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2018年4月10日

家元教場研究会レポート(7)

課題ー古典(相伝物) 第一回 唐物(盆点) 

戸井田宗良(火B:茨城不白会)

 盆点の半東をさせていただきました。大事な茶入を扱う唐物・盆点ということで、拝見時にもし立って道具を運ぶことになったらどのようにするか、不安でした。今回は普段お目にかかれないすばらしい茶入(小堀遠州ゆかりの〈浜千鳥〉)を目の当たりにすると、左手に茶杓、仕服を乗せた盆、右手に茶入などという持ち方はできないと思いました。
 今回は道具畳に置いたままの拝見で、最後に床へ茶入を飾るため、家元が道具畳から床へ道具を移動されました。家元は、両手で茶入を大服紗ごと大事にくるんでもち、ゆっくりと床に飾ってから、盆に茶杓、仕服を乗せて両手で運んで飾っていました。勉強になりました。
 初座と後座の雰囲気も印象に残ったことです。初座の正客は自然体で、次客もお詰めも楽しんでいることが何より素晴らしいと感じました。一方後座は静かに流れる時間の中で、家元がゆっくり濃茶を練って、お客様も今の場の雰囲気を感じながら待っている。茶道口に控えていた私にもよい緊張感のある空気が感じられて茶事の奥深さを経験できました。

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