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2009年6月28日

「名物飾り」と「講義・茶道史」

宗康先生招請研究会−【小習十三箇條他】

新潟不白会

 ・「名物飾り」
 去る六月二十八日の宗康先生招請研究会は、午前中に「名物飾り」の実践が行われた。
 気持ちが所作に表れる動作と型のみの動作の相違についてが主要課題。型を修得することから気持ちが生じることも学ぶ。
・「講義・茶道史」
 午後は茶道の講義。江戸初期から明治時代に至る茶の湯の変遷について。「稽古」のあり方に焦点が絞られた。
 宗旦時代の茶の湯から流祖不白時代の型から入る稽古の確率への展開など、資料を元に解説された。
名物を扱う所作
名物の茶入を丁寧に扱う亭主
講義風景
講義風景

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2009年6月26日

亭主の難しさを改めて

家元招請研究会−【正午の茶事】

中村宗紀(高知不白会)

研究会風景1
まずは、歓迎の挨拶から
 高知要法寺での研究会において、私ども社中も当番となり、亭主を務めることになりました。
先輩や仲間から「わからなくなったり、間違ってもいい。ご指導いただけるから心配しなくても大丈夫」と励まされ、当日は緊張の上、無我夢中でしたが、半東、水屋、お客様とそれぞれが役割をこなして、段取りは順調に進みました。
 ただ、家元にもご指摘いただきましたが、作法に気を取られ、茶事の中でも重要な主客の交流、会話についてはおろそかになりました。点前や茶事の流れなど基本を習熟し余裕のある気持ちがないと、お客様に気持ちが向かないことを実感して理解できました。
この、はじめての亭主という貴重な経験を、次につなげていきたいと思います。
家元筆「潮鯨」
家元による力強い書「潮鯨」
研究会風景2
八寸のご馳走を、亭主が取り分ける

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2009年6月21日

あやめ祭りに呈茶をして

伊東由実(福島不白会)

体育館の呈茶席
大勢のお客様でにぎわった体育館の呈茶席
 薄紫の花菖蒲が美しく咲き乱れ、雨に打たれて艶やかさを増している鏡石鳥見山公園にて、六月二十一日、面川晴雪さんの席主で、あやめ祭りの呈茶席が開かれました。
 前日から野点の準備を進めました。花の香る緑の芝生の上で情緒豊かに野点の気分を味わう予定でしたが、当日は朝から雨。体育館の一角に、立礼席を設けての茶席となりました。
 体育館内では、あやめフェスティバルという、年に一度のお祭りで、大勢の人が集まっています。中には始めて茶席を見るという方もいて「どんなものか」という興味で席に着く方もおられました。午前中に二百個のお菓子もなくなる盛況振りでした。
 無心になってお茶を点てると、騒音の中にさえ釜の沸く松風の音が聞こえてくる、不思議なほどに落ち着いて点前ができました。
 あるご夫人が「抹茶はもっと苦いものだと思っていましたが、意外に甘くて美味しいものですね、普段着で入れるお席はよいですね」と言って帰られたのが印象的でした。

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2009年5月31日

名物飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会−【小習十三箇條】

高田不白会

名物の扱い
名物茶入の拝見の所作を学ぶ
 【亭主役として】
 普段の茶入の扱いと異なり、「伝来品」の茶入を四方盆に載せ、床に飾り、その茶入をお正客の前で心を込め丁寧に清めました。
 お客様が名物茶入を拝見される前に、亭主は茶入について、お話は控えるように、と説明をいただきました。このことが一番私の心の中に残っております。
 また「お道具を置くときは丁寧ですが、道具を離す時の手が早すぎます」というご指摘もありました。また茶入の清め方など、意義深い研究会となりました。(川崎翠雪)
 【客として】
 今回はじめて「名物飾り」の客として参加しました。茶入は古丹波の名品で、小堀遠州公が銘名されたという「生野」という濃茶入を目にしました。
 穏やかな撫で肩で耳の付き方が面白く、品の良い置形をし明るい釉が溶け込むようでした。貴重な茶入に対しますと、自ずと敬意の気持ちが動作に表れます(小池博雪)。
青森での名物飾り
青森不白会でも同様の課題で研究会が行われた(7月12日)
服紗裁き

