本間宗尚(水A:東京不白会)
「為君葉々起清風」という慈愛に満ちた掛物と鉄鉢の花器。御軸の長さがあり、黒くずんぐりと円い花器の重量感とのバランスを考えて少し悩みましたが、持ち寄った花材の中に濃い紫紅色の牡丹が一輪ありましたので、葉を整理して少し低めに入れました。思いのほかすっと納まりましたのでひと安心し、仕上げに充分に霧を吹きました。ところが、その後、鉄鉢にかかった多量の水滴 を宗匠にふき取っていただくことに なってしまいました。今井光雪(水A:熊谷不白会)
最初は主客の距離の近さに戸惑ってしまいましたが、家元のゆったりとしたお点前が進むにつれて、主客の近さの程よい緊張感はテーブルにもかかわらず、まるで小間でおもてなしを受けているように感じてきました。榎本宗浩(水A:東京不白会)
テーブル茶の客として入席。寄付にはブルーノタウトの「太白山」画の小幅。花月の間の床飾りは「為君葉々起清風」の穏やかな墨跡。花は今にもはじけんばかりの、いかにも牡丹色の牡丹が鉄鉢に。御床から清々しさと若さをもらい、明るい色の更紗布が掛けられたテーブルを囲んだ。菓子は「広沢」。水面に翠が染む。喚鉦があって家元の濃茶が始まった。
木瓜型面取り盆に、大ぶりの濃茶器、落ち着いた色合いの仕服から瀬戸の濃茶器が表れた。自作のお茶杓から掬い出されるタップリのお抹茶、丁寧に練り上げた一碗。古服紗を添えてだされた。一口いただく、二口目、なるほどと実感と納得。皆さんの目が背中にあるのを忘れた一瞬である。松田宗啓(水A:東京不白会)
今年の研究会では広間の床、テーブルの上、寄付の床の掛け花を午後の部までに、当番の私共で活けるようにとご指示がございまして、私は黒百合を持参しましたので、テーブルに生けさせていただきました。
くものと、固定観念に囚われておりましたが、宗匠はポットも建水も右側になさり、花を左側の隅へ置かれ、なるほどと感心致しました。西貝宗正(水A:東京不白会)
掛物は幸田露伴、やさしい筆跡の消息文。花入は竹の細筒。消息文には、洛北、保津川の文字が見てとれました。