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2012年3月19日

相伝物-盆点

家元招請研究会-【盆点】

田中宗恭(七戸不白会)

濃茶の前の一献
濃茶の前に炭点前と一献
 三月十九日、研究会の当番をいたしました。ご亭主は宗匠、半東は随行の瀬津様、客の三人は会員から決まり、「八寸」を組み入れたお茶事形式における「盆点」をご指導いただきました。ご亭主、半東は茶席の設定にはじまり、すべてのご準備を整えられました。直々のお手本を拝見でき、大変勉強になりました。「盆点」の意義、唐物名物茶入について講義していただき、体操に心身の緊張を解きほぐしての実践となりました。
唐物の拝見
貴重なものを大事に扱う所作
 初座は主客の会話に耳を傾けました。飾られた唐物茶入の、挽やに記された「玉水」のご銘のことやお茶入の形、三枚のお仕服の由来を学びました。そして、お炭点前、続いて八寸とお酒が持ち出され、お亭主のお相伴によって、より時間をかけられた和やかな光景を楽しませていただくことができました。
一献
亭主も相伴
 後座には、螺鈿盆に「玉水」が置き付けられ、銅鑼による迎え付け、花入には山茱萸の黄と藪椿が入れられました。
 ほどよいお釜の煮えの中、心を込めてゆっくりと練られるお濃茶にしばし見とれ、静寂のうちに時代を経過したお道具が命あるごとくお点前を従えているかのように感じられました。そしてたっぷりと点てられたお濃茶に感動いたしました。
 また、服紗の真・行のさばき方、膝行膝退、亭主と半東の「間」の取り方なども勉強できましたので、これから自分に活かして参らねばと思いました。
 宗匠のお点前による「盆点」。この拝見が叶い、終了後も貴重なお道具や主客の交流の場と共に美しく眼の奥にかがよう幸せな一日でした。

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2012年2月26日

米棚の飾り方 十三通り実演

宗康先生招請研究会

小泉恵雪(岩手不白会)

棚物の点前
  二月二十六日、まだ雪深い盛岡に宗康先生をお迎えして、研究会が行われました。
 午前のご講演に続き、午後に「米棚の飾り方 十三通り実演」のご指導がなされました。実演担当の私は、宗康先生のお話に耳を傾け、ロボットのように、ご指示通りに点前を進めることに務めました。そんな中、お点前の流れの一部だけ(棚に飾り、それを解く)を繰り返すことの難しさを痛感し、日頃の精進の足りなさに反省しきりでございました。
服紗捌きの稽古
 教本に、十三通りの説明がありますが、実践と結びつけると疑問が湧いてまいります。先生の解説でその疑問が一つ一つ解き明かされていきました。特に、どのような場面で使う飾り方かをイメージするいことの大切さを納得いたしました。宗康先生のお手本を会員皆が注視していました。また、癖は自分では気が付かない曲者です。ご指摘いただき、このお役をいただいたことに感謝いたしました。
 例年は十月の気候のよいときに行われますが、今年は岩手不白会八十周年行事のため厳寒の候に行われました。充実した研究会でございました。

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2012年1月28日

ロサンゼルス不白会 初釜

ロサンゼルス不白会西村社中

初釜場面
濃茶で、一二三
 一月二十八日、江戸千家ロサンゼルス不白会西村宗櫛社中で、初釜が行われ、その様子が現地日本語新聞「羅府新報」で紹介されました。記事中より一部を要約し写真とともに紹介します。
  ◇  ◇  ◇
「初釜で茶道への理解深める  新春の一服を堪能」
 正月にちなみ、茶室には結び柳と紅白梅、床には羽鳥西恒筆「松柏千年翠」、鶴の花入には、松竹椿の他、庭に咲き誇っていた桃の花も添えられた。初座の炭点前では、亭主は「皆様の運勢が、天に昇る龍のように上昇し、今年も良い年になりますように」と、挨拶。手づくりの料理に続き、濃茶席では西村支部長を正客に、点前の採点をし互いの上達を見る「一二三」を行い、薄茶の席では客の振る舞いの心を学ぶ「数茶」を行い、それぞれ新春のお茶を堪能した。
 西村師は、「いたるところに今年の干支が生きており、新年のめでたい気持ちとともに大変おいしくいただきました」と感想を述べた。七事式の中の二つを経験した参加者からは、「ゲームをしているようで楽しかった」との感想が聞かれた。
  ◇  ◇  ◇
 なお,記事全文は,次の羅府新報のWebページでご覧いただけます。
 ○羅府新報記事:「江戸千家ロサンゼルス不白会:新春の一服を堪能」

