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2012年11月18日

研究会に参加して 「盆点」

家元招請研究会−【盆点】

舟山宗恵(山形不白会)

一献の風景
 小国町で、今年千三百年祭を迎えた大宮子易両神社の母屋をお借りして盆点の家元招請研究会を行いました。始めに準備した席と水屋を確認していただいたところ亭主、半東が動きやすいように改められ、床にはご持参くださいましたお軸と座敷に飾られていた古い鼓と笛を飾られました。重厚なお席にぴったりのしつらえとなりました。
 初座はご亭主様のお酒のお勧めで座が自然に和み会話も弾んで、お家元が常日頃おっしゃる「お客をもてなす心」がわかったような気が致しました。
 後座では、盆点のお点前がゆっくりと流れて行き、それに伴う唐物の扱いと服紗のたたみ方など拝見でき勉強になりました。お家元自らの亭主役でございましたので初座から後座への席の運びがよく理解できました。ご持参下さいました立派な萩のお茶碗でお客になったお三方は、おいしいお茶にとても喜んでおいででした。見ている私たちも幸せな気持ちになりました。

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2012年11月17日

茶道入門

家元招請研究会

舘山ふみ(新潟不白会)

家元による講義
家元による講義に耳を傾ける参加者
 私は今回初めて勉強会に参加させていただきました。週に一度、家事、育児、仕事の合間に自分の心を静めるために稽古させていただいているシングルマザーです。私のような初心者が参加してもいいのだろうか? 場違いなのではないだろうか? 大恥をかくだろう…。大後悔するかもしれない。でも、よし! 一生に一度のチャンス。挑戦して後悔しよう、そう覚悟して臨んだ勉強会でした。
 しかし、いざ始まりますと「そんな初心者の私」は一瞬にしてどこへやら「学びたい」「お家元の言葉一つ一つを聞き逃したくない」そんな欲望がどんどん湧き、気づくと、手招きいただくままに、一番前の席で拝見、拝聴している自分がおりました。
 お茶事の一連の流れ、会話やおもてなしの心、人と人との係わり方、普段のお稽古は、ここにつながっており、お茶事を愉しむための訓練なのだ、と改めて気づきました。茶道は決して堅苦しいものではなく、人間関係を和やかにしたり、楽しくするものだと…。
 燕喜館での体験は、私の目指したい空間の体現化そして、心の持ちようの大きな柱となりました。
 お家元の教えて下さった「茶道」という「道」は、とても美しく、厳しく、そして楽しい。果てしない階段が続いているように感じました。その一段一段を一歩ずつ登らせていただき、人間として、成長していきたい。そう思った一日でした。
 

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家元による茶事の研究会

研究会会場
 宗匠よりいただきました「しのばずの 桜並木は紅葉いろ」で始まる研修当日の「新潟出張スナップ(句集)」は、新幹線の車窓から刻々と変わりゆく冬景色の様子、そして「…やがて雲低き都会(まち)新潟」とあります。
 私の自宅近くに日本最大の亜種オオヒシクイの越冬地「福島潟」が有り、既にオオヒシクイ二千四百羽、コハクチョウ三千四百羽が記録されていました。研修会場「燕喜館」はそうした〈雲低き新潟〉の中心街に隣接する白山公園内に、明治から昭和にかけ活躍された斎藤家邸宅を平成九年移築再建したもので、会場の「奥座敷」は、三つの広間からなる四十畳。メーンは紫壇、黒壇などを使った床を擁する「三の間」。研修は、今年のテーマである相伝物から「茶通箱」。宗匠が会場のお床、棚等の設えを点検され、水屋でお持たせのお茶入に自ら茶を掃き準備されるなど、普段お目にかかれない所作の一端を垣間見ることができました。
 研修前の緊張感を和らげる優しい気功を交えた体操を終え、いよいよ本番です。
 宗匠自らご亭主を務められ、初座のお床には、流祖不白が喜寿に書かれた力強い「鐡團圝」のお軸が掛けられ凛とした緊張感が走る。
一献
 宗匠の流れるようなお炭点前と見事な景色、ほんのりとした香の漂う雰囲気に何時しか心なごみ、続いて運ばれた八寸に盛られた山海の珍味と地酒。宗匠の気さくなお話とお酒で暫し舞台に居ることをも忘れ、こんなに飲んでいいのかしらとふと我に返ったこと。
 銅鑼のお鳴り物で後座が始まり、お床にはジャノメ木の花入れに椿と照り葉。
宗匠のゆったりとした服紗裁き、お茶碗を温める所作のやさしさ、たっぷりと点てられた芳潤なお濃茶のおいしさ……。この度の研修で一番の収穫は「おもてなしの心」を身を以って体験できたことです。
宗匠の流れるような所作と、美味しく頂いた二碗それぞれの個性あるお濃茶。ご一緒した方が「もう二度と頂けない」とおっしゃった感動の言葉は決して演技ではありませんでした。客に少しも違和感を感じさせない宗匠の心配りに、ふと研修中であることを忘れ至福のひと時を過ごさせて頂きました。
 亭主が如何に客を和ませ豊かな気持ちにさせることができるか。それは温かい包容力のある自然な〈気くばり〉がどこまでできるか、客も又その心をしっかりと受け止め感動する感性をもった人間性が問われているように思いました。将に「啐啄」の精神そのものと肝に銘じた貴重な経験をさせて頂きました。
掛軸

