江戸千家 >  不白会だより

Page 1 of 27: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 »

2025年1月25日

2024年度 家元研究会レポート(10)

家元研究会 古典「台子」

久留米不白会研究会から

草場実加(久留米不白会)

 台子の作法は、中国から入ってきた一番古い形式で、三百年から四百年続く長い作法の凝縮。古風な完成形の作法。中国から伝わったスタイルの天目茶碗を使い、茶入も唐物を使う。盆の上に主な道具を並べ、ばらして飾るのが乱れて見えるため乱飾りという。また茶の湯では時間と空間(距離)の間がとても大事。お茶を運んだときは出したお茶から離れて立つ。物に対して引っ掛けては危ないため。おいしいお茶を出すことが優先すべき。「茶の湯はいい会話をするのが目的である」など、大切な物事の本質や多くのことを学ばせていただきました。

備前船徳利

西依宗直(久留米不白会)

 竹台子の乱飾をご指導いただきました。宗匠のお話、点前、篠笛の演奏、心穏やかになるひとときでした。流祖不白の「初春や人に冠花に鳥」のお軸をかけていただき、茶室全体が暖かく感じました。茶通箱同様にお道具のとりあつかいにばかりとらわれず、会話を大事に楽しみたいと思います。古典である相伝物を身近に感じることができました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元研究会レポート(10)」のリンク

2024年12月8日

大きな賜りものー相伝式を終えて

御堂島宗良(長野不白会)

 十二月八日、東京池之端の空は青く澄み渡り、今朝発った上田の雪景色とは全く違う輝きでした。
 オンライン研究会の画面越しでしか拝見したことのない家元邸の露地は、お手入れの行き届いた緑豊かな苔庭、木々の根元に散り添えられた錦の美しいこと。尊い歴史を守り受け継がれてきていることを目の当たりにすることができました。
 重厚な佇まいのお屋敷、お茶室、数々の伝承されたお道具に圧倒され、「上伝相伝式」の大きな意義に改めて襟を正す思いでした。
 名心宗匠の流れるようなお点前を間近で拝見することができ、また雲鶴先生のお手作りのお料理を大変美味しく頂戴し、最後には第十一代新家元による薄茶点前をいただき、生涯忘れられない一日となりました。
 同席の皆様の豊富な話題と楽しい会話にとても和まされ貴重なご縁にも感謝いたしました。
 帰途大切な「道号」を胸に、名心宗匠著『ひとゝき艸』の「絆」の一文を思い起こしました。人間として誠意を持ち、わけへだてなく人間を尊んでいくことこそ、茶道より学ぶ神髄の大切なひとつなのだと深く感じ入りました。そして本日を迎えられたのも、入門以来愛情深く情熱を傾けてお稽古をつけてくださった李宗福先生のお陰と深く感謝しております。

カテゴリー:茶の湯を楽しむ 「大きな賜りものー相伝式を終えて」のリンク

2024年11月3日

第二十九回上越茶道会茶会

亀山穂雪(高田不白会)

 十一月三日、高田別院にて新潟県上越地区の表千家、裏千家、江戸千家で構成される上越茶道会茶会が開催されました。濃茶席と薄茶席のそれぞれを各流派が持ち回りで担当し、江戸千家は今年、武田隆雪氏が濃茶席を担当いたしました。この時期は時雨模様の天候が多いのですが、当日は秋晴れの中、百二十名余りの会員が出席いたしました。
 床には後西天皇の和歌が掛けられ、茶入れは表千家不白流自得斎箱書の古瀬戸、治保公手造りの黒楽茶碗など開炉を祝うお道具に良い緊張感を持ちながら、一座建立の時を点前で味わうことができました。会の方針で濃茶も各服点てとなっており、不安でしたが一同協力して無事に終えることができ、ありがたく思っております。

カテゴリー:行事・茶会 「第二十九回上越茶道会茶会」のリンク

2024年10月21日

茨城家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台天目〉

池内宗有(茨城不白会)

