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2012年6月26日

貴人清次に茶事でのもてなしを学ぶ

家元招請研究会−【貴人清次】

吉岡宗美(高知不白会)

まず一献から
 梅雨の晴れ間の六月二十六日、家元招請研究会が、高知市公民館で行われました。今回は、お家元がご亭主になられてご指導くださるとのことでしたので、支部一同大いに期待しておりました。
 研究会前日の仕度時、お家元が公民館の広間のどこに点前座を設けたらよいか、貴人の座からよくお軸が拝見できるようにと、ご工夫なさる御姿が、大変参考になりました。ご持参いただいたお掛物は流祖の「福壽海無量」でした。お家元は高知の海を思い持参して下さったとのこと。その御字の素晴らしさに一同感嘆して拝見致しました。
濃茶点前
 亭主の挨拶があり、お膳が運ばれます。亭主(お家元)は、笑顔で「まず、一献」とお勧めになり、座は自然と和んできます。半東も東の動きをよく見て、絶妙な間のとり方でお手伝いされます。お炭点前になり、その自然な運びに心を奪われ、ここが研究会のお席である、ということを忘れ、まるで本当の茶事を拝見しているような感覚に捕らわれました。
 中立の後、銅鑼の音で後座が始まり、お床には、手桶に祇園守りとたいまつ草、縞葦がすっきりと入っています。瑞々しく露が打たれて見るからに涼しそうです。お家元ご持参の七官青磁のお茶入から流祖のお茶杓「常磐木」でたっぷりのお濃茶が点てられました。初めて七官青磁を拝見させていただき、その淡い青緑色が目に焼き付き、お茶杓の美しさと相まって、ため息の出る感動でした。
記念撮影
 お家元のご亭主振りを拝見して、亭主がその茶事の空気を作っていくということを改めて感じ、お家元の提唱される「もてなすお茶の実践」を、支部一同深く心に刻んだ一日でした。
 

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2012年5月27日

「軸飾り」「花入飾り」を学ぶ

宗康先生招請研究会

堤 宗誠(八女不白会)

軸飾・花入飾
 「軸飾り」の目的は、特別なお軸をお客が初座に入席後に披露すること。正客とのやりとりや名物軸の扱い方等、普段のお稽古ではできない「軸」の飾り方、仕舞い方など勉強することができました。日常の床の軸かけにおいても丁寧な扱いをする心のゆとりが大事なことだと思いました。
 「花入飾り」の研究会では、はじめてのことで戸惑いましたが、初座において花入に水を入れずに床に飾り、客に「拝領物」「名物」の「花入」を観賞していただくこと。後座にての花所望では花入に合う花を選ぶこと。適量の花を準備すること、そのことに関連して、花入飾りは特殊な趣向で、普通の茶事では花入よりも花に重きを置き、その花に見合う花入を選ぶものであるが、どうしても花入が先行しがちであること等、大変有意義な研究会となりました。
 「軸飾り」「花入飾り」とも普段のお稽古ではできないことなので、半東の役割などを踏まえて、研究会に参加できましたことは大変よい勉強になりました。

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2012年5月20日

役割の中で茶事の流れを学ぶ

家元招請研究会−【台天目】

大谷宗節(群馬不白会)

中立風景
 薄暑の五月二十日、高崎市暢神荘にお家元をお迎えして「台天目」を課題に研究会を行いました。床にご持参下さいました流祖筆による「無心雲自閑」一行物が掛けられて、研究会に入る前に体をほぐす体操や気功を教えていただき呼吸を整えました。
 お家元(亭主)、随行で参加下さった瀬津様(半東)、宮下支部長(貴人)、家元教場研究会参加者(清次三名)、河田副支部長(水屋全般)の役割で始まりました。皆さまの注目される中、私も清次の一人として勧められるまま一献いただきましたが、緊張のためたちまち顔がほてってまいりました。
 中立ちで暫し家元の横笛「青葉の笛」を聴かせていただき、心身ともに癒されました。
 後座では、床に白芍薬と都忘れが清楚に活けられて、静寂の中、家元の凛としたお姿と悠然としたお点前に感動致しました。会員の皆さまも同じ思いでご覧になったと思います。
 今回の研究会で亭主と半東の運びが自然に進められる様子を拝見しながら、茶事の流れがよくわかり役割をいただいた事を心より感謝申し上げます。
 茶道を通じて成長させていただいていることを実感致しております。

