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2016年3月20日

高田不白会研究会

亀山 穂雪(高田不白会)

 去る三月二十日、旧高田師団長官舎において高田不白会研究会が開かれました。この会は、教授者と一般会員が知識や繋がりを深めるため、一年に三回課題を決めて勉強会が開かれます。
 今回の課題は、茶カブキということで、私は亭主役として参加致しました。引き受けたものの実は、濃茶を点てるのは不得意な上、均一の濃さに練る大役に困惑しておりました。しかし、お客様たちのお顔を拝見した瞬間「おいしいお茶を召し上がっていただこう」という気持ちに変わり、何とか役目を果たすことができました。お客様皆様、好成績でよかったのですが、私が点前に気を取られて会話がおろそかになってしまったのが今後の課題です。
 この会が発足されて三年になりますが、教授者の先生方がして下さっていた「準備のための準備」や気遣いを学ぶ事ができるのが、一番大きな収穫です。今後もますます盛んになるよう協力していきたいと思います。

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2016年2月20日

「茶通箱」と「七種の蓋置」

博子先生招請研究会

緒方宗和(大分不白会)

 博子先生をお迎えして大分で初めての研究会が行われました。課題の一つである「茶通箱」の亭主を務めることになった私に、準備の段階から優しくご指導をいただき、勉強になる事ばかりでした。「茶通箱」の由来・意味や扱い方、初伝としている理由等の説明があり、お点前に入る前の心構えが自分の中ですーっと変化した気がしました。大切なお茶を美味しく味わっていただけるよう一層心が入った感じです。お客様から配慮ある言葉をいただいたり、主客末客のスムーズな動き、水屋の方の気配りや段取りの良さに助けられ、和やかなお席で楽しく稽古させていただきました。
 午後からは「七種の蓋置」の扱い方について様々な質問の一つ一つに実演を加え、丁寧にお応えいただき、参加した皆様も充実した時間が共有できたのではないかと思います。
 博子先生の所作に注目してしまい、メモを取るのも忘れてしまいましたが、博子先生にはじめてご指導をいただいたお席に飾った掛物の『直心是道場』を平常から意識して、この体験を励みに、これからも精進してまいりたいと思います。

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2015年10月21日

「古典 台天目」

家元招請研究会

庄田宗雅(山形不白会)

 秋雨の山形に、お家元と博之様ご到着後、江戸千家とも縁の水野家古の豊烈神社と霞城公園、芋煮大鍋と一巡りいただきました。
 今年玉林院にて茶会をされました、私共とも親交のある山形市の茶道界幹部岩渕宗康さん宅にて、ひと時を過ごしていただきました。
 今回の課題は、「台天目」。博之様が貴人、私が亭主をさせていただきました。体操で身体を和らげた後、博之様に水野家のお殿様になっていただき、お迎えいたしました。余談ですが、私の家が水野家に仕え、お殿様と共に山形に付いてまいりましたので、特別の気持ちで貴人様をお招き致しました。初座、膳の運び、後座での貴人点てと、如何に大切に接待するかを学びました。貴人に対しての距離の取り方や位置や間など所作が硬く、膝行、膝退他、言葉が出てこなかったりと、今後の課題としていきたいと思います。
 博之様の堂々と威厳のある貴人様のお姿に接しまして、今後ご指導を仰ぎ、江戸千家をお引き継ぎなさるお心が伝わって参りました。
 山形研究会後に、お家元よりお詠みに成られた印象深く愛情が感じられました句を掲載させていただきます。
 床を背に貴人畳の大座布団
  居心地悪そ 若武者の居て

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2015年10月18日

支度をする、お茶を点てる

家元招請研究会 

坂上昭子(新潟不白会)

 茶席の準備の時から、お席で差し上げる一服のお茶とお客様を思い、心を込めて一つ一つ準備をしなくてはならないということを具体的に学びました。
 私は掛軸を教えていただきました。はじめて聞く名称がたくさんありました。お軸の開き方、掛け方、床の間とお軸の長さのバランスの取り方など、とても勉強になりました。一通り皆さんによりお席の支度が整い、午後からはお家元はじめお客様に一服差し上げるお点前です。茶席の支度を進めるにつれ、心も落ち着き、おいしいお茶をお点てすることに集中できました。未熟な私で、お茶のお味はいかがなものだったかと心配ではありますが、これから常のお稽古の時も、支度には心を込めてと思っています。

