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2022年10月9日

熊谷不白会研修会―廻り花と花寄せ

―廻り花と花寄せ

小久保寿雪(熊谷不白会)

 十月九日の日曜日、本庄市の児玉文化会館和室にて、熊谷支部の研修会が開催されました。
 一同に会しての開催は久し振りで、換気等細心の注意を払って行われました。
 講師は、中田宗節元支部長です。まず、かつて家元が熊谷支部の研究会でご指導くださった内容が説明されました。 半数以上は初めて伺う内容で、お花に対しての心構え等新鮮な感覚で受け止めることが出来ました。
 廻り花は、客四名で行いました。床には家元筆の「七事式」のお軸を掛け、三重切竹花入を置きました。脇には、我が家の畑で収穫した柿と栗と毬栗を盆に載せ、中田先生が飾って下さいました。
 まずは正客が中段、次客が下段、そして三客が上部へ花を生けてゆきました。そして四客と進み、先客のお花を揚げさせていただきながら、二巡目へ。 二巡目からは、揚げずに拝見のみか、お花を添えることもあり得ると伺いました。臨機応変な対応が必要ですので、お花を生ける実践を増やしていきたいと思いました。
 続いて花寄です。花寄屏風に七つの花入を用意、三人ずつ交替して計六名にて一回目を実施。各人それぞれにお花と向き合い、感じ考えてお花を生けることができたと思います。見学者も花に近寄って鑑賞し、意見を言い合ったり記録写真を撮影したりしました。二回目も同様に行い、参加者全員がお花を生けることができました。終始和気あいあいと有意義な時間を過ごすことができましの花は、皆で持ち帰り各家はきれいな花が飾られたと思います。コロナが終息して、皆が気兼ねなく集まれる日が来るまで、工夫を凝らして、お茶を楽しんで行こうと思っております。

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2022年9月19日

山形オンライン研究会

齋藤宗博(山形不白会)

 初座が始まり向付で一献ののち、皆様持参されたお弁当を広げられました。事前の知識がありませんでしたのでビックリしましたが、お手製のお弁当と山形ゆかりの食材のことで会話が弾み、皆様の楽んでいる様子が伝わってきました。こういう方法なら気軽に人を招く事ができると、思いました。
 後座は静寂と緊張感が漂うなか、久しぶりに拝見する家元の重厚なお点前、半東をされた雲鶴先生の所作に魅入りました。
 コロナ発生以来の自粛ムードの中、外出もためらわれ、お稽古も休止の状態で三年間を過ごしてきました。画面に映る何もかもが懐かしく感じられ、覚醒したかのような気分になりました。参加していた皆も同じ思いのようで、研究会が終わった後、まず山形市で再会される茶会に出席しようという話が決まりました。
 しばらくぶりの勉強会でただ見とれてしまうだけでしたが、松平不昧公直筆の軸と宗全籠に活けられた七種の花が飾られた床を実際に拝見してみたかったと思いました。

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2022年9月17日

2022年度 家元教場研究会レポート(11)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十七日(土曜B) 桜井宗信宅
      客 中川宗厚(東京)

 今回のお茶席で一番驚かされたことは、櫻井さんのご主人はもとより、ご親戚の皆様が三カ月もの間、準備に邁進され、素晴らしいおもてなしをして下さったことです。茶の湯では、一つのルールがあり、そのルールに則り客をもてなす。客もそのルールに則り、もてなしを受けるという暗黙の了解があります。人をもてなすのにルールなどないはずですが、何かに縛られるということが逆にもてなす、もてなされるの関係性に緊張感が生じそこに面白みが出てくるのかなと思います。
 しかし、今回の櫻井邸の茶席はそのようなものとは全く異なる、それを越える茶の湯の力を感じました。これこそ「自宅の茶」の真髄なのではないだろうかと感じた次第です。
 帰りもご主人、妹さんに運転をしていただき、駅でお別れをしました。災害も少なく、美しい田園である小川町ですが、人口は減る一方だとご主人は嘆いていらっしゃいました。「名物のお菓子をお嬢さんに創作していただいたらいいですよ」と元菓子屋の娘である私は無責任に申し上げました。