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米棚十三通りの飾り方

宗康先生招請研究会

七戸・青森不白会

米棚手点前
・七戸不白会……盛田宗蛍
 宗康先生をお招きし、青森不白会との合同開催で、「米棚、十三飾り」を学びました。青森の前会長の岩崎先生が久々にお出まし下さっての会でございました。
 勉強不足のまま一夜漬けで臨み、度々手が止まったため、そのつど懇切丁寧にお教え下さいました。ぼーっとした頭に、何故こうするのか意味を解ってするように、また、座る位置をきちんと、というお言葉が残りました。
 会場には何の設備も間切りもなく、ありったけの衝立を持ち込み、置床を据えて、隠元のお軸を掛け、「二王」と銘された竹花入に白の山吹と黒百合を入れました。
 前夕、七戸到着後、会場を見てくださった宗康先生が、父にお会い下さるために突然我が家へお立ち寄りに成られました。
 また、先生がお帰りになった夜の母の夢は、お返しとばかり、宗康先生のお宅へ母を先頭に四、五人で押しかけたものだったとのことでした。
 今回の研究会では、先生一流のチクリとしたユーモアに色々教わりました。また、「皆さん、いい流派にお入りになったと思いますよ」という一言に江戸千家、そして宗匠への思いが感じられました。
・青森不白会……吉川恭子
 今回の研究会は「米棚 十三通りの飾り方」が課題として取りあげられました。天板、地板の間に中板が二枚という棚は少なく、不白の格別のお好みの棚であったとのことです。両器飾り、総飾りなど、またその他、バリエーションをいろいろと楽しめる棚だということでした。  大切なことは、飾り方の形だけではなく、どんな時にどの飾り方をするのか、茶事での展開を含め、その用途を理解することであるとのことでした。お点前を始める時の飾り方と仕舞いの時の飾り方、拝見の所望のある時とない時の飾り方、またその他の飾り方など、詳しくご教授していただきました。
 午後は、「濃茶点前」に関連したお稽古をいたしました。仕服と茶入の扱い、服紗の捌き方、茶入の清め方など、一つ一つの作法について、丁寧に教えていただきました。割稽古で疑問点をなくしておき、それから全体のお稽古をするのが良いということをあらためて実感いたしました。
 宗康先生のご指導の下、前に出て所作を行う方々と見学者が一体となって練習でき、充実した中味の濃い研究会だったように思います。

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2012年5月6日

相伝物 「盆点」—客として参加

家元招請研究会−【盆点】

土田宗春(新潟不白会)

一献
まずは、和やかに一献。珍しい食材も。
 「今度の家元招請研究会の役目は次客ですよ」と言われ、緊張と胸の高鳴るのを覚え、その日を迎えました。今回の研究課題は盆点での茶事。ご亭主はお家元。半東は、随行の水口さん。正客は中野支部長。次客が私で詰は森田宗久さん。
床  花
 茶事が始まりました。お軸は大龍宗丈の一行「青祚見主恩」が掛けられました。
 まず一献ということで八寸懐石が出されました。品数は三種盛り付けられており、そのうちの一品は、真っ白でふわっとしていて、底が丸くなっている上にクリームのような物が乗っていました。これは百合根にクリームチーズを乗せたもので、とても相性の良い味でした。さらに山菜のコシアブラ。少し塩味で、バージンオイルがかけてあり、香りがとても良く美味でした。海のものは新潟の特産品でもある鮭の酒びたし、お酒をさらに美味しくしてくれました。お家元も、ご相伴なされ話も弾みました。
家元点前
家元の濃茶点前が厳粛に行われた
 さて銅鑼を合図に後座の開始です。床の間には見事な熊谷草が、節の下が白になっている尺八形の黒竹の竹花入にすっきりと立っておりました。いよいよ濃茶点前、ご持参の銘「玉水」の茶入から汲み出された茶をゆっくりと、丁重に練り上げたお濃茶をいただき、誠に至福のひとときでした。
 毎年家元招請研究会に出席していますが、今回のようにお家元御自身が亭主をなされた会は、はじめてです。客をもてなす意味、また、心から茶を点てる事等。お点前も大事ですが、穏やかな会話、相手を思いやる心も大切だと改めて肝に銘じました。

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2012年5月2日

感動した研究会

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

神農宗洋(長野不白会)