○家元と新柳様お揃いで当地笠間までお越しいただきました。当日は研究会のテーマに沿って、台天目にて貴人点でお迎えすることにいたしました。一年間通して相伝物を勉強して参りましたが、その成果が活かせるように、参加した全員で一生懸命臨みました。
 午前中は二種の組香を皆で楽しみ、その後お食事を挟んで貴人点です。一番に心がけたことは、お点前の手順よりもまずはお客様、特に貴人様に精一杯のおもてなしをして喜んでいただくことです。
 それが実行できたのかは家元にしか分からない事ではございますが、私たちにとっては、実りの多い貴重な一日となりました。また反省会ではそれぞれのよき思い出を語り合ったりと、なんとも心が温まるような時間を過ごすことが出来ました。

戸井田宗良(茨城不白会)

○「台天目」は身分制度のあった時代の貴人点ということで、膝行膝退を含め貴人様との距離の取り方等を勉強させていただきました。実践で貴人点をする機会はほぼないと思いますが、自分にとって大切なお客様をお迎えした時など敬う心でお点前をさせていただく貴人点のもてなし方はきっと役に立つと思います。永年の感謝を込め、今回家元を貴人様としてお迎えし、勉強させていただきました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「茨城家元招請研究会」のリンク

2024年10月6日

熊谷家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台天目〉

小倉宗全(熊谷不白会)

 家元と次期家元の新柳様にお越し頂き研究会が開催されました。
 課題の「台天目」は貴人を迎える作法で、身分制度が厳格であった時代に培われてきたものであること。皆平等という今日では当時のような場面はないかもしれないけれども、相伝物の作法として学ぶだけではなく、特別なおもてなしとして行うことも出来るので、目上の方をお迎えして行う茶事の中に取り入れてみるのもよいのではとのことでした。
 午後は実践です。家元ご所蔵の、不白筆利休円窓図「心法双忘一味常顕」を拝見。心と法をともに忘れ去ったところに茶の湯の真実が現れ出るとの意味合いで、いつまでもお点前の手順とか半東の動きとかにばかり囚われていてはいけないと、改めて気付かされました。新柳様に貴人となっていただき「台天目」を行いました。亭主として最高のお茶をお点てしておもてなしすること、いかに快く過ごしていただくか、場を整えることの難しさを感じました。茶の湯の本質を実践してゆけるようお稽古に取り組み、また日常の中にお茶で学んだことを取り入れて、お茶を身近なものにして行こうと思いました。最後に全員で一服頂き、和やかな歓談のひとときを過ごさせていただきました。とても充実した一日となりました。

新井千鶴(熊谷不白会)

○『ひとゝき草』巻頭言の「井の中」に書かれた思いを拝聴。二十歳で江戸千家を襲名したことからはじまり、今まで広めようとした「自宅の茶」「札なし花月」「左利き点前の普及」「自分一人のためのお茶の奨励」などゆっくりお話しくださった。
 茶の湯はお客が主人公。「台天目」は、貴人の方にお茶を差し上げること、と話された。お客様や自分自身のために、心をこめて茶の湯の技術を磨いていくと、自ずと自分自身が見えてきたり、お客様の本質も垣間みえてくる、とのこと。
 家元はあと半年で、伝えられることは伝え、伝えられないのは仕方ないという境地とのこと。心も技術も磨いて、二つとも忘れてお客様や弟子たちのために色々伝え、清々しいお気持ちなのではないだろうか。貴重なお話、理事の方々の台天目のお点前、今後のお稽古の励みになります。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「熊谷家元招請研究会」のリンク

2024年9月21日

2024年度 家元教場研究会レポート(9)