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2012年1月7日

初稽古 

高野宗廣(茨城不白会)

初釜・初稽古
 新年、一月七日、自宅で初釜を催しました。時間と労力を惜しまず、心からの「もてなし」を心がけ、大勢で参加する和やかな茶会をテーマにしました。昨年の暮れに、試行錯誤しながらの会記作り。徐々に気持ちを高めていきました。掛物は「無事是吉祥」竹台子、皆具は唐銅。茶碗は萩。十一名の客を迎えました。
 席入り後の献茶に始まり、炭点前をし、しばし湯音に耳を傾け、この静寂な心地よい時間を過ごせる事に、心から感謝いたしました。茨城支部では、昨年は皆で楽しみながら稽古ができる「花月」を数多くしましたので、それを実践してみようと思いました。
 初めは、花付き花月。次は香付き花月。香銘は、「梅の香」。休憩を入れ、続いて懐石料理が運ばれ、和やかに寛いだ雰囲気になっていきました。私が凝った一皿は幸運が重なりますようにと、食材に「ん」が二つ付く物。銀杏、半片、隠元、人参、蓮根、金柑。等々十二種を盛り込み、南天と金粉で飾った料理。笑い声が上がり、指を折ったり、声に出したりと、話がはずみました。お酒は甘酒。熱いうちにと気になる一つでしたが、満足していただけた様でした。
 中立ち後、最後は、いよいよ濃茶付花月。菓子は、富貴豆を栗きんとんで包み、花芯は梅肉で色付けしてみました。銘は「白梅」。集中した数回の練習の成果も出て、やっと安堵の面持ちになっていきました。茶銘は「妙寿」、詰は伊藤園、茶杓は「希望」。
 なるべく自分らしい手づくりでと心がけた初釜を兼ねた初稽古は、十時から二時までの四時間。終わってみれば、あっという間の感じがします。
 この年が、平和で健やかでありますよう、切に願い手を合わせました。多くのお仲間の方々と、お茶の稽古を楽しめる幸せを噛みしめた年のはじめでした。

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2011年12月3日

ご相伝に臨んで

大井朝雪(長野不白会)

相伝式記念写真
あこがれの看板を手にして
 
  十二月三日、支部長宅のお茶室にての相伝式で師範のお免状をいただきました。
 最初にいただいた茶通箱の許状から乱飾の許状は書物でした。師範になりますと、お看板もいただき、そこにはやさしい書体で、師範と道号が書かれておりました。適度な重さのお看板を手にして私がお茶の師範を? いいの? と一瞬思いました。自分の未熟さを感じて修行中なのにいいのかな……と思ったのです。
 若いときから「お茶」、この言葉の響きに何か心が癒される感じをもっていました。いつか茶道を学びたいと願い、五十代半ばで始めました。意欲はあっても身体がお茶バージョンになかなかなれません。また、茶道の世界は幅が広く、その一つずつの奥がとても深いと驚きました。「喫茶去」、その意味を知ったとき、なんとお茶の世界は話のわかる気持ちの大きな世界なのでしょうと思ったものです。ところがお茶の世界を少々知った今、この言葉はお茶を点てる人、お茶をいただく人がともにお茶を深く理解している、その時に使われることがもっともふさわしいということがよくわかりました。
 しかし、あまり考えず前向きに、師範のお免状はやっと茶道入門を許されたものとの言葉を思い出し、これからお看板に恥じぬように精進しようと思います。
 先生、先輩、仲間の皆様、そして協力してくれている家族に感謝し、また人生の最終章で魅力ある趣味に出会えたことにも感謝して精進しながら「お茶」を楽しみたいと思っています。

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2011年11月27日

台飾りと続き薄茶

宗康先生招請研究会

宮川宗貴(福岡不白会)

 研究会のテーマが一度もお稽古をしたことがない「台飾り」ということで、その亭主役をすることにとても不安な気持ちで当日を迎えました。
 台天目を簡略化したものとはいえ、日頃、供茶等以外で、お客様に天目台で茶を出すことも、客となっていただくこともありません。
 宗康先生から細かく一つずつご指導いただいたことで、基本的な所作、お客様に対する心遣いをこれから先の茶事に実践していければいいなと感じました。不安から始まった一日でしたが、研究会の後はとても充実した気持ちになりました。
 午後は続き薄茶でしたが、普段曖昧になっていた基本をしっかりおさらいしました。日頃実践することも多く、あらためて勉強になりました。
 