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2009年5月30日

亭主の役割を終えて

家元招請研究会−【風炉の正午の茶事】

野口宗都(佐賀不白会)

家元講義
最初に行われた家元による講義
 長期間、皆で準備を重ねての研究会で、私は亭主の役割をいただきました。当初は緊張しておりましたが、次第に体もスムーズに動くようになり、もう随分前ですが茶懐石のお稽古をした様子が頭の中に浮かんできました。
 お茶事の流れの一つ一つがお客様とのお互いの心をつなぎ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。炭点前では湯が丁度よく沸くよう注意し、お家元より炭の様子を尋ねられたときは、火の具合もよかったのでホッといたしました。
 初めての場所でしたので、点前座、お客の位置、待合の位置などが、その場に応じてどうなるか、お家元からご指導いただき、とても勉強になりました。
 また、それぞれの役割が一つになって茶事が成立することを、達成感と共に感じました。無事終わった帰り道では、皆苦労も忘れ、笑顔でした。
八寸
八寸には海のものと山のものとが並ぶ
千鳥の盃
主客やりとり

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2009年5月26日

岩手不白会恒例の桜山神社大茶盛−南部会長を偲ぶ

福士宗信(岩手不白会)

 五月二十六日に盛岡市の桜山神社で、春の例大祭が行われ、神社の大広間では恒例の江戸千家岩手不白会による大茶盛がにぎやかに行われました。
 この桜山神社は南部家の鎮守の神社で、春の例大祭では南部家当主が武者姿で白馬にまたがり、市内を勇壮に行列します。江戸千家岩手不白会会長で南部家第四十五代当主の南部利昭さんが馬上からにこやかな笑顔で手を振る姿はとても素晴らしく、沿道の市民から〈南部のお殿様〉と声が掛かるほどの人気です。
 大茶盛は、盛岡城築城四百年記念の一九九七年に、南部利昭会長から、是非お茶会をとのお話があり、三田宗明名誉会長が発案して始まりました。大きなお道具点ての大茶盛で、神社をお参りする人たちにおいしいお茶を味わっていただき、さらに神社のご加護をというものです。以来、恒例行事となり、大茶盛を楽しみに訪れる市民が増えています。
 南部利昭会長のお声がかりで始まった桜山神社の大茶盛ですが、今年一月七日に突然、南部会長が靖国神社の執務室で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
 このため、今年の大茶盛では床の間に南部会長の遺影を飾り、お軸は南部会長の祖父の利恭(としゆき)様の書を掲げました。はじめに、供茶を捧げ南部会長を偲びました。その後、男性陣が大きなお茶碗でお茶を点て訪れた人たちに大茶盛を振る舞いました。
 直径およそ三十センチの大きな茶碗に、大きな茶杓でふたつほどのお茶を入れ、大きな柄杓で二杯ほどの湯を入れ、大茶筌でゆっくりと豪快に点てます。一度におよそ十人分のお茶ができあがり、お運びの男性がお手伝いをしながらお客様にゆっくり飲んでいただきます。
 中には一人で大きなお茶碗を持ち上げマイペースで大茶盛を楽しむ人もいます。大茶盛をいただきた人のほとんどは、普通のお茶碗のときよりもお茶が甘いですね、とてもおいしいです、と話していました。なぜ甘いのでしょうかと聞かれて、私どもは南部様の皆様を思う優しい気持ちがより一層お茶をおいしくしているのではと話し、突然お亡くなりになった南部利昭会長を偲びました。
大茶盛風景
南部家46代の利文(としふみ)様も奥様と共に大茶盛を楽しまれた
大茶盛風景2

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2009年5月25日

おなかも心も満たされて–茶懐石マナー教室体験

菊地 和子(福島不白会)

