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2025年3月8日

チャリティ茶会に参加して

田中史子(新潟不白会)

 新潟不白会では、三月八、九日の二日間、万代シルバーホテルのロビーにて、チャリティ茶会を開催しました。当日は好天に恵まれ多くのお客様にお越しいただきました。
 今回の茶会は、お茶とのつながりが深い「輪島塗に携わっている方々への支援」という目的で行われました。輪島塗は、多くの作業工程を分業制で行い、多くの人と多くの時間をかけて作られる、職人技が光る、素晴らしい伝統工芸品です。そんな輪島塗も、一昨年の能登半島地震や豪雨災害などにより、大きな被害をけ、輪島塗の事業者のうち事業を再開しているのは六割ほどだという痛ましい現状を記事で知りました。今回のチャリティ茶会で、微力ながらも支援の機会を持てたことを重く感じ、少しでも早い復興を願っています。
 今回は立礼席での開催でした。二十分ほどの短い一席のおつきあいを通して、 幅広い年齢のお客様が円卓を囲むことは、とても素敵なことだと感じております。楽しい対話、温かいお抹茶と、春を感じさせる和菓子をいただき、自然と笑顔になる姿を見て、楽しい時間を過ごしていただけたのではないかと、嬉しくなりました。 お稽古だけでは感じることのできない、このわくわく感を感じることができる茶会は、運営側とお客様、双方にとってなんて素敵な場所だろうかと思います。この茶会を通して、私自身、多くの先輩方に囲まれ実りある一日を過ごすことができました。こんな機会が多くあれば、お茶を身近に感じる人が増え、敷居の高さを感じることがなくなるのではないかと想像しました。

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2025年2月5日

新宮同好会 山海亭初釜

(新宮同好会)

手作りの料理で点心

名心宗匠による大福茶の点前

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2025年2月1日

山形市民文化賞受賞・山形不白会恒例茶会

庄田宗雅(山形不白会)

 令和七年二月一日、山形グランドホテルにて、佐藤孝弘山形市長、各界の方々、山形市芸術文化協会会員の方々百二十名が参加されるなか、第六十六回山形市民文化賞記念式典授賞式が開催されました。若輩ながら私は、山形市茶道連盟よりご推薦いただきまして、山形市民文化賞を受賞致しました。これもひとえにご指導いただきました名心宗匠、宗雪家元、ご尽力いただきました先生方、山形不白会会員の方々のおかげであり、皆様と共に頂戴いたした賞と深く感謝申し上げます。式典前には、名心宗匠お好み「星の昔」と雪輪をかたどった主菓子をふるまい、皆様に江戸千家のお話をさせていただきました。この度の受賞に際し、江戸千家の名前がでましたこと、このうえなく嬉しく思っております。
 五月十一日には、山寺芭蕉記念館全館をお借りし、第七十八回山形不白会恒例茶会を開催致しました。中村昌生先生設計の茶室にて、本席、立礼席、点心席と三席しつらえました。点心席では、生田流琴曲の音曲を聞きながら新緑の美しい風景で御一服していただきました。私は、本席を担当致しました。茶席では、江戸千家の襲名式や記念茶会、展示会、流祖不白ゆかりのご説明などをさせていただき、各流派の先生方も熱心に聞いてくださいました。
 昨年末から今年にかけて、五十八年ぶりの襲名式・記念茶会・記念祝賀会と歴史に残る様々なお式に参加出来ました事、めぐり合わせの貴重な体験ができましたこと、大変感謝申し上げます。今後とも、お茶の道に精進いたし山形不白会もさらなる飛躍をしていけますよう会員一同、心にきざんで参ります。
 今後ともご指導、ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

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2025年1月1日

青森不白会初釜

川山宗初(青森不白会)

 令和七年青森不白会初釜が青森市ホテル青森にて開催されました。平年の三倍を超える積雪を記録した今年の青森市。「豪雪災害対策本部」が設置されるほどの大雪となりましたが、当日は幸い天候に恵まれ参加者四十名ほどが穏やかな冬空に感謝しながら新年のお茶を楽しむことができました。
 今年度、青森市民文化祭の文化功労賞を受賞された津田宗禮相談役へお祝いの花束贈呈、また祝舞「富士」を中村宗之副会長が舞い、華やかな雰囲気に包まれていました。
 立礼の濃茶席の亭主は川山宗初会長がつとめ、凛としたたたずまいの中、金銀の重なった赤楽茶碗「嶋台」に鮮やかな緑色の景色を写し出していました。また各テーブルの参加者には、それぞれ陰点てで濃茶が振る舞われました。
 福引きの後の薄茶席は、白鳥五大さんと白鳥七大さん親子が初釜での亭主デビューを果たし、真剣な表情ながらも丁寧なお点前を披露していましたそれぞれの薄茶席でも担当亭主が参加者の前で、会話を楽しみながら思い思いに薄茶でもてなしていました。
 支部としては久し振りの開催となった新春を寿ぐ初釜に、大きな笑顔の輪が広がっていました。