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2015年10月17日

「自宅の茶」の亭主を引き受けて

家元招請研究会 

山田厚雪(新潟不白会)

 茶の湯を趣味としていた私が、教授者会会員となって初めての年、経験不足を承知の上でお客様をお招きすることになりました。
 秋の季節を感じていただきながら、ゆったりと、おいしいお薄を一服差し上げることを課題に決め、お軸は曹洞宗両本山前貫首様の寄せ書き「菩題閑月」と致しました。
 中置きの道具組みを決めていく過程も楽しいひとときでしたが、社中の方々との地元食材を使った茶事の料理の試食や盛りつけ等、いつもとは違った茶の湯の時間となりました。
 半東と水屋をお願いした経験豊富な先輩方の助言により、廊下の椅子を移動し、絨毯を敷いて中庭の錦鯉を見ていただける寄付を設えることができました。
 お客様は、当日のくじ引きで決まるとのこと、おいしい新潟のお酒を用意しておりましたが、ノンアルコールの日本酒が思いの外、役立ってくれました。至らぬことが多い中、楽しく和やかに導いていただきながらの思い出深い「一期一会」となりました。
 午後からの反省会では、六カ所のお席の亭主、お客様方の詳細な報告がなされ、各々のお席の工夫が感じられ、大変参考になりました。家元よりの五条天心の小社の萩を詠まれた色紙を胸に、帰りの秋風は、さわやかでございました。

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2015年10月4日

準備の実際に触れる研究会

家元招請研究会 

伊藤宗素(福岡不白会)

 最初に、基本中の基本、身体の中心軸を定めるための体操や、立居をおさらいしていただきました。私は脚の痛みを言い訳に、立居がきちんとできていませんが、中心軸をしっかりすれば、もう少しスムーズに動けるかもしれないと、改めて体操の重要性を考えさせられました。
 次に、床の間飾りの中心となる、掛軸の扱い方です。軸の出し入れから掛け方、歪みの直し方のほか、鑑賞の仕方も含めて軸に関する多様なお話をうかがいました。お花については亭主が好きな花を即興で自由に入れる、とのお話で、決まりが多くない分、より一層のお稽古の大切さを感じました。
 炉辺の支度では、風炉釜の扱い方に次いで灰の直し方を目の前で拝見して、手つきや道具選びなど、細かい点までよくわかりました。風炉や棚の飾り方では、自分の身体に程よい位置にある釜や水指との距離を測った長さが畳の目数になる、とのお話は、道具を目数で置くものと思っていた私には、目から鱗でした。昔のお茶会の準備は、石臼でお茶を挽くことから始まり、大変手間のかかるものであったとのお話も新鮮でした。
 通常のお稽古では、師匠にほとんどの準備をしていただいていますため、いざ茶会や初釜等で支度を手伝おうと思っても、わからないこと、できないことが多くて不甲斐なく思っていました。今回学んだことを活かして、茶会の支度が滞りなくできるように、ますます精進してまいりたいと思います。

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2015年10月1日

研究会の学びを稽古で実践

家元招請研究会 

大塚早苗(茨城不白会)

 十月一日、取手市の弘経寺で行われた家元招請研究会にはじめて参加させていただきました。
 掛け軸の扱い、花入、茶掃き等のご指導では、お稽古で何気なく目にし、手にしていたお道具の準備の基本に触れることができ、大変勉強になったと共に、考えを巡らしながら用意することの楽しさに気付かされた気がいたします。
 後日、研究会で勉強したことを踏まえお稽古で実践しました。軸は「喫茶去」。床とのバランス、曲りがないか等配慮して掛け、花は床と軸との調和に気をつけながら、鶴首の花器に銅葉イネ、秋明菊、杜鵑を活けました。お茶は棗の中心に自然な山形になるように掃きました。
 一献のお膳も心を込めて作り、テーブル茶でしたが、会話も弾み、和やかな時間を過ごすことができました。この研究会では知識のみならずお客様をおもてなしする心構えも学ばせていただきました。私も自宅にお客様をお招きできるよう精進したいと思っています。

