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2013年10月27日

三木町棚の扱い

宗康先生招請研究会

田山宗由(岩手不白会)

三木町棚の扱い
 十月二十七日に宗康先生をお迎えして、会員百余名の出席にて研究会が開催されました。主な課題は、三木町棚、江岑棚の説明と使い方でありました。資料の図でその違いを説明されました。三木町棚は杉木地の色の美しさ、木目の向きの工夫による風情、江岑棚より少し高さがあることによって、すっきりと見えて水指との間隔といい使い勝手がよく、流祖も愛用なされたことを伺い、一層身近に感じました。
 その後、三木町棚を用いて、茶事形式にて花所望を取り入れて後座をいたしました。花所望では、家元が特別被災地の方々に思いを寄せられ、「拈華」と銘をつけられた細長竹の花入を掛けさせていただきました。お正客は石蕗、野紺菊、蔓梅擬、秋明菊を入れられ、花入と花がよく調和し、お床に映えました。厳粛なお濃茶のあと続きお薄をしました時、三木町棚での取り扱いに注意を払うべきことをお勉強いたしました。つまり、濃茶器と薄茶器の入れ替えで、濃茶器の扱いのご指導をいただいたことです。
 四畳半での茶事を想定してのお稽古でしたので、詰の役割や茶道口、通い口についてもご指導いただきました。そのあと七種の蓋置と宝珠、駅鈴の蓋置の扱い方の基本をご教授いただきました。基本の大切さ、学ぶ事の楽しさを新たにし、皆様の協力で爽やかな充実感を味わい研究会を終えることができました。
 

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2013年7月7日

濃茶続きお薄

宗康先生招請研究会

諏訪田宗教(新潟不白会)

濃茶続ききお薄
 去る七月七日、燕喜館におきまして、宗康先生をお迎えして研究会が行われました。テーマは三木町棚を用いての「濃茶続きお薄」でした。私は亭主役、お客様役も同じ社中でしたので、初めての経験ですが、精一杯務めさせていただこうと当日を迎えました。
 七月七日ということで、お道具、お菓子など七夕を意識した設えで、花入は「彦星」という銘でございました。「皆様が織り姫ですね」との先生の言葉に、場が和みました。
 常日ごろ、中野先生からご指導いただいていることを思い出そうとしましたが、目の前のことに追われ余裕がなく、宗康先生にも同じことをご指導いただくことになりました。「お点前ばかりではなく、お客様をもてなす気持ちが大切です」とのお言葉に、おもてなしの精神を、お客様にいかにお伝えするか、今後の私のテーマのひとつとなりました。
 午後からは、七種の蓋置の扱い方、服紗の捌き方、茶器の清め方の実践と、盛りだくさんでありながら丁寧なご指導をいただきました。
 今回、はじめてこのような経験をさせていただき、お茶の世界に導いてくれた母に感謝しました。とても充実した幸せな一日でございました。

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2013年6月16日

花所望に季節の風が

宗康先生招請研究会

加賀秀子(青森不白会)

三木町棚点前指導
 八甲田連峰に残雪が美しい青森に、宗康先生をお迎えし、青森七戸合同研究会が開催されました。
 三木町棚のお話に始まり、「続き薄茶」の実践へと移りました。ご亭主の母上の思い出の濃茶器が飾られ、花所望にお正客がたおやかに花を生けられるとお席には季節の風が吹いてまいりました。棚特有の扱いと飾り方、「続き薄茶」の型に嵌まらない多様さを学びました。
 午後皆様にお薄を差し上げた後、「花月」の実践、「不白筆記」のお勉強へと進み、先人の苦労と深い考えを知ることとなりました。
 終わりに「七種の蓋置」のご指導もあり、盛り沢山の研究会でした。
 宗康先生の「変革にも常に基本ありき」そして「是非、続き薄茶での茶事の実践を」との力強いお言葉が胸に刻まれました。
 熱心な質問もあり、今日のお軸、一元斎筆「一門大和」を体感致しました
。  この光景は、五月に青森を離れて今は三島においでの敬愛なる岩崎先生にきっと届いていると感じました。
 若輩の私にとって研究会は、地方に足をお運びくださる先生からの直接の御指導と、出席の諸先輩方とお会いでき、お話を聞くことのできる貴重な機会です。更に今回はじめてお当番を経験し、私をこの世界に導いてくれた母が愛して止まない茶の湯の道、その心に少し近づけた一日でした。