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2024年11月3日

第二十九回上越茶道会茶会

亀山穂雪(高田不白会)

 十一月三日、高田別院にて新潟県上越地区の表千家、裏千家、江戸千家で構成される上越茶道会茶会が開催されました。濃茶席と薄茶席のそれぞれを各流派が持ち回りで担当し、江戸千家は今年、武田隆雪氏が濃茶席を担当いたしました。この時期は時雨模様の天候が多いのですが、当日は秋晴れの中、百二十名余りの会員が出席いたしました。
 床には後西天皇の和歌が掛けられ、茶入れは表千家不白流自得斎箱書の古瀬戸、治保公手造りの黒楽茶碗など開炉を祝うお道具に良い緊張感を持ちながら、一座建立の時を点前で味わうことができました。会の方針で濃茶も各服点てとなっており、不安でしたが一同協力して無事に終えることができ、ありがたく思っております。

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2024年9月21日

新潟県文化祭茶会

土田宗春(新潟不白会)

 新潟県文化祭茶会は、昭和四三年茶道の振興発展と茶道各流派間の親睦を図り新潟県の文化振興発展に寄与する目的で、新潟県茶道連盟が発足となり今日まで続いております。
 令和六年は市民芸術文化会館で九月二十一日に行われました。
 三席釜がかけられ、その内の一席を新潟不白会が受け持ち私が担当することになりました。床には家元名心庵宗匠の「山紫水明」を掛け、それを中心に竹野棚に秋草の棗と青磁の水差しを取り合わせました。また年初に起きました能登地震の震災に心を寄せ、九代大樋焼を主茶碗として使いました。
 当日は大変な大雨でしたが、大勢のお客様にお越しいただき心より嬉しく思いました。感謝の気持ちでいっぱいの一日となりました。

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2024年7月31日

キッズお抹茶体験会

鈴木宏圭(新潟不白会)

抹茶ポケモン「チャデス」の茶入

 夏休みの七月三十一日、新潟伊勢丹七階の茶室「丹庵」にて土田宗春、中野里雪社中によるイベント「キッズお抹茶体験会」を行いました。
 さて今回のお茶会のテーマ。キッズの皆さまに茶の湯やお抹茶に親しみをもってほしい、そして茶の湯の楽しさに触れてほしい。ということで、抹茶ポケモン「チャデス」の茶入れと、新潟の菓子店金巻屋でお願いしたポケモンボール和菓子でキッズのおもてなしをすることといたしました。
 ポケットモンスター(略してポケモン)はかわいらしいモンスターが活躍するゲームアニメ。三十年の歴史があり、たくさんのモンスターが活躍するなか、なんと茶道を題材にしたポケモンもいるのです。そしてモンスターボールは……。説明が長くなるのでお近くのお子さんにお尋ねください。きっと喜んで説明してくれると思います。
 一席目、キッズ&保護者の方合わせて満席の十三名様がお席入り。最近では畳の部屋がないおうちもあるでしょうから、ほとんどのキッズにとってお床の拝見などもちろん初めてでしょう。
 中野先生「最初に私がお茶を点てますので、後で皆さんも点ててくだ初めてのシャカシャカさいね」「脚を崩してもよいですよ。痛いのを我慢してても楽しくないし身体によくありません。ではまずお菓子をお出ししますね」
 水屋の僕たち「お菓子喜んでくれるかな、ワクワク」
 キッズ「わぁポケモンボールだ!」水屋の僕たちガッツポーズ。
 キッズの皆さん興味津々で一所懸命に正座してシャカシャカしています。僕たちはお点前に苦戦しているキッズがいたらお手伝いしようと準備していたら皆さん上手。お父さんお母さんもキッズのお茶をいただいて嬉しそうです。

初めてのシャカシャカ

キッズが自服して一席目終了しました。
 中野先生「お父さんお母さんに心を込めて美味しい抹茶を点ててみましょう」
 二席目以降も盛況です。
 土田先生「グリップが使えていてお上手、指先がとても綺