    ◇   ◇   ◇
 《研修後雑感》
 この度の燕喜館での研修で、少し気なっていたことですが「流祖不白」が書かれた「鐡團圝」についてです。なぜこの言葉を喜寿(寛政七年・一七九五)に書かれたのでしょう。
禅僧は、十年毎に遺偈をそれとなく残すといいます。寛政二年良寛(三十三歳)は、備中玉島の円通寺での十一年に及ぶ厳しい禅の修行を終え諸国を行脚し、寛政九年頃国上の五合庵に住むわけですが、その頃「流祖不白」は七十二歳位ですから同時代を生きた人として因縁めいたものを感じてします。その良寛が偈に相当する次のような漢詩があります。「回首す 五十有余年 是非得失 一夢の中……」「閃電光裏 六十年 世上の栄枯 雲の往還……燈火明滅す 古窓の前」「回首す 七十有余年 人間の是非 看破するに飽く……一炷の線香 古匆の下」と自らの命を「夢」から「燈火」に、そして更に細い「線香」に。限りなく「無」に帰すと。
 「鐡團圝」を「禅学大辞典」では、「分別の歯の立たぬもの。堅固にして円かなこと。また、没巴鼻。「見成公案、大難大難、百雑砕(ひゃくざつさい)、鐡團圝、和レ風塔二 在玉闌干一」(虚堂碌1)]とあり、臨済宗では特に重んぜられる語録の一つ虚堂(きどう)碌(虚堂和尚語録十巻)に出てきます。人智では、何ともし難い自然の法則、全ては無に帰す、悟りの境地。江戸時代の末期という歯止めの利かない胎動とも言うべき大きな時代のうねりの中で、真に大切なものが失われて行くことに危機感を感じての激文ともいうべき想いを、喜寿の今この「鐡團圝」という言葉に託されたのでは……。「燕喜館(研修会場)」の大きな床に喜寿とは思えない堂々たる気迫に満ちた「鐡團圝」の書は、私たちに何を捨て何を伝えて行くべきかを訴えて居られるように思えてなりません。
 時代が変わっても人間の本質的な心情は変わらない。先取り・スピードの時代と情報が氾濫し、目先の現象のみに振り回され右往左往してしまっては、身も心も疲弊し自らを失ってしまう。一瞬の内にすべてを失った3.11のあの大災害を、私を含め多くの人達はテレビのドラマを見ているような錯覚を覚え、一瞬思考が停止した状態になったことを今更ながら思い出します。真の苦しみはそれを経験した人にしか分からないけれども、相手の心情を少しでも思いやるやさしい「気くばり」「心くばり」を忘れないようにしたい。古来のお稽古ごとは、人間としての大切な感性を呼び戻し磨き、そして何よりも自然の恵みに感謝し共生して行く智恵を学ぶことができる。その基本を大切に伝承する重要な役割を担っているものと思います。

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2012年11月7日

軸飾り・花入飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

石元泰雪(高知不白会)

軸飾り
 去る十月七日(日)高知市文化プラザかるぽーとにおきまして、宗康先生の研究会が開かれました。
 今回、軸飾りと花入飾りの亭主をさせていただきました。始めに、宗康先生から、軸のかけ方、しまい方の説明があり、軸飾りが始まりました。
 軸飾りは、名物、拝領の特別なお軸を、お客様の前で掛け、ご披露するものです。お客様は、三人。小間の設定です。正客は、旧知の友人ですが、大勢の方の前では、あいさつの言葉もスムーズに出てきません。
 軸は、ちょうど十年前、当地で茶事研究会があった時に、家元からいただいた色紙「只 ひたすらニ茶の湯ノ心」を表装した軸を使わせていただきました。日頃、人前で、軸を掛けることがありませんので、宗康先生からのお話を念頭におきながら、臨みました。いつもより、ゆっくりと歩くこと。軸を持つ手は、しっかりと持ち、軸をおろす時も、ゆっくりと、おろすこと。厳かになりますとの指摘がありました。
花入飾り
 その後の、花入飾りでは、家元好みの竹筒花入を使わせていただきました。初座で、花入をお客様に見ていただき、中立ち後、花入に水を入れ、花台を置き、お客様に入っていただきます。正客は、桐の実と藤袴を入れて下さいました。季節感のなかった空間に、秋の風情が漂います。宗康先生から、花入飾りの時は、先に花入が決まっていますが、花は、多くなく、適当な量の花を用意するようにとのお話もありました。その後、お客様に濃茶を差し上げましたが、ちょっと、少なかったのでは、と反省しております。
 茶杓は、昨年、全国大会の時、宗康先生から支部にいただいた「をにおふさま」の銘の茶杓を使わせていただきました。「仁王」を連想する大きな茶杓でした。 ※お仁王様とは、坂本龍馬の姉、乙女のことです。
   滅多に行うことのない、軸飾りと花入飾りを、緊張のなか、体験させていただきましたが、会話の難しさ、所作の難しさを痛感しました。これからは、軸の扱いのみならず、ゆったりと、ゆとりを持って、落ち着いた茶の湯を目指したいと思っております。ありがとうございました。

