲まれて真ん中に納まった濃いピンクの蕾の蓮が、経筒の緑青に清楚さを一層映えさせて心和ませてくれました。右脇床には観音様。
「天心は美術品を自分のためには収集しなかったが、同じ興福寺の千体仏をひとつ持っておられた」とのお話しを伺い、合掌しながら観音様に対う前客のお姿に安堵感をつのらせながら拝しました。
 欠けた左手には何をお持ちになられていたのでしょうか?
 席主の天心への心のこもった床の飾りに早くも温かい気持ちでいっぱいになりました。九年の間には、と、お正客様のお話によると「山から押し寄せてきた雲が、そのまま茶室を通り抜けていったときもあったとか。雲龍に乗って天心の魂が御礼に現れたに違いない。そして月の夜ではないが、霧の中、プリヤンヴァダ夫人の足音を、いや、プリヤンヴァダ夫人の詩を聞いていたのかも知れないと、三方開け放たれた高い和室に座して、はるか斑尾の連なる山々をぼんやり眺めながら、解放された頭で思い巡らせてしまいました。この地は不思議が不思議でない地なのだから。
 替茶碗、蝶の絵の荘子。夢なのか、自分が蝶なのか、蝶が自分なのか、のご説明に、昨日見学した光悦作「不二山」は、離れて富士山と感じるのではなく、茶碗それ自身が富士山だったのかと思えてきました。
 諏訪大社の参拝、サンリツ服部美術館見学、そしておいしかった昼食、私たちの満足の顔に「本番は明日ですよ」とお家元が一言。
 その本番は、限られた時間でしたのに、なぜかゆったりとした長いときを過ごした様に感じました。細かく泡立てられたお抹茶ののど越しのなめらかな味わいに、これが本番なのだとうなづきました。

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2010年8月29日

基本を大切に –一つの所作に心をこめて

家元招請研究会−【濃茶の基本】

石井良子(福島不白会)

抹茶の準備
濃茶器の準備
 百十三年ぶりという猛暑日の続いた八月二十九日、家元招請研究会が行われました。
 最初に、良い姿勢を保つこと、身体を柔らかくし腹式呼吸により心を落ち着かせることの大切さ、座る、立つ、真行草のお辞儀と実践しつつ、身体の「基本」の指導を受けました。
 点前の基本では、濃茶点前の亭主を務めることになりました。
 初座の炭点前は代点でしたから、点前の間お正客と会話を交わすという稽古になりました。
 後座の始まる前にお花を生けて床にはお家元自筆の「無事」のお軸。お客を迎え、濃茶の点前をはじめました。二度ほど中断し、お家元の服紗四方払い、茶入、茶杓の吹き方、茶筌通し、茶碗を温める所作の見本を、身近に拝見することができました。日頃の稽古は点前の所作の流れを重視してきましたが、「基本」の大切さを再認識いたしました。
濃茶点前
濃茶点前 道具拝見の場面
 濃茶の亭主相伴のことから、抹茶の量とお湯加減について、お家元から助言をいただき、お茶を練ることができました。お正客の方からとてもおいしいお茶でしたと言っていただき、ほっといたしました。亭主が心を込めて練ったお茶をお客と同心で味わうことができる茶事、とても勉強になり充実した研究会でした。

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2010年8月2日

小学生体験茶会を開催して

中野里雪(新潟不白会)