ポケモンボール和菓子

麗ですよ」と褒めています。
 キッズ「あっチャデスだ」お席に入るなり一目で見抜いたお茶人キッズさまもいらっしゃいました。総勢五十三名をお迎えし和やかで幸せなお茶会にご一緒できて僕のチャデスも嬉しそうです。

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2024年5月12日

山形不白会恒例茶会

児玉宗純(山形不白会)

 山形不白会の恒例茶会は五月十二日、山形市の山寺芭蕉記念館を全館お借りして、本席、立礼席、点心席の三席を設け執り行われました。私は、本席を担当いたしました。
 本席の観宝亭からは新緑の山寺が一望でき、時折爽やかな風が吹き込む穏やかな日で、百五十名のお客様をお迎えいたしました。
 今年で七十七回目を迎えたこの会は、昨年長井市から山形市に会場を移し、新たなお客様との出会いに支えられております。江戸千家を知っていただくために、流祖川上不白の功績やエピソードをお話しいたしました。独特な美的感覚、遊び心あふれるお稽古のこと等々......。お客様がうなずかれると嬉しい気持ちになりました。
 設えは、景観との一体感を考え「天の川」席にし、オリジナルの菓子「あやめ草」と八女の抹茶を差し上げましたところ、美味しいとおっしゃっていただきホッと致しました。また、お庭から聞こえる二胡の音色もこの席には心地よく、思いを込めたお道具に皆さん見入っておられたのが印象的です。
 少人数でのおもてなしでしたが、協力しあってできましたこと誇りに思いました。 

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2024年4月9日

笠間稲荷神社 例大祭

池内宗有(茨城不白会)

 本年も四月九日に、笠間稲荷神社において例大祭が執り行われました。ようやく桜も見頃となりましたのに、当日は朝方より春の嵐でした。
 皆様には到着後、慌ただしくも、しかしつつがなく神事にご参列いただき、宗雪家元による献茶式、志野流蜂谷宗苾宗匠による献茶式も厳かに執り行われました。
 午後より志野流香道による香席と、私たち茨城不白会のお茶席を設けさせていただきました。香席においては三種香に参加され、家元が参加者の中で唯一全問正解だったとうかがいました。
 お茶席のしつらえは、お床の花はキブシとツバキ、お道具は、今年は茶碗、水差し、そして花入に至るまで当地笠間焼の作にておもてなしさせていただきました。茶碗は松井康成氏の若い時の物から、現在まさにご活躍中の作家による物まで幅広く揃えてみました。お茶席での雲鶴先生をはじめとする東京の皆様の寛がれたお顔を拝見しましたら、この日一日の疲れが吹き飛んでいくようで この例大祭にて、来年度以降も変わらず江戸千家とのつながりが続いていく事を信じてやみません。

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2024年3月2日

能登半島地震チャリティ茶会

今井宗美(新潟不白会)

 元日夕方新潟でも揺れを経験し、二カ月経った今でも市内西区では液状化被害で我が家で生活できない方もおられます。ましてや能登半島ではライフラインの復旧すら遅れているとの報道に、つらく困難な生活を続けておられる方々を思うと胸が痛みます。
 この度新潟不白会では三月二日、三日、能登半島地震復興支援のチャリティ茶会が行われました。両日共お雛さまもこごえるような雪のちらつく天候にもかかわらず、賛同いただいた多くの方々がおいでくださいました。かわいらしいお孫様とご一緒の方、久し振りの茶会ですとお話されておられた方。先生方が思いを込めて選ばれた輪島塗の棗をはじめ北陸の伝統工芸品のお品を前に、お客様とご一緒に能登の復興のこれからの前進を願いました。
 一日でも早く日常を取り戻されますよう、私たち一人ひとりが出来ることを考え行っていきたいと思います。 

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2024年1月28日

新潟不白会九十周年記念祝賀会・初釜

小川宗弘(新潟不白会)

