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2017年10月1日

実践「自宅の茶」

家元招請研究会 

嶋本ふみ枝(熊谷不白会)

 爽やかな秋晴れの佳き日、お客様にはるばる籠原までおいでいただきました。家元に「どうぞご主人もご一緒に」とお声がけいただき、お言葉に甘えて、一献茶事に初座からお相伴させていただきました。家元には明るく和やかな雰囲気を作っていただき、気持ちが和み、平常心でお濃茶を点てることができました。数カ月前から庭の草取り、茶室の片付け設え、一献のメニュー、器選び等々、苦労と思っていたことが、ある時私の中で、楽しみに変わっていったように感じます。これを機に「自宅の茶」を是非実践していきたいと思いました。
〈主人からのお礼の言葉〉
「お茶」とは、礼儀、形式美を重んじ、サヤサヤと竹林を渡る風、チンチンと鳴る湯の音に耳を澄まし、静謐なひと時を過ごし、心を磨くもの。従って自分とは遠い世界、というのが私の考えでしたが、毎晩毎晩寝床でお茶の本を読み、作法を繰り返している家内を見ていると、家庭平和の為にもこれは協力しないわけにはいかないと思い、当日は力不足ながら、家元にご挨拶させていただきました。家元には気さくに対応いただき、不躾ながらお茶を飲む作法をお尋ねしたところ、「お茶碗を両手で大切にいただき、ゆっくり味わいながら飲むこと」とお教えいただきました。このお言葉を今後の私のお茶に対する心構えとし、家内と共にお茶の道を楽しみたいと思います。

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