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2022年度 家元教場研究会レポート(10)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十七日(土曜B) 宮内宗迅宅
       客 岡田宗春(新潟)

 宮内宗迅先生宅のお茶事に、夫と玉田さん、武田先生とお招き戴き、暑いので洋服でおいで下さいとのことで、、甘えさせていただきました。東京駅まで送迎を車でしてくださいました。
 故宮本先生のご縁で宮内先生、北村先生、玉田さんに新潟においでいただいた喜びは忘れられません。この度夫と一緒に呼んで下さったことに感謝し、お茶事にまいりました。
 お食事は、初ものの大きな松茸の入った海老真薯の椀盛等とても美味でした。お酒は富山と新潟のお酒どちらも美味しくいただきました。
 お床にはさらさらとしたかな文字の万葉集の歌が、籠にはいっぱいの秋草、こんなに東京に野草があるのかと驚きましたが、先生がたくさん育てておられるそうです。田原陶兵衛でいただいた星の奥のお濃茶のおいしかったこと、お棚や水指等、秋が感じられる取り合わせのお道具に見とれました。お弟子さんの点てて下さる続きお薄に座がなごみ、その中で北村先生のお話がそこここに出てきて、嬉しい限りでした。ご一緒するのを楽しみにしておられたとのこと、ご回復をお祈りいたしました。なごりを惜しみつつ、東京駅まで車で送っていただき、家元のおっしゃる喫茶往来の楽しさを満喫して帰りの新幹線に乗りました。

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2022年9月16日

2022年度 家元教場研究会レポート(9)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十六日(金曜B) 
     主 森田宗杲(東京)

 今年の研究会テーマ「自宅の茶」を我が家でさせていただきました。お客様は遠方より高橋様、倉持様御夫妻と社中の菅原の四名でした。テーマを「月」と決め、一元斎の「月」の軸を中心に、あれこれと設えをするのも楽しかったです。初めてお迎えしたお三方でしたが、時を忘れてお話に花が咲きました。
 招き招かれの「自宅の茶」は、長年お茶のお稽古を続けてきた集大成にも思えます。自宅の茶を行うにつれ、肩の力が抜け、自分流のお茶が少しずつ見えて来た気がします。今回は手伝いもなく、一人で致しましたが、疲れもなく良き日になりました。まだまだ反省点は多々有りますが、一歩ずつ進めて行きたく思っています。

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2022年8月27日

「自宅の茶事」復習編

星 宗京(福島不白会)

 八月二十七日に、同門の二人をお招きしてテーブル茶の盆点前で、初の自宅の茶を行いました。家元研究会の復習です。
 いつものコタツテーブルを片付け、山の友人に製作してもらったキャスター付きの箱台とテーブル板、手作りの椅子をセットしました。料理は、以前師匠のお茶事の席で担当した時のことを思い出しながら、厚焼き卵、オクラ、エビの煮付け、採りたてのみょうが甘酢漬け、庭に育った青じその葉等々、ふと気がつくと楽しく料理している自分がいて、思わず笑ってしまいました。
 まずは一献差し上げて料理を楽しみました。味付けも盛り付けもとても良かったと言われて、嬉しかったです。お濃茶もいい練り具合で飲みやすかったと。星の奥は甘くてやさしい味ですねと言ってました。掲げた色紙が話題になり、読み方や意味について家元に教えていただいた内容をお話しさせてもらいました。
 お客様も緊張していたそうですが、すぐにほぐれて楽しい時間を過ごせましたとお言葉をいただいた時、私も同じ思いでした。思い切ってやってみてよかったと思います。貴重な時を過ごすことができました。

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2022年7月10日

2022年度 家元教場研究会レポート(5)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

七月十日(金曜A) 森宗鈴宅
     客 加賀秀雪(青森)