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2011年11月23日

台飾りと付薄茶

宗康先生招請研究会

望月宗盛(甲府不白会)


	飾り方
天目台を飾る
 甲府不白会では宗康先生をお招きし「台飾りと付薄茶」の研究会を紅葉の森の中にあります山梨県立文学館の「素心庵」で行いました。
 「台飾り」は台天目の省略点前・台天目平点前と書物には記されています。どんな心構えで点前を進めるのか、研究会当日まで不安でした。
 宗康先生の到着を待って、茶席、観客席が設えられました。そして漠然としていた気持ちが落ち着き徐々に亭主役を勉めさせていただく心構えを感じ始めました。
見学
 最初の講義で、客を大切に敬い、心からの点前を精神性をこめてするようにと教授して頂きました。
 心と身体が一体となり、おもてなしをするしぐさを懇切丁寧にご指導していただきました。心を表現する難しさと茶道の奥深さをしみじみと感じました。そして生涯勉強の世界であることを再認識できました有意義な一日でした。

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2011年11月22日

岩手不白会研究会レポート 2

家元招請研究会−【茶事の実践】

岩手不白会

 「茶事の実践」の家元招請研究会各席の茶事のレポートから2席を紹介します。
 この2席を含む全19席のレポートは、Facebookの江戸千家ページでご覧いただけます。
次のリンクをクリックしてください。
  ●岩手不白会研究会レポート2(全19席)

 …… ……
茶会風景
 ◎茶事の実践研究会
     平成二十三年十一月二十二日
    亭主 田中宗玲  場所 拙宅
    客  菊池宗和様 小田島宗寂様 福士宗久様
(会記省略)
(客の感想)
 その素晴らしく清々しい雰囲気の茶室に鬼霰の広口釜が圧倒的な存在感を放っていました。寒さも深まっていたこの時期には暖かい湯気と立派な胴炭が何よりのごちそうに思えました。また、食べ切れないほどの美味しいお料理に亭主の心遣いを身にしみて感じ、相客さまと共にその後の席の和気あいあい振りを十分に楽しんだ研究会でした。
 田中先生の優しいお人柄が表れたお茶席だったと振り返り思います。
(亭主の感想)
 お客様三名、亭主、半東、水屋、社中のお手伝いをいただき亭主を務めることになりました。日々ばたばたと生活している私には、時間内での茶事の実践で、お客様のおもてなし、気配り又、心の大切さ等々実感しました。
 今後益々心新たに精進したいと思っております。
  ◇  ◇  ◇
◎茶事の実践研究会
   平成二十三年十一月二十三日
   三田宗明宅 聴雪庵
   正客 お家元様 次客 沢田宗彦様 詰 小苅米宗翠様
   亭主 三田宗明 半東 三田宗廣 水屋 澤野宗桂
(会記省略)
(お家元からいただいたお葉書)
 「医家三代の館つましやか
   紅葉して金色浄土ここにあり 雪」
 この度は懇親の茶事にお招きいただきありがとうございました。
(沢田宗彦先生からのお手紙の中から一文)
 亭主と正客の家元音のお話のやりとり、お互いに心から敬い自然体で喜びを分かち合いながらお茶事が進み、同席の私は胸が熱くなりました。お茶事の素晴らしさを切実に感じました。
  ……………
 小苅米宗翠先生には、お詰にて大変お世話になりましたのに、早々と御丁寧な御礼状を賜り、お濃茶が熱くて美味しかったとお書き下さいまして嬉しく存じました。
(亭主の感想)
 老齢の私は今回の茶事は最後の御指導いただけるお茶事と思い、張り切って参加致しましたところ間際になってお正客様にお家元様と伺い驚きやら、うれしさやら、おそれ多い感情に心は乱れました。その上、沢田大先生までお迎えすることが、決まり、心の動揺は隠し切れませんでしたが、幸いお詰が小苅米先生でしたので、意を決して、身体は不自由でも誠心誠意おもてなしを致すべく務めました。思うような充分なことは出来ませんで申し訳なく思っております。でもお茶事の高尚な交わりをご熱心に永年にわたり御教導下さったお家元の有り難いご恩を今回の茶事であらためて深め感謝申し上げております。
レポート紙面

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岩手不白会研究会随行報告

家元招請研究会−【茶事の実践】

沢田宗彦(東京不白会)