寄付にて
まず、寄付で白湯をいただく
 四月に福島不白会家元招請研究会で、「正午の茶事」が取り上げられました。私は楽しみにしていましたが、参加できずとても残念に思っていました。その折、先生から「柿傳の茶懐石」の話を聞き、私たち九名は「茶懐石マナー教室」に行くことになりました。
 「柿傳」(都内の懐石料理店)の待合に通された時、都会の真ん中にこのような静けさがあるのに驚き、またマナー教室なのに皆緊張しているのがわかりました。いよいよ茶室へ。正客に見習って全員がぎこちなく席入しました。茶室は、「青嵐」の軸、「芍薬、撫子、縞葦」の花々で設え、私たちを爽やかな気分にしてくれました。
 私は、茶懐石は初めてなので、「マナー教室」では多くのことを学べました。
一、飯椀と汁椀の蓋を両手で取り、それらを合わせて汁碗右側に直線になるように置くこと。
二、ご飯は、出されたものを一口残しておく心遣いが必要なこと。
三、お替わりの飯器の蓋をお詰めへ送ること。ご飯は、自分ですくって飯椀へつぐこと。
四、小吸物は、別名箸洗いともいうそうで、口を直すのと同時に箸を清めること。
記念写真
記念に皆で写真撮影
五、最後に湯桶と香物が出て、おこげと湯を飯椀に入れぶぶ漬けにしていただくこと。これで椀をきれいにすること。
六、椀、蓋、皿等懐紙で清めること。
七、箸音で終わりを告げること等々、特に印象に残りました。(後日、この作法は表千家流で、江戸千家とは違う点があることを先生から説明を受けました)
 懐石料理の所作等は、禅の作法の影響があるらしく、料理は空腹を満たす程度だそうですが、今回は、進肴も加わり豪華な食膳になりました。さらにお酒も入りましたが、すべての料理を残さずいただきました。
 季節の食材の料理、亭主の「温かいものは温かいうちに」の心からのおもてなしに、おなかも心も充分に満たされた一日でした。

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2009年5月24日

「茶筌飾り」「仕組茶碗」を学ぶ

宗康先生招請研究会−【小習十三箇條から】

熊谷不白会

茶碗を飾る
茶巾と茶入を仕組んだ茶碗を飾る
茶筌飾りの趣向でお点前
茶筌飾りの趣向でお点前

 ●五月二十四日、本庄市児玉に宗康先生をお迎えして研究会を行いました。午前に「茶筌飾り」、午後には「仕組茶碗」を学びました。
 茶筌飾りには由緒ある茶碗が用いられ、初座の床に飾られました。茶碗に服紗ではなく茶巾を入れ、茶入を仕組み飾るのは初めての経験でした。
 客、中立ちの後、亭主により陰の仕事として茶筌が飾られ、後座となりました。茶碗を大事に扱う丁寧な点前が行われ、客は格別な一服を味わいました。
 宗康先生からは茶筌飾りの目的として、名物等の道具や亭主の趣向による点前である旨ご説明があり、また、初座での茶碗飾り、茶入飾り、茶杓飾りも実践していただきました。
 山里のうぐいすの声を聞きながら、有意義な研究会となりました。(三浦宗浩)

濃茶をいただく
茶碗を大切に扱いながら濃茶をいただく

 ●会場は、江戸時代の盲目の国学者、塙保己一生誕の地、児玉総合文化会館でした。
 午前の茶筌飾りでは、先生自らも茶碗を手に取り、持ち方、置き方、お茶を出されたときの扱い方、拝見の仕方などのご指導をいただき参考になりました。
 仕組茶碗は、老人点ともいわれ、お客様の前で道具を運ぶ手間を省きその分亭主の動きも少なく目的にあった所作であることをよく理解することができました。
 茶入の扱い方についても、仕服の扱い、拭き方、拭くときの高さなども勉強させていただき、大変充実した研究会でありました。(坂田宗秀)

 

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2009年4月29日

客のあり方を学んだ研究会

家元招請研究会−【正午の茶事】

高橋宗寿(福島不白会)