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2013年6月2日

三木町棚を学ぶ 茶事の流れの中で

宗康先生招請研究会

亀山穂雪(高田不白会)

三木町棚茶事
 去る六月二日、東本願寺高田別院にて、宗康先生招請研究会が開かれました。課題の三木町棚について、棚の特色や時代背景、江岑棚との違いなどを教わった後、三木町棚を用いた付薄茶の後座の席が設けられました。お花をたくさん集まりましたので花所望も加わりました。
 私は、二客として参加したのですが、先生のご指導と正客、三客の先生に助けられ、お床の花、ご亭主のお菓子と抹茶に至福のひと時をいただきました。
 その後は服茶、七種の蓋置の説明と扱い方の実践、茶器の清め方の実践と盛りだくさんの内容でした。「心を込める」ということを強調され、頭で覚えないで身体で身に付けるようにとも教えてくださいました。ご教示を胸に今日からまたお稽古に励みたいと思います。

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2013年5月26日

茶入名物飾り

宗康先生招請研究会

江崎宗代(八女不白会)

名物茶入飾りの点前
 去る五月二十六日、開運寺に宗康先生をお招きして「名物飾(茶入名物飾り)」についての研究会が行われました。
 その一ヶ月くらい前だったでしょうか、お稽古の折、先生から「今度の研究会で亭主をやってみませんか」と問われ、身の程も弁えず引き受け手しまいました。「名物茶入飾のお点前」については漠然としたものしか分かっていませんでしたので、ひとゝき草を読み漁り準備をしました。事前に先生に茶入の披露の仕方、大切なものの扱い方等一生懸命教えていただきました。
 当日、宗康先生からは「茶入を盆に乗せて運ぶときは手を添えること」「客の所望により拝見に出すときは膝行すること」「名物飾は客の拝見の仕方が最も大切」等々、午後からは服紗の捌き方、濃茶器の拭き方、七種(他二種)の蓋置の扱い方など、ご指導いただき勉強になりました。

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2013年5月19日

不白愛用の三木町棚

宗康先生招請研究会

下津浦靖雪(久留米不白会)

三木町棚解説
 久し振りの雨で庭の木々も、勢いづいた高牟礼会館で、宗康先生をお招きし、研究会がありました。課題は、三木町棚を使っての「濃茶つづきお薄」です。最初に、宗康先生が、三木町棚と江岑棚の違いを両棚を並べて説明して下さいました。三木町棚は、三種類の木がそれぞれの役割を果たし見事なまでに調和されていて江岑棚しか見たことのなかった私には、珍しさと驚きでした。
棚の点前
 また、会長の森田先生が持参して下さった三木町棚は、とても年代物で地板の裏に流祖の御尊名と花押がありました。二百五十年位前のお棚ということでした。古いながらも、天板、地板とも杉目もはっきりして、中板の底の部分に五ミリ位の隙間がありましたが引き出しの開け閉めもスムーズにできて今でもその感触が指に残っています。
 二百五十年を経て、ぎくしゃくすることもなく、今の世でも立派に使えるこの三木町棚には、先人たちの茶に寄せる思いが深くこもっていることを知りました。
 午後からは、七種の蓋置の扱い方のお勉強でした。蟹や三つ葉、特に駅鈴など、宗康先生がひとつひとつ丁寧に実践してくださいましたのでとてもお勉強になりました。初めは緊張しつつも宗康先生の細かいご指導や和やかな雰囲気のお陰で「濃茶つづきお薄」のお点前、当番を無事終わる事ができました。

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2012年11月7日

軸飾り・花入飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

石元泰雪(高知不白会)