家元教場研究会 古典「台天目」

(土曜B組) 遠藤宗雅

 午前中の講義で、『ひとゝき草』145号「井の中」に書かれた家元の目指された本当の茶の湯の世界、家元の半生について伺いました。お話を聞きながら、自分の茶の湯に対する姿勢や考え方を今一度振り返る機会ともなりました。
 家元の研究会に通うようになってから「実践(自宅の茶)を前提としたお稽古」について考えるようになりました。体操の一部や、社中や友人を招いての簡単な「自宅の茶」を実践するようになりました。せわしない日々の中、お稽古で季節感溢れる設えやお道具に囲まれて別世界を味わうのはとても好きですが、ドタバタと掃除や準備に追われつつ、自宅にお客様を招きして一服差し上げるのも新たな楽しみになりつつあります。家元が度々おっしゃってくださったから行動に移せたと思います。
 まだまだお点前も勉強することだらけですが、稽古と実践の両方を行き来することでより茶の湯を深く知りたいと思います。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(9)」のリンク

新潟県文化祭茶会

土田宗春(新潟不白会)

 新潟県文化祭茶会は、昭和四三年茶道の振興発展と茶道各流派間の親睦を図り新潟県の文化振興発展に寄与する目的で、新潟県茶道連盟が発足となり今日まで続いております。
 令和六年は市民芸術文化会館で九月二十一日に行われました。
 三席釜がかけられ、その内の一席を新潟不白会が受け持ち私が担当することになりました。床には家元名心庵宗匠の「山紫水明」を掛け、それを中心に竹野棚に秋草の棗と青磁の水差しを取り合わせました。また年初に起きました能登地震の震災に心を寄せ、九代大樋焼を主茶碗として使いました。
 当日は大変な大雨でしたが、大勢のお客様にお越しいただき心より嬉しく思いました。感謝の気持ちでいっぱいの一日となりました。

カテゴリー:行事・茶会 「新潟県文化祭茶会」のリンク

2024年9月8日

高田家元招請研究会

中村宗友(高田不白会)

○唐物は相伝物として古典を学ぶ事だと考えておりましたが、茶事として唐物点てを取り入れる事は想像できませんでした。大寄せの茶会では主に水屋を担当してきましたが、茶事の水屋担当は初めてのことでした。
 亭主と半東の動きと流れを把握しながら、茶事がスムーズに運べる様な心配りが大切だと痛感しました。相伝物の点前の中、程よい緊張感を感じながら貴重な学びでした。

亀山穂雪(高田不白会)

○茶入が主なので、扱いに注意しながらお点前をして、その後はさらさらと点前することは難しいと感じました。茶の湯は勝負、実践が大切、点前は二の次というお話をしてくださる家元に学ぶことができてよかったと思う。

○高田不白会研究会の翌日、妙高赤倉の六角堂において家元による岡倉天心像への献茶が行われました。赤倉の皆さんとの交流もはかられました。

赤倉六角堂

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「高田家元招請研究会」のリンク

2024年9月5日

大分家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台子〉

古屋宗恵(大分不白会)

 秋季家元招請研究会が、当地大分県日出町の深見邸において行われました。この度は「乱飾り」がテーマです。私は亭主という大役を仰せつかりました。ご相伝の際に家元のお点前を拝見して以来となりますから不安でしたが、大変光栄なことであり勉強させていただこうとお引き受けしました。
 当日は、書院造りの床の間に、家元ご持参の「達」のお軸が掛けられ、この書についてご説明をいただきました。
 銅鑼の音を合図にお席入りが始まり、私の心も引き締まり緊張しましたが、美味しいお茶を差し上げたいという思いが湧き上がってきました。お客様との会話、お相伴とお点前を終え、無事に亭主の任を務めることができたのか不安でしたが、お客様から「美味しかった」との感想をいただき、ほっとすると共に、亭主を経験させていただいて本当によかったと感じました。冒頭家元のお軸の説明の中にあった「自分が目指すもの」について、私が目指すものは満たされた瞬間ではないか、と思われました。
 八月二十九日から三十日に台風十号が当地区を襲い、お花の準備や会場準備等、今まで以上に大変ではありましたが、皆で協力して取り組みました。また、先生をはじめ多くの方からご指導を頂き、無事研究会を行うことができました。これからも満たされた瞬間を皆さんと共有できるよう、後進の育成の手助けをしながら江戸千家の茶の湯を精進してまいります。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「大分家元招請研究会」のリンク

