江戸千家 >  不白会だより > 2024年 > 9月

2024年9月21日

2024年度 家元教場研究会レポート(9)

家元教場研究会 古典「台天目」

(土曜B組) 遠藤宗雅

 午前中の講義で、『ひとゝき草』145号「井の中」に書かれた家元の目指された本当の茶の湯の世界、家元の半生について伺いました。お話を聞きながら、自分の茶の湯に対する姿勢や考え方を今一度振り返る機会ともなりました。
 家元の研究会に通うようになってから「実践(自宅の茶)を前提としたお稽古」について考えるようになりました。体操の一部や、社中や友人を招いての簡単な「自宅の茶」を実践するようになりました。せわしない日々の中、お稽古で季節感溢れる設えやお道具に囲まれて別世界を味わうのはとても好きですが、ドタバタと掃除や準備に追われつつ、自宅にお客様を招きして一服差し上げるのも新たな楽しみになりつつあります。家元が度々おっしゃってくださったから行動に移せたと思います。
 まだまだお点前も勉強することだらけですが、稽古と実践の両方を行き来することでより茶の湯を深く知りたいと思います。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(9)」のリンク

新潟県文化祭茶会

土田宗春(新潟不白会)

 新潟県文化祭茶会は、昭和四三年茶道の振興発展と茶道各流派間の親睦を図り新潟県の文化振興発展に寄与する目的で、新潟県茶道連盟が発足となり今日まで続いております。
 令和六年は市民芸術文化会館で九月二十一日に行われました。
 三席釜がかけられ、その内の一席を新潟不白会が受け持ち私が担当することになりました。床には家元名心庵宗匠の「山紫水明」を掛け、それを中心に竹野棚に秋草の棗と青磁の水差しを取り合わせました。また年初に起きました能登地震の震災に心を寄せ、九代大樋焼を主茶碗として使いました。
 当日は大変な大雨でしたが、大勢のお客様にお越しいただき心より嬉しく思いました。感謝の気持ちでいっぱいの一日となりました。

カテゴリー:行事・茶会 「新潟県文化祭茶会」のリンク

2024年9月8日

高田家元招請研究会

中村宗友(高田不白会)

○唐物は相伝物として古典を学ぶ事だと考えておりましたが、茶事として唐物点てを取り入れる事は想像できませんでした。大寄せの茶会では主に水屋を担当してきましたが、茶事の水屋担当は初めてのことでした。
 亭主と半東の動きと流れを把握しながら、茶事がスムーズに運べる様な心配りが大切だと痛感しました。相伝物の点前の中、程よい緊張感を感じながら貴重な学びでした。

亀山穂雪(高田不白会)

○茶入が主なので、扱いに注意しながらお点前をして、その後はさらさらと点前することは難しいと感じました。茶の湯は勝負、実践が大切、点前は二の次というお話をしてくださる家元に学ぶことができてよかったと思う。

○高田不白会研究会の翌日、妙高赤倉の六角堂において家元による岡倉天心像への献茶が行われました。赤倉の皆さんとの交流もはかられました。

赤倉六角堂

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「高田家元招請研究会」のリンク

2024年9月5日

大分家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台子〉

古屋宗恵(大分不白会)

 秋季家元招請研究会が、当地大分県日出町の深見邸において行われました。この度は「乱飾り」がテーマです。私は亭主という大役を仰せつかりました。ご相伝の際に家元のお点前を拝見して以来となりますから不安でしたが、大変光栄なことであり勉強させていただこうとお引き受けしました。
 当日は、書院造りの床の間に、家元ご持参の「達」のお軸が掛けられ、この書についてご説明をいただきました。
 銅鑼の音を合図にお席入りが始まり、私の心も引き締まり緊張しましたが、美味しいお茶を差し上げたいという思いが湧き上がってきました。お客様との会話、お相伴とお点前を終え、無事に亭主の任を務めることができたのか不安でしたが、お客様から「美味しかった」との感想をいただき、ほっとすると共に、亭主を経験させていただいて本当によかったと感じました。冒頭家元のお軸の説明の中にあった「自分が目指すもの」について、私が目指すものは満たされた瞬間ではないか、と思われました。
 八月二十九日から三十日に台風十号が当地区を襲い、お花の準備や会場準備等、今まで以上に大変ではありましたが、皆で協力して取り組みました。また、先生をはじめ多くの方からご指導を頂き、無事研究会を行うことができました。これからも満たされた瞬間を皆さんと共有できるよう、後進の育成の手助けをしながら江戸千家の茶の湯を精進してまいります。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「大分家元招請研究会」のリンク