記念写真
家元を囲んで記念写真
 春遅き信濃にも待ちわびた桜が咲きほこる五月二日、小諸花岡亭に宗匠をお招きしての研究会が開かれました。
 今回は、相伝物-盆点ということで、わざわざ東京より、お道具をご持参され自ら亭主を務めていただき、大変貴重な時間を過ごすことができました。
 初座は、お炭点前、続いて八寸とお酒が持ち出され、終始和やかな時間が流れていきました。ここで私が特に感動したのは宗匠の座掃きの見事さです。自然体で流れるような所作。宗匠からは「いつもしていることですから」というお答えが返ってきました。常日頃の行いが大事であり、身が引き締まる思いでした。
 後座は、螺鈿細工の盆に玉水という銘の茶入が置き付けられ、お盆点ての点前で一服のお茶が心をこめて点てられます。ゆっくりとした時が流れる中、悠久の時を越え幾多の人たちに愛でられたお道具たちが今、私の目の前にある。なんとも不思議な空間でした。たっぷりと点てられたお濃茶は、とても良い香りが漂い、私も一服いただきたいという思いがわき出てしまいました。
 今でも宗匠がゆったりとお茶を点てられる姿が目に浮かびます。お茶は、亭主が主客に感動、驚きを与えるために心をこめ、席のしつらえをすることが一つの醍醐味だと改めて学び、この気持ちを忘れず、これからも精進してまいりたいと思います。
 

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2012年4月29日

各種お茶入の扱い

博子先生招請研究会

渡邉 宗翠(福島不白会)

茶入の扱い指導
 四月二九日、満開の桜の佳き日、白河の南湖公園、松楽亭に博子先生をお招きして研究会を行いました。
 今回は四滴、手桶、耳付茶入、肩付茶入など十四種類のお茶入を準備し、ひとつひとつの茶入の扱い方、茶入の清め方、片づける時の注意点などを詳しくご指導していただきました。四滴は、茶入の形の特徴で、清め方、扱い方の違うことを話していただきよく理解することができました。
 蒔絵のものは広間で、竹や蔦で作られた物は小間で使うなど、素材で使われる場所が異なることを茶入を見ながら学ぶことができました。また、服紗捌き、茶杓の拭き方など、基本の動作も丁寧にご指導いただきました。
 研究会の最後に今回準備した茶入の中から、大渡しと手桶の茶入を使い二回お茶を点てて皆でいただきました。
 たくさん学んだ後のお茶でしたので、格別においしく、一服のやすらぎのようなものを感じることができました。
 研究会のあとのお稽古では、今まで無意識に行っていた服紗捌きもひとつひとつ確認をしながら行うようになり、ひとつの所作にも深みが出てきたように思っています。自分の点前の所作を振り返り直す、よいきっかけとなり、大変勉強になりました。
 

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2012年4月28日

古典・相伝物に学ぶ−詰として参加して

家元招請研究会−【盆点】

瀬戸島宗芳(久留米不白会)

研究会床の間
 あざやかな新緑に囲まれた少林寺内で、家元招請研究会が行われました。
 今回の課題は、古典相伝物の中の盆点でした。初座は、季節の旬の物が五種盛り付けられた八寸で一献。懐紙に取り分け楊枝でいただくという簡単な形式でしたが、その中で亭主としてのお家元のお話の進め方、客への心配りを学びました。我が家の畑の作物の話題にもなり、緊張した気持ちもほぐれ、中立ちとなりました。
 盆点とは茶入を大切に扱うという気持ちの表れとして、盆にのせて点前を行うということだそうです。茶碗、濃茶器、茶杓や盆など、お家元が持参されたお道具で厳粛な雰囲気の中、点前が進みます。お道具一つ一つを丁寧に拭き清められる所作に点前の心構えを学ばせていただきました。道具には所持者、伝来の経緯など歴史的背景があり、それを知るのも一つの楽しみです。茶の湯の奥深さを感じながら拝見しました。
 初座、後座を通して、茶事とはお客様をいかに心からもてなし、そして自分自身も楽しむこと。常日頃お家元が言われますように、場所、道具にとらわれない自分なりの茶事をすることが大切であると改めて感じました。
 

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2012年3月19日

相伝物-盆点

家元招請研究会-【盆点】

田中宗恭(七戸不白会)