軸飾り
 去る十月七日(日)高知市文化プラザかるぽーとにおきまして、宗康先生の研究会が開かれました。
 今回、軸飾りと花入飾りの亭主をさせていただきました。始めに、宗康先生から、軸のかけ方、しまい方の説明があり、軸飾りが始まりました。
 軸飾りは、名物、拝領の特別なお軸を、お客様の前で掛け、ご披露するものです。お客様は、三人。小間の設定です。正客は、旧知の友人ですが、大勢の方の前では、あいさつの言葉もスムーズに出てきません。
 軸は、ちょうど十年前、当地で茶事研究会があった時に、家元からいただいた色紙「只 ひたすらニ茶の湯ノ心」を表装した軸を使わせていただきました。日頃、人前で、軸を掛けることがありませんので、宗康先生からのお話を念頭におきながら、臨みました。いつもより、ゆっくりと歩くこと。軸を持つ手は、しっかりと持ち、軸をおろす時も、ゆっくりと、おろすこと。厳かになりますとの指摘がありました。
花入飾り
 その後の、花入飾りでは、家元好みの竹筒花入を使わせていただきました。初座で、花入をお客様に見ていただき、中立ち後、花入に水を入れ、花台を置き、お客様に入っていただきます。正客は、桐の実と藤袴を入れて下さいました。季節感のなかった空間に、秋の風情が漂います。宗康先生から、花入飾りの時は、先に花入が決まっていますが、花は、多くなく、適当な量の花を用意するようにとのお話もありました。その後、お客様に濃茶を差し上げましたが、ちょっと、少なかったのでは、と反省しております。
 茶杓は、昨年、全国大会の時、宗康先生から支部にいただいた「をにおふさま」の銘の茶杓を使わせていただきました。「仁王」を連想する大きな茶杓でした。 ※お仁王様とは、坂本龍馬の姉、乙女のことです。
   滅多に行うことのない、軸飾りと花入飾りを、緊張のなか、体験させていただきましたが、会話の難しさ、所作の難しさを痛感しました。これからは、軸の扱いのみならず、ゆったりと、ゆとりを持って、落ち着いた茶の湯を目指したいと思っております。ありがとうございました。

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2012年10月14日

飾り方の基本を学ぶ

宗康先生招請研究会

水野宗美(高田不白会)

米棚の十三飾り
 十月十四日、市内寺町の東本願寺高田別院において、宗康先生招請研究会を行いました。会員四十名余りが参加しました。
 当日の課題は、流祖不白八十八歳の時の好みの棚「米棚の十三飾り」の仕様でございました。
 東役の方がご指示通り順を追って飾り方を示し、その型の説明を事細かにご指摘いただきました。午後には、順番に茶杓、茶入等の拭き方、服紗の捌き方までご教授いただき、緊張の中にも時折宗康先生のユーモアを交えたご指導に、一同、厳しさの中に心穏やかにお教えを賜りました。
 水屋で清めてお持ちだしましても、お客様の前で、今一度、己の心も清めるという気持ちを込めてお道具を扱うという所作にこそお茶の究極の精神があるように感じ取りました。
 「茶の湯者覚悟十体」の中の「点前」の項に「薄茶を建(点)てるが専一也、是を真の茶と云う。世間に真の茶を濃茶と云うは非也」とあり、この度の宗康先生の一言一句、胆に命じて基本に立ち返って見たいと思います。
 

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2012年9月16日

米棚 十三飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

牟田泰雪(久留米不白会)

米棚指導
 今回の研究会の課題は、「米棚 十三飾り方」でした。初めて実演を担当した私は、宗康先生のご指導の声を聞き逃さないように耳を傾け、ご指示通りに点前を進めていきました。
 仕舞い飾りでは、両器飾り以上と以下との点前の違いや、拝見の所望がある時とない時との点前の違いを続けて学ぶことによって、お点前をする時に疑問を持っていたことが解決していきました。また、お点前の流れの中の一部だけを繰り返すことの難しさも学び、もっと精進しなければいけないなと痛感いたしました。
割稽古
 宗康先生には、自分の点前の癖をご指摘して頂いた上に、丁寧にご指導していただき、この役を担当できて嬉しく思います。
 午後からは、茶入の清め方、仕服の扱い方、服紗の捌き方などを、宗康先生の丁寧なご指導の下、研究会の参加者から数名を選ばれ、みんなの前で所作を行うことで、見学者と一体になって稽古ができて充実した研究会になったように思います。