亭主から一献
主客のなごむ初座:亭主は冷酒を注いで客をもてなす
 白河の南湖公園内で行われた「正午の茶事」の研究会で、私は、客三人のうちお詰をさせていただきました。寄付でお白湯をいただき、迎付を受け席入りです。初炭点前が終わり、亭主より「時分時ですので祖飯さしあげたく存じます」と挨拶がありました。
 本懐石の流れは初めて経験するので緊張していましたが、楽しみでもありました。最初に飯と汁、向付、酒と煮物椀と順番に出て、飯次と汁替、焼物と二度目の飯次、そして酒と、次から次へと出てフルコースです。
亭主濃茶点前
後座では、厳粛に濃茶が振る舞われる
 一つ一つお家元のご指導を受けながら、お料理を堪能し中立、休憩をはさんで午後は後座の濃茶です。一連の流れを客として参加し、味わうことができ、貴重な体験になりました。亭主側の方の気配り、材料の吟味等、水屋での動きなど大変だったことと思います。客は、客としての心構えや、知識が必要であることを改めて気付きました。いつの日か、私も茶事の亭主としてもてなしできるようになりたいと思っております。
記念撮影
研究会が終わり、記念の集合写真

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初夏の呈茶–高森山「駒っこランド」で

田中宗恭(七戸不白会)

呈茶席様子
静かさの漂う空間
お客様を迎える
小さなお運びも大活躍
 四月二十九日、高森山麓にあります十和田市馬事公苑「駒っこランド」の称徳館において「駒っこランドフェスタ」という催し物の呈茶席を担当いたしました。
 初めての開催とのことで、係員と相談しながら準備を進めました。お客様は馬事関係者、花馬車や遊具などで遊びにくる親子連れ、中にはお茶に興味を持てる方を想定しました。
 当館は水屋が完備され、十畳の茶室の戸を空けるとロビーが広がっており、気軽に入れる会場です。本席には「清風生八極」という掛物を掛けました。高森山のそこかしこより吹き渡る初夏の風に誘われるように、老若たくさんの人々が集う光景を思い描いて決めました。
 ロビーは野点傘に季節の花を入れ、短冊は「山静如太古」、子どもらのこだまする歓声が去って行った後のもの寂しい感じの禅語を選び、三つの丸テーブルを囲んで椅子を置き喫茶できるように備えました。
 予想外の百七十余名のお客様が入られまして、小中学生三人を含む十二名の水屋は我を忘れて専念いたしました。見知らぬお客様との一期一会が何よりも嬉しく、及ばずながら、拙い席を無事終了させていただきました。ご指導くださいました盛田支部長がわざわざおいで下さり、ロビーで、お茶の飲み方をお客様に教えられる姿に感服いたしました。

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2009年4月25日

「名物飾り」研究会と研修旅行

宗康先生招請研究会−【小習十三箇条】

鶴本宗基(久留米不白会)

名物茶入飾
名物茶入の扱いの所作
  四月二十五日、宗康先生を迎えて、名物飾りの研究会が行われました。
 亭主を引き受けたものの、拝領の名物、または伝来の茶入を扱う点前ということで、扱い方とその思い入れをどう表現したらいいか難しいところでした。丁寧にご指導いただきました。
 茶入の拝見の折には、相客が初道具を拝見し終えた後に亭主が名物についての話題を出すことがいい場合もあること、茶入と盆はバランスと調和が大切等……。印象に残る言葉でした。

熊本城前
熊本城をバックに記念写真
 翌日は会員の研修旅行(熊本本丸御殿→玉名市・蓮華院→荒尾市・小岱焼)の三ヶ所をめぐりました。
 本丸御殿では障壁画や巨大な小屋組み、大御台所等が見事でした。蓮華院では奈良の西大寺に鎌倉時代から伝わる特異な茶儀、大茶盛に参加しました。直径四十センチもある大茶碗で、周りの人に助けられながら飲む様子は見ごたえのあるものでした。
 小岱焼では登り窯の説明を受け見学をし、気に入る器はあるか、お互いに笑顔で品定めをしている姿はほほ笑ましく、会員一同の心が一つになって和やかで楽しい一日になりました。
大茶盛風景
大きな茶碗で一服する宗康先生
大茶盛風景
久留米の会員が皆にこやかに集う

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2009年4月19日

連合不白会役員会を担当して

李 宗福(長野不白会)