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2015年9月27日

準備を楽しみ大切な時間に

家元招請研究会 

楚山陽子(高田不白会)

 まず、呼吸と動作、姿勢とリズムが大切と、家元考案の「体操十種」で始まり、立つ、座る、お辞儀、お点前、基本的な正しい動作を繰り返すことの大切さをご教示いただきました。
 茶席の支度・しつらえ(小習)は、点前の稽古に入る前に身に付けることが必要と家元は話されました。準備と片付けは難しく感じがちですが、準備を面倒がらず、その時間を楽しみ、亭主自らしつらえ、心を落ち着かせ、惑わされず、ゆっくりとお客様を迎える醍醐味を感じてほしいとのことでした。
 まず床の間。お軸、お花、香炉と茶席の特別な場所として演出することから始まり、炉辺の支度、灰を直し下火を入れ、鉄の釜で湯を沸かす。その基本の過程を習得し、その場に適した空間を作り上げて、それからお茶を掃き、お菓子を吟味し、その他お客様を招くためのしつらえを整える。
 今はついお点前を習うことだけに専念してしまい、人任せになってしまっている大事な仕度、準備を自分一人の大事な時間として楽しむことの出来るように精進していきたいと思います。
 研究会の最後に、家元から六種の歌の短冊が披露され、秋を感じるしつらえで感激いたしました。
 追記 翌日は、岡倉天心公の終焉の地である妙高山麓、赤倉の「六角堂」に献茶を行い、その後広場にて参加者一同で野点を行いました。お家元の奏でる篠笛が赤倉の碧空に響き渡る楽しい一日でございました。
 諸人の想いを胸に茶を献ず 篠笛響く赤倉の秋

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2015年9月13日

亭主のあるべき姿とは

博子先生招請研究会 

福士宗信(岩手不白会)

 去る九月十三日の日曜日、岩手不白会で家元夫人川上博子先生をお招きしての年に一度の研究会が盛岡市中央公民館で開かれました。参加者は八月八日に白寿を迎えられた岩手不白会名誉会長の三田宗明先生を筆頭に教授陣四十人余りです。テーマは「三方飾り」、茶碗と茶杓、茶入の三点いずれもが思い入れのある道具で、お客様をおもてなしするというものです。お茶事形式で初座に一献差し上げるという形で行うことになりました。
 研究会でははじめに博子先生が「三方飾り」の意味と由来、そして今日の考え方など丁寧にご説明いただき、その教えを胸に三人のお客様を一生懸命おもてなししました。昼食後は、夏休み中にお家元とヨーロッパ旅行をされたホットなお話があり、参加者たちは居ながらにしてイギリス、フランス、イタリアの美術旅行を楽しませていただきました。またお話の際ご旅行にも持参された素晴らしい茶籠でお茶を点てられ、三田先生たちに振る舞われました。そのさりげない博子先生の所作に亭主としてのあるべき姿を見ることができ、とても楽しい研究会でした。

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研究会レポート『小習』

家元招請研究会 

佐藤宗博(静岡不白会)

 九月十三日、小習による茶席の支度のご指導をいただいた。普通の日本間が、床を飾り道具を据え風炉に火が入れられ、釜が掛けられ、と次第に茶席に変化していく様を初めて体験した者もおり、大変新鮮かつ有意義な内容であった。
 準備を担当した者としての反省点と参加者の感想を記す。
一、掛物は貼り風帯の他に垂風帯のお軸も用意すべきだった。
二、花入も焼き物の他に籠も用意すべきだった。
三、普段使っている実用品のみで茶掃箱を用意しなかった。
四、水屋瓶、水屋たらいを代用品のみで用意しなかった。
 研究会の課題への洞察の不足を思い知らされている。

●山村操雪  掛け軸の扱い方を丁寧に教わり、ご指導の通りお軸を掛けたら、床の間の空間がぱっと別のものになるのが分かりました。お花も添えられ日本の文化、芸術って素晴らしいなと思いました。今度は「書」等について知識を拡げたいと思いました。ご持参下さった短冊の時代を経た美しさに感動いたしました。