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2012年5月27日

「軸飾り」「花入飾り」を学ぶ

宗康先生招請研究会

堤 宗誠(八女不白会)

軸飾・花入飾
 「軸飾り」の目的は、特別なお軸をお客が初座に入席後に披露すること。正客とのやりとりや名物軸の扱い方等、普段のお稽古ではできない「軸」の飾り方、仕舞い方など勉強することができました。日常の床の軸かけにおいても丁寧な扱いをする心のゆとりが大事なことだと思いました。
 「花入飾り」の研究会では、はじめてのことで戸惑いましたが、初座において花入に水を入れずに床に飾り、客に「拝領物」「名物」の「花入」を観賞していただくこと。後座にての花所望では花入に合う花を選ぶこと。適量の花を準備すること、そのことに関連して、花入飾りは特殊な趣向で、普通の茶事では花入よりも花に重きを置き、その花に見合う花入を選ぶものであるが、どうしても花入が先行しがちであること等、大変有意義な研究会となりました。
 「軸飾り」「花入飾り」とも普段のお稽古ではできないことなので、半東の役割などを踏まえて、研究会に参加できましたことは大変よい勉強になりました。

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2012年5月20日

米棚十三通りの飾り方

宗康先生招請研究会

七戸・青森不白会

米棚手点前
・七戸不白会……盛田宗蛍
 宗康先生をお招きし、青森不白会との合同開催で、「米棚、十三飾り」を学びました。青森の前会長の岩崎先生が久々にお出まし下さっての会でございました。
 勉強不足のまま一夜漬けで臨み、度々手が止まったため、そのつど懇切丁寧にお教え下さいました。ぼーっとした頭に、何故こうするのか意味を解ってするように、また、座る位置をきちんと、というお言葉が残りました。
 会場には何の設備も間切りもなく、ありったけの衝立を持ち込み、置床を据えて、隠元のお軸を掛け、「二王」と銘された竹花入に白の山吹と黒百合を入れました。
 前夕、七戸到着後、会場を見てくださった宗康先生が、父にお会い下さるために突然我が家へお立ち寄りに成られました。
 また、先生がお帰りになった夜の母の夢は、お返しとばかり、宗康先生のお宅へ母を先頭に四、五人で押しかけたものだったとのことでした。
 今回の研究会では、先生一流のチクリとしたユーモアに色々教わりました。また、「皆さん、いい流派にお入りになったと思いますよ」という一言に江戸千家、そして宗匠への思いが感じられました。
・青森不白会……吉川恭子
 今回の研究会は「米棚 十三通りの飾り方」が課題として取りあげられました。天板、地板の間に中板が二枚という棚は少なく、不白の格別のお好みの棚であったとのことです。両器飾り、総飾りなど、またその他、バリエーションをいろいろと楽しめる棚だということでした。  大切なことは、飾り方の形だけではなく、どんな時にどの飾り方をするのか、茶事での展開を含め、その用途を理解することであるとのことでした。お点前を始める時の飾り方と仕舞いの時の飾り方、拝見の所望のある時とない時の飾り方、またその他の飾り方など、詳しくご教授していただきました。
 午後は、「濃茶点前」に関連したお稽古をいたしました。仕服と茶入の扱い、服紗の捌き方、茶入の清め方など、一つ一つの作法について、丁寧に教えていただきました。割稽古で疑問点をなくしておき、それから全体のお稽古をするのが良いということをあらためて実感いたしました。
 宗康先生のご指導の下、前に出て所作を行う方々と見学者が一体となって練習でき、充実した中味の濃い研究会だったように思います。

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2012年2月26日

米棚の飾り方 十三通り実演

宗康先生招請研究会

小泉恵雪(岩手不白会)