懇親会会場風景
親睦を深める理事の皆さん
 今年は、全国連合不白会を、長野支部で担当させていただき、軽井沢プリンスホテルで開催いたしました。役員の方四十九名が出席され,忌憚のないご意見が交わされて、実りある会議となりました。六時より懇親会。支部の会員も参加し、五十六名、篠笛に迎えられ席に着きました。お家元のご挨拶をいただき、宗康先生の乾杯で会が始まりました。ガラス越しに真っ白なこぶしが咲き誇り、桜も一気に咲き始め、皆様を歓迎しているようでした。
小布施町観光
小布施町で寛ぐ
 翌日はホテルを九時に出発して小旅行です。
 残雪の美しい浅間山を後にしながら小布施町で葛飾北斎館を見学し、酒造場の酒蔵、蔵部で一献をいただきながら昼食。食後は高井鴻山記念館を見学小布施の散策など、楽しいひとときでした。
長野役員
本役員会、親睦会を切り盛りした長野不白会主要メンバー
 そして善光寺へ。今年は七年目に一度のご開帳の年にあたり、大勢の参拝者の方でにぎわっておりました。山門の先より六列に並び、やっとの思いで回向柱にふれることができました。
 蓮鶴先生、ご家族の健康を願い、本堂の前で金色の前立本尊を垣間見、祈りを捧げました。日本の伝統文化茶の湯、江戸千家の輪を広げ、心豊かに人を思いやる心、平和を望みつつ皆様と共に、善光寺を参拝できましたことは何よりも嬉しく思います。
 役員の皆様のご協力により無事役員会が開催できましたこと心より御礼申し上げます。来年は東京でお会いするのを楽しみにしております。

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2009年3月29日

一会の茶事を学ぶ

家元招請研究会−【古典−正午の茶事】

森 宗智(久留米不白会)

研究会会場の様子
本懐石の手順を実演しながら、家元の指導を受ける
 桜花爛漫の久留米篠山神社にて、三月二十九日家元招請研究会「古典−正午の茶事」が行われ、亭主を務めさせていただきました。今回は、本懐石の順序や作法を含めた一通りの茶事の実践です。道具の組み合わせから、困難な懐石道具の準備に至るまで、全面的に当番の先生方や社中の皆様がご指導ご協力くださいました。
 寄付で桜湯のあと、席入り、ご挨拶、炭点前、懐石、中立ちのあと濃茶席が、一連の流れです。
 床のお軸は「山是青々花是紅」、まさに自然の妙味あふれる中での茶事でした。
 料理は、最初のお膳(飯椀、汁椀、向付)、冷酒、温酒、湯桶と香の物を用意して、あとは、当番の先生手作りの細工物を使った空点前でした。それでも煩雑な懐石の手順は、水屋を担当された先生の段取りで、すべて滞りなく進み、作法については、その都度お家元からこまやかなご指導をいただきましたので、あまり気負わずにできました。八寸をお出しするところと千鳥の盃が一番気掛かりでしたが、お客様の心遣いにも助けられて、和やかにできました。
 お茶事には、亭主、半東、水屋の連携と間合いが如何に大切か、改めて痛感いたしました。残念ながら、お点前の失敗など多々ありましたが、貴重な体験に感謝しています。
濃茶点前
後座の濃茶−真剣に茶入を清める
懐石膳
手作りの懐石膳

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2009年3月22日

すべてはお茶をおいしく飲んでいただくために……

家元招請研究会−【炉・正午の茶事】

坂口宗千(新潟不白会)

炭手前
まずは、客と亭主が近寄って炭をつぐ
 お家元招請の春の研究会、今年度のテーマ「炉・正午の茶事」をご指導いただきました。
 もてなしのご馳走は、少しくらい略しても、流れをつかむ事というお教えでした。ご挨拶を交わすこと一つ、火を起こすこと一つ、お食事やお酒を振る舞うこと一つ、お菓子を差し上げること一つ、全てお茶をおいしく飲んでいただくための心配りで、お茶事が催されるということが、よく理解できました。
 ただお茶を差し上げることの、どのあたりまで自分が会得できているのか、が、私の稽古を続ける課題です。秋の研究会までには、一層お茶が深くなっているようにと思いました。
濃茶点前
お茶事のメイン・濃茶点前−亭主が服加減を正客に問う
懐石の様子
初座での懐石−亭主と客が近づく場