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2012年10月27日

竹台子でのおもてなし

家元招請研究会−【相伝物-台子】

三ケ島宗汲(佐賀不白会)

竹台子手前
 お家元がご亭主、私は詰として参加させていただきました。風炉で竹台子が用いられ、どのようにお点前が進められて茶事が展開していくのかを、会員の皆様も注目していました。お家元ご持参の掛物は、流祖のお筆で『萬嶽松風一啜』でした。脇には故蓮鶴先生のご自作の茶杓が添えられていました。
 炭点前の後に八寸での一献が勧められました。塗りの折敷膳に秋の実り満載の品々が彩り能く盛られ、従来の八寸盛りに囚われない柔軟な一献の進め方を学ぶことができました。お家元の巧みな話術に、研究会茶事であることを忘れてしまいそうな程に和ませていただきました。
 後座は銅鑼の音に導かれ入室すると佐賀の山野の花が籠に活けられていました。竹台子のお点前で粛々と濃茶が練られていく様をみつめていると、心地良い緊張感に包まれていきました。丁寧に練られたお茶は格別の幸福感をもたらしてくれました。ご持参のお道具は、古瀬戸の大振りの茶入と最近お求めに成られたという唐津焼の井戸茶碗。新旧のお道具が迷いなく並び、主客一致へ導いてくれているようでした。『木守り』のお銘と共に心に残っています。
 亭主としての在り方、客の在り方を実践の中でご指導いただき、お点前の稽古に付随して学ぶべき人間磨きの課題を確認することができました。「東京になかなか出向けない地方の皆さんに月釜の雰囲気を……」とのお心遣いをありがたく受け止め、茶事の実践に前進するという思いを新たにする一日でした。
 

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2012年10月22日

茶事の研究会から学ぶ

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

久留米不白会

◎貴重な水屋の経験………大崎宗佐
 研究会で始めてお家元の水屋を担当させていただきました。九月から道具の準備を始め、八寸の献立を考え、試作もしてみました。気を使って準備をしたつもりでしたが、当日は足りないものが多々ありました。亭主であるお家元が水屋に戻られ、「料理が美味しかった」と言ってくださった時はほっとした一瞬でした。
 濃茶では、お家元の所作、立居を緊張して拝見しました。二十代でお茶を始めて、もう四十年以上になりますが、お茶を極めるのは難しいこと、でも最近ようやくお茶の面白さを感じられるようになりました。四季折々を肌で感じ、お花に、お料理に、お道具に心を配り、お客をおもてなしする、これからの人生を一期一会の精神で、工夫のお茶を楽しみたいと思います。
  ◇   ◇   ◇   ◇
◎研究会を活かし自宅の茶………大石宗清
 私はお詰の役をさせていただきました。お家元からは、亭主が心を込めて準備したお道具に対して、客は関心を持ってお尋ねする心配りが必要と、ご指導いただきました。点心の時は、お家元から会話をリードしてもらい、また勉強しなければという気持ちになりました。
 「人を招いて、点心とお茶を差し上げなさい」という家元の言葉に従い、数日後に、私も若い頃から一緒だった先輩三人を自宅にお招きしました。点心はお重と椀物にし、お重にはお刺し身や我が家で採れた季節の野菜なども入れました。お道具は先生や先輩にいただいた物も使いましたので、会話が弾みました。
 薄茶の後は、居間のソファで寛ぎながら亡き恩師、森田宗香先生や若かった頃の話になり、時間が過ぎるのを忘れる程でした。お茶事に不慣れな私のため、反省する事多々有りましたが、まずは、お客様に喜んでもらえた事で、私なりに充実感もありました。
 仕事していた頃は、職場の人に薄茶を飲んでもらったり、若い人を家に招いてお濃茶を出して、初めて飲みましたと、感動してもらったりで、お茶を飲むだけを楽しんでいましたが、これからは、お茶事の時に掛けた掛軸、「一志一道」のごとく、茶道一筋、お茶事も楽しでいきたいと思います。
茶事の一コマ