体験会風景
はじめての茶室、はじめてのお抹茶
 学校の夏休みが始まり間もない八月二日、地域の町内子供会の夏の行事としてお茶体験会を企画し、小学生三十二名が午前二回、午後一回に分かれて自宅茶室を訪れました。当日は中野社中の稽古日でもあり、参加した子供たちのほとんどがお茶は初めてで、お茶室の雰囲気、着物姿に少し緊張した面持ちで自然と姿勢を正していました。
 母の中野宗順がごあいさつや、お茶室、日本文化の話を分かりやすくお話した後、五人がお社中のお点前を拝見しお菓子とお茶をいただき、残りが立礼席で実際に自分のお茶を点ててみて味わい、それぞれ交代するという段取りにしました。
正座する子供たち
思わず背筋が伸びる
 中野社中の温かなご協力を得まして、和やかな空気の中、ほんのりと色のついた朝顔のお菓子をゆっくり味わう子供たちや、普段とは異なったテンポや動きに注目する子供、必死でお茶を点てようとする男の子など、興味を持つ素直な気持ちに接し、暑さを忘れる思いでした。お茶は苦いけれどおいしい、お茶を点てるのは難しいけれどもまたやってみたいとの声が感想文に多く綴られていました。
 また、子供たちの会を終えて、お世話役のお母様方に一服差し上げた折にも、お茶が大変美味しいと喜ばれ、興味をもたれたようです。以前はおそらく日本の日常生活の延長線上であり、常識であったことが、現代では心理的にも特別な非日常と捉えられていることを改めて感じました。そして一服のお茶がつながりを作ってくれるように思います。
 娘のおかげで持てた世代の異なったお客様に、私たちもおもてなしの本質を考え、実践する機会を得ることができました。同時に日々行っている稽古の意味を再認識しました。
 お家元のご指導を指針に、気軽に、しかし基本はおろそかにせず、これからもお茶を日常に取り入れる様々な取り組みに関わって精進してまいりたいと思います。
立礼風景1
お抹茶を点ててみる
立礼風景2
お抹茶の味は?
アンケート結果
アンケートの分析結果

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2010年8月1日

熊谷不白会 夏季講習会開催

根岸宗昌(熊谷不白会)

濃茶の講習
濃茶点前を学ぶ–亭主相伴
 八月一日、鴻巣市箕田公民館において熊谷不白会恒例の夏季講習会が行われました。猛暑の中、四十六名の参加者があり熱心に学びあいました。
■テーマ 1 濃茶の点前
 今年の家元研究会の課題である基本「濃茶の点前」の勉強を致しました。
 席入り後、亭主と正客の挨拶があり、代点による炭点前。初めて見た透木釜と遠山の灰の景色、炭の美しさに目を見張りました。
 
炭点前
炭点前
中立ち後、一味同心による濃茶点前。「一碗を皆でいただくことにより心を一つにする」を実践致しました。形ではなく心が大切であることを学びました。
 また、「山中歴日無」のお床、雪花紋の風炉先等、お道具についての熱心に会話がなされ、おいしいお茶をいただくとともに道具を観賞し楽しむことの大切さを学びました。
■テーマ 2 香付き花月
 無言での作法を重視する花月。静まり返り、名香羅国の香りがただよう中での花月はより一層緊張感が高まり趣が感じられました。香合は会場に回され、皆で香りを楽しみました。
香付花月
香付き花月
■テーマ 3 数茶
 支部長先生の丁寧な説明のもと、一回目は五人で、二回目は十数名での実践。難しかったですが、慣れるに従い楽しさも感じてきました。
 猛暑の中での一日講習会でしたが、参加者の熱意が暑さを吹き飛ばすほどで充実した時間となりました。

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2010年7月29日

日本の茶の湯について

Dr. Juergen Ploetz (ドクター ユルゲン・プレッツ)(ドイツ在住)

プレッツさん
ドクター ユルゲン プレッツ
 (連載「ドイツからの便り」No.4(『ひとゝき草108号』に登場したドクター ユルゲン プレッツから投稿がありました。野尻明子さんの翻訳とともに掲載します。)
 日本の茶の湯は、ドイツではほとんど知られていません。多くの人がこれについて聞いてはいるものの、その奥に何が隠されているか、また、Teezeremonie がどのような意味を持つのか、知る人はご く僅かです。私達ヨーロッパ人が茶の湯の表現に用いている、ドイツ語のTee-"Zeremonie" 、英語の Tea ceremony そして、 フランス語の Cérémonie du thé  という概念が、既にヨーロッパにおける知識の欠如を示しています。そして、この表現の表面的な第一印象は、「儀式」あるいは「厳格に規則付けられた飲茶」です。
 精神的な道としての茶の湯の理解を持たない私達が初めて茶の湯に接するとき、(予想に反して)率直さと思いやりが求められます。そして、普段と異なる立場、目新しい茶室の様子、制限された空間での動きや仕草が私達を最初不安にします。しかし、この不安は、同時に日常的に習慣化している態度や動作の型から私達を解放してくれるもので、不安を克服すると、私達は、より思いやり深くなり、同時に精神的な安らぎを与えられます。思いやりと落ち着いた静寂、という茶の湯の本質的な特徴は、私にとって茶の湯の初めであり、これからもたびたび私をヴュルツブルクでの茶の湯へ導いてくれるでしょう。