棚物の点前
  二月二十六日、まだ雪深い盛岡に宗康先生をお迎えして、研究会が行われました。
 午前のご講演に続き、午後に「米棚の飾り方 十三通り実演」のご指導がなされました。実演担当の私は、宗康先生のお話に耳を傾け、ロボットのように、ご指示通りに点前を進めることに務めました。そんな中、お点前の流れの一部だけ(棚に飾り、それを解く)を繰り返すことの難しさを痛感し、日頃の精進の足りなさに反省しきりでございました。
服紗捌きの稽古
 教本に、十三通りの説明がありますが、実践と結びつけると疑問が湧いてまいります。先生の解説でその疑問が一つ一つ解き明かされていきました。特に、どのような場面で使う飾り方かをイメージするいことの大切さを納得いたしました。宗康先生のお手本を会員皆が注視していました。また、癖は自分では気が付かない曲者です。ご指摘いただき、このお役をいただいたことに感謝いたしました。
 例年は十月の気候のよいときに行われますが、今年は岩手不白会八十周年行事のため厳寒の候に行われました。充実した研究会でございました。

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2011年11月27日

台飾りと続き薄茶

宗康先生招請研究会

宮川宗貴(福岡不白会)

 研究会のテーマが一度もお稽古をしたことがない「台飾り」ということで、その亭主役をすることにとても不安な気持ちで当日を迎えました。
 台天目を簡略化したものとはいえ、日頃、供茶等以外で、お客様に天目台で茶を出すことも、客となっていただくこともありません。
 宗康先生から細かく一つずつご指導いただいたことで、基本的な所作、お客様に対する心遣いをこれから先の茶事に実践していければいいなと感じました。不安から始まった一日でしたが、研究会の後はとても充実した気持ちになりました。
 午後は続き薄茶でしたが、普段曖昧になっていた基本をしっかりおさらいしました。日頃実践することも多く、あらためて勉強になりました。
 

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2011年11月23日

台飾りと付薄茶

宗康先生招請研究会

望月宗盛(甲府不白会)


	飾り方
天目台を飾る
 甲府不白会では宗康先生をお招きし「台飾りと付薄茶」の研究会を紅葉の森の中にあります山梨県立文学館の「素心庵」で行いました。
 「台飾り」は台天目の省略点前・台天目平点前と書物には記されています。どんな心構えで点前を進めるのか、研究会当日まで不安でした。
 宗康先生の到着を待って、茶席、観客席が設えられました。そして漠然としていた気持ちが落ち着き徐々に亭主役を勉めさせていただく心構えを感じ始めました。
見学
 最初の講義で、客を大切に敬い、心からの点前を精神性をこめてするようにと教授して頂きました。
 心と身体が一体となり、おもてなしをするしぐさを懇切丁寧にご指導していただきました。心を表現する難しさと茶道の奥深さをしみじみと感じました。そして生涯勉強の世界であることを再認識できました有意義な一日でした。

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2011年6月18日

「台飾り」「濃茶続き薄茶」研究会

宗康先生招請研究会

竹内宗玲(青森不白会)

台飾り点前
台飾りの点前
 去る六月十八日、青森市文化会館において宗康先生による「台飾り」と「濃茶続き薄茶」の研究会が行われました。
 前日の夕刻到着し、お疲れになっている中を会場にお出で下さり、席作りを皆様によく見えるようにと配置を考えて下さいました。お陰様で参加した方々から「とても見やすかったですよ」と言っていただきました。
   「台飾り」については、私自身よく分からなかったので、亭主を引き受けながらも不安な思いをしておりました。周囲の皆様から「勉強の場を提供するつもりでなさったら」と話していただいたお陰で、当日は気持ちを楽に臨むことができました。
 台天目点の省略点前ということで、先に棚へ天目台を載せていて点前を進め、お客様に差し上げる方法です。所作も少なく、点前をしているうちに緊張感も少しずつほぐれていきました。宗康先生には、茶入の拭き方について、自らゆっくりと拭き清めてお手本を見せて下さいました。
記念撮影
木立青森支部長、盛田七戸支部長、岩崎前青森支部長と宗康先生
 午後は、「濃茶続き薄茶」でした。午後の部に入る前に、花に霧を吹くようにとのお言葉でした。その折に宗康先生が花の向きを少し変えて下さったところ趣が変わりました。花は大山蓮華の蕾を一輪入れてみました。花入は、唐銅の尊式を使いました。花は凛として会場を引き立てていました。
 午後の部での亭主の方は、先生が何度か点前を中断して、ところどころ指導していただきながら点前を進めていました。曖昧だった所も確認しながら進められましたので、点前のご本人も見学している者も勉強になりました。
 支部の皆様に支えられて無事に研究会を終える事ができました。次はこれをもとに、実践してみたいと思います。