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2012年10月14日

飾り方の基本を学ぶ

宗康先生招請研究会

水野宗美(高田不白会)

米棚の十三飾り
 十月十四日、市内寺町の東本願寺高田別院において、宗康先生招請研究会を行いました。会員四十名余りが参加しました。
 当日の課題は、流祖不白八十八歳の時の好みの棚「米棚の十三飾り」の仕様でございました。
 東役の方がご指示通り順を追って飾り方を示し、その型の説明を事細かにご指摘いただきました。午後には、順番に茶杓、茶入等の拭き方、服紗の捌き方までご教授いただき、緊張の中にも時折宗康先生のユーモアを交えたご指導に、一同、厳しさの中に心穏やかにお教えを賜りました。
 水屋で清めてお持ちだしましても、お客様の前で、今一度、己の心も清めるという気持ちを込めてお道具を扱うという所作にこそお茶の究極の精神があるように感じ取りました。
 「茶の湯者覚悟十体」の中の「点前」の項に「薄茶を建(点)てるが専一也、是を真の茶と云う。世間に真の茶を濃茶と云うは非也」とあり、この度の宗康先生の一言一句、胆に命じて基本に立ち返って見たいと思います。
 

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2012年9月24日

貴人清次  -自然体の亭主?-

家元招請研究会−【貴人清次】

大黒裕明(青森不白会)

初座の一献
初座で一献 
 茶の湯の研究会に参加した。今回はお家元が直接青森まで出張してご指導いただける会で、テーマは貴人清次。貴人とは身分の高い人、つまりお殿様にお茶を差し上げる時の作法の研究で、私たちの社中が当番を承ることになり裏方から演者まで役割を分担したら、なんと私にお殿様役が回ってきた。
「お家元が亭主をしてくださるんです。こんなチャンスはめったにないんだからお受けなさい」
 師匠のお言葉があったので覚悟を決めたがどう見ても柄ではなく、落ち着かない。当日、他の人が準備するのを見ながらうろうろしていると、
「あまり難しく考えないで。お家元の点てて下さるお濃茶を直にいただける最高の時と思ったらどうですか」
 それは面白い。少し安堵して、いろんな場面を想像しながら一人ほくそ笑んだ。
 研究会は初座から始まった。初座とはお酒をふるまい、亭主と主客が談笑する席である。お殿様に祭り上げられ床の間の前に座ると、参加している皆さんの視線が集まってきた。ご亭主と丁寧に挨拶を交わし、さて何から話題にすればいいのかと迷っていると、
「お軸は流祖の筆で、米寿の時のものです」お家元がうまく話を誘導してくださった。さすがである。
「俳句のようですが、何と書いてあるのでしょうか」
 あとは上手く話が繋がった。私よりも茶歴のうんと長いお供役の方がニコニコしておられたのは、まずまずの流れだからだろうか。まあ、そういうことにしておこう。
天目茶碗でお濃茶を一服
天目茶碗で、お濃茶をおいしくいただく
 やがてお酒が出された。飲み過ぎないようにと、師匠から釘を刺されていたが、お家元はなかなか飲ませ上手である。一口頂くと緊張が少しばかりほぐれたので、調子に乗ってもう一杯、さらに意地汚いのも手伝って続けて何杯かいただくと目の周りが火照ってきた。でもこのくらい、今日は緊張しているから大丈夫だろうと軽く考えたのが間違いで、途中に挟まった休憩が終わるころになるとやたらに瞼が重く、頬を両手で張っても眠気が繰り返し襲ってくる。後座に入った時にはくらくらと頭が揺れていた。
 後座は濃茶の席である。誰よりも近くでお家元のお点前を拝見できるのは師匠のおっしゃったようにめったにないチャンスだが、何しろ眠い。足の裏に爪を立て必死でこらえた。急ぐでもなく弛むでもない時間が流れ、その隙間に吸い込まれそうになったころ目の前に点てたばかりのお茶が運ばれた。つやのある香りの深い液体である。それを啜ると、口の中に残っていたお酒が洗い流されるような気がふとした。今までに何度もいただいたが、お酒の後は初めてである。何とも言えず相性が好いではないか。これは素晴らしい発見をしたと悦に入っていると次第に意識がはっきりし、酔いが醒めてきた。良かった、おかげで不調法をせずに役目を終えることができそうである。
 お稽古後の総評で、お家元からお言葉をいただいた。
「今日の貴人は自然体でしたね」
 どういう意味かと色々考えた。さては酔っぱらっていたのを見抜かれたか。しかしお褒めいただいたんだと解釈して素直に喜ぶことにした。だってその方が、気が楽だから。
 お茶の世界は奥が深いらしい。この世界に踏み込んでもう八年目になるが、それなのに未だに入口でうろうろしているばかりで奥なんてとても見えそうにない。今日のお稽古でそのことを改めて自覚した。それで良いとしよう。深遠に辿り着くのは一生無理かも知れないけれど、今の私には、朋輩の皆さんと稽古でお抹茶を飲んでいる時間がただ、ただ、楽しいのである。
道具拝見
家元持参の道具を拝見する
後座の花
尺八花入に季節の花 
花入の銘は「洗心」