(原文)
Die japanische Cha no Yu ist in Deutschland kaum bekannt. Zwar haben viele davon gehört, doch was sich genau dahinter verbirgt und was die Teezeremonie ausmacht, wissen die wenigsten. Die Unkenntnis in Deutschland bzw. in Europa zeigt schon der Begriff, den wir Europäer für die japanische Cha no Yu verwenden, nämlich Tee-"Zeremonie" (engl. Tea ceremony, franz. Cérémonie du thé etc.). Der erste, oberflächliche Eindruck ist in Deutschland der Rituals oder eines streng geregelten Teetrinkens. Das Verständnis der Cha no Yu als Weg, insbesondere als geistiger Weg, ist erst einmal nicht vorhanden. Daher verlangt die erstmalige Teilnahme an der Cha no Yu Offenheit und große Aufmerksamkeit von uns. Bei der ersten Teilnahme sind wir stark verunsichert, da wir uns in einer ungewohnten Situation und einer neuen Umgebung (Teehaus) befinden und uns nicht so frei wie gewohnt bewegen und verhalten können. Diese Unsicherheit ist aber gleichzeitig sehr befreiend. Sie befreit uns von unseren täglichen und alltäglichen Handlungs- und Bewegungsmustern. Sie lässt uns darüber hinaus aufmerksamer werden und beruhigt gleichzeitig den Geist. Aufmerksamkeit (Ichigo Ichie) und Stille (Jaku) sind die beiden Wesenszüge der Cha no Yu, die für mich am Anfang stehen und die mich immer öfter zur Cha no Yu in Würzburg führen.
Jürgen Plötz

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2010年7月25日

茶事研究会

家元招請研究会

長野不白会

茶事の研究会
茶事の研究会/歓迎の挨拶の場面
■臨機応変……市川宗恵
 去る、七月二十五日、お家元をお迎えして「お茶事」の研究会が行われました。まず、柔軟体操と呼吸法、そして立居の実践指導がありました。終わった頃から心身共に清々しい気持ちになりました。お家元の言うように、普段のお稽古にも取り入れてみたいと思いました。
 それから「お茶事」の流れに沿って迎付から始まりお正客からのお席入り、ご亭主とお正客のご挨拶、お炭点前と進みました。
 濃茶点前では、途中お家元による服紗捌き、茶筌通しの見本のお点前があり、ご指導というより芸術の域として拝見しました。
 点て出されたお濃茶はお正客から順にお詰まで廻り、最後にご亭主もいただきました。これは一碗のお茶で主客がより近くに感じるという「お茶事」にぴったりの趣向であると思いました。
   薄茶点前は私が担当しましたが、お正客になられたお家元にもう少し大服で差し上げればよかったと反省しました。今回研究会に参加して何事も臨機応変が大事ということを感じました。それにはまず基本ができていないと成り立たないことであり、改めて基本の大切さを感じた一日でした。
記念撮影
研究会終了後、記念撮影
■亭主を学ぶ……小宮山宗裕
 亭主の役割で学ばせていただきました。朝からそれぞれの役割、炭点前を担当する人、薄茶をする人、濃茶は私が、と、各々に準備をして席を設え、お家元をお迎えしました。
 点前座を改め、お客様をお迎えし、席入りをしたお客様との挨拶。お招きした側の配慮を表わすことについて学びました。
 炭点前が進む中でも、私は亭主として座を取り仕切るという役割があること、炭点前と薄茶は他の人の役割と思い、自覚がなかったことは大変な反省点でした。
 濃茶点前では、途中でお家元が見本を示しながら、丁寧にご指導をいただきました。
 「特に濃茶はゆっくりの方がいいですね」「鐶が熱かったら、服紗を使っていいですよ」と点前の途中で具体的に指摘してくださったので深く理解でき、また、落ち着いて点前を進めることができました。
 お客様をお招きした時の亭主の心構えを、日常の暮らしの中にとり入れていきたいと思いました。