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2011年6月12日

台飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

水田宗栄(久留米不白会)

台飾、座の点検
 梅雨入りをしてまもなくの六月十二日に、久留米高牟礼会館に宗康先生をお迎えして、「台飾り」と「濃茶続き薄茶」の研究会が行われました。
 日頃、お稽古をしたことがない「台飾り」のお点前を仰せつかりました。
 はじめに宗康先生より、「台飾り」の成り立ちと目的、亭主の心得等のお話を伺いました。
 江岑宗左が紀州候へお茶を差し上げる時に、棚に台を飾り、点てたお茶を台に乗せて差し上げたことに始まるということでした。
 貴人は必ずしもお茶に精通した方ばかりではないので、退屈させずお茶を愉しんでいただくにはどのようにしたら良いか、などのお話をしていただきましたが、難しい課題がいっぱいです。
 いよいよお点前が始まり、貴人にお茶を差し上げることになりました。
点前
 美味しいお茶を、お客様に差し上げるのが第一義と、いつも教えていただいていますのに、お点前中は心にゆとりがなく、お茶の量、お湯の量が不加減で美味しいお茶が点てられませんでした。また、お客様への心配りもほとんどできず、反省しきりです。
 お点前もさることながら、お茶の心を体得することがいかに難しいかということを強く感じております。
 日頃、何気なくお稽古している所作についてもご指導いただき、「初心を忘れずに」を心に刻みました。
 役目を終えて庭に目をやると、雨に濡れた紫陽花が輝くように咲いているのが、印象的でした。

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2010年11月23日

「貴人清次」を学ぶ

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

飯野宗志(甲府不白会)

貴人清次
貴人点の指導
 十月に蓮鶴先生とお別れしたばかりの十一月二十三日、山梨県立文学館の「素心庵」において宗康先生に「貴人清次」を教えていただきました。
 蓮鶴先生お好みの雲鶴棚を使っての研究会としました。宮澤支部長が体調を崩され欠席され、心細い限りでした。少ない人数の研究会でしたが、宗康先生の「少人数の方がかえってよく勉強ができますよ」というお言葉に励まされました。
 身分制度がはっきりしていた時代の点前ではあるが、現代では客を敬うことの大切な点前として学び取ることがある。また、貴人のお供の清次は、貴人に対して十分に気を遣う役目であることがよく理解できました。
和やかに研究会
 午後は、入門して日の浅い者も特別参加させていただき、茶道の基本である挨拶を共にご指導賜り、真・行・草の実践を二名ずつ前に出て行い、緊張した雰囲気の中にも、多少の華やかさも生まれ、楽しい秋の一日を充実して過ごしました。
 遅々とした一歩ではありますが、根気よく学んで行きたいと思います。

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2010年11月20日

青森・七戸不白会合同研究会

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

田中宗恭(七戸不白会)