濃茶の前の一献
濃茶の前に炭点前と一献
 三月十九日、研究会の当番をいたしました。ご亭主は宗匠、半東は随行の瀬津様、客の三人は会員から決まり、「八寸」を組み入れたお茶事形式における「盆点」をご指導いただきました。ご亭主、半東は茶席の設定にはじまり、すべてのご準備を整えられました。直々のお手本を拝見でき、大変勉強になりました。「盆点」の意義、唐物名物茶入について講義していただき、体操に心身の緊張を解きほぐしての実践となりました。
唐物の拝見
貴重なものを大事に扱う所作
 初座は主客の会話に耳を傾けました。飾られた唐物茶入の、挽やに記された「玉水」のご銘のことやお茶入の形、三枚のお仕服の由来を学びました。そして、お炭点前、続いて八寸とお酒が持ち出され、お亭主のお相伴によって、より時間をかけられた和やかな光景を楽しませていただくことができました。
一献
亭主も相伴
 後座には、螺鈿盆に「玉水」が置き付けられ、銅鑼による迎え付け、花入には山茱萸の黄と藪椿が入れられました。
 ほどよいお釜の煮えの中、心を込めてゆっくりと練られるお濃茶にしばし見とれ、静寂のうちに時代を経過したお道具が命あるごとくお点前を従えているかのように感じられました。そしてたっぷりと点てられたお濃茶に感動いたしました。
 また、服紗の真・行のさばき方、膝行膝退、亭主と半東の「間」の取り方なども勉強できましたので、これから自分に活かして参らねばと思いました。
 宗匠のお点前による「盆点」。この拝見が叶い、終了後も貴重なお道具や主客の交流の場と共に美しく眼の奥にかがよう幸せな一日でした。

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2012年2月26日

米棚の飾り方 十三通り実演

宗康先生招請研究会

小泉恵雪(岩手不白会)

棚物の点前
  二月二十六日、まだ雪深い盛岡に宗康先生をお迎えして、研究会が行われました。
 午前のご講演に続き、午後に「米棚の飾り方 十三通り実演」のご指導がなされました。実演担当の私は、宗康先生のお話に耳を傾け、ロボットのように、ご指示通りに点前を進めることに務めました。そんな中、お点前の流れの一部だけ(棚に飾り、それを解く)を繰り返すことの難しさを痛感し、日頃の精進の足りなさに反省しきりでございました。
服紗捌きの稽古
 教本に、十三通りの説明がありますが、実践と結びつけると疑問が湧いてまいります。先生の解説でその疑問が一つ一つ解き明かされていきました。特に、どのような場面で使う飾り方かをイメージするいことの大切さを納得いたしました。宗康先生のお手本を会員皆が注視していました。また、癖は自分では気が付かない曲者です。ご指摘いただき、このお役をいただいたことに感謝いたしました。
 例年は十月の気候のよいときに行われますが、今年は岩手不白会八十周年行事のため厳寒の候に行われました。充実した研究会でございました。

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2011年11月27日

台飾りと続き薄茶

宗康先生招請研究会

宮川宗貴(福岡不白会)

 研究会のテーマが一度もお稽古をしたことがない「台飾り」ということで、その亭主役をすることにとても不安な気持ちで当日を迎えました。
 台天目を簡略化したものとはいえ、日頃、供茶等以外で、お客様に天目台で茶を出すことも、客となっていただくこともありません。
 宗康先生から細かく一つずつご指導いただいたことで、基本的な所作、お客様に対する心遣いをこれから先の茶事に実践していければいいなと感じました。不安から始まった一日でしたが、研究会の後はとても充実した気持ちになりました。
 午後は続き薄茶でしたが、普段曖昧になっていた基本をしっかりおさらいしました。日頃実践することも多く、あらためて勉強になりました。
 

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2011年11月23日

台飾りと付薄茶

宗康先生招請研究会

望月宗盛(甲府不白会)


	飾り方
天目台を飾る
 甲府不白会では宗康先生をお招きし「台飾りと付薄茶」の研究会を紅葉の森の中にあります山梨県立文学館の「素心庵」で行いました。
 「台飾り」は台天目の省略点前・台天目平点前と書物には記されています。どんな心構えで点前を進めるのか、研究会当日まで不安でした。
 宗康先生の到着を待って、茶席、観客席が設えられました。そして漠然としていた気持ちが落ち着き徐々に亭主役を勉めさせていただく心構えを感じ始めました。
見学
 最初の講義で、客を大切に敬い、心からの点前を精神性をこめてするようにと教授して頂きました。
 心と身体が一体となり、おもてなしをするしぐさを懇切丁寧にご指導していただきました。心を表現する難しさと茶道の奥深さをしみじみと感じました。そして生涯勉強の世界であることを再認識できました有意義な一日でした。