2024年8月26日

「私と茶の湯」

上野勝雪(仙台同好会)

 六十代で医療ミス、八年間入退院繰り返す。強度の鬱、自殺願望、暴力、依存症、沢山苦しんだ。
 治療は、長年続けた化学の薬を止め、自ら集中作業治療を試みる。是が一番直してくれた。絵画、彫刻、金継、茶道、詩、等々。どれもこれも作業中は鼻水と流れる涙と戦い作業を続ける。中でも袈裟(別名糞掃衣)作り、無言で針を動かす。一針一針縫う。一つ作るのに一年、六枚作る。袈裟(九条)は、姉妹の棺に入れた。でき上がった袈裟の裏に青山俊菫老師、愛知専門尼僧堂堂長・無量寺住職に書いていただく。そのとき青山俊菫老師より、而今翁という名をいただく。
 爾今爾後 老いてこそ 華やぐ。
 病みてこそ華やぐ。今ある命を楽しみながら、今、このときを精一杯大切に生きる。
 又、茶道の水差しから結界、茶杓、香合、東北災害で破損した抹茶茶碗の金継ぎをし日常の楽しみとしている。稽古場には蓬を摘み、おはぎを作る。手作りの桜の塩漬けを載せる。
 又、ごぼうの油煮にグラニュー糖をふりかけ稽古場で主菓子とし、自作の季節の木工細工の香合や掛物を持参。自宅庭には山野草。稽古には人数分持参。これ皆自分の茶道に向かう贅沢な時間。
 自動車事故で歩くこともできず、三年後に稽古場へ杖持参。リハビリのジムで今は正座できるまで快復。点前の時は襖につかまり、障子に助けられ茶を点て、正座から立つことができず、水屋まで下げることができないが、何より、月二回の稽古がこんな姿でも待ち焦がれる。
 一時は稽古仲間に茶碗や棚、花入れ、掛物を車で運びもらっていただいた。老後に体力と生きる力をくれるものは茶道であろう。入院中は自作の茶箱持参、抹茶を楽しみ、先生や看護師たちに一服差し上げ、友とドライブでは茶箱持参で一服。身近に茶と花と彫刻刀に向き合い、死が間近な老後に、茶道に感謝のみだ。

カテゴリー:茶の湯を楽しむ 「「私と茶の湯」」のリンク

2024年7月31日

キッズお抹茶体験会

鈴木宏圭(新潟不白会)

抹茶ポケモン「チャデス」の茶入

 夏休みの七月三十一日、新潟伊勢丹七階の茶室「丹庵」にて土田宗春、中野里雪社中によるイベント「キッズお抹茶体験会」を行いました。
 さて今回のお茶会のテーマ。キッズの皆さまに茶の湯やお抹茶に親しみをもってほしい、そして茶の湯の楽しさに触れてほしい。ということで、抹茶ポケモン「チャデス」の茶入れと、新潟の菓子店金巻屋でお願いしたポケモンボール和菓子でキッズのおもてなしをすることといたしました。
 ポケットモンスター(略してポケモン)はかわいらしいモンスターが活躍するゲームアニメ。三十年の歴史があり、たくさんのモンスターが活躍するなか、なんと茶道を題材にしたポケモンもいるのです。そしてモンスターボールは……。説明が長くなるのでお近くのお子さんにお尋ねください。きっと喜んで説明してくれると思います。
 一席目、キッズ&保護者の方合わせて満席の十三名様がお席入り。最近では畳の部屋がないおうちもあるでしょうから、ほとんどのキッズにとってお床の拝見などもちろん初めてでしょう。
 中野先生「最初に私がお茶を点てますので、後で皆さんも点ててくだ初めてのシャカシャカさいね」「脚を崩してもよいですよ。痛いのを我慢してても楽しくないし身体によくありません。ではまずお菓子をお出ししますね」
 水屋の僕たち「お菓子喜んでくれるかな、ワクワク」
 キッズ「わぁポケモンボールだ!」水屋の僕たちガッツポーズ。
 キッズの皆さん興味津々で一所懸命に正座してシャカシャカしています。僕たちはお点前に苦戦しているキッズがいたらお手伝いしようと準備していたら皆さん上手。お父さんお母さんもキッズのお茶をいただいて嬉しそうです。