茶筌供養
研究会の前に茶筌供養の式
○茶筌供養
 宗康先生をお迎えして「茶筌供養」を行い、続いて「貴人清次」のご指導をいただきました。会場は茶筌塚の建立地、青岩寺にお願いし、ご協力により準備を進めて当日を迎えました。
 午前の部は七戸不白会会長のご挨拶により、ご逝去なされた蓮鶴先生を哀悼し一同黙祷を捧げ、ご冥福をお祈りいたしました。
 この度の茶筌供養は久々だったのでたくさん持ち寄られた茶筅を三方に盛って釈迦如来の御許にお供えして始められました。和尚様のしめやかな読経が続く中、宗康先生のお点前により点てられたお茶は、青森不白会会長より厳かに供されました。
 そして滞りなく寺庭の一画に安置されている苔色をまとった茶筌塚の前に茶筌の火が焚かれました。
貴人清次
貴人を迎え挨拶
 ○貴人清次
 午後の課題「貴人清次」の研究会では亭主役を担いましたが、貴人を敬う気持ちを動作に表す等々不安を抱えたまま本番に臨んだ次第でした。先生の懇切丁寧なご指導によってどうにか貴人の一服を差し上げることができました。
 先生のまとめの講義をうかがってこれまで曖昧でありました台天目と貴人清次の相違点をしっかりと勉強できました。また主従の関係の厳しい時代の茶の心の一端に触れることができた貴重なお話でした。今回のお亭主役の経験から学んだことを今後のお稽古に活かして参りたいと思っております。

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2010年10月17日

貴人清次-台天目との共通性と相違点-

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

竹花宗昭(岩手不白会)

蓮鶴先生へ供茶
研究会に先立ち、澤野支部長より蓮鶴先生の遺影にお茶が供えられた
 はじめに、お床には蓮鶴先生のご遺影と、白いお花が飾られ、支部長の澤野先生が御丁重に供茶をされた後、全員で黙祷をいたし、ご冥福をお祈りいたしました。
 テーマは「台天目と貴人清次」。ともに貴人点ながら、その違いは何か? 身分制度のはっきりしていた時代の貴人と清次のあり方など興味深いお話でした。茶会に貴人をお迎えした時、清次の礼節と心配り、清次以下の客同士は極力無言。お点前をする方の心遣いとして貴人にお茶を差し上げるには、新しい道具でお点前をすることを心がける、など、現代にも通じる大切な作法と思われました。
 実践として、及台子に皆具、新しい木地の天目台と天目茶碗、高坏の菓子器と貴人をお迎えするための準備をしました。
貴人の茶を呈する
清次が、亭主の点てた茶を貴人に呈する
 しかし、お点前側が不勉強のため、台天目と貴人清次の点前が曖昧で、先生が途中でその違いを丁寧にご指導下さいました。また、清次がいる場合でも、半東が茶室の通口外に控えていることが大事であることも話されました。
   貴人、清次、お詰、そして亭主と半東がそれぞれに学びながら役目を果たすことができてほっとしております。
 宗康先生が「母が見ておりますので……」と何度もおっしゃっていらしたのが印象に残りました。ご遺影が静かに微笑んで私どもの研究会の様子をごらんになっておられました。

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2010年7月4日

清次を担当して

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

中尾宗禮(新潟不白会)

貴人点て
貴人を迎えて天目茶碗による点前
 去る七月四日、宗康先生招請研究会がシルバーホテルで行われました。
 午前中「貴人清次」、午後「茶道具の仕舞い方」について、ご指導いただきました
 「お茶事において貴人をお招きする」ということで、会場がホテルでしたので、お席造りを舞台形式と致しました。配役は抽選で、たまたま貴人は男性、そして清次役が私となりました。進行中ポイントの所々で、宗康先生の解説とご指導をいただき、お殿様にお仕えする家来の心配りや所作、お殿様と亭主との間に座し、臨機応変の対応が大切なのだと学ばせていただきました。
解説
宗康先生による貴人点解説
  貴人清次は古典ですが、清次役を終えた今、相手を敬い思いやる気持ちは、いつの世でも変わらぬとても大切な事だと改めて深く感じ入りました。
 午後は、茶道具の仕舞い方について、箱紐、長緒の結び方、風呂敷での包み方等、会員の方々は、持参の道具で熱心に練習いたしました。宗康先生に身近にご指導をいただきたいと次々に舞台に上り、大変和やかな研究会となりました。

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