齋藤宗博(山形不白会)
初座が始まり向付で一献ののち、皆様持参されたお弁当を広げられました。事前の知識がありませんでしたのでビックリしましたが、お手製のお弁当と山形ゆかりの食材のことで会話が弾み、皆様の楽んでいる様子が伝わってきました。こういう方法なら気軽に人を招く事ができると、思いました。九月十七日(土曜B) 桜井宗信宅
客 中川宗厚(東京)
九月十七日(土曜B) 宮内宗迅宅
客 岡田宗春(新潟)
九月十六日(金曜B)
主 森田宗杲(東京)
星 宗京(福島不白会)
八月二十七日に、同門の二人をお招きしてテーブル茶の盆点前で、初の自宅の茶を行いました。家元研究会の復習です。七月十日(金曜A) 森宗鈴宅
客 加賀秀雪(青森)
雨の中高知土佐の森宗鈴先生宅を訪れました。奥深い道を進むと折に触れお聞きしていた光景が目の前に広がりすぐ奥に山が迫り圧倒されます。土佐独特の入母屋造りのゆったりとしたお部屋で茶事が始まりました。
床には玄峰老師の書「茶是長寿友」。盲目の老師の生い立ち、高知と和歌山との繋がりのお話は興味深く、流祖不白とのご縁を感じとりました。大徳寺弁当には今朝採りたての野菜が彩り良く炊かれ美味しく、何とも贅沢なおもてなしです。
後座、床に竹の釣り花入が置き付けられもろ飾りに、とらの尾、桔梗、しま葦が入り、舳先には不白の花押があります。迷い無く濃茶を点てられる亭主のお姿にお訊ねしましたら、毎朝心を無にして濃茶を点てておりますとのお答えでした。本願寺御用達の茶「憶昔」は八女のお茶とはまた異なる味わいが有りました。ご亭主の思い入れのお道具のお話をお聞きし和やかに時が過ぎます。
帰り道には沢山の花や草木があり、皆さん一つ一つに足を止め拝見し名残を惜しみました。自然豊かな土地での茶事を楽しみにお越し下さいとのお誘い、今一度振り返り景色を心に刻みました。各々の土地の風土に溶け込みながらも綿々と揺るがぬモノが伝えられ、どの地でも精神は同じなのだとの思いが致しました。
一瞬遠い地に居る事を忘れかけた自分がおりました。親しさ故に客に徹する事に幾分甘えがあったのではとの反省もいたしましたが心豊かな経験と成りました。
七月八日(金曜B)小林宗淳宅
客 菅原素雪 (東京)
山深い青葉を渡る風の波に気分良く、ここは禅寺かと思われるような接待に感動致しました。
すべてが御亭主の手作り、寄付の飲み物は冷たいサッパリ味の梅ジュース。指物師の作と見まごう足付折りたたみの木目の通ったテーブル上の膳、昆布出しだけの精進料理の見事さ、入れ子になった椀が手縫いの唐桟の帛紗に包まれ、上に膝掛け用に一枚のせ、真っ白い布巾(最後に椀をふく為)ものせ、黙食なので手話も教わりながら楽しく美味しい料理でした。
中立後、席入り。寄付、本席共ご亭主が修業なさった和尚様の掛物。漢文で何とか意味は分かりました。花入の鉄鉢に、菅、半鐘蔓、小さな白撫子、一本ずつ小さな青竹の落し(手造り)に活けられ印象的でした。続き薄茶の菓子も銘々に青竹に流し込んだ水羊羮、美味。
心のこもった接待に帰りの車中の会話も弾みました。長年お茶の道を歩いてのきた私も同行のお弟子さんもとても良い一日だったと感じました。
七月六日(水曜A) 武井宗房宅
主 阿部宗汀(東京)
七月六日(水曜A)
主 今井光雪(熊谷)
七月五日(火曜A)
主 堀地宗章(群馬)
新潟不白会事務局
永野 宗与
新潟市はウクライナからの避難民を五名受け入れたという発表がありました。連日報道されるロシアとウクライナの戦争をニュースで見るたび心が苦しくなるばかりです。同じ思いを共有した江戸千家新潟不白会会員は、ウクライナの避難民の方に心を寄り添えることができればと強い願いでロビー茶会を開催することにしました。「新潟日報」2022.7,5