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2012年9月16日

米棚 十三飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会

牟田泰雪(久留米不白会)

米棚指導
 今回の研究会の課題は、「米棚 十三飾り方」でした。初めて実演を担当した私は、宗康先生のご指導の声を聞き逃さないように耳を傾け、ご指示通りに点前を進めていきました。
 仕舞い飾りでは、両器飾り以上と以下との点前の違いや、拝見の所望がある時とない時との点前の違いを続けて学ぶことによって、お点前をする時に疑問を持っていたことが解決していきました。また、お点前の流れの中の一部だけを繰り返すことの難しさも学び、もっと精進しなければいけないなと痛感いたしました。
割稽古
 宗康先生には、自分の点前の癖をご指摘して頂いた上に、丁寧にご指導していただき、この役を担当できて嬉しく思います。
 午後からは、茶入の清め方、仕服の扱い方、服紗の捌き方などを、宗康先生の丁寧なご指導の下、研究会の参加者から数名を選ばれ、みんなの前で所作を行うことで、見学者と一体になって稽古ができて充実した研究会になったように思います。

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2012年9月9日

茶事に参加して

家元招請研究会−【貴人点て】

持田宗政(熊谷不白会)

貴人点
 九月九日、星渓園で家元招請研究会が行われました。まず、太極拳を思わせる体操で身体をほぐした後、本日のテーマ「貴人を招いての茶事」に入りました。初座は先ず一献ということで、心尽くしの懐石が出され、亭主役のお家元の、緊張を解きほぐす会話に貴人もお話が弾み、穏やかな雰囲気に包まれました。
 午後からの、お家元の台天目の濃茶点前では、ゆっくりと丁寧に練り上げる姿が、とても印象的で、貴人に対する心の入れようを学ぶことができました。最後に、「お客様を実際に招いて、お茶を点てて差し上げることを、もっと日常的に行って欲しい」とのお言葉が心に残りました。

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2012年8月26日

古典の茶事に触れて

家元招請研究会−【貴人清次】

遠藤宗光(福島不白会)

天目茶碗でお点前
天目茶碗で貴人にお茶を差し上げる
 去る八月二十六日、古民家を改造した「這裏苑」という書院造りの茶室で、林の中の虫の音や、川のせせらぎを聞きながら、家元招請研究会が開催されました。
 残暑厳しい中、宗匠はお着きになられるとすぐに茶室の設えをご指導くださいました。
 そして、今回の研究会課題である「貴人清次」について、古典の茶事であるため、ご亭主の自宅に、城主の奥方をお迎えした、という趣旨の茶事であるとし、ご亭主は宗匠がされ、供は二名とし、半東は随行の田丸様、水屋は二名でお迎えすることとなりました。
 宗匠がご持参された「萬嶽松風供一綴」のお軸が床に飾られ、お客様をお迎えする心がそのお軸からも伝わるものでした。
 丁寧なお迎えとご挨拶があり、八寸も盛り付けに工夫され、まず一献と酒が振る舞われました。炭点前より初座の流れを勉強し、後座を知らせる鐘の音で入席すると、床には清らかに三種の花が活けられていました。宗匠ご持参の七管青磁の茶入、天目茶碗に心を込めて練り上げておられる姿勢を特に感じ入りました。程よく香り深い濃茶を供の一人としていただけて充分満足いたしました。
 現代は、貴人をお迎えすることが少ないですが、今回は特に宗匠自らご亭主をされ、「おもてなし」の本当の心を、ご亭主、半東の姿勢全体で表して下さり、具体的に理解することができました。
 また、日常生活に生かしていきたい体操や、終了後、宗匠の篠笛の演奏に合わせて「ふる里」等を皆で合唱するなど、すべてが思い出に残る研究会となりました。

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2012年7月28日

「台天目」での貴人清次

家元招請研究会−【台天目】

石田宗洵(岩手不白会)

