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2014年3月24日

納得したこと

家元招請研究会

大倉 孝子(新潟不白会)

初座で一献
 「お稽古でやることは、ほとんど後座。ですから、いくら稽古を頑張っても半分。初座をして人をもてなすことをしてほしい。できる範囲でいいのです」というお家元の一言にドキリ。
 「茶の湯の目的は、客を自分の家に招いて楽しい時を持つことにある」というご指導を受けたことがありますが、正にその「楽しい時」は「食事を共にすること」とその後に「丁寧に点て出されたお茶をいただくこと」の流れの中で満たされるのだろうと納得しました。
割稽古
 この日、私には初座の次客役が与えられました。まず一献ということで心尽くしのお料理(胡桃えご、ふきのとうの胡麻和え、生姜大根巻き、石狩漬など)と美味しいお酒(越の誉の大吟醸)をいただきました。
 「楽しい時」を、緊張しながらも体感できラッキーでしたが、お家元からは「静かですね。もっと話で盛り上がらなければ……」というご指摘がありました。確かに「楽しさ」には会話も重要な要素。お茶事の際にはこのことも心していこうと思った次第です。
 まだ雪の残る柏崎市高柳からこの研究会に参加し、サンシュユと大島の椿に春を感じた一日でもありました。

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2014年3月23日

始めの一歩

家元招請研究会【自宅の茶事】

内山宗博(新潟不白会)

炭点前
 家元招請研究会「自宅の茶 実践」で抽選により、三名様に我が家、了知庵にお越しいただきました。
 お待合で香煎茶を出し迎え付は雨が心配されましたが、用意した露地笠を使う事もなく席入り、炭点前、「菜の花と鮭の生ハム巻」で一献。中立、向掛に木五倍子、椿(月照)の花を入れ、いよいよお濃茶です。
 濃茶を飲まれ一礼、ご挨拶の声に「ホッ」と一息いたしました。お正客様のお心遣い、お客様の気遣いに助けられ、またとない夢のような一座建立でした。
 お待合で掛けた短冊は有馬頼底師から書いていただいた「功不積用不妙」でした。これからは茶事を何度も行いたい、茶事の働きも自由にこなすことができるよう精進していきたいと思います。
 思いきって踏み出し実践して、お客様に楽しんでいただく機会を得、感謝申し上げます。

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2013年12月14日

家元招請研究会に参加して

家元招請研究会【体操十種とテーブル茶】

雪田弘子(青森不白会)

立居の稽古
 平成二十五年十二月、前日より降り出した雪がお家元を歓迎するかのように一面の雪景色でお迎えしました。外の寒さもよそに今回の研究会は体操十種をメインにお家元のお手本を拝見して、すぐに実習という形で進行しました。日常の生活習慣が問われるぐらい身体が動かない中、お家元のしなやかな動きを見て日頃から鍛練され精進なされていると感じました。参加者の様子を確認しながら「怪我に注意する、無理をしない」という点に心配りをいただきました。
 私達はしなやかな美しい動きではありませんでしたが、一生懸命覚えようとした姿勢が、うっすら汗が滲むくらいの運動が楽しい時間でした。お家元の「毎日続けていくことで自然に身につき、その動きがお茶のお点前の所作に反映される。継続することで普段のお稽古にも役立つ」という言葉に感銘を受けました。体操十種全部はできなくても自分に適した項目を見付けて続けていくという発見もあり、家元監修のDVDの完成を楽しみにする内容でした。
テーブル茶
 第二部は、「テーブル茶会」お客様をお招きして、お家元のお点前を拝見しながら勉強するという設えで始まり、お家元がお持ちになったお道具を使用してお客様を「おもてなし」する様子を拝見しました。その中で季節の八寸と一緒に出したお酒を入れて使用したお道具は、李朝の趣のある貴重なものでした。お猪口も仁清など四品を拝見できました。
 酒肴の楽しい時間の後のお茶は実に美味しいものですというお言葉通り、ふんわりとしたきめ細かな泡のお茶を点てられて、お招きされたお客様も満足されていました。今回使用したお道具。お茶の進め方の説明を聞きながら感じたことは自分で準備していくことで招く喜びと、もてなされる喜びをお茶を通して双方で共有することができると感じました。お茶会という大きな席を経験する必要もありますが、お茶は自宅でする「テーブル茶会」をどのように進行してお茶をお出ししていくかを考える課題をご提示され、時代の流れに沿った奥深さを勉強しなくてはと思いました。
 はじめての参加でしたが、感動、感銘する機会が多い経験の一日でした。

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別世界のようだった研究会

家元招請研究会−【体操十種・テーブル茶】

工藤宗幸(青森不白会)