岡倉天心六角堂
六角堂内部の天心座像(平櫛田中作)
(堂内の銅製花器と燭台が坂本繁二郎画伯の寄贈品であることが判りました)
六月十一日(土曜A)岡田宗春宅
客 小川宗梢(東京)
新潟の岡田家花中庵に伺い大正時代の歴史ある建物でのお茶事に参加でき光栄に思いました。
懐石ではテーブル席を用意していただき、地元名産や新潟ならではの料理(醤油お赤飯、いねごり等)をいただいたり,ご亭主の心遣いを感じました。その後のお濃茶はとてもおいしく感じられました。
炭点前からは畳の広間のお席になり、厳粛な雰囲気ながら、醤油お赤飯を作ってくださったご主人も加わり、和やかな濃茶席を体験できました。格式張らず自然体な雰囲気の茶事で、岡田先生のように、私もお茶事に積極的に取り組めたらと今後の目標が見えた気がしました。
桜井秀雪宅
客 小宮山宗裕(長野)
新幹線で向かった私達を安中榛名駅から自宅までご主人様が地元を案内して下さり、有意義なひとときでした。
半東さんの案内で、寄付には前大徳西垣宗興筆の「鳥啼山更幽」の短冊が、本席には「竹葉々起清風」が掛けられており、桜井様のお宅はまさに二幅の掛物の言葉そのものでした。目の前の山からか、ホトトギスが上手に啼いて、お茶席の雰囲気作りをひと役担ってくれました。点心はご亭主手作りの品々で器を上手に使い、味はもちろんのこと、盛り付けも見事でした。次に出されたのが、ご主人様がこの日の朝、打たれたというお蕎麦で、本職の店で修行されたとのこと、
蕎麦処信州から伺った私達もびっくりの腕前でした。
お酒とワインで、たっぷりおもてなしを受けた後の炭点前、涼しげな主菓子をいただき、中立。後座は床の掛け軸はそのままに、耳付の唐銅の花入に夏椿、黒ほおずき、京鹿子、山紫陽花が入れられていて、ご自宅の夏椿とのことで、今日の席に彩りを添えてくれたようです。
濃茶は宇治茶「雲鶴」、たっぷりと各服点で、八女の茶とはまた違った味わいでおいしくいただきました。
薄茶は袴姿で点心からご一緒していただいたご主人のお点前。武道の嗜みがあるだけあり、立居がきりりとして小気味よいお点前でした。薄茶もおいしく、蛍のお干菓子が何とも風情がありご亭主(奥様)の今日のお茶席に込められたお心遣いが感じられました。最後は参加者全員で記念撮影をし、雑談。デザートまでいただき、帰宅の途につきました。
●「友人を自宅に招いて気楽に茶事を。和室でなくても、洋室でもやり方次第でできるものです」。家元が自宅での茶会を提唱されて久しいですが、茶事といえば、和室、掛け軸、茶道具、料理、菓子、花とそれらをつなぐ季節感、さらにはテーマと課題は重く楽しむ余裕はありませんでした。
しかし、今回の研究会は、コロナ禍の中、亭主にあまり負担を掛けないようにと客がお弁当を持参するという形式、すばらしいと思いました。互いに持ち寄った弁当を見せ合い、作り方などの話で盛り上がり、自然な会話の行き交う、楽しい雰囲気を感じました。コロナ禍に見舞われなければこういう工夫を必要としなかったかも知れません。
何より友人と集うことの楽しさ、無事であることの有り難さを思うと、状況の変化にも柔軟に即して工夫し、勉強してゆけたらと思いました。
(熊谷:吉田佐雪)
●初座、後座を通してテーブルのお席でしたので、日常に近く、お茶事は初心者の私でも取り入れやすいと思いました。何より、皆さまがとても楽しそうで、うらやましく拝見しておりました。
