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2025年3月23日

大分雲鶴先生招請研究会

雲鶴先生招請研究会 〈課題:花月〉

工藤宗睦(大分不白会)

 春霞がやわらかに空を包んだ三月二十三日。雲鶴先生による大分の日出・深見邸にての研究会でした。当日は「濃茶付花月」・「香付花月」と「札なし花月」をご指導いただきました。私は「濃茶付花月」で亭主を務めさせていただきました。お役をいただくと今までに何となく過ごしてきたお釜の湯の量・温度、そしてお茶入に入れるお抹茶の量など考えておかなければならなかったと改めて思いました。「香付花月」でも香は何のため、誰のために焚くのか。「札なし花月」でも参加した全員が他者の行動に気を配る。そうしないとお席がゴタゴタになる。など思い出させいただくことが多かったです。
 雲鶴先生の研究会でじかにお話しさせていただくのは初めてでしたが、先生の美しい所作に感激いたしました。「茶道の道はすべてに通ず」を実感した研究会となりました。

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2025年3月17日

神戸名心宗匠招請研究会

名心宗匠招請研究会 〈課題:小習・体操〉

吉田慶子(神戸同好会)

 神戸教場では、三月十七日に名心宗匠にお越しいただき、研究会が開催されました。前半は小習と体操、後半は「花月」のご指導をいただきました。普段のお稽古では先生方のご準備により予め整えられた茶室に入ることが多く、準備段階である小習については、あまり知識がありませんでした。
 今回は花と掛軸について宗匠のお話を聞きながら一つずつの動きを目で確かめることができ、とても勉強になりました。体操は着物姿でできる立居の体操を教えていただきました。動きは少ないのですが基本の基本である深い呼吸と正しい姿勢を保ちながら、ゆっくりと動くというのはとても難しいと感じました。長年の習慣で浅い呼吸と前屈み、そり腰と悪い癖が身体にしみついてしまっています。正しい呼吸、正しい姿勢に戻るのはなかなか難しいですが、まずはお茶室の中から心掛けていきたいと思いました。休憩をはさみ、後半は四畳半での「札なし花月」と「炭付き花月」に取り組みました。「炭付き花月」では炭点前全くの初心者の私にまさかの札が当たりました。先生や社中の皆様がハラハラと見守る中、戸惑って手が止まってしまう私に一つ一つ丁寧にご指導いただき、何とか最後まで終えることが出来ました。 直に宗匠のお声を聞いてご指導いただけることに感謝するとともに幸せを感じた一日でした。

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2025年3月8日

チャリティ茶会に参加して

田中史子(新潟不白会)

 新潟不白会では、三月八、九日の二日間、万代シルバーホテルのロビーにて、チャリティ茶会を開催しました。当日は好天に恵まれ多くのお客様にお越しいただきました。
 今回の茶会は、お茶とのつながりが深い「輪島塗に携わっている方々への支援」という目的で行われました。輪島塗は、多くの作業工程を分業制で行い、多くの人と多くの時間をかけて作られる、職人技が光る、素晴らしい伝統工芸品です。そんな輪島塗も、一昨年の能登半島地震や豪雨災害などにより、大きな被害をけ、輪島塗の事業者のうち事業を再開しているのは六割ほどだという痛ましい現状を記事で知りました。今回のチャリティ茶会で、微力ながらも支援の機会を持てたことを重く感じ、少しでも早い復興を願っています。
 今回は立礼席での開催でした。二十分ほどの短い一席のおつきあいを通して、 幅広い年齢のお客様が円卓を囲むことは、とても素敵なことだと感じております。楽しい対話、温かいお抹茶と、春を感じさせる和菓子をいただき、自然と笑顔になる姿を見て、楽しい時間を過ごしていただけたのではないかと、嬉しくなりました。 お稽古だけでは感じることのできない、このわくわく感を感じることができる茶会は、運営側とお客様、双方にとってなんて素敵な場所だろうかと思います。この茶会を通して、私自身、多くの先輩方に囲まれ実りある一日を過ごすことができました。こんな機会が多くあれば、お茶を身近に感じる人が増え、敷居の高さを感じることがなくなるのではないかと想像しました。

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