ご持参の器を拝見
 十二月十四日、風は冷たいものの晴天の八戸から五人で車に乗り、青森の家元招請研究会へ向かいました。青森に近づくにつれて猛吹雪に遭遇してしまい、なんとか辿り着きましたら、すでに体操十種が始まっていました。早速隅の方で教えていただいているうちに先ほどまでの高ぶった気持ちがすーっと落ち着いて少しずつ平静に戻ることができました。 
 当日の「体操十種」は、膝の悪い私にとっても「相撲式」以外はそれほど負担にならず、むしろ終了後は清々しい気分になることができて、精神的にも効果があるということを知ることができました。その道の高名な先生によると、認知機能向上のためにも、食事、睡眠以上に運動が大切だということです。
 午後の「テーブル茶」では、お正客にとのご指名で、お迎付をいただき入席すると、お床には宗匠の「海幸 山幸」の真新しいお軸が掛けられていました。ほどなく、ご持参の高麗の徳利と種々の珍しいお盃でまずは一献、お当番の山本先生お心尽くしの八寸をいただきながら、いろいろなことを教えていただきました。一番印象に残りましたお話は、『ひとゝき草』でも拝読しておりましたが、流祖様ゆかりの京都大徳寺玉林院と本法寺でのお茶会のことでした。三月十六日は玉林院大龍和尚さまのご命日だそうで、毎月十六日には京都の有志の方々で掛釜をなさっているとのことでした。一度皆で伺ってみたいものと思いました。
 先ほどの徳利が花入に変わり、宗匠直々のお薄をいただき、この上もなく有り難くおそれ多いことと感じいりました。私達も日頃このように八寸がわりに何か簡素な肴など用意して、お客様や友人たちとテーブルでおもてなし茶会をしたらとても喜ばれそうに思いました。
 終了後、会場の外に出ましたら相変わらずの吹雪模様で、雪がお好きと言われた宗匠のために、明日も津軽海峡冬景色を願い、ようよう八戸に辿り着いてみると、朝出発した時と同じように雪一つ見当たらず穏やかな街並みで、いろいろな意味で別世界に行って帰って来たようでした。
 

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2013年10月29日

「体操十種と」「テーブル茶」

家元招請研究会

高田不白会

一献から
●テーブル茶で正客を務めて…………田村英夫
 去る十月二十九日、高田別院会館で家元招請研究会が行われました。
 午前中は、お家元が長年取り組んでこられた体操十種のうちから五種をご指導いただきました。
 体操の解説を伺いながら身体を動かし、なまった身体も少し動かしやすくなりました。  点前は基本的な姿勢を身に付けるにはまず正しい姿勢が必要で、そのために正しく身体を動かすこと、柔軟な対応が大事だと痛感しました。
 さて、午後からは本日のテーマの一つ「テーブル茶」です。お客は私を含め三人です。そして正客は私
。  茶事は正客に左右されると言われており、お家元がご亭主で一層緊張が走ります。先ずは一献ということで季節の食材が出され、ご亭主役のお家元からお酒を注いでいただき「茶事はお酒が大実なのですよ、お茶を美味しく味わうためには」と勧められるままいただき、お酒のおかげで少し緊張がほぐれました。
 次にお薄です。お家元がゆったりと丁寧に、たっぷりと点てられたお薄を一服口にしてお茶の美味しさを堪能させていただきましたが、会話の楽しむ事を忘れてしまいました。
 「本来茶の湯は、家にお客を招いてご馳走しお茶を一服差し上げて楽しむことですよ」、と家元。いつか自分でもお客を招いて楽しんでみたいと思った一日でした。
家元による一服
   ◇   ◇   ◇
●久し振りの研究会…………吉田敏子
 今年は十月二十九日のウィークデイがお家元招請研究会でした。私にとっては勤務を調整し何年かぶりに参加することができた研究会でした。課題は「体操十種」「テーブル茶」。テーマは美と精神性の学びではと捉え新鮮な気持ちになりました。
 嬉しい気持ちでお迎えしたお家元はやはりいつもの品格と清々しさをまといながら私達の前にお立ちになられました。年月の重みを感じながら「体操十種」の基本からです。瞑想しつつ正しく美しい姿勢をお示しになられ頭の先から足元まで細胞が蘇っていく心地よさでした。気功太極などお家元に習って同じ形をなしているつもりでも私の動き、姿勢呼吸法はなかなか難しく自分のものとするには時間がかかりそうでした。集中するただ中にも思うこと、感じる事は様々に迫り来るものがありました。お家元に直々に触れ合うことの有り難い幸せ、江戸千家に学んだ日々夢中になってひたすらお稽古に励んだすべてがいとおしく、押し寄せて来るのでした。そしてまた年月を重ねてこその「体操十種」を用いて健康と美しさのある正しい姿勢の重要性、新たな気持ちでお茶の所作を学んだのでした。奥義と思い今後の「体操」の学びが待たれます。
 終わりなきお茶の美の世界、文化芸術をますます諭すお家元、その教えにどこまで行ってもたどりつけないでしょう。だからこそ引かれ続けるのです。この人生に江戸千家のお茶の世界を知ったことに深く感謝しています。最後にお家元の篠笛そのものの幽玄さに魅了されました。楽しい一日をありがとうございました。
篠笛の凛と射られた音ひとつ秋の夕闇に響いて幽けし

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2013年10月27日

テーブル茶での「おもてなし」の心を学ぶ

家元招請研究会

藤枝宗義(新潟不白会)