席主記念写真
茶事を担当した席主に家元から色紙の贈呈
 昨秋十一月二十二日、二十三日、岩手不白会家元招請研究会へ家元に随行しました。研究会は春と秋の二回行われていて、今回のテーマも「実践」で二日間にわたるお茶事です。午前十時半に各家でお茶事が始まり、午後二時に会場に集合、全員で主客の感想、反省会が始まります。三時間ちょっとの正午のお茶事で、お酒は勿論、ご飯も出る本懐石に近いお茶事です。初日は九軒でお茶事が行われ、私は工藤宗直様の家に招かれました。家元筆「風吹老松吟」に始まる初座、雪見障子を下げて、静かな後座、細やかな配慮の行き届いたお茶事で、お酒に酔い雰囲気にも酔いました。
 翌日は十軒の実践です。私は三田宗明様のお席で、お家元とご一緒でした。お懐石の後、九十五歳の三田先生のお点前で濃茶、主客敬い合い、久し振りの再会を喜ぶ家元との会話に次客の私は胸キュンでした。主客直心の交わりを目の前にして、この経験は私の宝ものになりました。
 二日間で十九軒本格的なお茶事の実践です。随行の前から早々と工藤様、三田様からご招待状が届き、万事行き届いていました。研究会の後、席持ちの各ご亭主から、客組み、会記、懐石献立、主客の感想、写真などA4一、二枚にまとめ、寄せられています。お家元にもこの記録が送られて来ており、拝見させてもらいました。この記録によって、実践内容が忘れられること無く積み上げられて岩手不白会みなさんの貴重な共有財産になっている様子です。
 

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2011年11月13日

実践で予行練習を

家元招請研究会−【茶事の実践】

栗山宗薫(静岡不白会)

炭点前
 今年度の課題は「実践」です。十一月の家元招請研究会では亭主を務めるよう勧められ、勉強のためと思い、重要なお役をお引き受け致しました。
 お家元から常々「無理せず、自分のできることから実践しなさい」と伺っておりましたので、気持ちを楽に持ち身の丈にあったことをすると決めました。
 先ず事前に、友人三人を家に招きお茶事をすることにしました。教本「茶席の支度」を参考にし、茶道具、茶花、点心等流れを具体的にイメージしながら計画を立てました。家には炉がありませんので風炉で、水屋も廊下を工夫しました。床の間に掛物を掛け、花生を置き、お灰を整えた風炉を据えると茶席らしくなりました。点心は季節の素材を使い、お花も庭や道端の草花を用意しました。試行錯誤の繰り返しでしたが、自分のアイディアで一席を作っていくのは、今まで見過ごしていた事の発見でもありました。
点心で一献
 当日は客のお一人に半東をお願いし、入席、炭点前、おしのぎと進み、美味しい一服のお濃茶が点つよう湯加減に配慮しました。お客様は初めての体験とのことでしたが、別世界で和やかな時間を過ごすことができたと大変喜んでいただけました。
 十一月十三日に家元招請研究会に向けては、同じ社中の半東、水屋のお当番と三人で準備をしました。お道具はなるべく自分の物を使用する。炉辺の道具は先生にお借りする。点心は持ち寄りでということにしました。
濃茶点前
 当日は緊張の連続でしたが、お客様にも助けていただき滞りなく終わりました。
 事前に実践することにより、それぞれの手順の意味が理解できました。お家元のお話の中に、「稽古で半分、実践で半分が二倍、三倍の力になる」とお聞きしたことがありますが、納得致しました。
 一席を設けるには、大変な労力を伴いますが、楽しい過程でもありました。お客様と心を通わせることは、自分自身の心も豊になる一時でした。これからも茶の湯に精進していきたいと思います。
 当日は、見事な秋晴れで、富士山も雪化粧をしてお家元を迎えてくれたことはなによりでした。

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2011年11月6日

心尽くしのご相伝式

福田宗勝(大分不白会)