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2011年11月22日

岩手不白会研究会随行報告

家元招請研究会−【茶事の実践】

沢田宗彦(東京不白会)

席主記念写真
茶事を担当した席主に家元から色紙の贈呈
 昨秋十一月二十二日、二十三日、岩手不白会家元招請研究会へ家元に随行しました。研究会は春と秋の二回行われていて、今回のテーマも「実践」で二日間にわたるお茶事です。午前十時半に各家でお茶事が始まり、午後二時に会場に集合、全員で主客の感想、反省会が始まります。三時間ちょっとの正午のお茶事で、お酒は勿論、ご飯も出る本懐石に近いお茶事です。初日は九軒でお茶事が行われ、私は工藤宗直様の家に招かれました。家元筆「風吹老松吟」に始まる初座、雪見障子を下げて、静かな後座、細やかな配慮の行き届いたお茶事で、お酒に酔い雰囲気にも酔いました。
 翌日は十軒の実践です。私は三田宗明様のお席で、お家元とご一緒でした。お懐石の後、九十五歳の三田先生のお点前で濃茶、主客敬い合い、久し振りの再会を喜ぶ家元との会話に次客の私は胸キュンでした。主客直心の交わりを目の前にして、この経験は私の宝ものになりました。
 二日間で十九軒本格的なお茶事の実践です。随行の前から早々と工藤様、三田様からご招待状が届き、万事行き届いていました。研究会の後、席持ちの各ご亭主から、客組み、会記、懐石献立、主客の感想、写真などA4一、二枚にまとめ、寄せられています。お家元にもこの記録が送られて来ており、拝見させてもらいました。この記録によって、実践内容が忘れられること無く積み上げられて岩手不白会みなさんの貴重な共有財産になっている様子です。
 

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岩手不白会研究会レポート 2

家元招請研究会−【茶事の実践】

岩手不白会

 「茶事の実践」の家元招請研究会各席の茶事のレポートから2席を紹介します。
 この2席を含む全19席のレポートは、Facebookの江戸千家ページでご覧いただけます。
次のリンクをクリックしてください。
  ●岩手不白会研究会レポート2(全19席)

 …… ……
茶会風景
 ◎茶事の実践研究会
     平成二十三年十一月二十二日
    亭主 田中宗玲  場所 拙宅
    客  菊池宗和様 小田島宗寂様 福士宗久様
(会記省略)
(客の感想)
 その素晴らしく清々しい雰囲気の茶室に鬼霰の広口釜が圧倒的な存在感を放っていました。寒さも深まっていたこの時期には暖かい湯気と立派な胴炭が何よりのごちそうに思えました。また、食べ切れないほどの美味しいお料理に亭主の心遣いを身にしみて感じ、相客さまと共にその後の席の和気あいあい振りを十分に楽しんだ研究会でした。
 田中先生の優しいお人柄が表れたお茶席だったと振り返り思います。
(亭主の感想)
 お客様三名、亭主、半東、水屋、社中のお手伝いをいただき亭主を務めることになりました。日々ばたばたと生活している私には、時間内での茶事の実践で、お客様のおもてなし、気配り又、心の大切さ等々実感しました。
 今後益々心新たに精進したいと思っております。
  ◇  ◇  ◇
◎茶事の実践研究会
   平成二十三年十一月二十三日
   三田宗明宅 聴雪庵
   正客 お家元様 次客 沢田宗彦様 詰 小苅米宗翠様
   亭主 三田宗明 半東 三田宗廣 水屋 澤野宗桂
(会記省略)
(お家元からいただいたお葉書)
 「医家三代の館つましやか
   紅葉して金色浄土ここにあり 雪」
 この度は懇親の茶事にお招きいただきありがとうございました。
(沢田宗彦先生からのお手紙の中から一文)
 亭主と正客の家元音のお話のやりとり、お互いに心から敬い自然体で喜びを分かち合いながらお茶事が進み、同席の私は胸が熱くなりました。お茶事の素晴らしさを切実に感じました。
  ……………
 小苅米宗翠先生には、お詰にて大変お世話になりましたのに、早々と御丁寧な御礼状を賜り、お濃茶が熱くて美味しかったとお書き下さいまして嬉しく存じました。
(亭主の感想)
 老齢の私は今回の茶事は最後の御指導いただけるお茶事と思い、張り切って参加致しましたところ間際になってお正客様にお家元様と伺い驚きやら、うれしさやら、おそれ多い感情に心は乱れました。その上、沢田大先生までお迎えすることが、決まり、心の動揺は隠し切れませんでしたが、幸いお詰が小苅米先生でしたので、意を決して、身体は不自由でも誠心誠意おもてなしを致すべく務めました。思うような充分なことは出来ませんで申し訳なく思っております。でもお茶事の高尚な交わりをご熱心に永年にわたり御教導下さったお家元の有り難いご恩を今回の茶事であらためて深め感謝申し上げております。
レポート紙面