テーブル茶
 十月、新潟市内の燕喜館で研究会が催され、私は二日目の二十七日に体操十種とテーブル茶に参加しました。午後からテーブル茶で、私と若い女性お二人がお客の役となりました。
 いよいよ本番になり、亭主役のお家元が持参された祥瑞瓢形の徳利で徳々々とお酒をついでいただき、地元産の鮭や食用菊、銀杏など八寸に盛られたたくさんのご馳走を話題に、また、良寛さんと親交のあった鵬斎さんのお軸をテーマに大変盛り上がりました。お家元の巧みなリードで、見守る大勢の参加者の視線も気にせず、和やかに楽しい時間を過ごさせていただきました。最後に、お家元の流れるようなお盆点前を隣で拝見しながら、美味しいお茶をいただきました。
 日常でもできる「おもてなし」の心を、お家元から直に学ぶことができ、何と贅沢な体験をさせていただいたと大変感謝しています。
 

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2013年10月15日

「体操」「テーブル茶」の充実した研究会

家元招請研究会

高橋宗陽(山形不白会)

篠笛演奏
 一年に一度、お家元様の御来駕をいただき、山形不白会教授者が集まり研鑽を積んでおります。
 今年はNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公八重子さんとも縁のある米沢市にお運びいただき、小野川温泉のひと宿を会場とし資格者二十一名出席のもと充実した一日を過ごすことができました。まず、お家元のご指導による体操で心身を爽やかにし、茶道と体操との関わりのご講義を賜り「健全な身体に健全な精神が宿る」ことを改めて自覚させられ、形と技術のみに捕らわれて根幹を置き去りにして満足していたことを反省し、むべなるかな茶道の浅学を思い知りました。
 午後は、お家元自らのご亭主で客三名をお迎えなさってのテーブル茶を拝見。東京よりご持参くださいました珍しい須恵器に秋の花一輪で何の変哲もないテーブルが一気に格調高く、向付と「山のもの海のもの」の八寸でお酒も会話もお家元のエスコートで和やかに、客人はさぞかしく満足のひとときかと見学者としては、ただ羨望の一言に尽きるばかり。最後にはお家元の篠笛で小さな支部を励ましてくださったのでしょうか。リクエスト曲に応じてくださり、アンコールの声にも快くサービスいただき、やっぱり今年も江戸千家に学べる幸せを感謝一杯の勉強会でした。
 

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2013年9月15日

水屋の当番を受け持って

家元招請研究会

田中宗正(福岡不白会)

テーブル茶
 日本庭園での家元招請研究会。当日午前中は、体操十種の後半をご指導いただきました。あれほどの数の体操をご考案され、それを実践され、そして自らご指導されておられることは本当に素晴らしく、私も朝目覚めると腹式呼吸や丹田を押したり、あぐらをかいたりと教えていただいた中の数種ではございますが、自分にあった体操を思い出しながら実践いたしております。
 午後からはお家元ご亭主でのテーブル茶。お持ちいただいた花入を見てまず驚きました。二-三世紀頃の首の細長いたいへん貴重なローマングラス、土の中で眠っていた長い年月の間についた色々な色が素敵な景色となっていました。素晴らしい器を目の前に、私の用意した花で合うのだろうかと、とても不安に思っておりましたが、お家元はさっと「桔梗」と「蓼」を選ばれ、あっという間に見事にお入れになりました。今回の研究会のために遠く九州まで大切な花入をお持ち下さいましたことに感謝申し上げます。
テーブル茶2
 また、当日はとても蒸し暑い日でしたので、八寸は涼しさの演出と冷たいものは冷たくしてお出しするということを大切に考えました。後で振り返りますと反省することばかりでございます。
 普段の社中では初座、後座に分けての稽古を心がけております。昼食を点心風にするなど私自身も常に勉強しながらではございますが、社中で自然と身についてくれることを願っております。

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2013年8月25日

研究会の経験を糧として

家元招請研究会−【体操十種・テーブル茶】

酒井毅(福島不白会)

体操十種
 涼風を感じる八月二十五日、東日本大震災で被災し新築なった支部長のお宅で福島不白会家元招請研究会が行われました。
 課題は「体操十種とテーブル茶の実践」です。
 宗匠に、日ごろから身体を動かすことの大切さと体力に合わせた呼吸と姿勢を取り入れた体操の必要性を教えていただき実技に移りました。「わずか三秒で十歳若返り、更に美しくなります」と聞き熱が入りました。
 姿勢を正しく保つ、正しい呼吸を行うことが、内面の美しさにつながり体内の循環を高めることを実技で実感しました。後は継続して健康な日常生活に繋ぎたいです。
テーブル茶1
 体操の後、いよいよテーブル茶で私は次客に入りました。
 ご亭主の宗匠が私たち三人に酒肴とお茶を振る舞ってくださいました。
 テーブル茶では、家元ご持参の影青の水注に友禅菊とオグルマが生けられ、庭先の借景を眺めながら静かな時が流れます。ご亭主が緊張を察して身近な会話を進めて下さり気持ちも落ち着きました。八寸は塗の黒板盆に大葉敷き帆立のソテーにオリーブの実とパプリカが乗り、赤の皆敷にはゴマ豆腐とラッキョウの酢漬けで冷酒が進みました。
 「酒で酔った後のお茶はとても美味しいのですよ」と、不白作の馬盥茶碗で点てて下さったお茶は力強く、いただくとふんわりと香高く喉を通り、なんと優しいお茶なのだろう。思わず「本当に美味しい」と声が出てしまいました。
テーブル茶2
 宗匠と酒肴を楽しみ、不白作の茶碗で宗匠が点てたお茶を二服もいただき、今、日に日に事の重大さを感じます。お稽古を始めて日も浅い私にこのような経験をさせていただいたことに感謝です。この経験を糧に精進したいと思っています。
 宗匠は仙台に向かわれ、皆様も帰られた後、急に夕立が来ました。

