2025年6月29日
鈍翁茶会に参加して
川山宗初(青森不白会)

六月二十九日山形市にて開催された「第四十一回鈍翁茶会」に、青森不白会より七名で参加してまいりました。濃茶席の席主は、野村美術館館長・谷晃先生でいらっしゃいました。『不白筆記』を上梓され、江戸千家とは縁深く、十一代新柳斎宗雪家元襲名行事にもご臨席されています。先生の朗らかな中にも深い思いが感じられるお話と、野村美術館の鈍翁ゆかりのお道具の数々に一同鈍翁様がそこにいらっしゃるかのような思いでおりました。
この度の参加は、家元襲名記念行事で親交を深めました山形不白会会長・庄田先生のお計らいで実現いたしました。
山形不白会の皆さまも連日お手伝いなさっている中、庄田会長ともお話のお席を設けていただき、大変ありがたいことでございました。
茶会期間中、山形市内は着物姿の参加者で賑わい、文化の薫りが満ちておりました。山形市と文化団体が協力し、大規模な茶会を開催される姿に、「文化芸術が街を元気にする」という強い思いを感じました。
この茶会は、山形不白会と青森不白会との親睦を深める、誠に思い出深い一日ともなりました。
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2025年6月8日
久留米雲鶴先生招請研究会
雲鶴先生招請研究会 〈課題:正午の茶事〉
伊藤宗鳥(久留米不白会)
今回の研究会では「正午の茶事」をテーマに、雲鶴先生のご指導を賜る貴重な機会を得ました。茶事はお客様のご招待に始まり、待合・懐石・濃茶・薄茶と、一連の流れのすべてが含まれているため、これまで社中で学んできたことを総括する場として、気合を入れて臨みました。
研究会で亭主を務めるのは今回が初めてでしたので、事前に作法や順序を本で確認して準備してはいたものの、実際には雲鶴先生をはじめ、周囲の先生方の温かいご指導のおかげで、なんとか務めることができました。
中でも心に残っているのは、掛け軸にまつわる雲鶴先生のお言葉です。今回使用した掛け軸は、「『道』一以貫之(広徳寺の海雲老師筆)」というもので、論語の一節から取られた「一つの信念を貫き通す」という意味を持つ言葉です。雲鶴先生から真っ先にご指導いただいたのは、

「掛け軸は亭主と客の心が通じ合うようなものを選ぶといいですね」という一言でした。
そのお言葉を受け、私は、お客様が初座に着かれ、亭主である私が茶道口で総礼をする場面において、この軸の意味する「『道』一以貫之」を通じて、正客、次客、三客(詰)及び半東と心を一つにして、このひと時を過ごしたい思いと、また研究会参加者と共に江戸千家の茶の湯を学び、精進していくという思いを込めて取り組みました。
作法については、膳の持ち方・運び方・振る舞い方・戴き方など、丁寧にご指導いただきました。また、料理に関しては器のみで行いましたが、「味はどうか」「盛り付けは美しいか」「冷めていないか」「ご飯の炊き方、盛り方」などの本では学べない実践的な所作の一つ一つに込められた意味を、数多く教えていただきました。
今回、茶道という共通の「『道』一以貫之」を志す皆様と、心・時間・空間を共有できたことは、非常に学びの多い貴重な体験となりました。今後の実践においては、お客様と心地よい時間と空間を共にできるようなおもてなしを心がけ、亭主としての役割を全うしたいと感じております。そして、今回のお軸の言葉を胸に、江戸千家の茶の湯の道を貫いて精進してまいりたいと、改めて心に誓いました。
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2025年6月7日
青森名心宗匠招請研究会
名心宗匠招請研究会 〈課題:体操・小習〉
三國宗裕(青森不白会)
名心宗匠をお迎えし、「体操」、「小習・風炉の灰」をテーマに研究会が開催されました。まず、宗匠がご持参された、詩人・フランス文学者である堀口大学先生の掛け軸を鑑賞させていただきました。「富士山 髙く つつましく」の書からなるお軸に、改めてお稽古の心のありようを考えることができました。続く小習では、二種類の風炉にそれぞれ遠山と丸灰押切りの灰型を皆様で作成しました。宗匠からは、灰の量や丁度良い火袋など細かなご指導をいただきましたが、特に、「客人を想い、本気で取り組むこと」という言葉が心に残りました。
その後、体操で身体と心をリフレッシュさせてから、作成した風炉の灰で炭手前を行いました。美しく作った灰を崩してはならないということに心を奪われ、肝心の釜の湯が不足しておりました。「お稽古がそのまま実践に現れる」との宗匠のお言葉に、お稽古での「本気で取り組むこと」の不足をご指摘いただいた思いでした。最後に、随行の方の左利きのお点前を初めて拝見させていただきました。このように、多くを学べた研究会でしたが、溌溂とされた宗匠にお会いできたことを最も嬉しく感じました。今後は「本気で取り組む」を忘れずに、謙虚に学んでいきたいと思います。
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八女雲鶴先生招請研究会
雲鶴先生招請研究会 〈課題:茶事〉
溝上桂雪(八女不白会)
今回の課題は「お茶事」。
初釜等で茶事に参加したことはありましたが、今回のような茶事の流れと懐石道具の扱いについて教えていただいたのは初めてでした。何となくしていた作法の意味を再認識することができました。今回はお料理はなく、実際のお膳やそれぞれの器、道具を使って、亭主、半東、客、水屋の役割を決め、茶事を進めていかれ、その中で雲鶴先生のご指導がありました。
興味深かったのが、湯桶を出すところです。最後の「おこげ」は湯桶を使うことにより、ご飯を余すことなく美味しく美しくいただけるのだと思いました。また、「お茶事は楽しく面白くなければ」と先生はおっしゃいました。私は、作法を間違えないように同席した方々に迷惑をかけないようにということに終始して、その時間を愉しむことが出来ずにいました。そして「お軸や道具等は、お客に因んだ物を選ぶこともある」とお聞きし、使われているお道具は、亭主とお客との関係のあり様を表現しているという見方もできると考えました。茶事を楽しむ視点が広がり、会話の糸口も増える気がしました。「昔に比べて、今はやり様が色々あり、和食にこだわらず洋食を取り入れたり、お酒をワインに替えたりしてもいいのではないでしょうか」というお話もあり、伝統を大切にされながら、画期的な提案だと思いました。
先生は参加者の細かな質問に対して、一つひとつに丁寧にお答え下さり豊かな気持ちになりました。今回の研究会で学んだことを活かし、楽しく面白いお茶事をつくったり参加したりしていきたいと思います。
山口宗香(八女不白会
前年の秋からの十一代家元襲名行事、四月の襲名を祝う茶会、祝賀会、そしてお孫さんの誕生と、今回の八女での研究会は喜びに満ちたものでした。
今回の茶懐石のご指導では、作法はもとよりいかにお客様に楽しんでいただけるか、準備の大切さ、間合いの大切さ、お茶事を楽しむこと、自分本位であってはならないという茶の湯の奥深さを感じる研究会でした。
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