 雨の中高知土佐の森宗鈴先生宅を訪れました。奥深い道を進むと折に触れお聞きしていた光景が目の前に広がりすぐ奥に山が迫り圧倒されます。土佐独特の入母屋造りのゆったりとしたお部屋で茶事が始まりました。
床には玄峰老師の書「茶是長寿友」。盲目の老師の生い立ち、高知と和歌山との繋がりのお話は興味深く、流祖不白とのご縁を感じとりました。大徳寺弁当には今朝採りたての野菜が彩り良く炊かれ美味しく、何とも贅沢なおもてなしです。
 後座、床に竹の釣り花入が置き付けられもろ飾りに、とらの尾、桔梗、しま葦が入り、舳先には不白の花押があります。迷い無く濃茶を点てられる亭主のお姿にお訊ねしましたら、毎朝心を無にして濃茶を点てておりますとのお答えでした。本願寺御用達の茶「憶昔」は八女のお茶とはまた異なる味わいが有りました。ご亭主の思い入れのお道具のお話をお聞きし和やかに時が過ぎます。
 帰り道には沢山の花や草木があり、皆さん一つ一つに足を止め拝見し名残を惜しみました。自然豊かな土地での茶事を楽しみにお越し下さいとのお誘い、今一度振り返り景色を心に刻みました。各々の土地の風土に溶け込みながらも綿々と揺るがぬモノが伝えられ、どの地でも精神は同じなのだとの思いが致しました。
一瞬遠い地に居る事を忘れかけた自分がおりました。親しさ故に客に徹する事に幾分甘えがあったのではとの反省もいたしましたが心豊かな経験と成りました。

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2022年7月8日

2022年度 家元教場研究会レポート(4)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

七月八日(金曜B)小林宗淳宅
   客 菅原素雪 (東京)

 山深い青葉を渡る風の波に気分良く、ここは禅寺かと思われるような接待に感動致しました。
 すべてが御亭主の手作り、寄付の飲み物は冷たいサッパリ味の梅ジュース。指物師の作と見まごう足付折りたたみの木目の通ったテーブル上の膳、昆布出しだけの精進料理の見事さ、入れ子になった椀が手縫いの唐桟の帛紗に包まれ、上に膝掛け用に一枚のせ、真っ白い布巾(最後に椀をふく為)ものせ、黙食なので手話も教わりながら楽しく美味しい料理でした。
 中立後、席入り。寄付、本席共ご亭主が修業なさった和尚様の掛物。漢文で何とか意味は分かりました。花入の鉄鉢に、菅、半鐘蔓、小さな白撫子、一本ずつ小さな青竹の落し(手造り)に活けられ印象的でした。続き薄茶の菓子も銘々に青竹に流し込んだ水羊羮、美味。
 心のこもった接待に帰りの車中の会話も弾みました。長年お茶の道を歩いてのきた私も同行のお弟子さんもとても良い一日だったと感じました。

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2022年7月6日

2022年度 家元教場研究会レポート(7)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

七月六日(水曜A) 武井宗房宅
      主 阿部宗汀(東京)

 皆様、蓮田駅から来る途中、大きな木に無花果がたくさんなっていて驚いていらっしゃいました。未だ田舎の風景が残っている話になり、ザリガニ、カマキリの話等、私も住んでみて驚いたことを話しました。
 後座では小柴先生にいただいた「結果自然成」の軸で、皆様と懐かしい思い出話を致しました。お食事ではお肉がとても柔らかくて美味しかったので作り方をお教えしました。果物をお出しして終了です。
 お客様に楽しんでいただけましたか心配でございましたが、私と致しましてはほんの少し満足をして居ります。お茶事は準備、後片づけと大変ですけれど、終わりましたあとの気持ちはとても爽やかです。終活に近づいている年になりまして、お茶事の楽しさがほんの少し分かってきたような気がいたします。

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2022年度 家元教場研究会レポート(8)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

七月六日(水曜A)
     主 今井光雪(熊谷)