お話が弾み和やかな初座から、中立をはさみ、喚鐘の響きで空気が澄み渡る中で始まった後座の緊張感が心地よく、簡略化したお茶事であっても、型があるからこそ生じる流れや主客の一体感と、形にばかりとらわれると生まれないであろう本当の心の交流が、画面を通して感じられました。
オンラインでの研究会だからこそ、家元のお宅にお客様をお招きする様子を拝見することができ、大変貴重な学びお機会となりました。
(熊谷:横井瑞雪)
「札なし花月」
●初座は各自ご用意のお弁当とのこと。これならば、友人たちとお茶事ができると思いましたが、一番驚いたのは、ご用意されたお弁当の自由さです。お茶事のお弁当にホットサンドとは、私には思いつかないことです。
zoomでの一人参加の利点は、自由にメモをとり、わからない言葉をその場で検索できることだと思います。少々寂しいのは、場の共有ができにくいゆえだと思います。Webbとリアルは両輪のようなもので、そのバランスをとりながら、お茶の世界を身近なものにしていきたいと思いました。
(熊谷:マリ西村)
○●今回の研究会はお軸の様な自宅茶事だったと感じました。よしずの障子が涼しげで静けさの中に会話が心地よく、お弁当持参で楽しげでお互いを思いやり、なごやかに語り合っていました。雲鶴先生の気配りのあるご亭主の有り様を学ばせていただきました。また、家元の半東が風のように動かれていた事に、日頃の体操で鍛えられているのだと思いました。テーブル茶の濃茶では、ガラスの瓶掛けがすがすがしく、見つめている中で双方の感謝の気持ちが感じられました。コロナ禍で工夫された「札なし花月」、これからも更に工夫されていくのでしょう。私達もお稽古で取り組んでいこうと思っています。この日はなんだか、涼しくてのどかで楽しい気分となりました。
追伸 家元が以前、体に不調のある時こそ体操をと云われていましたので、寝ながら体操をしています。時間が経つにつれ身体がほぐれ動きやすくなっていくようです。始めてよかったと思っております。
(高知:浅野宗薫)
青森不白会
●この度「自宅の茶(濃茶)」という課題で家元を招請する研究会が実現し、各社中より三十六名の出席者がありました。ご亭主は家元、半東は新柳様、お客三名の組み合わせで始まりました。春の八甲田は山菜の宝庫です。初座の八寸も山菜を存分に使った料理、マグロの昆布締め、カモの薄切り、一献はキリッと冷やされた地酒です。会話も弾み、緊張してガチガチだった肩も少しずつほぐれてきました。ご亭主の自然な会話でお客を楽しませ引き込んでいく巧みさも学ばせていただきました。銅鑼のお迎えで、後座の濃茶となりました。亭主の背筋のきちんと伸びた所作、再び緊張感が全体に伝わり、各服点の一挙一動を拝見致しました。茶碗をゆっくり温めお茶はたっぷり三杓、湯は一回慎重に様子を見ながら入れ、心を込めて練る。たっぷりの濃茶をゆっくり美味しく頂きました。
●つつじの花が散り山法師が咲き誇っております。先日は家元、新柳先生にお越しいただき、青森で対面での研究会を開かせていただきました。参加者は皆楽しげでお互い懐かしがり、皆が心一つになった豊かで和やかな研究会となりました。はるばる青森までお越しいただき、御礼申し上げます。
記
五月二十九日(日)晴
銅鑼にて席入、お客様三名
床 棟方志功 温泉薬師如来図
花 うすピンクの芍薬、一輪、
キンポウゲ小花少々
花入 中国製
お菓子 青梅
御茶 星の奥
唐銅道安風炉
雲鶴棚
「自宅の茶」終了後皆で昼食(松花堂弁当)
午後
新柳先生、亭主にて札なし花月(客四名)
(蝦名厚雪)
五月十日(火曜A) 武井宗房宅
客 佐藤宗博(静岡)