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2009年3月19日

常陽芸文センター講座「茶の湯の稽古の変遷」

川上宗康氏講義

講師写真
講義をする川上宗康氏

 去る三月十七日、水戸市月例の芸文学苑「茶の湯と周辺の文化」講座に、川上宗康氏が招かれ、茶の湯と稽古のあり様の歴史的変遷をテーマとする講義があった。参会者は会員制で、各流で茶道の稽古に励む方々、日本の文化史に関心を持つ方と幅広い。
 宗康氏は、茶の湯の歴史を、江戸初期の光悦、宗旦の時代の茶の湯。江戸時代前期。覚々斎、如心斎、不白が活躍した江戸時代後半期。そして明治時代以降の茶に分けられ、各時代の資料を用い、話を進められた。
 先人のやり方を取り入れながらも、茶事交流を通して「見様見真似」を活かした各個人工夫の茶。接待茶の湯という必要不可欠の茶。型の稽古を重要視、先行させる稽古茶。明治時代以降の流派別組織化と統一性を重んじる茶道、と話は展開された。数寄者、茶の湯者についても触れ、茶の湯を楽しむことと稽古を目的とすることとは異なるが、時代に対応しながらも、茶の湯そのものは変わっていないのではないでしょうか、と結ばれた。

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2009年3月16日

お茶事はスローフード

家元招請研究会−【正午の茶事】

中村百合子(七戸不白会)

本懐石のやりとりする主客
本懐石のやりとりする主客
 三月というのに雪に覆われた山間の蔦温泉で、〈正午の茶事〉の研究会が行われました。
 初心者の私には、数々の演出(お花、お道具など)はもちろんですが、お客様、ご亭主のデモンストレーションの美しい所作にとても感激しました。静寂な時間と空間の中、一つ一つの動作が素晴らしいタイミングで、しかもゆったりと一期一会の精神をもって、究極のフルコースのおもてなしがなされました。
 さりげない日本の伝統的な美しさが至る所で表現され、五感に染み込むようでした。一碗のお茶を深く味わうためのすべての準備心配り、演出の総合芸術を見ているようでした。独特な風韻の非日常的な空間に酔いしれながら、古人(いにしえびと)のスローフードのライフスタイルを新鮮な思いで「今」学びました。
 茶道教室の先輩にあたるフランス人の女性が「お点前の美しさを見てお茶を始めました」と言っていたのを思い出しました。
 自国の文化に誇り高きフランス人も感激させた〈茶の湯〉、日本人の美意識に出会えた、美しく静かなこの一日に感謝いたします。
茶入を清める亭主
茶入を真剣に清める亭主
花の趣向
雪国ならではの花飾り-春の兆しを楽しむ

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2009年3月1日

華やかにひな祭り茶会

西村宗櫛(ロサンゼルス不白会)

雛飾りの前でお点前
雛飾りの前でお点前

 3月1日、日米文化会館主催による「ひな祭り」の行事が、同館のガーデンルームにおいて行われました。ここは室内から日本庭園「清流苑」が望まれる施設で、今後日本文化の各種紹介プログラムの開催が予定されています。今回はその先がけとしての茶会と文化ワークショップでした。
 3月3日の羅府新報に、「ガーデンルームでひな祭り」と題した、1日の取材記事が掲載されていますので、そこから一部抜粋します。
 また、写真は、雛人形を寄贈されたアイリーン寺川様を囲んでの茶会(同月3日)も含めて紹介します。

会場風景
いつくしみながらお茶碗をながめる人達

(羅府新報より)
「茶会は江戸千家不白会ロサンゼルス支部の西村宗櫛社中、シェルダン宗園社中が務め、琴演奏が流れる中、立礼式の3席を催した。ひな祭りをテーマに、桃や桜の花を飾り、茶碗に立雛、蓋置は「ぼんぼり」という取合せ、菓子は二人静とひなあられが振る舞われた。
 第2席の点前はサンディエゴで修業に励む10歳の小関りなちゃんが務め、少女と女性が各茶会で腕前を披露する、ひな祭りにふさわしい茶会となった。
 ワークショップは多くの少年少女が参加し、おりがみや塗り絵を楽しみながら日本庭園と茶会を見学するなど日本文化を体験した。」