初めてのシャカシャカ

キッズが自服して一席目終了しました。
 中野先生「お父さんお母さんに心を込めて美味しい抹茶を点ててみましょう」
 二席目以降も盛況です。
 土田先生「グリップが使えていてお上手、指先がとても綺

ポケモンボール和菓子

麗ですよ」と褒めています。
 キッズ「あっチャデスだ」お席に入るなり一目で見抜いたお茶人キッズさまもいらっしゃいました。総勢五十三名をお迎えし和やかで幸せなお茶会にご一緒できて僕のチャデスも嬉しそうです。

カテゴリー:行事・茶会 「キッズお抹茶体験会」のリンク

2024年7月28日

岩手家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:唐物〉

増澤光雪(岩手不白会)

 「唐物点」の亭主役をさせていただきました。大変難しかったのですが、緊張とともに少しの満足感も感じられました。かつて東京の家元教場研究会にて東京の幹部の先生方の唐物点を拝見させていただき、そのたたずまいと美しさに感激いたしましたことを思い出しながら、少しでも近づくことができますようにと取り組みました。
 以前より茶入れについて興味があり、その成り立ちや形状を探ることはあっても実際に手にすることはめったになく、まずは点前を繰り返すことで理解できることもあるかと思いました。また「玉水」を拝見致し、小さなお茶入のおおらかさに感じいりました。
 白麻の襟元ゆるく奈良扇子

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「岩手家元招請研究会」のリンク

2024年7月10日

2024年度 家元教場研究会レポート(8)

家元教場研究会 古典「台天目」

(水曜B組) 藤田未雪

 台天目での心構えについて、特に亭主の振る舞いと貴人様の振る舞いに込められた意義を考えさせられました。大切な方へのもてなしを今一度考えて所作に生かしたいです。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(8)」のリンク

2024年6月30日

山形家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

船山宗恵(山形不白会)

 これまでリモートでの研究会が行われていましたが、四年ぶりに家元をお招きする研究会が行われました。パソコンを介してではうまく話すこともできず緊張してしまいます。やはり直接にお会いしてお話できることを参加者一同楽しみにしていました。
 まずは軽い体操で身体を慣らしましたが、コロナ禍で茶の湯の稽古を三年もお休みし足腰が弱ったことを感じました。身体作りの大切さを感じます。
 課題は茶通箱でしたので、箱の扱いや、指の動きに注目していましたが、家元は、茶通箱の本来の目的は、箱の扱いではなく、二種の抹茶を飲み比べる楽しみであると強調されました。実践では次客になり濃茶を二服いただき、味わうことを幸せに感じました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「山形家元招請研究会」のリンク

2024年6月23日

青森家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

川山宗初(青森不白会)

 今年度から新たな体制となったこともあり、青森不白会の新メンバーで亭主、正客、詰、通いを務めました。次客には、家元随行の平野様にお願いをいたしました。
 「茶通箱」は、相伝の点前にとどまらず、お客様からの心遣いに対して、亭主が趣向で返礼するという心の交流の象徴でもあると感じました。
 宗雪お家元には長きにわたり、多くの教えとお導きを賜りまして、心より感謝申し上げます。青森不白会も、支部発足から七十余年の歴史を持ち、多くの先生方のご尽力により支えられてまいりました。そのご恩に報いるためにも、今後とも江戸千家の茶の道をさらに深め、会員一同で青森不白会をさらに発展させてまいりたいと考えております。引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「青森家元招請研究会」のリンク

2024年6月16日

熊谷支部研究会「且座」を学ぶ

原沢宗京(熊谷不白会)

