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2008年6月1日

力の入ったはじめての茶杓削り

宗康先生招請研究会−【茶杓削り】

小川宗美(新潟不白会)

茶杓削り
かい先の削り方を熱心に見る
 宗康先生をお迎えしての茶杓作りは、とても楽しい講習会でした。
 茶の湯という日本文化の中で竹が素材となり形作られたものは沢山あると思います。その一つが茶杓です。茶杓や茶筅なくしてお茶を点てることはできません。
 宗康先生より手順のご説明の後、いよいよ作業開始です。まず、かい先を作るための竹をローソクの炎で加熱し冷水中で一気にカーブ。折れる寸前までの力加減は難しく慎重になります。次に節を境に削るのですが、宗康先生の「そんな削り方じゃ駄目だよ!!」の声が私の手元に向けられているとは露知らず、ひたすら寡黙に削っておりました。一本の竹は、宗康先生の手によって茶杓らしく変化いたしました。しかし、私の手に戻ってから、節上は削りすぎで細くなり、時間とともに平らになったかい先は、竹とんぼのようになってしまいました。
茶杓の品評会
力作の茶杓がずらりと並ぶ
 終了後、会場は宗康先生のご批評と茶杓プレゼントでとても盛り上がりました。残念ながら抽選にはもれてしまいましたが、楽しい一日でした。また、機会がありましたら参加したいものと思っております。
 そして最近は、茶杓を拝見する時の気持ちが、以前と変わってきたことを実感しております。

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2008年5月31日

演出で楽しい茶事

宗康先生招請研究会−【軸飾り】

窪田宗恵(新潟不白会)

軸の巻き方指導
軸の巻き方の基本を指導
巻緒のことなど
 新潟不白会では、五月三十一日、宗康先生をお招きし、「軸飾り」の研究会を行いました。
 普段は、お客様をお迎えする前に、影の仕事として行っている事を、初座の最初にお客様の前でするということで、その意義、軸の各部の名称、取り扱い方を基本から丁寧に御指導いただきました。
 お茶事をするときに、様々な演出をし、主客共に楽しんでいたことがよくわかりました。
 まだ何をするにも「楽しく」というわけにはいきませんが、楽しいお茶事が出来るように、精進したいと思います。

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2008年5月29日

喫茶往来

家元招請研究会−【茶事の実践】

大山宗貴(高知不白会)

 先の五月二十九日の家元招請研究会は、第二回目の「茶事の実践」でした。
 茶席は六席、茶席担当者(亭主・水屋二名)以外のすべての客は、お家元、随行の瀬津様を含めて、どの茶席へ行くかを百パーセントくじ引きで決めました。それぞれの茶事終了後、文学館ホールでの集会で、お家元のお話、主客それぞれの話などあり、成功裏に終わったことは実感できました。その辺の詳しい事は、誌面の都合も有り割愛させていただきます。
 くじ引きという前提の元に、思わぬ方と相席となり膝をまじえられたことによって、新たな展開もあったことと思われます。
 研究会終了後しばらくして、参加された会員の方から「この形式での茶事研究会を一年に一度くらい支部の研究会としても取り上げてほしい」という要望があり、そうすれば『喫茶往来』も行われやすくなるのではないかと、概略すればこういう話でした。
 確かに支部としてもこの研究会を、何回か行えば、他の社中とも、まだ知りえなかった会員の方とも親睦が増し、さらにはお家元の仰る『喫茶往来』が、より深まるのではないかと思ったことでした。まだ一つの課題としての段階ですが……。
 

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2008年4月29日

工夫を楽しんだ亭主役

家元請研究会−【茶の湯実践】

永田範子(青森不白会)

濃茶一服
広間での点心と濃茶のもてなし
 例年にない早い春の到来に散り始めた桜の下、四月二十九日に青森文化会館にて、家元招請研究会『茶の湯実践』が行われました。前もってくじ引きで決められた方々が、それぞれのお宅に伺う方式です。
 未熟ながら、私は初めての大役である亭主を務めることになりました。寄付は大きな六曲屏風を配し、お軸に見立て甲人の油絵をかけ、六名のお客様に白湯を差しあげ、ゆっくりしていただきました。蹲で清めた後、席入り、いよいよです。
 お客様一人一人とご挨拶の後、少し早めではございましたが、簡単なお食事をさせていただきました。大山桜の実で作りました薄ピンク色のお酒で、お席が一段と華やいで楽しい場になりました。
 床のお軸は「百花似開錦」。正に八甲田の山々は、そのようでございました。花入は耳付青磁に瑞々しいクマガイソウを一輪、脇床にはミャンマーの硯箱、水指はシックな海老の耳付、お菓子は縁高に入れてみました。桜色をした大振りな萩の茶碗にお濃茶を丁寧に心を込めて練りました。お客様の「とても美味しい」との声が大変嬉しく思いました。
ベランダのテーブル茶
お薄は、ベランダでの意表をつくお盆点て
 再び、中立ちの後、今まで閉めていましたベランダ側の障子を大きく開けますと、お客様より歓声があがりました。真っ赤な野点傘が目に入ってきたのです。席主山本の心ばかりの演出です。
 お薄席はベランダでのお盆点て。テーブルを囲んだ椅子にも赤い毛氈を敷き、ちょうど満開の菜の花をこんもり生けました。お干菓子と春の花々の数茶碗でお薄を一服、開放的な青空と心地よい涼風に、今までの緊張もすっかりほぐれ、会話がボンボンと飛び交いとても楽しい一時でした。
 文化会館での報告会においては、思っている事の十分の一も言えず、皆様が発表する度に、それぞれのお席の様子を想像しては楽しさが広がり、今回の講習会は私にとりましては如何に実のある会であったのか、最後にお家元様からのプレゼントは、直筆の色紙でございました。私は「和」をいただき、わが家のお宝として、茶の道を少しずつでも歩んで行きたいと思っております。

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