しっかりしたお点前
しっかりしたお点前
ひな壇の前で記念撮影
ひな壇の前で記念撮影

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2009年2月1日

新潟不白会初釜–災害を乗り越えて六年ぶり

桑原宗久(新潟不白会)

濃茶席床
濃茶席床–鶴亀画賛
  去る二月一日、お家元ご夫妻、宗康先生においでいただいて六年ぶりに支部の初釜が催されました。
 会場は新潟市の老舗料亭「鍋茶屋」。見事な繭玉飾りに迎えられ、そこはもう華やかな別世界です。
 お濃茶席は流祖不白の鶴亀画賛がかけられ、古銅の花入には紅白梅と椿、竹台子注連飾り、嶋台の茶碗で中野支部長により大福茶が振る舞われました。
 テーブル茶の薄茶席は、来年設立十周年を迎える青年部が担当しましたが、毎年の早春茶会の実践の積み重ねが生き、各テーブルとも、とても魅力あるおもてなし振りでした。全部のテーブルを廻りたかったとの声が聞かれました。また、この薄茶席では、福引きも行われ、景品にはお家元、宗康先生よりいただいた短冊等も加わって楽しく和やかなお席となりました。
祝宴風景
百二十名が集った祝宴
 点心(祝宴)は全員一堂に会していただきました。支部会員百二十名程の出席でしたが、お茶席でも点心席でもお家元ご夫妻、宗康先生とご一緒できましたことを嬉しく思っております。
 思い起こしますと、前回の初釜の翌年に新潟で全国大会があり、その直後に水害があり、秋には中越地震がありました。そして、また中越沖地震がありました。今年こうして初釜が催されたことにとても幸せを感じております。

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2009年1月25日

ロサンゼルス不白会初釜報告

今年も賑やかに楽しく

(ロサンゼルス不白会)

 ロサンゼルス不白会支部長の西村宗櫛さんから、西村社中の初釜の様子を伝える写真がメールで届きました。
 1月25日、サンディエゴのシェルドン宗園社中を招いて行われたとのことです。
 木蓮、ボケ、花梨、紅白の椿が満開という温かい土地柄。伸び伸びと楽しそうな初釜の様子です。一部を紹介します(編集部)。
寄付風景
寄付風景
炭手前
真剣に炭点前
入席を待つ
入席を待つ
後座-濃茶
後座-濃茶
後座-薄茶
後座-薄茶
福引
福引-皆の戦利品

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2009年1月11日

はじめて初釜に参加して —第39回諸流新春初釜茶会—

早川恵子(福島不白会)

点前の様子
心を落ち着けてはじめての点前
 去る一月十一、十二日の二日間にわたって第三十九回諸流新春初釜茶会が郡山市のうすい百貨店で開催されました。
 江戸千家福島不白会は、第一日目の担当でした。早朝からのお席の設営に社中の意気込みと完璧な程の協力体制に経験のない私にはとてもよい刺激になりました。
 お席も整い、お客様をお迎えする時が近づくにつれ、はじめてお点前をする私は波のように押し寄せてくる緊張感と焦りを感じるようになりました。ふと、準備万端整ったお席の炉のそばにそっと座らせていただき、お釜からの湯気にしばらく目をやっておりますと、普段のお稽古時に先生から「お茶は心をこめておいしく点てお出しすることが大切なのよ」「失態があっても慌てずに」などのお言葉をいただいたことが浮かんできて、自然に心が落ち着き、一期一会の心を何よりも大切にし、この機会が与えられた今を感謝すべきと思えてきました。
 でも本番となると、大勢のお客様からの視線と辺りの静けさが容赦なく訪れ、私自身がこの雰囲気に呑まれてしまわないように注意や努力が必要となりました。
 茶の湯の奥の深さは測り知れない程、スタートラインから一、二歩、歩みだしたばかりの私。先生、仲間と一緒のお茶室でやっと得た楽しい時間を無にしたくない、そんな強い思いから精一杯の心をこめた茶を用意致しました。顔をあげるとお客様からの何ともいえない笑顔がかえってきて私の心は一瞬に嬉しさにあふれました。
 はじめての初釜への参加によって、茶の湯への親しみが深まり、ますます意欲がかきたてられ、日頃のお稽古がいかに大切かをかみしめながら帰途につきました。

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