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2010年7月4日

清次を担当して

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

中尾宗禮(新潟不白会)

貴人点て
貴人を迎えて天目茶碗による点前
 去る七月四日、宗康先生招請研究会がシルバーホテルで行われました。
 午前中「貴人清次」、午後「茶道具の仕舞い方」について、ご指導いただきました
 「お茶事において貴人をお招きする」ということで、会場がホテルでしたので、お席造りを舞台形式と致しました。配役は抽選で、たまたま貴人は男性、そして清次役が私となりました。進行中ポイントの所々で、宗康先生の解説とご指導をいただき、お殿様にお仕えする家来の心配りや所作、お殿様と亭主との間に座し、臨機応変の対応が大切なのだと学ばせていただきました。
解説
宗康先生による貴人点解説
  貴人清次は古典ですが、清次役を終えた今、相手を敬い思いやる気持ちは、いつの世でも変わらぬとても大切な事だと改めて深く感じ入りました。
 午後は、茶道具の仕舞い方について、箱紐、長緒の結び方、風呂敷での包み方等、会員の方々は、持参の道具で熱心に練習いたしました。宗康先生に身近にご指導をいただきたいと次々に舞台に上り、大変和やかな研究会となりました。

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2010年6月22日

あやめ祭りを終えて-私の町の小さなお茶会を育む

面川晴雪(福島不白会)

抹茶体験風景
興味津々で茶筌を振る少女たち
 鏡石町主催の「あやめ祭り」も恒例となり八回を重ねました。町民お茶会も企画されて五回目の参加となりました。回を重ねていくうちに、身近に感じられるお茶会とは何かと課題を持ち始めました。
 町にある県立高校のオランダ姉妹校との交流会や国際交流クラブの場で、「お茶を点ててみましょう」と体験コーナーを担当してきたことから、今年度は町民の皆様と体験しようと計画しました。
 六月二十二日、テーブルをコの字型に設営した会場では、盆に菓子とお茶と湯を入れた茶碗、茶筌をのせてお運びし、点て方や飲み方を話しながらお茶を味わっていただきました。
 昨年「もう一服」と言って、二服の抹茶を飲んだ女児は四歳になり、「私もやる」と満面の笑みで席につき体験をしました。部活帰りの中学生も訪れて、興味津々に茶筌を振り、一服のお茶を「おいしい」と、ほっと一息の安堵を得たようでした。また、この祭りより先に行われた春の文化祭生花コーナーでお茶の体験をした親子は、「今日のお茶会を楽しみにして来ましたよ」と、にこにこの笑顔で席に着きました。
 カナダからの外国人英語教師は、「はじめてです。にがいのかと思いましたらおいしいんですね」。幼児は「幼稚園でやったことあるよ。いい味がするよ」……。八十代の方は「女学校で習いましたよ」と、コの字型の茶席はにぎやかな繁盛でした。社中の方々の心あたたかな応対で、笑みのこぼれる和やかな茶会となりました。
 これからも、多くの人にお茶の文化を体験してもらい、私の住む町の小さなお茶会を育んでいきたいと思います。

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2010年6月20日

主題に合わせて古を偲ぶ

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

有吉宗夏(久留米不白会)

亭主
貴人に茶を点てる
 小雨降る六月二十日、少林寺におきまして、宗康先生招請の「貴人清次」の課題で研究会が行われました。いつもとは異なり、貴人様のお道具、清次の方の道具の取り合わせの違いに心を配りました。また、貴人役になられる方が、還暦と伺い、床に流祖の寿の文字と亀の絵を掛け、長板の二つ置きに平水指を置いて、すっきりとまとめたいと思い、色々と愉しみながら、お道具を決めていきました。
貴人と清次
貴人と清次
 貴人清次の貴人様は、昔ではお殿様、清次は家来、、清次の心くばりと亭主とのつながりが課題だと宗康先生より伺いました。早速実践に入りました。貴人様においしいお濃茶を差し上げる事だけを思いながら、お点前が進みました。
仕舞い方
茶道具の仕舞い方。長緒の結び方ほか箱紐の結び方、風炉敷の包み方など
 最初は、時代錯誤のような気持ちでしたが、お点前が進むにつれ、相手を敬う気持ちは、姿、形は違っていても昔も今も、変わらない事に気づかせていただき、亭主を務めさせていただきました。おしまいに、貴人点には貴人に応じた臨機応変さが必要であった、というお話がありました。