 令和六年一月二十八日、新潟不白会九十周年記念祝賀会としての初釜が老舗料亭「鍋茶屋」にて開催されました。当日は、家元ご夫妻、宗康先生ご夫妻、新柳様ご夫妻、そして東京と高田支部より役員の方々にお出ましいただき、支部会員百余名参加の盛大な会となりました。
 午前は中野宗順支部長の濃茶席と、四席のテーブル茶席が設けられ、午後の祝賀会では美味しい料理と特別酒に舌鼓を打ち、家元の篠笛のご披露で花を添えていただきました。
 新年より能登半島地震、飛行機事故等、ショッキングな幕開けとなりましたが、皆様と共に、一服の茶をいただける感謝と幸せを感じた一日となりました。
 今年還暦を迎えます私は幸運にもじゃんけん大会を勝ち抜き、家元、新柳様合作の「龍吟虎嘯」の色紙を頂戴し感無量でございました。 また、はじめて参加させていただいた娘三人は、華やかで温かい雰囲気を楽しみながらますます茶の湯に関心を深めたようです。
 今後も百周年に向けて、支部を盛り上げていくお手伝いが出来たらと思っております。

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2024年1月12日

一年の計を思いつつ初釜

御堂島良子(長野不白会)

 一月十二日。朝の気温は氷点下七度、信州の冬らしいきりっとした寒さで、見上げた真っ青な空がとても清らかでございました。
 お茶室の床には孤峰不白の「鶴の絵」、青竹の花入には見事な結び柳と松。雪輪霰紋の釜(長野烈造)熨斗目飾の竹台子に朱桶、唐銅皆具が飾られ、その凛としたお茶室に身の引き締まる思いでございました。
 李宗福先生の新年を寿ぐご挨拶に社中一同あたたかな思いに包まれながら、点心へと進み美味しい懐石料理を楽しみました。
 中立ち後お炭点前が行われ、お濃茶は家元考案の『和韻点』で銘々にふるまわれました。
 お茶入も不白の「赤松末広」、お茶碗は月形邦比古作「鬼志野」でした。
 薄茶席で私はお点前の機会をいただきました。家元作の繊細で美しいお茶杓「三輪山」で、震える手でお茶をすくった瞬間、李先生はもちろんのこと、どれほど多くのご縁でこのような体験をさせていただけていることか、しばし時が止まる思いでした。

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2023年12月1日

『大人の茶道教室』を開催して

影山宗翠(福島不白会)

 郡山市にある 世紀公園麓山の杜主催の「大人の茶道教室」を、九月、十二月の二回、郡山市茶道連盟の当番として福島不白会根本社中が講師として開催しました。
 郡山市内にお住まいのお茶に興味のある初心者を公募し九月に十人、十二月に十三人が選ばれました。「大寄せの茶会に気軽に参加できるように」を目標に、お茶の飲み方や茶室での基本動作、茶会の楽しみ方など実践を中心に行いました。

 皆さん熱心に取り組んでくださり、「正客」「点前」などのお茶用語を知ってもらい「抹茶の産地によって味に変わりがあるのか」「お茶にはどれくらいの種類があるのか」などの質問も出、社中みんなで協力しながら答えたり資料をそろえたりしました。
 最終日には感想をお聞きしました。
「今回経験したことを参考にお茶会に参加してみたい」 「お茶には興味があるが格式が高く気軽に行けなかったが、これからは楽しみたい」 など。
 私たちも参加者からの質問や感想を聞くことで、初心の心の大切さ、お茶を楽しいと思ってくださった方々にこれからも継続してもらうにはどうしたらいいのかという課題もいただきました。

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2023年9月16日

お茶会でのお点前をして

─新潟県文化祭茶会─

斎藤和子(新潟不白会)

 九月十六日、新潟県文化祭茶会にて中野里雪先生が新潟不白会として初めてのお茶会を担当され、私もお点前のメンバーとして参加しました。里雪先生から「今回は立礼席なので華やかにしたい」と言われ、五人のメンバーは着物の打ち合わせをしたり、前日までお点前の確認を兼ねて練習を行いました。当日は宗順会長はじめ新潟の先生方・先輩方が受付・水屋に入っていただききお客様をお迎えすることができました。
 私は一・二席のお点前担当で、里雪先生は隣で今回のお道具、取り合わせについての話をしています。斑唐津の主茶碗に家元が『今から』と銘をつけて下さったこと。扁額は会津八一の書で、里雪先生のお席への思いを感じ、心が熱くなりました。お客様の「お茶美味しかったです」の一言が全てのお礼の声として聞こえ、こんなに嬉しい事なのだと。湧いてくる新たな気持ちを噛みしめました。茶の湯の美学をたくさんの角度から学ぶことが出来た一日となりました。

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2023年8月2日

クルーズ船でおもてなし

川山宗初(青森不白会)