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2013年5月25日

体操、正しい姿勢、そして柔軟性

家元招請研究会

工藤省子(七戸不白会)

レンカク飛翔
 以前より研究会の始まりには軽く体操を取り入れていらっしゃったお家元が、ついに「体操十種」として本格的にまとめ上げられ、今回は我々にもそのうち五種をご指導くださった。
 何度も「私は本気なのですよ」とおっしゃる宗匠の解説を伺いながら身体を動かすうちに、正しく美しい所作を身につけるには正しい姿勢が、そして正しい姿勢を保つには柔軟な筋肉が必要なのだと、自分なりに理解した。
 が、良いと分かっていながらなかなか実行に移せないのが凡人の悲しさ。秋には残りの五種も教えて下さるとの事であったが、それまではせめて画面の中からお声をかけていただけるよう、一日も早くDVD付きテキストの発行を、と願う次第。
 午後は宗匠自らがご亭主となり、「テーブル茶」の実践をお示し下さった。最後のまとめでの「お稽古を積まれた方ほど客を招かなくなるという傾向があります。それでは本末転倒でしょう」というお言葉が心に沁みた。私などはまだまだ怖さも解らぬほどの初心者であるが、いつか怖さを知るその日が来てもこわばらない、心の柔軟性も持たなければならないのだなと感じた。  後日譚を一つ。
レンカク
 わが町の川辺は野鳥の宝庫なのだが、そこにレンカク(蓮鶴、チドリ目レンカク科、全長五十五センチ)という鳥が飛来したと知人の野鳥愛好家が教えてくれた。本来はインドから東南アジアに住む鳥で、二本では迷鳥としてごくたまにしか見られないという。  早速私も足を運んでみた。後頭部から首の後ろまでがあざやかな黄橙色で尾がしゅっと長い美しい姿であった。
 聞けば初見されたのは二十六日の朝との事。もしや飛来したのはお家元が来青なさったのと同じ二十五日かも?
 これはやはり、蓮鶴先生がお姿を変えてお家元を見守っていらっしゃるのか……あるいは岩崎前会長が遠方に越され、何やら大きな穴がぽっかりあいたような寂しさを感じている我々を慰めにきて下さったのかもしれぬと思うのは私だけだろうか……。
 残念なことに六月の十日前後にレンカクは姿を消した。せめて写真でご覧いただきたく添付した。

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2013年5月7日

家元招請研究会に参加して

家元招請研究会−【基本】

木山真紀(新潟不白会)

体操十種1
拝啓 新緑の候 中野支部長先生におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 先日の研究会では、半東のお勉強をさせていただきましてありがとうございました。
 お家元が準備される様子を間近で拝見できることに感謝し、学び取りたい一心で務めさせていただきました。
 道具の選び方、室礼の決め方、動きなど一つ一つに迷いがなく、身も心も引き締まりました。経験と、それに基づく判断があってのこととおっしゃっていましたが、日々の稽古も日頃の振る舞いもすべてつながっていて、行動に表れるのだと実感しました。
 いつか、自分が主となってお客様を迎えられるよう精進してまいります。これからもご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
 末筆ながら、御健康をお祈りして御礼とさせていただきます。  敬具
 平成二十五年五月七日
体操十種2
テーブル茶

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2013年4月14日

体操とテーブル茶の研究会

家元招請研究会−【基本】

藤田宗松(福岡不白会)

点心で一献
 青楓の若葉が眼に心地いい日本庭園で、家元招請の研究会が行われました。
 午前中は、体操です。
 体操十種のうち五種を参加者は、パンツ姿あり、スカート姿あり、作務衣ありでの参加です。お家元のユーモアを交えた指導を皆で受けながら、私はまず「頭の位置と腹式呼吸」を習慣つけることに努力してみようと思います。
 午後は、お家元ご亭主のテーブル茶です。
 床は、お家元筆の「喫茶往来」のお軸、グレーの服紗のうえに染付の隅田川の香合が置かれています。
一献のあとの一服
 お客は、初々しい若い女性三人です。塗り盆に、点心と盃が運ばれ、ご亭主が、九谷焼金襴手の徳利を持ち出されての、おもてなしの始まりです。
 点心から茶へと進み、会話もお家元の誘導で、住まいのことやどんたく、博多祇園山笠などの博多のお祭りの話が交わされていました。緊張のためかお客様の硬さを、テーブルの上の、縄文土器に生けられた薄紫の山藤と淡いピンクの桜空木がやわらかくしているように感じました。
テーブルの茶花