 今年度の家元招請研究会は「台天目」による「貴人清次」の茶事を学ぶというテーマで、七月二十八、二十九両日、盛岡市中央公民館で行われ、お家元が自ら亭主役を担当されました。床は流祖の「無心雲自閑」でした。多くの目や耳に囲まれた研究会の席でも、「無心の雲」のような「閑」の雰囲気が大切と配慮してくださったのでしょうが、貴人役の私にとっては「閑」どころではありませんでした。
 点心は担当の増沢光雪さんが、会記に残る流祖不白の点心を復元したもので、鰹を使った向付け、蓮根を使った白和え、香の物などを揃えてくださいました。勧め上手の亭主役のお家元に「お濃茶をおいしく味わっていただくために」などと勧められて、お酒で顔が真っ赤になっていたことにも気付かないほど会話が弾みました。
 昼食時を中立ちと見立てて後座になりましたが、初座とはうって変わった静寂の中で、「台天目」の作法で貴人への濃茶が点てられました。濃茶はたっぷりの分量でした。供の者へは「貴人清次」での対応がありました。正客に対する亭主の丁寧な深々とした礼の姿には、臨時の貴人は恐縮するばかりで、強く印象に残りました。
 平等が普通になっている現代社会に、貴人と供の者とに差を付ける「貴人清次」をどう位置づけるかという問題に対して、誰がお客かということを明確に意識して接待することの大切さを指摘されました。ともすれば稽古のためのお茶になりがちですが、本来客を招いてお茶を差し上げるために稽古をしているので、茶事の実践を望まれました。客が明確でない大寄茶会とは別に、「貴人清次」などから、特定の客を意識した茶事を考えてほしいとのご指導であった。また、稽古の濃茶では、茶が少ない場合も見られるが、茶事で客に出すお茶は「十分にお召し上がり下さい」という気持ちが表れてしかるべきだと。茶事のための稽古という意識を喚起されました。
 

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2012年7月1日

貴人を堪能して

家元招請研究会−【台天目】

小川紫雪(高田不白会)

亭主と語らう
 去る七月一日、宗匠をお招きして研究会が行われました。今年の課題は「貴人清次」早速に貴人の役を銘じられて、貴人とは? 辞書を引いてみますと、身分の高い人、貴族、華族、女性では貴婦人、鬼女……これに当てはめられるかも……呵々、頼むはお供の二人……。
 先ずはお家元が、ご亭主でお持たせの御初代染筆「福寿海無量」のお軸に感激、季節の山海の珍味で一献、相伴はされず低姿勢のご接待のみ終始落ち着いた穏やかなお話。炭点前は家元がされ、小ぶりの風炉に充分につがれ、お香がほのぼのとして香合は時節の時鳥の蒔絵。
道具拝見
家元持参の初道具を拝見
 後座の床には水瓶型の花器に半夏生と波路草の一本づつが楚々と活けられ、台天目の濃茶が粛々と点てられました。いただいた時の有り難いこと、お練り加減と、ほどよい温度と香り、これを忘れないように……。
 濃茶入もご持参の七官青磁の色のお見事なこと、仕服も濃やかな七宝模様の裂地、別世界に遊ばせていただき、お軸に書かれた計りしれない福寿を頂戴しましたことは、この上ない幸せな一日となりました。

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2012年6月26日

貴人清次に茶事でのもてなしを学ぶ

家元招請研究会−【貴人清次】

吉岡宗美(高知不白会)

まず一献から
 梅雨の晴れ間の六月二十六日、家元招請研究会が、高知市公民館で行われました。今回は、お家元がご亭主になられてご指導くださるとのことでしたので、支部一同大いに期待しておりました。
 研究会前日の仕度時、お家元が公民館の広間のどこに点前座を設けたらよいか、貴人の座からよくお軸が拝見できるようにと、ご工夫なさる御姿が、大変参考になりました。ご持参いただいたお掛物は流祖の「福壽海無量」でした。お家元は高知の海を思い持参して下さったとのこと。その御字の素晴らしさに一同感嘆して拝見致しました。
濃茶点前
 亭主の挨拶があり、お膳が運ばれます。亭主(お家元)は、笑顔で「まず、一献」とお勧めになり、座は自然と和んできます。半東も東の動きをよく見て、絶妙な間のとり方でお手伝いされます。お炭点前になり、その自然な運びに心を奪われ、ここが研究会のお席である、ということを忘れ、まるで本当の茶事を拝見しているような感覚に捕らわれました。
 中立の後、銅鑼の音で後座が始まり、お床には、手桶に祇園守りとたいまつ草、縞葦がすっきりと入っています。瑞々しく露が打たれて見るからに涼しそうです。お家元ご持参の七官青磁のお茶入から流祖のお茶杓「常磐木」でたっぷりのお濃茶が点てられました。初めて七官青磁を拝見させていただき、その淡い青緑色が目に焼き付き、お茶杓の美しさと相まって、ため息の出る感動でした。
記念撮影
 お家元のご亭主振りを拝見して、亭主がその茶事の空気を作っていくということを改めて感じ、お家元の提唱される「もてなすお茶の実践」を、支部一同深く心に刻んだ一日でした。
 