 暑さとコロナ対策を第一に考えての準備となりました。   お料理はお客様より「お弁当を持参いたします」とのお申し出をいただきましたので、一献のおつまみのみを用意しました。写真の「星合い」はお正客の榎本先生の手作りです。初座はお酒の強い方がいらして、なごやかな楽しいお席でした。用意したお酒を楽しんで飲んでいただけたのは亭主として大変嬉しく、私ももう少しお酒が飲めるたらと、思いました。
 家元が「初座を大切に」とおっしゃる意味が実感としてわかりました。各服点のお濃茶はまだまだ慣れず、 もう少したっぷりと差し上げればよかったと反省しております。
 お薄は「札なし花月」で一服ずつ飲みました。楽しく有意義な時間となりました。
 紫陽花の花が皆茶色く焦げてしまった猛暑も少しやわらぎ、お客様のやさしさに支えられて楽しいひとときを過ごすことができました。今回「札なし花月」を取り入れてみて、「七事式やご相伝の点前は単独であるのではなく、皆お茶事の一部です」と家元が話されていた事を思い出し納得できた一会でした。

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2022年7月5日

2022年度 家元教場研究会レポート(6)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

七月五日(火曜A)
     主 堀地宗章(群馬)

 お客様が到着前に皆で抗原検査をし、楽しい一日になりますようにと笑顔でうなずき合う。この状況で茶席に集えるのは喜ぶべきこと。台風接近の予報が心配でしたが、「気楽に伺いますね」と東京、埼玉からお越し頂き、天候の悪い中ありがたいです。
 道具組やお料理など何度も先生のところへ相談に伺い、「無理しないでできることを精一杯やるのがいいわよ」「お客様も、迎える側も楽しくないとね」と言っていただき、その思いを大切に心がけました。
 七夕をテーマに五色の布と竹の香合、お酒は響きがよいので「流輝」に決め、近くで笹を一枝いただき半夏生に添えました。お客様方には不慣れでゆるゆる進むのを温かく見守っていただきありがとうございました。精一杯がんばって、反省点も沢山でしたが、暑い季節によい経験となりました。

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2022年6月18日

ロビー茶会報告

 ―ウクライナ避難民へ寄付金支援動―

新潟不白会事務局

永野 宗与

 新潟市はウクライナからの避難民を五名受け入れたという発表がありました。連日報道されるロシアとウクライナの戦争をニュースで見るたび心が苦しくなるばかりです。同じ思いを共有した江戸千家新潟不白会会員は、ウクライナの避難民の方に心を寄り添えることができればと強い願いでロビー茶会を開催することにしました。
 茶券の売り上げ全額と募金箱の全額を新潟市を通して生活に必要な資金として使用していただければと計画いたしました。
 この茶会に賛同いただいた会場のホテルには無料でロビーを使用させていただき、市内の各お菓子屋さんには衣装協力やお菓子を格安に提供していただきました。コロナ感染禍の中、感染対策を徹底し他流儀や一般の方々、ホテルの利用客の方々など、土曜日曜の2日間でしたが大勢の方々が起こしになり一同一丸となってお迎えしました。各日三テーブルが密にならないように配慮し、三席は歩調を合わせながら二十分で入れ替え。両日共に予想を上回る売り上げと設置した募金箱にも多くの募金が投入され、皆さまのご厚意に感謝致しました。
 後日、新潟市副市長と面談の上、売り上げ金と募金を贈呈しました。悲惨な戦争が一日も早く終結されますことを切に願っています。

「新潟日報」2022.7,5

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2022年6月12日

家元招請研究会 高田不白会

高田不白会

岡倉天心六角堂

六角堂内部の天心座像(平櫛田中作)

(堂内の銅製花器と燭台が坂本繁二郎画伯の寄贈品であることが判りました)