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2011年11月13日

実践で予行練習を

家元招請研究会−【茶事の実践】

栗山宗薫(静岡不白会)

炭点前
 今年度の課題は「実践」です。十一月の家元招請研究会では亭主を務めるよう勧められ、勉強のためと思い、重要なお役をお引き受け致しました。
 お家元から常々「無理せず、自分のできることから実践しなさい」と伺っておりましたので、気持ちを楽に持ち身の丈にあったことをすると決めました。
 先ず事前に、友人三人を家に招きお茶事をすることにしました。教本「茶席の支度」を参考にし、茶道具、茶花、点心等流れを具体的にイメージしながら計画を立てました。家には炉がありませんので風炉で、水屋も廊下を工夫しました。床の間に掛物を掛け、花生を置き、お灰を整えた風炉を据えると茶席らしくなりました。点心は季節の素材を使い、お花も庭や道端の草花を用意しました。試行錯誤の繰り返しでしたが、自分のアイディアで一席を作っていくのは、今まで見過ごしていた事の発見でもありました。
点心で一献
 当日は客のお一人に半東をお願いし、入席、炭点前、おしのぎと進み、美味しい一服のお濃茶が点つよう湯加減に配慮しました。お客様は初めての体験とのことでしたが、別世界で和やかな時間を過ごすことができたと大変喜んでいただけました。
 十一月十三日に家元招請研究会に向けては、同じ社中の半東、水屋のお当番と三人で準備をしました。お道具はなるべく自分の物を使用する。炉辺の道具は先生にお借りする。点心は持ち寄りでということにしました。
濃茶点前
 当日は緊張の連続でしたが、お客様にも助けていただき滞りなく終わりました。
 事前に実践することにより、それぞれの手順の意味が理解できました。お家元のお話の中に、「稽古で半分、実践で半分が二倍、三倍の力になる」とお聞きしたことがありますが、納得致しました。
 一席を設けるには、大変な労力を伴いますが、楽しい過程でもありました。お客様と心を通わせることは、自分自身の心も豊になる一時でした。これからも茶の湯に精進していきたいと思います。
 当日は、見事な秋晴れで、富士山も雪化粧をしてお家元を迎えてくれたことはなによりでした。

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2011年10月22日

半東として

家元招請研究会−【茶事の実践】

今川宗寿(久留米不白会)

一堂に会しての反省会
一堂に会しての反省会
 私は水田様のお席で半東の役目を仰せつかりました。
 前回の席持の際、宗匠からいただいた色紙『観楓』を亭主は床に掛け、茶事が始まりました。
 懐石は、亭主の心のこもった秋の味覚の盛り合わせのお膳とお酒。椀ものをお出しした後、亭主も相伴されました。
 お庭の紅葉には早いものの、ウメモドキの実が見ごろでしたので、お縁の障子を開け、秋の日差しの中会話もはずみ、楽しいお食事のご様子でした。皆様お車のせいかお酒はあまり召し上がらなかったのですが、最後に湯桶がわりにお出しした甘酒がたいそうお気に召したようです。
 中立ちの後、掛物をはずし、時代ものの煤竹の籠にアサギリ草、シモバシラ、秋明菊が生けられ、後座へと映りました。
 白木の丸卓に亭主手づくりの水指が置かれ、静かな濃茶点前が始まり、一期一会の一碗を亭主もお相伴されました。
 半東としては、茶道口に控え、タイミングをみながら臨機応変の心配りと立ち居振る舞いを目指しましたが、ご亭主に助けられて、無事務めることができた気がします。
 改めて亭主という役の大変さ、心配りに深く感心すると共に大変勉強となり、心に残る一日となりました。