●片山宗稔  花を入れる事と、風炉に火を入れるお役をさせていただきました。
 花台に八種ほど用意し思案していたところお家元から 「迷っている時は一度挿してみなさい」とご助言がありました。結局ススキ、吾亦紅、白萩、青色藤袴を選びました。正面の少し離れた場所で吟味することが大事で、この場合は右側から見る景色の方が良いので花入を左に廻しては、とのご指導があり、それにより床の間が生き生きとした表情に変わりました。
 風炉に下火を入れる時は火花が畳に飛ばないよう、風炉の縁に台十能の底をしっかり乗せるようにとのご注意をいただきました。 たっぷりと炭をつぎ香をくべ釜にいっぱいの水を入れて掛けました。一時間ほどすると良い具合にお煮えがついており安堵しました。わずかな時間にたくさんのことを学び爽やかな気持ちになりました。

●末永惠雪  以前の稽古では、炭や茶の点前にのみ時間が費やし、仕度はいつも先生にお願いするばかりでした。最近では炭斗に炭を組み、種火をいれ、薄器、茶入に茶を掃き、あるいは香炉に火を入れる、軸を掛ける等、少しずつ茶席の仕度をさせていただいています。
 準備の重要性を今回改めて気付かされました。今後は機会があれば灰の上げ入れ、撒き灰の作り方、釜の始末などにも関わり、本当の意味での「自分の茶」が点てられるようになればと思っています。半東をさせていただきましたが、少しずつ茶席全体の様子を見渡せるようになりました。

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2015年9月6日

貴人として体験

家元招請研究会

石川宗享(青森不白会)

 本年度二回目の家元招請研究会が、九月六日青森市善知鳥神社でおこなわれました。お家元、博之様おそろいでお越しいただいての青森での最初のお勉強会となりました。
 テーマは「台天目」。寄付には一服の絵が掛けてありました。善知鳥という鳥で、今はほとんど見かけないものの、青森市の鳥として名が知られております。棟方志功画、本席の床も志功書の大きい字で「善知鳥神社」と一行書きでした。及台子は落ち着きのあるどっしりとしたもので、毛氈の上に座布団が敷かれ、ご丁寧なおもてなしでした。点心とお酒をご馳走になりまして、ご亭主の柿崎様には、大変お世話になりました。
 お家元は以前から軽いおつまみと飲み物でお客をお迎えすることが大切と提唱されています。普段の稽古と相伝物としての稽古は違いはあるのかも知れませんが、底に流れるのは同じかも知れない、と思いました。静かな時間のなか、ゆっくりとした動作で振る舞い、そして頭を先々に巡らして次の動作が自然に流れる。そんなことができたらこれが茶の湯の道として人生の道として、大げさかもしれませんが、大切なことと感じました。

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2015年8月30日

準備することの奥深さを知る

家元招請研究会

太田理恵子(福島不白会)

 八月三十日、郡山市の麓山荘で「小習」の研究会が行われ、お茶を点てるまでの準備の心得や仕方等をご指導いただきました。始めに、床の間にお軸を掛ける、箱からお軸を出し掛け紐や風袋の扱い方、床のどの位置にどのように掛けるのか丁寧にご指導いただき、今回は横軸「喫茶去」を自在を使って矢筈で掛けました。
 花の準備は、掛け軸との位置関係、大きな口の花入に活ける場合の止め木をの使い方を指南いただきました。さらに丸灰の風炉にお炭を入れる、煙草盆の火入れを整える事を博之様に教えていただきました。茶器を清めてお茶を入れる準備がいかに大切であるかを思い知らされました。
 準備が整ったところで茶室を見渡すと、目に映るものは何をとっても大事に思え、その上での茶席であると実感しました。
 日頃のお稽古も準備は先生任せ、宗匠が言われた「殿様稽古・お嬢様稽古」そのものでした。準備とはこのように気を配り、奥深いものであることを今更ながら痛感しました。点てた薄茶を「美味しかった」と言っていただき、とても励みになりました。
 研究会の終わり、お家元からお辞儀の仕方を伝授いただき、思い出深く今後の動作に活かして行きたいと思いました。