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2013年4月12日

テーブル茶での一献とお濃茶

家元招請研究会−【基本】

久保山宗久(久留米不白会)

テーブル茶
テーブル茶、まずは一献
 家元招請研究会が久留米の少林寺にて行われました。
 午前中は、体操十種から始まりました。お家元から体操の動きの解説を伺い、日頃運動不足の体を隅々までほぐすことができました。
 午後からのテーブル茶は、お家元のご亭主で私はお詰めを勤めさせていただきました。床にはお家元直筆で「只ひたすらに 茶の湯の心」、花入れは東京からご持参の弥生時代の水注形土器に都わすれ・鯛つり草を添えてテーブルに置かれました。
 本日のテーマのテーブル茶でのお濃茶は、先ずは一献ということで九州では珍しい東北のお酒をいただきました。心尽くしの点心は弥生土器に合わせられたのか、熊笹の大葉に季節の食材が盛られお酒共々美味しくいただきました。
家元持参の器に季節の花
家元持参の器に季節の花
 お席では家元が連載されている「東京人」四月号の写真の話題が出ました。私はテーブルのお花の話から、「お家元が花や葉を見立てていらっしゃるとき、手を添えられると花が花器に寄り添うようにすっきりと収まるように見えます」と、申し上げますと、「そうゆう風に見えますか。なかなか決まらない時は、花が気になってお点前に集中できない。思い通りになった日は、誰かお客に来てくれないかと心待ちなる。お客を思い描きながら、花や花器をよせる、それを繰り返して、今に至っています。皆さんも家庭で茶事をすれば、一つ一つ設え数を熟して身についていくものではないですか」と、お家元は優しくお話してくださいました。お濃茶席は静寂の空間が保たれ、亭主とお客の席は離れているように思いますが、このテーブル茶は亭主とお客の距離が近く和やかに会話と食事を楽しみながらお茶をいただく場と感じました。
 お家元は本来茶の湯は、家にお客を招いて御馳走しお茶を一服差し上げ交流を楽しむ事と仰られています。今回のテーブル茶では、何か私にも真似できる事があるのではないか、お客を招いて楽しみたい気持ちになる大変有意義なものでした。

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2013年4月11日

「テーブル茶事」--縄文土器に茶花

家元招請研究会−【基本】

大久保宗世(八女不白会)

テーブル茶
テーブル茶の実践
 お家元の亭主で私達三人が客の設定。家元ご所蔵の縄文土器をはるばる九州まで持って来られ、皆に披露されました。それに紅柏、白い山吹、薄紫の都忘れをざっくり活けられ、いつもと異なる仕方に驚きの声が聞こえました。朱盃のお酒季節のごちそうに舌鼓を打ち、菓子も美味しくいただきました。食べる事が好きな私は、ここで緊張をほぐしたい所でしたが、、大好きな土物の極み「土器」のことも美しいお花の事も、話題にできませんでした。
 いよいよ薄茶。茶筌を横から持ちそのまま茶碗に入れ自然な感じの点て方……。少し肩の力が抜けて味わっていただけました。次客の次に、自服用を点てられ慌てられましたが、かえって愛嬌、とびっきり旨いお茶を出され詰の方は大喜びでした。
 茶事が終わり退席中、改めて土器のお花を眺め「見る位置で様子が変わる、私の位置が一番よかったんだわ」などと話していると、そういう話題が自然にでるといいですね、と言われハッとしました。緊張のほぐれが生み出す言葉それが感性?
 茶事は正客に左右されます。今回、年齢、経験共に不足している私には重い役目でしたが、勉強させてもらいました。動じない囚われない遊び心をこれからもっと養い、色んな場所で空間で楽しんでいけたらなあと思います。

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2012年11月18日

研究会に参加して 「盆点」

家元招請研究会−【盆点】

舟山宗恵(山形不白会)

一献の風景
 小国町で、今年千三百年祭を迎えた大宮子易両神社の母屋をお借りして盆点の家元招請研究会を行いました。始めに準備した席と水屋を確認していただいたところ亭主、半東が動きやすいように改められ、床にはご持参くださいましたお軸と座敷に飾られていた古い鼓と笛を飾られました。重厚なお席にぴったりのしつらえとなりました。
 初座はご亭主様のお酒のお勧めで座が自然に和み会話も弾んで、お家元が常日頃おっしゃる「お客をもてなす心」がわかったような気が致しました。
 後座では、盆点のお点前がゆっくりと流れて行き、それに伴う唐物の扱いと服紗のたたみ方など拝見でき勉強になりました。お家元自らの亭主役でございましたので初座から後座への席の運びがよく理解できました。ご持参下さいました立派な萩のお茶碗でお客になったお三方は、おいしいお茶にとても喜んでおいででした。見ている私たちも幸せな気持ちになりました。