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2011年10月13日

亭主をすることでえた収穫

家元招請研究会−【茶事の実践】

生亀寿雪(山形不白会)

実践の指導
 松尾芭蕉奥の細道「三百周年記念」に建てられた茶室を主会場に研究会が開催されました。
 点在する奇岩怪石。堂宇群そして紅く色づき始めた木々の織りなす景観が一望できる庭を、当不白会相談役の芳賀宗紀さんの案内で、お家元と東京不白会の小林宗淳様が到着、早速、お研究会が始まりました。
 私は亭主の大役で、挨拶も緊張気味でしたが、正客の小林様の経験豊かな問いかけや温かいお心遣いで、空気が一気に和らぎ、気持ちが落ち着いてきました。
 「懐石」では、山形の食材、料理、お酒等で話が膨らみ、盛り上がりのある楽しい席となりました。小林様から「茶席の会話」の仕方を学ばせていただきました。後日、客役の人達からも同様な感想が寄せられ、大きな収穫を得たようでございます。
 「炭点前」で、下火が小さくなり、「湯の沸き具合の一番良い時に濃茶を点てる」という茶会の最も大切なところで落第点をとってしまい、深く反省致しました。
 お家元のご講評の中で、次の事が心に残りました。
 ・濃茶点前までに心の通う会話を多くし、主客が一体感を持てる空間をつくっておくこと。
 ・茶の湯の稽古では「茶事」の形でお客様をおもてなしできるようになる事が大切。簡単でも良いから、是非自宅に客を呼んで茶事を行うことを勧めたい。
 これからも一層精進して茶の道を勉強してまいりたいと存じます。

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2011年10月10日

社中の絆

家元招請研究会−【茶事の実践】

餅越宗清(福岡不白会)

茶事でお点前
 茶道を修める私たちにとって何より大切なのは、おもてなしの心であろう。お茶事で心のこもった亭主のおもてなしによって、席が和み清談がはずんで、お客様と心が通い合う一刻が愉しめれば、これこそ茶道の醍醐味に違いない。
 今回はテーマ「茶の湯実践」の研究会である。不祥餅越が亭主を仰せつかった。どうしよう、と一瞬ひるんだが、何しろ研究会だから、田中宗正先生社中の仲間がみなでアイディアを出し合い「おもてなし」はいかに為すべきか工夫する勉強会をすればいい。やってみよう。
 まず役割を考えた。半東に四方田洋子、水屋を田中万里子に受け持ってもらう。それに田中宗央も加わって案を練っていく。これなら文殊菩薩に劣らない智恵が湧きそうだ。お客様は福岡不白会から四名様をお招きすることにした。場所は街の中央部にほど近い「たそがれ庵」こと賛助会員田中孝邸を六月のお稽古から使うことにした。
 十月十日の本番当日は、野菊や水引草が茂る門から玄関まで、しっとりと水を打つ。床の軸は「大聖武」(唐代の名筆、東大寺蔵は国宝)の断簡。花は薄と秋明菊を古銅水注に生けた。この軸は、心を清め和みのなかに緊張感を保つように、との庵主の志かと思う。
 茶碗は、旧恩師より拝領の萩、李朝瑠璃の小壺を茶入に見立て、茶杓は黒田辰秋作、銘笹舟を配した。
 さてお料理。お向こうは、古唐津に旬の魳を昆布〆。それに冬瓜の椀盛りを供した。この淡緑が漆黒の椀に映えて、清涼の気を誘う。実はこの冬瓜、九十歳の父が丹精をこめて育てた一抱えもある大果なのだ。
 省みると、至らぬ私が、田中宗正先生の適切なご教導と社中みなの助け合いのお陰で、亭主の大役を無事務め上げることができたのは、ともにお茶の絆で結ばれた間柄の故である。この絆が今回の研究会で一層強められたことは、何よりの収穫であった。
 

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2011年10月2日

熊谷便り

家元招請研究会−【茶事の実践】

松崎宗渓(熊谷不白会)