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2015年8月8日

三田宗明先生白寿のお祝い会

岩手不白会

会場
 江戸千家岩手不白会名誉会長の三田宗明先生の白寿お祝い会が八月八日に和やかに開催されました。
 大正六年八月八日生まれの三田先生は、今年八月八日に数えで九十九歳の白寿を迎えられました。お祝い会には直弟子をはじめ、岩手不白会の会員ら百六十人余りが駆けつけました。
 はじめに澤野宗桂会長が「三田先生は茶の湯江戸千家一筋に、きょう白寿を迎えました。長年のご功績を讃えみんなでお祝いしましょう」と挨拶。続いて江戸千家お家元川上宗雪様の祝辞がビデオで上映されました。お家元はヨーロッパご旅行中で、丁度ローマに滞在中とあって、〈ローマより愛をこめて〉とお祝いの言葉を贈られました。
 三田先生は今もいつも通りお茶の稽古を続けています。全国連合不白会名誉理事の三田先生は、江戸千家にとっても大切な先生です。愛弟子で最も若い十歳の佐藤唯ちゃんが「これからもたくさんお茶のことを教えてください」と花束を贈りますと、三田先生は「ハイ」と笑顔で答えていました。そして「私は江戸千家茶道のお陰で今日を迎えました。主客が真の心を交わすことが茶の湯の心です。江戸千家茶道を通して一人一人が光り輝いてほしい」とお話されました。中には先生のお話を久しぶりに聞いた人もいて先生の茶の湯に対する教えに感心していました。
会員に囲まれる
 お祝い会では国の重要文化財指定、早池峰神楽岳神楽の翁舞などが演じられたほか、会員たちによる唱歌なども披露され、三田宗明先生の白寿をお祝いしました。
十歳の愛弟子と

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2015年7月20日

一献とお菓子付の且座

家元招請研究会

菊池宗和(岩手不白会)

 さて、一献はどの時点で? など、ハテナが頭の中を巡りながら研究会当日を迎えました。 花は当日の朝、里山で河原撫子と仙翁を摘み、前日に用意していたルイヨウ牡丹ほか三種類ほど揃え、お香は師匠からいただいた〈ふるさとのこころ〉を手に会場におもむきました。
 お家元から、且座の意味や一献を入れて行うことにより主客との一会がどのようなものになるか等のお話をいただいたのち、お客を迎える準備の仕方、花〈花入と花材〉、お香〈香木、香炉の灰の作り方、重香合の使い方〉、風炉の下火の入れ方のご指導をいただきました。
 まず、三人のお客様を半東がお迎えし席入り、主客挨拶の後一献で互いに会話があり、少し打ち解けてからお膳を下げました。
 いよいよ、お客さまに花を所望、次客さまが活けられ、お炭はお正客が、お香は、三客さまでした。順序通りの正客からではなく楽しみました。
 中立の間、濃茶の支度をし、お迎え(お菓子は寄付で)、濃茶を点て、亭主もお相伴しました。薄茶は半東の点前で、亭主は座につきお茶をいただきながら、所望のお礼を申し上げ、お開きになりました。
 お家元から「濃茶の量が少なかったですね」とご注意いただき、お客様が十分に楽しんで味わっていただく大事なところが欠けてしまい大きなおおきな反省点でした。
 ひとつひとつの準備がいかに大切であるかということを学ばせていただき、有意義な研究会でした。

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2015年7月5日

「美しい所作と花月を学ぶ

博子先生招請研究会

田中宗淑(熊谷不白会)

 七月五日、熊谷市の星渓園にて、博子先生をお迎えしての初めての研究会が行われ、会員五十一名が皆楽しみに参加しました。課題は、「立居振る舞い」と「花月」でした。
 立居振る舞いの基本では「お客様がいて自分がいる。立居は、自分の呼吸だけでなく、相手に合わせることが大切、相手がいての動きである」「立ち上がる時は煙が立ち上がるように、座る時は水の中に沈んでいくようにと蓮鶴先生から教えていただいたことをイメージしている」とお話がありました。博子先生の見本の後、皆一緒にやってみました。立ち上がる時は女性は踵をつけること、座った時の手の位置など美しい所作を学ぶことができました。
 体重の増加や筋力の衰えなどを言い訳にしておりましたが、博子先生の美しい動きや常に相手を気づかう心持ちをお教えいただき、普段の生活の中でも少しでも気にかけて、美しい所作ができるようにしたいと思いました。
 続いて花月では、床に家元のお軸「花月 互いの動きと自在な展がり」を掛けました。博子先生には花月の一連の動きを見ていただき、替え札を請求する際の折据の廻し方、折据の位置、茶碗を置く位置など、細かなご指導をいただきました。また、立ち上がって下がる際のきれいな足運びも教えていただきました。
 お昼をはさんで、午後からは濃茶付花月を、お点前の方も共にお濃茶をいただく形でご指導下さいました。お詰から、濃茶を点てた方に運ぶ際の服紗の扱いや、亭主は濃茶点前を「正客に」とお願いすることもある等教えていただきました。
 次々と出る質問にも優しく丁寧にお答えいただき、美しい所作、そして相手に合わせることの大切さ、花月の奥深さと楽しさを学んだ充実した研究会となりました。