 十一月六日、大分支部では、お家元をお迎えして乱飾のご相伝式が行われました。生憎の雨でお家元には御苦労をおかけしてしまいましたが、感動いっぱいのご相伝式でした。
 しっとり濡れた露地の草木に落ち着きをもらって始まった朝。寄付では期待と緊張が少しずつ膨らみます。そしてお席入り。ぴいんと張った空気、胸が高鳴ります。お家元のお炭点前。息を潜めてしっかり拝見に浸る皆。私もお家元のお点前やお話に神経を集中させました。感動と緊張、至福の時。お茶事が続いていきました。お茶事の後、お家元より、親しく和やかに許状をいただいた十二名、だれもが感激、感激の表情でした。
 ご相伝式で受け取らせていただく事がいろいろあった中、私の心に強く響いたのは、私共の為にお家元がお持ち下さったお軸、「紅爐一點雪」です。
「『こうろいってんのゆき』と読みますが、皆さんは、どのように解釈しますか」
 情景は想い浮かぶものの、解釈については(うーん)と考え込んだ私でした。
 ややあってお家元が話して下さいました。「いろんな解釈ができると思うが、紅く燃える炉中に一片の雪が舞えば、雪という存在は忽ち消える厳しい現象。この厳しい現象を回避するか否かの選択をするならば、敢えてその厳しさに立ち向かう方を取りたい。発想の転換をすることにより、失敗を恐れず勇気を持って挑戦し、新たなものを見つけられる事に期待したい」
といった旨の内容だったかと思います。
 逃げ腰弱腰の自分を見透かされたような衝撃と、お家元の物事に対する熱い姿勢を感じました。
「気の短い人には落ち着きを、気のない人には気付かせるために、茶の湯は結構役立つもの」(便覧四十五号)とお家元が書かれていましたが、「気付かぬ」私は、茶の湯のお陰で教えられ、気付かされの機をいただいたと実感すること多々ありました。そして此の度の大きな気づかされ、「紅爐一點雪」です。お家元よりのこの励まし、贐の言葉は、ご相伝式でいただいた大切な物の一つです。今後は、茶の湯を含め生活の中で、私の歩む道の新たな灯にしていきたいと思います。
 

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2011年10月22日

半東として

家元招請研究会−【茶事の実践】

今川宗寿(久留米不白会)

一堂に会しての反省会
一堂に会しての反省会
 私は水田様のお席で半東の役目を仰せつかりました。
 前回の席持の際、宗匠からいただいた色紙『観楓』を亭主は床に掛け、茶事が始まりました。
 懐石は、亭主の心のこもった秋の味覚の盛り合わせのお膳とお酒。椀ものをお出しした後、亭主も相伴されました。
 お庭の紅葉には早いものの、ウメモドキの実が見ごろでしたので、お縁の障子を開け、秋の日差しの中会話もはずみ、楽しいお食事のご様子でした。皆様お車のせいかお酒はあまり召し上がらなかったのですが、最後に湯桶がわりにお出しした甘酒がたいそうお気に召したようです。
 中立ちの後、掛物をはずし、時代ものの煤竹の籠にアサギリ草、シモバシラ、秋明菊が生けられ、後座へと映りました。
 白木の丸卓に亭主手づくりの水指が置かれ、静かな濃茶点前が始まり、一期一会の一碗を亭主もお相伴されました。
 半東としては、茶道口に控え、タイミングをみながら臨機応変の心配りと立ち居振る舞いを目指しましたが、ご亭主に助けられて、無事務めることができた気がします。
 改めて亭主という役の大変さ、心配りに深く感心すると共に大変勉強となり、心に残る一日となりました。

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2011年10月13日

亭主をすることでえた収穫

家元招請研究会−【茶事の実践】

生亀寿雪(山形不白会)

実践の指導
 松尾芭蕉奥の細道「三百周年記念」に建てられた茶室を主会場に研究会が開催されました。
 点在する奇岩怪石。堂宇群そして紅く色づき始めた木々の織りなす景観が一望できる庭を、当不白会相談役の芳賀宗紀さんの案内で、お家元と東京不白会の小林宗淳様が到着、早速、お研究会が始まりました。
 私は亭主の大役で、挨拶も緊張気味でしたが、正客の小林様の経験豊かな問いかけや温かいお心遣いで、空気が一気に和らぎ、気持ちが落ち着いてきました。
 「懐石」では、山形の食材、料理、お酒等で話が膨らみ、盛り上がりのある楽しい席となりました。小林様から「茶席の会話」の仕方を学ばせていただきました。後日、客役の人達からも同様な感想が寄せられ、大きな収穫を得たようでございます。
 「炭点前」で、下火が小さくなり、「湯の沸き具合の一番良い時に濃茶を点てる」という茶会の最も大切なところで落第点をとってしまい、深く反省致しました。
 お家元のご講評の中で、次の事が心に残りました。
 ・濃茶点前までに心の通う会話を多くし、主客が一体感を持てる空間をつくっておくこと。
 ・茶の湯の稽古では「茶事」の形でお客様をおもてなしできるようになる事が大切。簡単でも良いから、是非自宅に客を呼んで茶事を行うことを勧めたい。
 これからも一層精進して茶の道を勉強してまいりたいと存じます。