 六月十六日、熊谷不白会の支部研究会がありました。はじめに理事の先生方に説明してもらいながら且座を見せていただきました。席入から花、炭、香、薄茶、濃茶。半東の動きも客の作法も無駄な動きが一つもなく、最小限の動きで成り立っていることがよくわかりました。 総評の後は、実際に道具を扱いながら香の稽古です。普段余り機会がないので皆が真剣でした。
 午後からは二組に分かれて且座の実践です。私は経験の少ない次客のお炭点前をしました。道具の置く場所、羽帚の持ち方、先生方につきっきりでご指導いただきました。自分にはまだ稽古が必要ですが、炭点前やお香を習得したら且座は面白そうだな、と思いました。
 研究会に参加して、他の社中の方々との交流も刺激になり、日々のお稽古の大切さを改めて感じました。これからも、中田先生のご指導の下で沢山の事を学んで行きたいと思います。

カテゴリー:研究会/その他 「熊谷支部研究会「且座」を学ぶ」のリンク

2024年6月12日

2024年度 家元教場研究会レポート(6)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(水曜B組) 上村宗貴

不白筆 利休円窓図「心法双忘 一味常顕」
 かつては目に触れることさえ叶わなかった唐物ですが、美術館などで観賞の機を得ることができる現代において、その貴重さを実感できていなかったのが正直なところです。稽古で唐物見立ての点前を教えていただいていた際に、心が注げていただろうかと振り返りました。
 この度、家元がご所蔵の唐物茶入をご披露くださり、まず包みを解き、唐物を扱う一手一手、組み紐や箱さえも慈しむように扱う所作を拝見し、器物の重みを真摯に受け止めることができました。そうした所作が長い時間を重ねて培われたものなのだと感じ入りました。さらに午前中の余韻が午後の床に掛けられたお軸の言葉へと結びつきました。
「心法双忘 一味常顕」
 これまでの稽古はもとより、日常生活や仕事への姿勢など、点と点がつながるように人生のすべてに通じる想いです。大切な気付きを毎日の暮らしの中で自分を折り込みながら繰り返し巡らせ、これからの茶の湯の稽古へと投影したいと存じます。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(6)」のリンク

2024年度 家元教場研究会レポート(7)

家元教場研究会 古典「台天目」

(水曜A組) 関口宗紀

 台天目(貴人点)は、道具に対してでなく「人」に対して敬う気持ちが自然に動作に表れたもの。家元の話された小泉信三先生とのエピソードが面白く理解が深まりました。
 また「平等とは、お互いを尊重し合うことであり、己を主張し合うことではない」と言う参加者のお話も含蓄があり、心に刻みたいと思いました。
 御宸翰軸飾りでは大変貴重なものを拝見させていただき、ありがたく思います。歴史を肌で感じることができ、心が震えました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(7)」のリンク

2024年6月11日

2024年度 家元教場研究会レポート(5)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(火曜B組) 大野宗育

 唐物の書物に、「~但し炉の時は四畳半にても台目に居る」とあり、これまで唐物の稽古をする時、炉の時は台目でするものと思っていましたが、なぜ「台目」なのかということには思い至っておりませんでした。
 今日、茶室の出来ていった流れをあらためて学び、古風では風炉で正面を向いていたのが、炉が出来て、風炉があった位置の「隅炉」から「向切」そして「出炉」が出来て、道具に向き合っていたのから、だんだんと客に近づいて斜めに居るように客に近づいていき、道具を流して置くようになったという経緯を学びました。
 逆に唐物点前では道具を大事に扱う為に道具を正面に置く。「台目に居る」の意味がよく理解できました。

青磁香炉 竜泉窯 南宋時代
堆朱長盆 明時代

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(5)」のリンク

2024年度 家元教場研究会レポート(4)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(火曜B組) 永島宗智

唐物茶入 銘 玉水
唐物青貝輪花盆 明時代

 お道具に感動すれば所作は自ずと決まってくる。心の顕れが所作に、所作は感動のあらわれである。
 掛物「夫茶道在心不在術 在術不在心 心術双忘 一味常顕 是茶道之妙道也」流祖の茶の湯の至上の境地に少しでも近づければとの思いを新たに致しました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2024年度 家元教場研究会レポート(4)」のリンク