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2012年5月27日

「軸飾り」「花入飾り」を学ぶ

宗康先生招請研究会

堤 宗誠(八女不白会)

軸飾・花入飾
 「軸飾り」の目的は、特別なお軸をお客が初座に入席後に披露すること。正客とのやりとりや名物軸の扱い方等、普段のお稽古ではできない「軸」の飾り方、仕舞い方など勉強することができました。日常の床の軸かけにおいても丁寧な扱いをする心のゆとりが大事なことだと思いました。
 「花入飾り」の研究会では、はじめてのことで戸惑いましたが、初座において花入に水を入れずに床に飾り、客に「拝領物」「名物」の「花入」を観賞していただくこと。後座にての花所望では花入に合う花を選ぶこと。適量の花を準備すること、そのことに関連して、花入飾りは特殊な趣向で、普通の茶事では花入よりも花に重きを置き、その花に見合う花入を選ぶものであるが、どうしても花入が先行しがちであること等、大変有意義な研究会となりました。
 「軸飾り」「花入飾り」とも普段のお稽古ではできないことなので、半東の役割などを踏まえて、研究会に参加できましたことは大変よい勉強になりました。

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2012年5月20日

役割の中で茶事の流れを学ぶ

家元招請研究会−【台天目】

大谷宗節(群馬不白会)

中立風景
 薄暑の五月二十日、高崎市暢神荘にお家元をお迎えして「台天目」を課題に研究会を行いました。床にご持参下さいました流祖筆による「無心雲自閑」一行物が掛けられて、研究会に入る前に体をほぐす体操や気功を教えていただき呼吸を整えました。
 お家元(亭主)、随行で参加下さった瀬津様(半東)、宮下支部長(貴人)、家元教場研究会参加者(清次三名)、河田副支部長(水屋全般)の役割で始まりました。皆さまの注目される中、私も清次の一人として勧められるまま一献いただきましたが、緊張のためたちまち顔がほてってまいりました。
 中立ちで暫し家元の横笛「青葉の笛」を聴かせていただき、心身ともに癒されました。
 後座では、床に白芍薬と都忘れが清楚に活けられて、静寂の中、家元の凛としたお姿と悠然としたお点前に感動致しました。会員の皆さまも同じ思いでご覧になったと思います。
 今回の研究会で亭主と半東の運びが自然に進められる様子を拝見しながら、茶事の流れがよくわかり役割をいただいた事を心より感謝申し上げます。
 茶道を通じて成長させていただいていることを実感致しております。

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米棚十三通りの飾り方

宗康先生招請研究会

七戸・青森不白会

米棚手点前
・七戸不白会……盛田宗蛍
 宗康先生をお招きし、青森不白会との合同開催で、「米棚、十三飾り」を学びました。青森の前会長の岩崎先生が久々にお出まし下さっての会でございました。
 勉強不足のまま一夜漬けで臨み、度々手が止まったため、そのつど懇切丁寧にお教え下さいました。ぼーっとした頭に、何故こうするのか意味を解ってするように、また、座る位置をきちんと、というお言葉が残りました。
 会場には何の設備も間切りもなく、ありったけの衝立を持ち込み、置床を据えて、隠元のお軸を掛け、「二王」と銘された竹花入に白の山吹と黒百合を入れました。
 前夕、七戸到着後、会場を見てくださった宗康先生が、父にお会い下さるために突然我が家へお立ち寄りに成られました。
 また、先生がお帰りになった夜の母の夢は、お返しとばかり、宗康先生のお宅へ母を先頭に四、五人で押しかけたものだったとのことでした。
 今回の研究会では、先生一流のチクリとしたユーモアに色々教わりました。また、「皆さん、いい流派にお入りになったと思いますよ」という一言に江戸千家、そして宗匠への思いが感じられました。
・青森不白会……吉川恭子
 今回の研究会は「米棚 十三通りの飾り方」が課題として取りあげられました。天板、地板の間に中板が二枚という棚は少なく、不白の格別のお好みの棚であったとのことです。両器飾り、総飾りなど、またその他、バリエーションをいろいろと楽しめる棚だということでした。  大切なことは、飾り方の形だけではなく、どんな時にどの飾り方をするのか、茶事での展開を含め、その用途を理解することであるとのことでした。お点前を始める時の飾り方と仕舞いの時の飾り方、拝見の所望のある時とない時の飾り方、またその他の飾り方など、詳しくご教授していただきました。
 午後は、「濃茶点前」に関連したお稽古をいたしました。仕服と茶入の扱い、服紗の捌き方、茶入の清め方など、一つ一つの作法について、丁寧に教えていただきました。割稽古で疑問点をなくしておき、それから全体のお稽古をするのが良いということをあらためて実感いたしました。
 宗康先生のご指導の下、前に出て所作を行う方々と見学者が一体となって練習でき、充実した中味の濃い研究会だったように思います。