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2011年10月10日

社中の絆

家元招請研究会−【茶事の実践】

餅越宗清(福岡不白会)

茶事でお点前
 茶道を修める私たちにとって何より大切なのは、おもてなしの心であろう。お茶事で心のこもった亭主のおもてなしによって、席が和み清談がはずんで、お客様と心が通い合う一刻が愉しめれば、これこそ茶道の醍醐味に違いない。
 今回はテーマ「茶の湯実践」の研究会である。不祥餅越が亭主を仰せつかった。どうしよう、と一瞬ひるんだが、何しろ研究会だから、田中宗正先生社中の仲間がみなでアイディアを出し合い「おもてなし」はいかに為すべきか工夫する勉強会をすればいい。やってみよう。
 まず役割を考えた。半東に四方田洋子、水屋を田中万里子に受け持ってもらう。それに田中宗央も加わって案を練っていく。これなら文殊菩薩に劣らない智恵が湧きそうだ。お客様は福岡不白会から四名様をお招きすることにした。場所は街の中央部にほど近い「たそがれ庵」こと賛助会員田中孝邸を六月のお稽古から使うことにした。
 十月十日の本番当日は、野菊や水引草が茂る門から玄関まで、しっとりと水を打つ。床の軸は「大聖武」(唐代の名筆、東大寺蔵は国宝)の断簡。花は薄と秋明菊を古銅水注に生けた。この軸は、心を清め和みのなかに緊張感を保つように、との庵主の志かと思う。
 茶碗は、旧恩師より拝領の萩、李朝瑠璃の小壺を茶入に見立て、茶杓は黒田辰秋作、銘笹舟を配した。
 さてお料理。お向こうは、古唐津に旬の魳を昆布〆。それに冬瓜の椀盛りを供した。この淡緑が漆黒の椀に映えて、清涼の気を誘う。実はこの冬瓜、九十歳の父が丹精をこめて育てた一抱えもある大果なのだ。
 省みると、至らぬ私が、田中宗正先生の適切なご教導と社中みなの助け合いのお陰で、亭主の大役を無事務め上げることができたのは、ともにお茶の絆で結ばれた間柄の故である。この絆が今回の研究会で一層強められたことは、何よりの収穫であった。
 

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2011年10月2日

熊谷便り

家元招請研究会−【茶事の実践】

松崎宗渓(熊谷不白会)

村田邸記念写真
村田邸記念写真
お料理担当者
小間と立礼席の料理を担当 お料理シスターズ
 昨年穏やかな秋の日に、家元招請研究会が、熊谷・鴻巣の地で行われました。テーマは『茶事の実践』それぞれご亭主の持ち味で、特色ある楽しいお席になったようでございます。各々のお席のコメントをご覧ください。
 ……  ……  
 ●お家元お迎えしての「村田邸」
 神無月二日、家本様がお正客になられ、この上ない喜びでございました。席入り後、ご挨拶し、膳にご飯、向付、強肴、お酒、椀盛しんじょうと進み、楽しく会話が弾みました。主人にも声をかけていただき、喜びでございました。床の「心外無別法」をはじめ、我が家にある物で皆様に愉しんでいただきました。家元さまよりお褒めの言葉を頂戴し、大きな力となりました。茶事の素晴らしさを再確認致しました。
 ●「野辺邸」では  テーマ『歓び』
 三十年ぶりに我が家でのお茶事、亭主を務めさせていただきました。一緒にお稽古をしているお仲間に助けられ、不慣れで大変な面もありましたが、結構楽しいひとときでした。この経験から、茶道に対する深い心掛けが必要と痛切に感じました。またの機に、友人、知人をお招きして、茶の湯を通して心豊かに、楽しいひとときを過ごせたらと思います。
●松崎邸 「笛庵」にて  テーマ『ゆく秋』
 小間で亭主を務めることになった私は、不慣れで不安一杯でした。しかしお客様を前にしての身の動き、気遣い等、いろいろ学ぶ機会となり、貴重な経験でした。初座では武島羽衣のお軸、横笛の香合、後座は鉈籠を掛け、野の花を持ち出し、花所望を致しました。薄明かりの中、床がぽっと明るく美しい光景でした。今回勉強不足で反省点数々ありますが、思い出の日となると存じます。
  ●松崎邸 「立礼席」にて  テーマ「宙」
 おもてなしの趣向あれこれ考え、初座と後座の雰囲気をガラッと変える演出を試みました。机、椅子、灯りなどの綿密な配置図や進行表を作成し、テーマ『宙』に会わせたお道具、料理、お菓子を考え、試食も多いに楽しみました。音叉によるBGMも取り入れてみました。先生や料理担当の方に助けられながら、充実した時間を過ごすことができました。
 ……  ……  
 これを機に、温かな交流が増えることを望みます。雁の群れの渡りを見送りながら、学びの一日が終わりました。