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2012年11月17日

茶道入門

家元招請研究会

舘山ふみ(新潟不白会)

家元による講義
家元による講義に耳を傾ける参加者
 私は今回初めて勉強会に参加させていただきました。週に一度、家事、育児、仕事の合間に自分の心を静めるために稽古させていただいているシングルマザーです。私のような初心者が参加してもいいのだろうか? 場違いなのではないだろうか? 大恥をかくだろう…。大後悔するかもしれない。でも、よし! 一生に一度のチャンス。挑戦して後悔しよう、そう覚悟して臨んだ勉強会でした。
 しかし、いざ始まりますと「そんな初心者の私」は一瞬にしてどこへやら「学びたい」「お家元の言葉一つ一つを聞き逃したくない」そんな欲望がどんどん湧き、気づくと、手招きいただくままに、一番前の席で拝見、拝聴している自分がおりました。
 お茶事の一連の流れ、会話やおもてなしの心、人と人との係わり方、普段のお稽古は、ここにつながっており、お茶事を愉しむための訓練なのだ、と改めて気づきました。茶道は決して堅苦しいものではなく、人間関係を和やかにしたり、楽しくするものだと…。
 燕喜館での体験は、私の目指したい空間の体現化そして、心の持ちようの大きな柱となりました。
 お家元の教えて下さった「茶道」という「道」は、とても美しく、厳しく、そして楽しい。果てしない階段が続いているように感じました。その一段一段を一歩ずつ登らせていただき、人間として、成長していきたい。そう思った一日でした。
 

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家元による茶事の研究会

研究会会場
 宗匠よりいただきました「しのばずの 桜並木は紅葉いろ」で始まる研修当日の「新潟出張スナップ(句集)」は、新幹線の車窓から刻々と変わりゆく冬景色の様子、そして「…やがて雲低き都会(まち)新潟」とあります。
 私の自宅近くに日本最大の亜種オオヒシクイの越冬地「福島潟」が有り、既にオオヒシクイ二千四百羽、コハクチョウ三千四百羽が記録されていました。研修会場「燕喜館」はそうした〈雲低き新潟〉の中心街に隣接する白山公園内に、明治から昭和にかけ活躍された斎藤家邸宅を平成九年移築再建したもので、会場の「奥座敷」は、三つの広間からなる四十畳。メーンは紫壇、黒壇などを使った床を擁する「三の間」。研修は、今年のテーマである相伝物から「茶通箱」。宗匠が会場のお床、棚等の設えを点検され、水屋でお持たせのお茶入に自ら茶を掃き準備されるなど、普段お目にかかれない所作の一端を垣間見ることができました。
 研修前の緊張感を和らげる優しい気功を交えた体操を終え、いよいよ本番です。
 宗匠自らご亭主を務められ、初座のお床には、流祖不白が喜寿に書かれた力強い「鐡團圝」のお軸が掛けられ凛とした緊張感が走る。
一献
 宗匠の流れるようなお炭点前と見事な景色、ほんのりとした香の漂う雰囲気に何時しか心なごみ、続いて運ばれた八寸に盛られた山海の珍味と地酒。宗匠の気さくなお話とお酒で暫し舞台に居ることをも忘れ、こんなに飲んでいいのかしらとふと我に返ったこと。
 銅鑼のお鳴り物で後座が始まり、お床にはジャノメ木の花入れに椿と照り葉。
宗匠のゆったりとした服紗裁き、お茶碗を温める所作のやさしさ、たっぷりと点てられた芳潤なお濃茶のおいしさ……。この度の研修で一番の収穫は「おもてなしの心」を身を以って体験できたことです。
宗匠の流れるような所作と、美味しく頂いた二碗それぞれの個性あるお濃茶。ご一緒した方が「もう二度と頂けない」とおっしゃった感動の言葉は決して演技ではありませんでした。客に少しも違和感を感じさせない宗匠の心配りに、ふと研修中であることを忘れ至福のひと時を過ごさせて頂きました。
 亭主が如何に客を和ませ豊かな気持ちにさせることができるか。それは温かい包容力のある自然な〈気くばり〉がどこまでできるか、客も又その心をしっかりと受け止め感動する感性をもった人間性が問われているように思いました。将に「啐啄」の精神そのものと肝に銘じた貴重な経験をさせて頂きました。
掛軸

