2025年6月8日
久留米雲鶴先生招請研究会
雲鶴先生招請研究会 〈課題:正午の茶事〉
伊藤宗鳥(久留米不白会)
今回の研究会では「正午の茶事」をテーマに、雲鶴先生のご指導を賜る貴重な機会を得ました。茶事はお客様のご招待に始まり、待合・懐石・濃茶・薄茶と、一連の流れのすべてが含まれているため、これまで社中で学んできたことを総括する場として、気合を入れて臨みました。
研究会で亭主を務めるのは今回が初めてでしたので、事前に作法や順序を本で確認して準備してはいたものの、実際には雲鶴先生をはじめ、周囲の先生方の温かいご指導のおかげで、なんとか務めることができました。
中でも心に残っているのは、掛け軸にまつわる雲鶴先生のお言葉です。今回使用した掛け軸は、「『道』一以貫之(広徳寺の海雲老師筆)」というもので、論語の一節から取られた「一つの信念を貫き通す」という意味を持つ言葉です。雲鶴先生から真っ先にご指導いただいたのは、

「掛け軸は亭主と客の心が通じ合うようなものを選ぶといいですね」という一言でした。
そのお言葉を受け、私は、お客様が初座に着かれ、亭主である私が茶道口で総礼をする場面において、この軸の意味する「『道』一以貫之」を通じて、正客、次客、三客(詰)及び半東と心を一つにして、このひと時を過ごしたい思いと、また研究会参加者と共に江戸千家の茶の湯を学び、精進していくという思いを込めて取り組みました。
作法については、膳の持ち方・運び方・振る舞い方・戴き方など、丁寧にご指導いただきました。また、料理に関しては器のみで行いましたが、「味はどうか」「盛り付けは美しいか」「冷めていないか」「ご飯の炊き方、盛り方」などの本では学べない実践的な所作の一つ一つに込められた意味を、数多く教えていただきました。
今回、茶道という共通の「『道』一以貫之」を志す皆様と、心・時間・空間を共有できたことは、非常に学びの多い貴重な体験となりました。今後の実践においては、お客様と心地よい時間と空間を共にできるようなおもてなしを心がけ、亭主としての役割を全うしたいと感じております。そして、今回のお軸の言葉を胸に、江戸千家の茶の湯の道を貫いて精進してまいりたいと、改めて心に誓いました。
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