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2010年6月13日

上越茶道会茶会

高田不白会

青峰の掛物
宗康先生筆「青峰」
●席主をして……竹田隆雪
 六月十三日、上越市内各流派の会員持ち廻りによるお茶会が、有沢製作所内茶室「一期庵」で開かれ、薄茶席の席主を務めました。上越茶道会は上越市内各流派有志約二百名程の会員で構成されています。現在の会長は当流の小川紫雪支部長です。朝から天候にも恵まれ、早苗の植えられている田んぼを目の前にお茶会が始まりました。
 床に宗康先生筆〈青峰〉の扇面を掛けてみました。竹一重切に伊吹虎の尾等を入れました。木地の雪輪棚に備前の水指、赤楽の茶碗を主とし、棗は不白在判。蓮々斎の極のある町棗、埋木の茶杓を取り合わせてみました。初夏のすがすがしさを出そうとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。そんな中でも道具組やお客様との応対の難しさなどに、次回の教訓を感じた一日となりました。
席中の写真
席中の様子

●お招きする立場で……浅野柚雪
 今回私たちはお客様をお招きする立場での参加です。お呼ばれした際にはいつも心尽くしのおもてなしで毎回感激しておりますので、この度は皆様に喜んでいただけるよう席主をはじめ水屋一同精一杯務めさせていただきました。
 しかし、いざお手伝いをしてみると、お炭、床、席の手入れ等々想像していた以上に細かい仕事が多く、また普段のお稽古ではできない貴重な経験もたくさんあり、大変勉強になりました。
 無我夢中のうちに進んでいく中で、時折お客様から笑顔で「よいお席ですね」「おいしいお茶ですね」とのお声を頂戴し、感激も一入でした。ふと気がつくと初夏の妙高山を思わせるお菓子が、お庭の緑ともとてもよく合っていたように思います。
 今回諸先輩の指導のもと、無事にお茶会が終えられたこと、大変嬉しく、また改めてお茶の素晴らしさを実感することができました。

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2010年6月5日

名物茶入飾りで亭主を学ぶ

宗康先生招請研究会

田中宗央(福岡不白会)

名物茶入を扱う
正客の前で名物茶入、盆を披露
 名物茶入飾りでは、貴重なお茶入の扱い方を学びました。大切なお茶入ですので、姿勢を低くしてゆっくりと大切な扱いをいたしました。
 先生が実際に服紗さばき、お茶入の扱い、お盆の清め方などお手本を見せて下さり、ゆっくりとした動作の中にもリズム、呼吸が大切なのだということを体得いたしました。
 初座の名物飾りからはじまり、お炭点前、濃茶、薄茶と、お茶事の形ですが、社中の若い者でそれぞれが担当し、断片的だったものが一つの流れとして理解できました。
 また後の時間では、長緒の扱い方、箱の紐結び、ふろしきの結び方などお教えいただき、本質に触れた思いでした。
茶入の扱いを繰り返す
割り稽古
 私にとって、亭主役は初めての経験で、また不慣れなことでしたが、ご指導をお受けすることで、ひとつひとつ思いを深くいたしました。また、準備の段階では特にお道具組みがいかに大切かということをご教授いただきました。
 今回の研究会にあたり、大変貴重なお道具の数々をお出しいただきました賛助会員の田中孝先生には心より感謝いたしております。そしていつの日か、自分なりの趣向で余裕をもってお茶事ができるようになるため、今後より一層お稽古に励みたいと思いました。

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2010年5月23日

須坂不白会、十周年を迎えて

松崎葉雪(須坂不白会)