前略
 研究会での「自宅の茶」「花月」、皆さまとても楽しんで居られ、久し振りに直に家元にお越しいただいて勉強ができたこと、とても喜んでいました。翌週にはさっそく「札なし花月」の稽古をいたしたほどです。
 赤倉でのわらび摘みのこと、楽しく思い出されます。六角堂の前での笛の音、流れる水の音。「この道」「蛙の笛」大好きです。母と一緒によく唄ったことが思い出されます。ありがとうございました。 今日は大雨が降っています。とても暑い日も続きました。皆さまもどうぞお元気でお過ごしくださいませ。
 六月二十二日   
    高田不白会 保阪宗洋
●研究会の翌日、家元、高田会員有志と地元赤倉温泉村の仲間で、ここ数年訪れることのできなかったの岡倉天心六角堂をお参りしました。家元による篠笛の供奏があり、笛の音を聴きながら皆で天心を偲び、再た人々が心配なく集えるような日々が戻りますようお祈りしました。

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2022年6月11日

2022年度 家元教場研究会レポート(3)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

六月十一日(土曜A)岡田宗春宅
     客 小川宗梢(東京)

 新潟の岡田家花中庵に伺い大正時代の歴史ある建物でのお茶事に参加でき光栄に思いました。
 懐石ではテーブル席を用意していただき、地元名産や新潟ならではの料理(醤油お赤飯、いねごり等)をいただいたり,ご亭主の心遣いを感じました。その後のお濃茶はとてもおいしく感じられました。
 炭点前からは畳の広間のお席になり、厳粛な雰囲気ながら、醤油お赤飯を作ってくださったご主人も加わり、和やかな濃茶席を体験できました。格式張らず自然体な雰囲気の茶事で、岡田先生のように、私もお茶事に積極的に取り組めたらと今後の目標が見えた気がしました。

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2022年6月8日

2022年度 家元教場研究会レポート(2)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

      桜井秀雪宅
客 小宮山宗裕(長野)

 新幹線で向かった私達を安中榛名駅から自宅までご主人様が地元を案内して下さり、有意義なひとときでした。
 半東さんの案内で、寄付には前大徳西垣宗興筆の「鳥啼山更幽」の短冊が、本席には「竹葉々起清風」が掛けられており、桜井様のお宅はまさに二幅の掛物の言葉そのものでした。目の前の山からか、ホトトギスが上手に啼いて、お茶席の雰囲気作りをひと役担ってくれました。点心はご亭主手作りの品々で器を上手に使い、味はもちろんのこと、盛り付けも見事でした。次に出されたのが、ご主人様がこの日の朝、打たれたというお蕎麦で、本職の店で修行されたとのこと、 蕎麦処信州から伺った私達もびっくりの腕前でした。
 お酒とワインで、たっぷりおもてなしを受けた後の炭点前、涼しげな主菓子をいただき、中立。後座は床の掛け軸はそのままに、耳付の唐銅の花入に夏椿、黒ほおずき、京鹿子、山紫陽花が入れられていて、ご自宅の夏椿とのことで、今日の席に彩りを添えてくれたようです。
 濃茶は宇治茶「雲鶴」、たっぷりと各服点で、八女の茶とはまた違った味わいでおいしくいただきました。
 薄茶は袴姿で点心からご一緒していただいたご主人のお点前。武道の嗜みがあるだけあり、立居がきりりとして小気味よいお点前でした。薄茶もおいしく、蛍のお干菓子が何とも風情がありご亭主(奥様)の今日のお茶席に込められたお心遣いが感じられました。最後は参加者全員で記念撮影をし、雑談。デザートまでいただき、帰宅の途につきました。

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2022年6月5日

高知・熊谷オンライン研究会

高知・熊谷不白会

●「友人を自宅に招いて気楽に茶事を。和室でなくても、洋室でもやり方次第でできるものです」。家元が自宅での茶会を提唱されて久しいですが、茶事といえば、和室、掛け軸、茶道具、料理、菓子、花とそれらをつなぐ季節感、さらにはテーマと課題は重く楽しむ余裕はありませんでした。
 しかし、今回の研究会は、コロナ禍の中、亭主にあまり負担を掛けないようにと客がお弁当を持参するという形式、すばらしいと思いました。互いに持ち寄った弁当を見せ合い、作り方などの話で盛り上がり、自然な会話の行き交う、楽しい雰囲気を感じました。コロナ禍に見舞われなければこういう工夫を必要としなかったかも知れません。
 何より友人と集うことの楽しさ、無事であることの有り難さを思うと、状況の変化にも柔軟に即して工夫し、勉強してゆけたらと思いました。
            (熊谷:吉田佐雪)