    ◇   ◇   ◇
 《研修後雑感》
 この度の燕喜館での研修で、少し気なっていたことですが「流祖不白」が書かれた「鐡團圝」についてです。なぜこの言葉を喜寿(寛政七年・一七九五)に書かれたのでしょう。
禅僧は、十年毎に遺偈をそれとなく残すといいます。寛政二年良寛(三十三歳)は、備中玉島の円通寺での十一年に及ぶ厳しい禅の修行を終え諸国を行脚し、寛政九年頃国上の五合庵に住むわけですが、その頃「流祖不白」は七十二歳位ですから同時代を生きた人として因縁めいたものを感じてします。その良寛が偈に相当する次のような漢詩があります。「回首す 五十有余年 是非得失 一夢の中……」「閃電光裏 六十年 世上の栄枯 雲の往還……燈火明滅す 古窓の前」「回首す 七十有余年 人間の是非 看破するに飽く……一炷の線香 古匆の下」と自らの命を「夢」から「燈火」に、そして更に細い「線香」に。限りなく「無」に帰すと。
 「鐡團圝」を「禅学大辞典」では、「分別の歯の立たぬもの。堅固にして円かなこと。また、没巴鼻。「見成公案、大難大難、百雑砕(ひゃくざつさい)、鐡團圝、和レ風塔二 在玉闌干一」(虚堂碌1)]とあり、臨済宗では特に重んぜられる語録の一つ虚堂(きどう)碌(虚堂和尚語録十巻)に出てきます。人智では、何ともし難い自然の法則、全ては無に帰す、悟りの境地。江戸時代の末期という歯止めの利かない胎動とも言うべき大きな時代のうねりの中で、真に大切なものが失われて行くことに危機感を感じての激文ともいうべき想いを、喜寿の今この「鐡團圝」という言葉に託されたのでは……。「燕喜館(研修会場)」の大きな床に喜寿とは思えない堂々たる気迫に満ちた「鐡團圝」の書は、私たちに何を捨て何を伝えて行くべきかを訴えて居られるように思えてなりません。
 時代が変わっても人間の本質的な心情は変わらない。先取り・スピードの時代と情報が氾濫し、目先の現象のみに振り回され右往左往してしまっては、身も心も疲弊し自らを失ってしまう。一瞬の内にすべてを失った3.11のあの大災害を、私を含め多くの人達はテレビのドラマを見ているような錯覚を覚え、一瞬思考が停止した状態になったことを今更ながら思い出します。真の苦しみはそれを経験した人にしか分からないけれども、相手の心情を少しでも思いやるやさしい「気くばり」「心くばり」を忘れないようにしたい。古来のお稽古ごとは、人間としての大切な感性を呼び戻し磨き、そして何よりも自然の恵みに感謝し共生して行く智恵を学ぶことができる。その基本を大切に伝承する重要な役割を担っているものと思います。

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2012年10月27日

竹台子でのおもてなし

家元招請研究会−【相伝物-台子】

三ケ島宗汲(佐賀不白会)

竹台子手前
 お家元がご亭主、私は詰として参加させていただきました。風炉で竹台子が用いられ、どのようにお点前が進められて茶事が展開していくのかを、会員の皆様も注目していました。お家元ご持参の掛物は、流祖のお筆で『萬嶽松風一啜』でした。脇には故蓮鶴先生のご自作の茶杓が添えられていました。
 炭点前の後に八寸での一献が勧められました。塗りの折敷膳に秋の実り満載の品々が彩り能く盛られ、従来の八寸盛りに囚われない柔軟な一献の進め方を学ぶことができました。お家元の巧みな話術に、研究会茶事であることを忘れてしまいそうな程に和ませていただきました。
 後座は銅鑼の音に導かれ入室すると佐賀の山野の花が籠に活けられていました。竹台子のお点前で粛々と濃茶が練られていく様をみつめていると、心地良い緊張感に包まれていきました。丁寧に練られたお茶は格別の幸福感をもたらしてくれました。ご持参のお道具は、古瀬戸の大振りの茶入と最近お求めに成られたという唐津焼の井戸茶碗。新旧のお道具が迷いなく並び、主客一致へ導いてくれているようでした。『木守り』のお銘と共に心に残っています。
 亭主としての在り方、客の在り方を実践の中でご指導いただき、お点前の稽古に付随して学ぶべき人間磨きの課題を確認することができました。「東京になかなか出向けない地方の皆さんに月釜の雰囲気を……」とのお心遣いをありがたく受け止め、茶事の実践に前進するという思いを新たにする一日でした。
 

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2012年10月22日

茶事の研究会から学ぶ

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

久留米不白会

◎貴重な水屋の経験………大崎宗佐
 研究会で始めてお家元の水屋を担当させていただきました。九月から道具の準備を始め、八寸の献立を考え、試作もしてみました。気を使って準備をしたつもりでしたが、当日は足りないものが多々ありました。亭主であるお家元が水屋に戻られ、「料理が美味しかった」と言ってくださった時はほっとした一瞬でした。
 濃茶では、お家元の所作、立居を緊張して拝見しました。二十代でお茶を始めて、もう四十年以上になりますが、お茶を極めるのは難しいこと、でも最近ようやくお茶の面白さを感じられるようになりました。四季折々を肌で感じ、お花に、お料理に、お道具に心を配り、お客をおもてなしする、これからの人生を一期一会の精神で、工夫のお茶を楽しみたいと思います。
  ◇   ◇   ◇   ◇
◎研究会を活かし自宅の茶………大石宗清
 私はお詰の役をさせていただきました。お家元からは、亭主が心を込めて準備したお道具に対して、客は関心を持ってお尋ねする心配りが必要と、ご指導いただきました。点心の時は、お家元から会話をリードしてもらい、また勉強しなければという気持ちになりました。
 「人を招いて、点心とお茶を差し上げなさい」という家元の言葉に従い、数日後に、私も若い頃から一緒だった先輩三人を自宅にお招きしました。点心はお重と椀物にし、お重にはお刺し身や我が家で採れた季節の野菜なども入れました。お道具は先生や先輩にいただいた物も使いましたので、会話が弾みました。
 薄茶の後は、居間のソファで寛ぎながら亡き恩師、森田宗香先生や若かった頃の話になり、時間が過ぎるのを忘れる程でした。お茶事に不慣れな私のため、反省する事多々有りましたが、まずは、お客様に喜んでもらえた事で、私なりに充実感もありました。
 仕事していた頃は、職場の人に薄茶を飲んでもらったり、若い人を家に招いてお濃茶を出して、初めて飲みましたと、感動してもらったりで、お茶を飲むだけを楽しんでいましたが、これからは、お茶事の時に掛けた掛軸、「一志一道」のごとく、茶道一筋、お茶事も楽しでいきたいと思います。
茶事の一コマ