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準備から学ぶ且座

家元招請研究会

桜井秀雪(群馬不白会)

 七月五日、高崎暢神荘にお家元、博之様をお迎えし研究会が行われました。私はご亭主の役を仰せつかりました。一献付とあって心配もありましたが、簡単な八寸程度でよいとのことで心が軽くなり準備に入りました。テーマは七夕でしたので膳の設えや食材を探し、点心作りに四苦八苦しながらもなかなか楽しい時間でした。
 当日はまずお家元より「お客様を自分の家に招く気持ちで行って下さい」とお話がありました。「花台に乗せる花の量は亭主が一度活けそれに少し足す位がよい」「下火は濃茶までの時間を計算し足す」とポイントをご教授いただき、お香は博之様が灰の作り方や深さなどお手本を見せて下さいました。
 初座が始まり一献で渇いた喉が潤うと周りの視線も気にならず、お正客様の心遣いで皆様と和やかに会話が進み、花所望では白の松本仙翁、下野草が活けられ、お香「笛竹」は優しく上品に香り幸せな気持ちになりました。また後座では床の花がお家元により半夏生、壷サンゴに替わり、鋏を入れ整える様子を間近で拝見でき、花はしっかりと、きっちりと活けなければならないのだと納得しました。
 事前の準備、そしてゆとりをもって臨機応変に対応できる力が如何に必要かを痛感し、今後の茶の湯の道に対する意識の改革に繋がったように思います。
 研究会の最後にお家元、博子先生ご夫妻を尾瀬に案内して下さった白波瀬社中の松田さんから尾瀬紀行のご報告がありました。静寂な湿原から篠笛の音色が聞こえてくる気がしまして、会場から大きな拍手が沸き起こり爽やかな余韻が残りました。(群馬不白会7/5)

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2015年6月24日

家元ご夫妻の尾瀬行きにお供して

金井宗美 松田清雪(群馬不白会)

 六月二十四日、すばらしい夏空にほっと胸を涼しい風が抜けてゆきます。尾瀬沼から下田代の道中、水芭蕉、延齢草、立山竜胆、小さな花々が迎えてくれます。レンゲツツジの咲く休憩所で、清水で入れたコーヒーを、木道の原をゆっくり三十分程で山小屋に到着。夕食はそれぞれ好きな飲み物で、おつかれ様でした。
 食堂は「尾瀬の四季」のビデオシアターですが、お家元が篠笛を吹いて下さるとのサプライズにミニコンサート場に早変わり。同宿の方々、従業員の方も一緒に静かな一時を過ごしました。
 七十代のご夫妻は、ご主人が五十年前にお泊まりになられたとのこと、やっと二人で来られてこんなすてきなサプライズに、今日のことは忘れることがないでしょうと感激されていました。朝もやの中で吹いてくださいと、お客様の所望に、二十五日早朝、霧立つ木道の演奏。散歩中の方々が集まって、朝のお茶一服に皆様それはそれは幸せな満ち足りた朝の始まりでした。
 しの笛に さそわれ茶の香 なほ豊に
 白い虹は見られませんでしたが、初夏らしい朝の湿原です。山小屋を後に中田代を花々に送られて一路鳩待峠に。
 陽を仰ぎ 立山りんどう清々し
 ガイドさんには、こんなゆっくりとご案内できたことははじめてと感謝をされました。お供できましたことに、感謝致します。(群馬不白会)

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2015年6月21日

新しい試みの且座を学んで

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家元招請研究会

小川享雪(大分不白会)