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2011年9月26日

エコと日本文化と茶の湯  

椎名宗梨(羅府不白会)

野点1
 二〇一一年九月二十六日、日本の内閣府認定NPOフォーエヴァーグリーンより依頼を受け、地球温暖化防止活動の一貫としてロサンゼルス近郊のディスカンソガーデン内の日本庭園にてお茶会を行いました。
 「温故知新」をコンセプトとし、日本文化をエコのアイディアの源泉として紹介するという、先進的な開催主旨が認められ、このお茶会は現地英語新聞二社が一面のトップで報じました。
 フォーエヴァーグリーンさんの日米の子ども達による地球温暖化に関する国際交流事業は大変高く評価され、今回のお茶会は、子ども達と環境という視点で考えながら開く事ができ映像作品では茶道監督として紹介され、私自身もとても勉強になりました。
野点2
 まず、子供たちに茶の湯を実践してもらうために、学校へ出張し、生徒達に基礎体験講座を行いました。生徒達は亭主、半東、正客、陰点てに分かれて各パート毎のお稽古に取り組みます。アメリカ人生徒達の日本文化への敬意ある学びの姿勢は大変素晴らしく、環境との接点を模索するという「勉強の時間」ですが初めての浴衣に歓声を上げながら楽しく取り組む姿がありました。茶の湯を通し、思いやりの心を、物を大切に扱う事、次の人を考える礼節等も学びます。
 お茶会の様子は、「大量生産・大量消費・大量廃棄」という二十世紀型のビジネスから、新しい目線で持続可能な社会を築く為に、生徒同士が環境問題を議論するビデオレターとして日本に送られるとの事。
 これまでに無い評価と新しい視点、世界で認められる日本の姿をお伝えしたく、筆をしたためさせて頂きました。

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2011年9月25日

新潟不白会・茶事の実践

家元招請研究会−【茶事の実践】

新潟不白会

●亭主として学ぶ
    長澤留美子
 家元招請研究会にて亭主を務めさせていただきました。お客様を招く際の、大切な「基本」を学ぶ勉強会で、家元から直々にお手本を見せて頂き、また、ご指導も賜るといった、大変貴重な時間をいただきました
。  反省点は多かったものの「基本=初心」に立ち返る機会となり、今後の自身への課題、目指すべき姿が明らかとなって、茶道の目標、楽しみが増す機会ともなりました。
 茶会にて、お客様が一期一会のひとときを充実して過ごせるよう、亭主はお点前の動作、技術向上だけではなく、常に気配りをし、心を行き届かせる。私も稽古を重ね、真心を込めた対応が、さりげなくできるよう努めたいと思います。
 日々雑多で忙しく、時間に追われるような中、私にとって茶道を学ぶ時間というのは、自身を清める時間でもあります。
 これからも学べること、おいしいお茶がいただけることに感謝していきたいと思います。

●もてなすことの喜び
佐藤宗孝
 茶の湯の実践の研究会、今年は二回目です。前回はお客として小旅行気分でバスに揺られ、楽しんで伺いましたが、今回は迎える側となり、社中で何度も話し合い、手順やお茶、お菓子、お料理、お酒など吟味しました。当日はとにかくお客様が楽しかったと思えるよう、そして秋を満喫できるように心がけました。
 席入り後まず花所望をしました。秋の草花を少し大きめの籠に活けて頂きました。そこでお客様と亭主が一体となり、話も弾み、あとは流れるように時間が進み、一献、点心、中立ち、後座ではお盆点前で濃茶を差し上げました。亭主も相伴し、またそこでさらに和やかな空気が流れ、お客様のお顔に笑顔が浮かんでいる様子を拝見した時は、社中全員でおもてなしできたことを嬉しく思いました。
 