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2012年5月6日

相伝物 「盆点」—客として参加

家元招請研究会−【盆点】

土田宗春(新潟不白会)

一献
まずは、和やかに一献。珍しい食材も。
 「今度の家元招請研究会の役目は次客ですよ」と言われ、緊張と胸の高鳴るのを覚え、その日を迎えました。今回の研究課題は盆点での茶事。ご亭主はお家元。半東は、随行の水口さん。正客は中野支部長。次客が私で詰は森田宗久さん。
床  花
 茶事が始まりました。お軸は大龍宗丈の一行「青祚見主恩」が掛けられました。
 まず一献ということで八寸懐石が出されました。品数は三種盛り付けられており、そのうちの一品は、真っ白でふわっとしていて、底が丸くなっている上にクリームのような物が乗っていました。これは百合根にクリームチーズを乗せたもので、とても相性の良い味でした。さらに山菜のコシアブラ。少し塩味で、バージンオイルがかけてあり、香りがとても良く美味でした。海のものは新潟の特産品でもある鮭の酒びたし、お酒をさらに美味しくしてくれました。お家元も、ご相伴なされ話も弾みました。
家元点前
家元の濃茶点前が厳粛に行われた
 さて銅鑼を合図に後座の開始です。床の間には見事な熊谷草が、節の下が白になっている尺八形の黒竹の竹花入にすっきりと立っておりました。いよいよ濃茶点前、ご持参の銘「玉水」の茶入から汲み出された茶をゆっくりと、丁重に練り上げたお濃茶をいただき、誠に至福のひとときでした。
 毎年家元招請研究会に出席していますが、今回のようにお家元御自身が亭主をなされた会は、はじめてです。客をもてなす意味、また、心から茶を点てる事等。お点前も大事ですが、穏やかな会話、相手を思いやる心も大切だと改めて肝に銘じました。

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2012年5月2日

感動した研究会

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

神農宗洋(長野不白会)

記念写真
家元を囲んで記念写真
 春遅き信濃にも待ちわびた桜が咲きほこる五月二日、小諸花岡亭に宗匠をお招きしての研究会が開かれました。
 今回は、相伝物-盆点ということで、わざわざ東京より、お道具をご持参され自ら亭主を務めていただき、大変貴重な時間を過ごすことができました。
 初座は、お炭点前、続いて八寸とお酒が持ち出され、終始和やかな時間が流れていきました。ここで私が特に感動したのは宗匠の座掃きの見事さです。自然体で流れるような所作。宗匠からは「いつもしていることですから」というお答えが返ってきました。常日頃の行いが大事であり、身が引き締まる思いでした。
 後座は、螺鈿細工の盆に玉水という銘の茶入が置き付けられ、お盆点ての点前で一服のお茶が心をこめて点てられます。ゆっくりとした時が流れる中、悠久の時を越え幾多の人たちに愛でられたお道具たちが今、私の目の前にある。なんとも不思議な空間でした。たっぷりと点てられたお濃茶は、とても良い香りが漂い、私も一服いただきたいという思いがわき出てしまいました。
 今でも宗匠がゆったりとお茶を点てられる姿が目に浮かびます。お茶は、亭主が主客に感動、驚きを与えるために心をこめ、席のしつらえをすることが一つの醍醐味だと改めて学び、この気持ちを忘れず、これからも精進してまいりたいと思います。
 

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2012年4月29日

各種お茶入の扱い

博子先生招請研究会

渡邉 宗翠(福島不白会)

茶入の扱い指導
 四月二九日、満開の桜の佳き日、白河の南湖公園、松楽亭に博子先生をお招きして研究会を行いました。
 今回は四滴、手桶、耳付茶入、肩付茶入など十四種類のお茶入を準備し、ひとつひとつの茶入の扱い方、茶入の清め方、片づける時の注意点などを詳しくご指導していただきました。四滴は、茶入の形の特徴で、清め方、扱い方の違うことを話していただきよく理解することができました。
 蒔絵のものは広間で、竹や蔦で作られた物は小間で使うなど、素材で使われる場所が異なることを茶入を見ながら学ぶことができました。また、服紗捌き、茶杓の拭き方など、基本の動作も丁寧にご指導いただきました。
 研究会の最後に今回準備した茶入の中から、大渡しと手桶の茶入を使い二回お茶を点てて皆でいただきました。
 たくさん学んだ後のお茶でしたので、格別においしく、一服のやすらぎのようなものを感じることができました。
 研究会のあとのお稽古では、今まで無意識に行っていた服紗捌きもひとつひとつ確認をしながら行うようになり、ひとつの所作にも深みが出てきたように思っています。自分の点前の所作を振り返り直す、よいきっかけとなり、大変勉強になりました。
 

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