山岸宗洋支部長挨拶
山岸宗洋支部長。挨拶と御礼
家元より書をいただく
家元から「薫風」の書をいただく
家元祝辞
家元、お祝いの言葉
 新緑が目に染みる五月二十三日、私ども須坂同好会は、発足十周年を迎えることができました。これを機に、お家元の勧めにより江戸千家須坂支部として再出発することになり、記念祝賀会を割烹「能登忠」にて開催いたしました。
 ご来賓には、地元市長様、お家元ご夫妻、宗康先生ご夫妻、東京、長野、高田不白会の先生方をお迎えして、記念式典を行いました。
 お家元からは、十周年のお祝いとして、お言葉と共に、今の季節に合う「薫風」のお筆をいただきました。宗康先生には、お手作りの茶杓をいただき、須坂支部のお宝として今後大切にお扱いしていきたいと思います。
 午前は祝賀会、午後は、茶席を二席でお楽しみいただきました。
 この度十周年を迎えられたのは、故金原先生が、須坂の地に種を蒔き育てていただいて四十年、おやさしくご指導いただき、今日の日を迎えることができました。
 年二回の家元招請研究会では、お家元に直接ご指導いただきながら精進して参りたいと思います。
 小さな支部ですが、これからも茶の湯の伝統を大切に、会員の親睦を計りながら、研鑽を重ねていきたいと思います。
茶席の様子
記念の茶会
茶席の様子2
思い出を語り合いながら、お茶を楽しむ

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「神戸丸」出航–神戸同好会発足に臨んで

渡辺宗倫(神戸同好会)

神戸夜景
神戸港・メリケンパークの夕景
 この度 神戸港より江戸千家同好会「神戸丸」が出航致しました。乗組員はわずか十七名の超小型船です。
 神戸という町の響きはハイカラ、エキゾチックな文化都市をイメージされる方も多いと思います。六甲山に港町、洋菓子に神戸牛そして酒蔵とさまざまな異国文化と日本文化が入混じったバタ臭い町です。
 この町がちょうど十五年前に阪神淡路大震災に見舞われ、瓦礫の町と化しました。私の家も全壊し、生埋めになりました。その当時、お家元様始め皆様からお見舞いや励ましの言葉を頂いて今日までお茶を続けることができました。そして私が米国より帰国して神戸に移り住んで二十年という節目の年に同好会として新たな出発を迎えることができましたのもお家元様のご推挙と社中の皆様の熱意に他ならずと感謝にたえません。
 「神戸丸」の船出を記念して五月二十三日に甲山(かぶとやま)山麓の高台にあります北山山荘にて茶会を催しました。午前は山荘にて発会式とお食事をいただき、午後に離れの茶室「不盡庵(ふじあん)」にてお抹茶をいただきました。当日は雨模様でしたが、庭園の濃緑が皆様の笑顔に冴え渡り、非日常の一日を楽しみました。  これをご縁にどうぞ全国の、そして世界の江戸千家の皆様、私共「神戸丸」をお見守りくださいませ。
記念の茶会
同好会発足記念の茶会
記念茶会2
記念撮影
神戸丸乗組員の記念撮影

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2010年5月16日

基本を繰り返す

家元招請研究会−【基本】

有川宗良(群馬不白会)

立居の稽古
立居の稽古:「歩く」
 朝から、爽やかな気持ちの良い五月の一日でした。日常せかせかと暮らす中で、お茶の集いの日ばかりは、落ち着いたゆったりとした気持ちで楽しく社中の数人で参加させていただきます。
 今年の研究会の課題は「基本」。立居、所作、炭、濃茶、薄茶が取り上げられる中で、立居では、「歩く」「おじぎをする」等の基本動作が繰り返し行われます。お家元の所作の、能の舞を彷彿とさせる動きには誰もが見入るばかりでした。  続いて、参加者が広い会場の畳の上で、身体をこちこちにさせながら、礼についての真行草、また、歩き方についての真行草と指導をしていただきました。思うようにはならず、後何回か、この度のような形の研究会があったらと思います。
炭点前
代点による、炭点前の稽古
 呼吸法についても、常日ごろにも役立つものというお話がありましたので、社中の者と稽古の前にほんの数分ですが、続けております。
 点前や作法では、形より精神が大事と家元は繰り返し話されますが、つい、形に拘り、以前は?、ここは?、等、腑に落ちないと心配したり、悩みます。この研究会では、四方払い、茶筌通し、について、しっかりと理解することができました。
 はじめて参加させていただいた我が家のお弟子さんの一人が、日頃口数も少ない方ですが、研究会の終わりに、お家元から「何か質問はありますか?」とのお声かけに、意を決した如く、的を射た質問をした時は、はっとしながらも嬉しく思いました。お家元は、参加者の質問に快く、明確なお答えをくださり、皆さんの気持ちの中にお家元を近くに感じたことと思いました。充実したよい研究会でした。