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2011年9月18日

実践へ向けての見学

家元招請研究会−【茶事実践】

福井素雪(七戸不白会)

 私はお稽古は長くしていますがお茶事の経験はあまりありません。この度の研究会で、お家元の「実践することで茶の湯の楽しさが広がる」とのお言葉を、まず心に刻みました。そのような目で見学していますと、ご亭主やお客の振る舞いや、水屋の方々のお姿に、改めておもてなしの心が感じられるようでした。
 また、随行でいらしたお正客の足立淳雪先生の思いやり溢れた会話、ゆったりと時が流れ座が和み、心の通ったお席のお茶事でございました。お家元の体操、立居、一つ一つの所作の意味の説明、最後は篠笛の音色をお聞きかせいただき、日本文化の奥の深さに触れることができました。
 この度の研究会に参加でき、とても有意義な一日でした。
亭主点前
家元他

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2011年9月11日

一二三 評価することで学ぶ

博子先生招請研究会−【七事式】

田中宗玲(岩手不白会)

一二三
 九月に入り猛暑の名残も未だ去りやらぬ暑さの中で、岩手不白会峰雪会の研究会が博子先生のご指導の下に開催致しました。課題七事式のなかの一二三について、ご懇切で且つ細やかなご説明をされ、ことに評価の基準となる品性と技量について詳しくお話され、濃茶席の実践に入りました。
 寄付はお家元直筆の団扇にトンボの絵の小幅で、本席のお軸は七事式教本の式法標語の中にある一二三の御初代の「唯有一乗法」、禅語で、大龍和尚のお筆でした。亭主、客五名、見学の会員も緊張と学ぶ意欲で漲っておりました。
 はじめのご指導のお陰で、小箱の扱い、札の入れ方等はことなく運びましたが、普段のお点前、お茶の点て方などお稽古を基準に評価される亭主に対して、評価する側の客は亭主のにじみ出るお人柄を考慮し、月、空、花から札を選択し、さらにお点前等の点数を評価する難しさがあり、客も試されているような感じがしました。見学者もそれぞれの思いの札を考え、評価したようでした。
 午後は花月を学びましたが、何回稽古しても新しい発見があり大変充実した研究会で、博子先生に衷心より感謝申し上げます。

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2011年8月24日

バングラデシュでの茶会--バングラデシュ大使邸にて

高橋宗千(東京不白会)

テーブル茶
バングラデシュ大使邸で
 『大唐西域記』の三蔵法師である玄奘三蔵も訪れた古代仏教の都、バングラデシュにてお茶会を催しました。
 滞在したのがちょうどラマダンの期間でしたから、この国の人たちは日の出から飲食を断ち、日没後のラマダン明けに夕食が始まります。必ず食するものとして、サモサ、ブリ、ペアジなど、揚げ物はベンガル人の得意アイテムです。それにバングラデシュの国魚イリッシュのから揚げ、ボッタ、鶏肉のカレー等。
 元バングラデシュ大使のハク夫人が親戚、知り合いなどを十数名、客として招待して下さいました。
抹茶を飲む
 食事後、日本から持参した茶籠、大使邸で調達したバングラデシュのお盆、紅茶用ガラスのポット、ベンガル製真鍮ボールを建水として用い、テーブル茶のおもてなしを致しました。菓子は、鶴屋吉信の日本の夏の趣の干菓子を。通訳をつけて茶事の成り立ちなども説明をしながら行いました。
 今回は、ハイソサイティの人々の集まりで、大学教授、ハーブの研究者等の方々から、とても興味を示され、大使夫妻も日本の生活を懐かしんでおられ、大使邸で働く若者も、とても興味を示しておりました。
抹茶を飲む2
 村の中に一歩足を踏み入れると、農作業に勤しみ茶飲み話に興じる男性や、炊事洗濯と子育てや家畜の世話に忙しく働く女性たち、そこら中で元気に遊び回る子どもたちの姿に、都市化と近代化が極限まで進んだ日本から訪れた我々は「自分たちが失ってしまったもの」に気づかされました。もちろん、それは一面で、我々が想像できない厳しい現実に直面しているのですが。
 この度は、財団法人日本財団の社会ボランティア賞の推薦により、当地を訪れることになりましたが、この茶事がバングラデシュでの糸口、文化の懸け橋になればと願っています。
 この茶会を催したことで、現地の女性支援の方から、バングラデシュの女性にテーブル茶の作法を、という話が持ち上がっています。

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