●初座、後座を通してテーブルのお席でしたので、日常に近く、お茶事は初心者の私でも取り入れやすいと思いました。何より、皆さまがとても楽しそうで、うらやましく拝見しておりました。
 お話が弾み和やかな初座から、中立をはさみ、喚鐘の響きで空気が澄み渡る中で始まった後座の緊張感が心地よく、簡略化したお茶事であっても、型があるからこそ生じる流れや主客の一体感と、形にばかりとらわれると生まれないであろう本当の心の交流が、画面を通して感じられました。
 オンラインでの研究会だからこそ、家元のお宅にお客様をお招きする様子を拝見することができ、大変貴重な学びお機会となりました。
            (熊谷:横井瑞雪)

「札なし花月」

●初座は各自ご用意のお弁当とのこと。これならば、友人たちとお茶事ができると思いましたが、一番驚いたのは、ご用意されたお弁当の自由さです。お茶事のお弁当にホットサンドとは、私には思いつかないことです。
 zoomでの一人参加の利点は、自由にメモをとり、わからない言葉をその場で検索できることだと思います。少々寂しいのは、場の共有ができにくいゆえだと思います。Webbとリアルは両輪のようなもので、そのバランスをとりながら、お茶の世界を身近なものにしていきたいと思いました。
            (熊谷:マリ西村)

○●今回の研究会はお軸の様な自宅茶事だったと感じました。よしずの障子が涼しげで静けさの中に会話が心地よく、お弁当持参で楽しげでお互いを思いやり、なごやかに語り合っていました。雲鶴先生の気配りのあるご亭主の有り様を学ばせていただきました。また、家元の半東が風のように動かれていた事に、日頃の体操で鍛えられているのだと思いました。テーブル茶の濃茶では、ガラスの瓶掛けがすがすがしく、見つめている中で双方の感謝の気持ちが感じられました。コロナ禍で工夫された「札なし花月」、これからも更に工夫されていくのでしょう。私達もお稽古で取り組んでいこうと思っています。この日はなんだか、涼しくてのどかで楽しい気分となりました。
 追伸 家元が以前、体に不調のある時こそ体操をと云われていましたので、寝ながら体操をしています。時間が経つにつれ身体がほぐれ動きやすくなっていくようです。始めてよかったと思っております。
                            (高知:浅野宗薫)

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2022年5月29日

家元招請研究会 青森不白会

家元招請研究会 

青森不白会

●この度「自宅の茶(濃茶)」という課題で家元を招請する研究会が実現し、各社中より三十六名の出席者がありました。ご亭主は家元、半東は新柳様、お客三名の組み合わせで始まりました。春の八甲田は山菜の宝庫です。初座の八寸も山菜を存分に使った料理、マグロの昆布締め、カモの薄切り、一献はキリッと冷やされた地酒です。会話も弾み、緊張してガチガチだった肩も少しずつほぐれてきました。ご亭主の自然な会話でお客を楽しませ引き込んでいく巧みさも学ばせていただきました。銅鑼のお迎えで、後座の濃茶となりました。亭主の背筋のきちんと伸びた所作、再び緊張感が全体に伝わり、各服点の一挙一動を拝見致しました。茶碗をゆっくり温めお茶はたっぷり三杓、湯は一回慎重に様子を見ながら入れ、心を込めて練る。たっぷりの濃茶をゆっくり美味しく頂きました。
 午後、背中肩を動かす体操で、固まった身体全体がスッキリ軽くなったあと、「札なし花月」の勉強が始まりました。亭主、通い、客三名。一服目は亭主が点てる。総礼後、全員が服紗を付ける。「月」と「花」の名乗りは、自己申告で。終わりは正客の判断で「月」の名乗りの後「スミ」を掛ける。片付けは最後に点前をした人が行う。この「札なし花月」は随分と試行錯誤なされてお作りになられたと伺いました。
 コロナ禍の最中直接ご教授いただき、会員一同感謝の気持ちで一杯でございました。
                  (山本宗広)