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2010年5月5日

充実した研究会

家元招請研究会−【基本】

岡林宗翠(高知不白会)

濃茶見本点前
家元による見本の点前を注視する参加者
 風薫る五月五日、高知城ホールにて、「基本」の家元招請研究会が行われました。
 午前中、まず基本の大切さを解説していただき、柔軟体操で身体を十分にほぐし、心を整えた後に、立居、挨拶の実践指導を受けました。
 続いて寄付にて、亭主の迎え付けの後、客入席。床には、家元自筆のお軸「郭公自南来」、まさに新緑の中からそのさえずりが聞こえてくるように感じました。
 私は、亭主の代点で、初炭点前をさせていただきました。心地よい緊張感の中、家元から、たいへん分かりやすくアドバイスをしていただきました。
濃茶点前
繰り返し基本の所作を学ぶ
 昼食の後、客は寄付でお菓子をいただき、亭主がお花を生け、点前畳、踏込畳を拭き、水指、茶入を飾り、お迎えに行き、客入席。濃茶点前の途中で、服紗さばき、茶筌通し、茶入、茶杓の拭き方、一つ一つの基本と流れを丁寧にご指導いただき、奥の深さをあらためて痛感いたしました。後炭の乱組みは、家元に組んでいただきました。
 後炭点前、お薄点前と続き、出席者全員でおいしくお茶をいただきました。最後に、「長息は長生きにつながる」と、呼吸法に関するお話をいただきました。活発な質問も出て、皆それぞれに、いろんな新しい発見と感動をすることができ、とても充実した研究会となりました。
 そういえば、家に野鳥のさえずりを集めたテープがあったような……、今度、皆で集まる時には、そっと「郭公」の声を流してみましょうか。

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2010年5月2日

「世界お茶の祭典」開催される

西村宗櫛(ロサンゼルス不白会)

節句飾りの前で
季節を感じる節句飾り
 去る5月2日「世界のお茶の祭典十周年記念大会」が、カルバーシティーのロイヤル・カフェで開催されました。
 日本、インド、中国、スリランカ、英国、アメリカ、ジプシー他様々な国のお茶の紹介、販売などが行われる賑やかな祭典です。
 そして、日本は江戸千家ロサンゼルス不白会が担当、西村社中が午後2時と4時の2回のお点前を披露しました。各国の人達が、柏餅とお抹茶を美味しそうに味わい、興味津々でお点前を写真に撮る人、メモを取る人、点前が終われば質問攻めでした。
点前
 5月端午の節句ですので、フロントに兜、刀、寅の色紙、そして竹の子にアイリス、鯉のぼりを飾りました。
 この祭典を通じ、お抹茶が外国の人達に色々の方法で飲まれていることを知り、驚きました。お茶のブームの他にも、スシや酒など日本の食文化が海外で受け入れられ、喜ばれています。
 この度八女茶の星野園さんの協力のもと、「星の奥」を使いました。隣では、八女茶の展示販売のコーナーも儲けました。
 各国の報道陣の取材も多く、LAタイムス、TV局なども大きく紹介されました。
興味津々
興味津々の参会者
点前の後は質問攻め
点前の後は、質問攻め
様々な国の出店
様々な国の出店2
様々な国の様々なお茶
八女製茶園も出店
八女製茶園の展示販売コーナー

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取り合わせる楽しみ – 月例福祉茶会を終えて

石田宗桜(岩手不白会)