村田邸記念写真
村田邸記念写真
お料理担当者
小間と立礼席の料理を担当 お料理シスターズ
 昨年穏やかな秋の日に、家元招請研究会が、熊谷・鴻巣の地で行われました。テーマは『茶事の実践』それぞれご亭主の持ち味で、特色ある楽しいお席になったようでございます。各々のお席のコメントをご覧ください。
 ……  ……  
 ●お家元お迎えしての「村田邸」
 神無月二日、家本様がお正客になられ、この上ない喜びでございました。席入り後、ご挨拶し、膳にご飯、向付、強肴、お酒、椀盛しんじょうと進み、楽しく会話が弾みました。主人にも声をかけていただき、喜びでございました。床の「心外無別法」をはじめ、我が家にある物で皆様に愉しんでいただきました。家元さまよりお褒めの言葉を頂戴し、大きな力となりました。茶事の素晴らしさを再確認致しました。
 ●「野辺邸」では  テーマ『歓び』
 三十年ぶりに我が家でのお茶事、亭主を務めさせていただきました。一緒にお稽古をしているお仲間に助けられ、不慣れで大変な面もありましたが、結構楽しいひとときでした。この経験から、茶道に対する深い心掛けが必要と痛切に感じました。またの機に、友人、知人をお招きして、茶の湯を通して心豊かに、楽しいひとときを過ごせたらと思います。
●松崎邸 「笛庵」にて  テーマ『ゆく秋』
 小間で亭主を務めることになった私は、不慣れで不安一杯でした。しかしお客様を前にしての身の動き、気遣い等、いろいろ学ぶ機会となり、貴重な経験でした。初座では武島羽衣のお軸、横笛の香合、後座は鉈籠を掛け、野の花を持ち出し、花所望を致しました。薄明かりの中、床がぽっと明るく美しい光景でした。今回勉強不足で反省点数々ありますが、思い出の日となると存じます。
  ●松崎邸 「立礼席」にて  テーマ「宙」
 おもてなしの趣向あれこれ考え、初座と後座の雰囲気をガラッと変える演出を試みました。机、椅子、灯りなどの綿密な配置図や進行表を作成し、テーマ『宙』に会わせたお道具、料理、お菓子を考え、試食も多いに楽しみました。音叉によるBGMも取り入れてみました。先生や料理担当の方に助けられながら、充実した時間を過ごすことができました。
 ……  ……  
 これを機に、温かな交流が増えることを望みます。雁の群れの渡りを見送りながら、学びの一日が終わりました。

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2011年9月25日

新潟不白会・茶事の実践

家元招請研究会−【茶事の実践】

新潟不白会

●亭主として学ぶ
    長澤留美子
 家元招請研究会にて亭主を務めさせていただきました。お客様を招く際の、大切な「基本」を学ぶ勉強会で、家元から直々にお手本を見せて頂き、また、ご指導も賜るといった、大変貴重な時間をいただきました
。  反省点は多かったものの「基本=初心」に立ち返る機会となり、今後の自身への課題、目指すべき姿が明らかとなって、茶道の目標、楽しみが増す機会ともなりました。
 茶会にて、お客様が一期一会のひとときを充実して過ごせるよう、亭主はお点前の動作、技術向上だけではなく、常に気配りをし、心を行き届かせる。私も稽古を重ね、真心を込めた対応が、さりげなくできるよう努めたいと思います。
 日々雑多で忙しく、時間に追われるような中、私にとって茶道を学ぶ時間というのは、自身を清める時間でもあります。
 これからも学べること、おいしいお茶がいただけることに感謝していきたいと思います。

●もてなすことの喜び
佐藤宗孝
 茶の湯の実践の研究会、今年は二回目です。前回はお客として小旅行気分でバスに揺られ、楽しんで伺いましたが、今回は迎える側となり、社中で何度も話し合い、手順やお茶、お菓子、お料理、お酒など吟味しました。当日はとにかくお客様が楽しかったと思えるよう、そして秋を満喫できるように心がけました。
 席入り後まず花所望をしました。秋の草花を少し大きめの籠に活けて頂きました。そこでお客様と亭主が一体となり、話も弾み、あとは流れるように時間が進み、一献、点心、中立ち、後座ではお盆点前で濃茶を差し上げました。亭主も相伴し、またそこでさらに和やかな空気が流れ、お客様のお顔に笑顔が浮かんでいる様子を拝見した時は、社中全員でおもてなしできたことを嬉しく思いました。
 

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