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2012年9月24日

貴人清次  -自然体の亭主?-

家元招請研究会−【貴人清次】

大黒裕明(青森不白会)

初座の一献
初座で一献 
 茶の湯の研究会に参加した。今回はお家元が直接青森まで出張してご指導いただける会で、テーマは貴人清次。貴人とは身分の高い人、つまりお殿様にお茶を差し上げる時の作法の研究で、私たちの社中が当番を承ることになり裏方から演者まで役割を分担したら、なんと私にお殿様役が回ってきた。
「お家元が亭主をしてくださるんです。こんなチャンスはめったにないんだからお受けなさい」
 師匠のお言葉があったので覚悟を決めたがどう見ても柄ではなく、落ち着かない。当日、他の人が準備するのを見ながらうろうろしていると、
「あまり難しく考えないで。お家元の点てて下さるお濃茶を直にいただける最高の時と思ったらどうですか」
 それは面白い。少し安堵して、いろんな場面を想像しながら一人ほくそ笑んだ。
 研究会は初座から始まった。初座とはお酒をふるまい、亭主と主客が談笑する席である。お殿様に祭り上げられ床の間の前に座ると、参加している皆さんの視線が集まってきた。ご亭主と丁寧に挨拶を交わし、さて何から話題にすればいいのかと迷っていると、
「お軸は流祖の筆で、米寿の時のものです」お家元がうまく話を誘導してくださった。さすがである。
「俳句のようですが、何と書いてあるのでしょうか」
 あとは上手く話が繋がった。私よりも茶歴のうんと長いお供役の方がニコニコしておられたのは、まずまずの流れだからだろうか。まあ、そういうことにしておこう。
天目茶碗でお濃茶を一服
天目茶碗で、お濃茶をおいしくいただく
 やがてお酒が出された。飲み過ぎないようにと、師匠から釘を刺されていたが、お家元はなかなか飲ませ上手である。一口頂くと緊張が少しばかりほぐれたので、調子に乗ってもう一杯、さらに意地汚いのも手伝って続けて何杯かいただくと目の周りが火照ってきた。でもこのくらい、今日は緊張しているから大丈夫だろうと軽く考えたのが間違いで、途中に挟まった休憩が終わるころになるとやたらに瞼が重く、頬を両手で張っても眠気が繰り返し襲ってくる。後座に入った時にはくらくらと頭が揺れていた。
 後座は濃茶の席である。誰よりも近くでお家元のお点前を拝見できるのは師匠のおっしゃったようにめったにないチャンスだが、何しろ眠い。足の裏に爪を立て必死でこらえた。急ぐでもなく弛むでもない時間が流れ、その隙間に吸い込まれそうになったころ目の前に点てたばかりのお茶が運ばれた。つやのある香りの深い液体である。それを啜ると、口の中に残っていたお酒が洗い流されるような気がふとした。今までに何度もいただいたが、お酒の後は初めてである。何とも言えず相性が好いではないか。これは素晴らしい発見をしたと悦に入っていると次第に意識がはっきりし、酔いが醒めてきた。良かった、おかげで不調法をせずに役目を終えることができそうである。
 お稽古後の総評で、お家元からお言葉をいただいた。
「今日の貴人は自然体でしたね」
 どういう意味かと色々考えた。さては酔っぱらっていたのを見抜かれたか。しかしお褒めいただいたんだと解釈して素直に喜ぶことにした。だってその方が、気が楽だから。
 お茶の世界は奥が深いらしい。この世界に踏み込んでもう八年目になるが、それなのに未だに入口でうろうろしているばかりで奥なんてとても見えそうにない。今日のお稽古でそのことを改めて自覚した。それで良いとしよう。深遠に辿り着くのは一生無理かも知れないけれど、今の私には、朋輩の皆さんと稽古でお抹茶を飲んでいる時間がただ、ただ、楽しいのである。
道具拝見
家元持参の道具を拝見する
後座の花
尺八花入に季節の花 
花入の銘は「洗心」

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