高村光太郎書
吾山にながれてやまぬ
山水のやみがたくして道はゆくなり 光太郎
 五月二日、市の月例福祉茶会を担当いたしました。最初、席主の集まりの時、「このような時勢ですから、書付などにこだわらず、取り合わせを楽しみましょう」という、茶道協会の方からの言葉に後押しされて、自分で用意できる範囲で取り合わせを考えてみました。
 爽やかな初夏の席にお客様をお迎えしようと思い、寄付は「清」の色紙、本席は高村光太郎の書、清風卓、竹絵染付の水指、「遠山」の棗、「薫風」の茶杓、茶碗は対州御本、替茶碗は「青楓」、菓子は「若葉」と、取り合わせてみました。釜は南部釜の職人をしている息子の泉釜を使いました。
 今年は天候不順で、予定していた花はなかなか咲かず、冒険でしたが、「風車」を原種とするクレマチスの白一輪を翡翠色の鶴首に入れてみました。光太郎の山荘を訪ねて、書の背景などをいろいろ調べてもみました。高村光太郎について知っているお客様も多く、口下手な私でも何とかゆとりを持って会話ができ、嬉しく思いました。
 久しぶりの大寄せ茶会でしたが、いろいろな方の助けをお借りして、なんとか終えることができました。

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2010年5月1日

濃茶の亭主をして気づいたこと–緊張と学べる喜びと–

家元招請研究会−【基本】

宮川宗貴(福岡不白会)

濃茶点前の始まり
濃茶点前−まずは挨拶
 新緑が美しい初夏の五月一日。お家元においでいただき、東洋陶磁美術館、慈庵にて研究会が行われました。
 端午の節句で、鍾馗様の軸、大山蓮華の白と緑の葉がすがすがしい床飾りの中、午前は体操、立居振舞い、炭点前。午後に濃茶、薄茶という課題で細かいご指導を賜りました。
 特に濃茶では、点前を中断し、お家元の服紗さばき、茶筌通しなどの見本の点前が繰り返され、その所作を身近で拝見できたことはとても勉強になりました。
 亭主をして難しいと感じたのはお客様が席入をして座につかれた後、亭主が出て行くタイミングでした。茶道口に控えて待っている間、お客様の気配を感覚を研ぎ澄まして感じなくてはいけないと痛感いたしました。四畳半の点前でしたが、亭主、半東、お客様の動きも難しいものだと感じました。
亭主相伴
亭主も相伴
 また、濃茶を点てるお抹茶の量が、たっぷり茶入に入れていたつもりでしたが、まだまだ少なく、せっかくのお濃茶がおいしく点てられなかったと、お客様に申し訳なく思いました。もっとがんばらねばと心新たに思ったことでした。。
 研究会は緊張感もあり、新しいもの、知らなかったことを学べる喜びを得ることができます。お家元に来ていただけることは幸せなことだと感じた一日でした。

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2010年4月29日

廻り炭の研究会を終えて

博子先生招請研究会−【七事式】

五十嵐宗合(福島不白会)

廻り炭"
様々な炭の組み方を学ぶ
 ゴールデンウィークの初日、白河南湖公園・松楽亭にて博子先生をお招きしての研究会が行われ、廻り炭についてご指導をいただきました。  お炭の修練のための廻り炭ということで、いろいろな炭の組み方を拝見でき、大変勉強になりました。  普段は炭点前の基本にそって真の炭について学んでおりますが、廻り炭では、きれいに整えられた巴半田へ、手順に従いご亭主役が炭を上げました。底取りを用いて細かいくず炭まで丁寧にすくい取られ、灰を火ばしで四隅よりそれぞれかき上げる様子などを実際に拝見すると、巴半田に上げられた炭の位置や、たね火となる炭を戻す位置などを確認することができました。
 また、順番にお炭を組む場面では、炭を美しく組むだけでなく、火のおこる順番や、火がおきるまでにかかる時間なども、炭の組み方で調整できると伺い、枝炭の使い方などがとても勉強になりました。
 早くお湯を沸かしたいとき、またゆっくり沸かしたいときと、お茶を点てる時にお釜のお湯が適温であるために、このようなお炭の加減がされていることをいつも心に留めて、一服のお茶を感謝していただきたいと思いました。

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