新築成った武井様宅は、ご夫妻と二人の息子さんご家族の三世帯同居を叶えたお住まいでした。早速お茶室へ。床の「無事是貴人」のお言葉と美しく整えられた道安風炉のお待ち受け、ご亭主の発案で嶋崎様が炭点前。リビングに移りおしのぎタイムでは、手作りの八寸とお弁当、新潟の久保田の雪峰という美しい銘のお酒をいただきました。楽しくもにぎやかな語らいで、話題はお宅を新築なさった折の工法、新建材等多岐にわたり興味深いものでした。
後座はご亭主のお点前で星の奥のお濃茶をゆったりと充分にいただきお薄は土屋様が担当。佐藤はご用意下さった椅子に腰掛け、静かな釜の音に聞き入りながらぜいたくな時を満喫しました。お道具類は自作のお茶杓、竹籠の花入、主茶碗(百碗展で入手した高麗写し)と干菓子盆(玉林院古材)以外は、師である磯目先生から託された品々だそうです。こうして大切に受け継がれて、生かされて先生もどんなにかお嬉しいことでしょうと、温かい気持ちになりました。武井様の今の心境は御自作のお茶杓の銘「夢」にすべてこめられているとお察ししました。
お三方様とはそれほどの交流もなく過ぎており居ましたが、この度ご一緒に過ごした数時間は他では味わえない心楽しいものでした。又一つ良い思い出が出来ました。七月はご希望の方がいらっしゃいましたら喜んでお迎えしたいと思っております。
東京の家元研究会に参加できなくなって三年になります。オンライン配信で勉強をさせていただけますことを有り難く感謝いたします。家元邸の花月の間、床は酒井鴬浦の双幅、白桃と八重桜の図が飾られており凛とした佇まいに懐かしさを感じました。今日は亭主を雲鶴先生、半東は家元、客三名で、テーマは今年の課題「自宅の茶」です。
初座は、主、客ともにお弁当の持ち込みという新しい試みで食事が始まりました。家元の半東を拝見するのは初めてで、目を凝らして観ておりました。家元の丁寧な身のこなし方、客への気配り、間の取り方など流石だなあと魅入った次第です。食事中は、主、客ともにおのずと和やかさが生じ、お話も弾んで笑顔、笑顔でこちらにも楽しさが伝わってきました。後座のお濃茶の時には静かで厳かな緊張感が漂っていて茶事の流れのなかではこの雰囲気でが大切な事と思いました。今日の「自宅の茶」とても勉強になり、特にお弁当の持ち込みは気に入りました。
さっそくトライしてみようと思います。
(久留米:下津浦靖雪)
○客として呼ばれて
先日は、新潟不白会オンライン研究会「自宅の茶」に、家内と二人で客として参加させていただき、ありがとうございました。初座では青海波にいかなご、春の景色も美しく、お弁当交換も楽しく、様々お話も尽きませんでした。
後座では一転して静けさの中、喚鐘に迎えられての席入り。床のお花と向き合い、釜の松風を聴き宗匠のお点前を間近に拝見して各服点てのお濃茶の色、香り、味わい、温もりを全身で感じる贅沢な時間となりました。
終了後には、画面上の新潟の皆さまも楽しげで、さまざまな感想などが活発に交わされていたのが何よりでした。鴬浦の掛物のお雛さまにあやかって宗雪宗匠と雲鶴先生を仰ぎながら、私共も寄り添い合って歩んでまいりたいと存じます。
(古屋宗空・東京不白会)
○宗雪宗匠へ
静かな広間に鳴る松風の音
茶碗から立ち上がる清々しい香り
宗匠のお人柄そのままの自然体な一服。折角のお点前を、おぼろげにしか思い出せないほど、その空間や時間に没入してしまった後座でした。いつも至らぬ私達を優しくおおらかに受け止めて下さり、感謝しております。
○雲鶴先生へ
美しく染まる牡丹の花弁巻き
桜の花をあしらったお結び
ぽかぽかとした春の木漏れ日の様な雲鶴先生の柔らかな優しさと共に、春を丸ごと頂戴した初座でした。
申申如也 夭夭如也
この度は「自宅の茶」にお招きいただき、ありがとうございました。
(古屋宗和・東京不白会)