 「且座 主客役目を果たして茶の湯一会を試みん」
お家元筆、持参された掛物が床に掛けられました。「主客役目を果たして」その言葉にはっとしました。準備、手順の多い且座。初めて亭主を務める私は、自分の行う手順、タイミングなどの事ばかりを考えていました。亭主の役目とは……。本来の目的の為に準備がどれだけ大切なのか……。お家元、博之様より花、炭、香の支度について、どのような事を考えて準備をしなければいけないか、お話と実践でとても細かく教えていただきました。準備を大切に行うことが、お客様への『サプライズ』につながり、『サプライズ』をお客様と共感、共有できること。今更ながら、気づくことができました。
 そして、今回の研究会では、且座に一献、八寸をもうけること、中立をすることを経験しました。美味しい料理とお酒に緊張もほぐれ、楽しいひと時が生れ、そして中立は、後座濃茶への覚悟、よい緊張感の時となりました。
 終わった後、見学の方から「お当番のみなさんのチームワークがとても良かったですよ」との労いの言葉をいただきました。当番がそれぞれの〈役目を果たす〉事ができたのかなと、嬉しく思いました。 〈役目を果たす〉、これからもいろいろな場面で私の課題になりそうです。

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2015年6月11日

〈おもてなし〉茶会

原 宗友(長野不白会)

 私共長野不白会では、李支部長提唱のもと、〈自宅の茶〉を今年の活動に取り入れ実践しております。
 そのような中、地元の公民館で三十年近く茶道教室を指導してこられた森泉先生が、長年の文化活動への貢献が認められ、市より表彰されるという朗報が入りました。それを記念して社中の皆様が、日頃稽古されている公民館を会場にして〈おもてなし〉茶会を催し、招待してくださいました。
 総勢十一名のお社中が、森泉先生指導のもとに花(会場設営)、料理、点前の三担当に分かれて準備されたそうです。待合の一室に入ると、早朝に近くの山で採取してきたという山野草やお庭の花々が思い思いの花器に生けられ、生き生きと出迎えてくれました。点心のお膳には、自家製の梅ジュースから始まり三種類のおはぎまで手づくりの品々が並び、おなかも心も幸せいっぱいになりました。
 別室には立礼席が工夫を凝らして用意され、濃茶と薄茶が振る舞われました。主菓子のおまんじゅうも干菓子のかき揚げも手づくりで、昔懐かしいやさしい味わいが感じられました。
 社中の皆様がそれぞれの持ち場で自主的に生き生きと活躍されている姿が見られ、日頃の活動の様子が伝わる心温まるお席でした。
 帰りにはたくさんのお花をおみやげに頂戴し、〈おもてなしの心〉と一緒にうれしく持ち帰りました。(長野不白会)

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2015年5月24日

青峰会にて

小笠原孝雪(高田不白会)

真夏を思わせる五月二十四日、気軽に楽しめるお茶会の勉強会が行われました。少人数でしたが、日頃より当会をご支援いただいている先生方からもお客さまとしてご参加いただきました。
 会場は、勤労者福祉のための機能的な施設で、教養文化室として二十一畳の和室が備えられています。床の間は二間程の開放的な印象なのですが、その広さとは対照的に華奢な古筆切のお軸が掛けられると、雰囲気が一気に引き締まりました。後京極良経卿による和漢朗詠集「世にふればことのしげき呉竹の……」の一首。足元に白芍薬が生けられ、広々とした空間が落ち着いたお茶席に変身しました。

   ◇   ◇   ◇   ◇
 お道具はすべて、亭主役竹田会長の愛用品で、茶入は古瀬戸で銘は「玉蟲」、茶碗は水戸徳川治保公、御手焼の黒楽茶碗などなど。主客ともにお話がはずみ、私共も高揚感をお相伴させていただきました。
 食事は思い切って簡素化を図り、お弁当とインスタントのお吸物を、お客さまと一緒にいただきました。皆で一度に食べ始めることができ、話題も豊かになって楽しい時間を過ごしました。ロビーで一休みしてい)ただいた後は、会員持ち寄りの茶碗で薄茶を点てました。
 経験豊かな先生方の博識に圧倒されながらも、親しくお話を伺うことができたひととき。茶室がなくても、時間が足りなくても、こんな風に工夫してお茶会はできると実感した勉強会でした。

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