●つつじの花が散り山法師が咲き誇っております。先日は家元、新柳先生にお越しいただき、青森で対面での研究会を開かせていただきました。参加者は皆楽しげでお互い懐かしがり、皆が心一つになった豊かで和やかな研究会となりました。はるばる青森までお越しいただき、御礼申し上げます。
      記
   五月二十九日(日)晴
  銅鑼にて席入、お客様三名
  床 棟方志功 温泉薬師如来図 
  花 うすピンクの芍薬、一輪、
    キンポウゲ小花少々
   花入  中国製
  お菓子  青梅
  御茶  星の奥
  唐銅道安風炉
  雲鶴棚
  「自宅の茶」終了後皆で昼食(松花堂弁当)

  午後
  新柳先生、亭主にて札なし花月(客四名)

                     (蝦名厚雪)

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2022年5月22日

佐賀オンライン研究会

佐賀不白会オンライン研究会の様子を写真レポートでお伝えします。

佐賀不白会

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2022年5月10日

2022年度 家元教場研究会レポート(1)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

五月十日(火曜A) 武井宗房宅
      客 佐藤宗博(静岡)

 新築成った武井様宅は、ご夫妻と二人の息子さんご家族の三世帯同居を叶えたお住まいでした。早速お茶室へ。床の「無事是貴人」のお言葉と美しく整えられた道安風炉のお待ち受け、ご亭主の発案で嶋崎様が炭点前。リビングに移りおしのぎタイムでは、手作りの八寸とお弁当、新潟の久保田の雪峰という美しい銘のお酒をいただきました。楽しくもにぎやかな語らいで、話題はお宅を新築なさった折の工法、新建材等多岐にわたり興味深いものでした。
 後座はご亭主のお点前で星の奥のお濃茶をゆったりと充分にいただきお薄は土屋様が担当。佐藤はご用意下さった椅子に腰掛け、静かな釜の音に聞き入りながらぜいたくな時を満喫しました。お道具類は自作のお茶杓、竹籠の花入、主茶碗(百碗展で入手した高麗写し)と干菓子盆(玉林院古材)以外は、師である磯目先生から託された品々だそうです。こうして大切に受け継がれて、生かされて先生もどんなにかお嬉しいことでしょうと、温かい気持ちになりました。武井様の今の心境は御自作のお茶杓の銘「夢」にすべてこめられているとお察ししました。
 お三方様とはそれほどの交流もなく過ぎており居ましたが、この度ご一緒に過ごした数時間は他では味わえない心楽しいものでした。又一つ良い思い出が出来ました。七月はご希望の方がいらっしゃいましたら喜んでお迎えしたいと思っております。

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2022年3月27日

久留米・八女オンライン研究会

久留米・八女不白会

 東京の家元研究会に参加できなくなって三年になります。オンライン配信で勉強をさせていただけますことを有り難く感謝いたします。家元邸の花月の間、床は酒井鴬浦の双幅、白桃と八重桜の図が飾られており凛とした佇まいに懐かしさを感じました。今日は亭主を雲鶴先生、半東は家元、客三名で、テーマは今年の課題「自宅の茶」です。
 初座は、主、客ともにお弁当の持ち込みという新しい試みで食事が始まりました。家元の半東を拝見するのは初めてで、目を凝らして観ておりました。家元の丁寧な身のこなし方、客への気配り、間の取り方など流石だなあと魅入った次第です。食事中は、主、客ともにおのずと和やかさが生じ、お話も弾んで笑顔、笑顔でこちらにも楽しさが伝わってきました。後座のお濃茶の時には静かで厳かな緊張感が漂っていて茶事の流れのなかではこの雰囲気でが大切な事と思いました。今日の「自宅の茶」とても勉強になり、特にお弁当の持ち込みは気に入りました。 さっそくトライしてみようと思います。
              (久留米:下津浦靖雪)

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