 八月始めのねぶた祭りの期間に三日間、青森港に寄港するクルーズ船(ダイヤモンドプリンセス、ベリッシマ)のお客様にお茶会でおもてなしを致しました。
 北のまほろば歴史館という、青森の民俗風俗を紹介する博物館の一画で、氷点てのテーブル茶席です。外国のお客様が中心でしたので、目に鮮やかな野点用の傘や赤い毛氈を使い、視覚的に日本を印象付ける作りを心がけました。
 抹茶に触れたことのないお客様も多く、彼らが初めて抹茶を飲む瞬間は微笑ましいものでした。中には「お茶の茶碗ではなく、グラスに入れてくれれば飲める」という方もいらして、グラスに移し替えてお出ししたのも印象深い出来事でした。お互いの国のお茶についてのお話に花が咲き、茶の湯で国際交流を深められた素晴らしい機会となりました。現在では抹茶も世界に浸透していると思っていましたが、まだまだ知らない人が多いと知り、世界中に抹茶を広めるためには多くの余地があることを実感しました。

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2023年4月9日

笠間稲荷神社例大祭

香道志野流蜂谷宗苾宗匠

─新柳様による献茶式

新柳様

池内宗有(茨城不白会)

 四月九日、笠間稲荷神社において創建日のお祝いとなる例大祭が執り行われました。本祭はコロナ禍の沈静化により四年ぶりに招待客を招いての盛大な祭典でした。
 前日までの春の嵐も過ぎ去り、暖かすぎるほどの良いお天気に恵まれ、木々の緑も一層鮮やかな神社の境内には多くの方々がお見えになりました。神事の中では、恐らくはじめて新柳様による献茶式が厳かに執り行われ、落合先生をはじめ東京からのお客様も昇殿なさり、厳粛なひと時を過ごしていただきました。
 午後からはみなさまお揃いでお香席に入られて、志野流の若宗匠とご一緒に系図香に参加なさっていただきました。
 残念ながら時間の都合でお茶席にはお招きできませんでしたが、陰点てにて桜薯蕷饅頭と一緒に一服召し上がっていただきました。
 久しぶりにお客様を迎えてのイベントで、とても楽しみにしておりました。二カ月前よりお道具やお花、おもてなしの段取りなど、茨城不白会としてできる限りの事を話し合ってまいりましたが、当日は不手際な事も多かったのではないかと案じております。
 来年以降もつつがなく、そして様々な交流が以前のように行われていく事を切に願うばかりでございます。

●随行を終えて

          小林宗淳(東京不白会)

 笠間より帰り付けば廻りは若葉、一日の日差しの強さを覚えます。笠間稲荷例大祭献茶、新柳様淡々と奉仕。香の志野の若宗匠と気を合わせておられました。江戸千家後嗣の随行を無事済ませ、今生の栄と致しました。
 前夜晩餐の席、志野流の宗苾氏が宮司と対応。席を盛り上げて居られました。また行道香席いずれの場でも新柳様を気づかっておられる様子誠に嬉しく思いました。

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2023年3月4日

チャリティー茶会に参加して

田代宗代(新潟不白会)

 新潟不白会では三月四、五日、トルコ地震被災者支援の茶会が開催され、沢山の皆様がチャリティー茶会の趣旨に賛同いただきお越し下さいました。コロナ禍久し振りのお顔合わせで「テーブル茶席は初めてですが、楽しいですね」とか「ボクお茶は半分でいいよ」等、笑顔、笑顔が嬉しく感じられました。
 会話の中で日本ならではの支援というお話も出、トルコの被災者の方々に早く以前の日常が戻られることを願わずにはいられません。花入のチューリップにその思いを強くいたしました。

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2022年11月6日

上越茶道会茶会

高田不白会 青峰会

 十一月六日、第二十七回上越茶道会茶会が高田別院にて開催され、二席のうち、一席を青峰会が担当しました。実に三年ぶりです。コロナ禍の終息が見えない中、万全の感染対策を講じ行われました。
 当日は好天に恵まれ、十一月としては気温も高く絶好の茶会日和でした。 流祖不白筆「水月ノ絵」が皆様をお迎えし、季節の花、ビナンカズラと秋丁字が更に彩りを添えます。木地の米棚に鶏竜山窯の水指、茶器には双鶴ノ絵と久し振りの茶会をお祝いしているかのようでした。
 一席十五名ほどのお客様、正客から十客様までそれぞれ違った茶碗で薄茶が振る舞われ、喜びのお声をいただきました。花入と建水は、一昨年亡くなられた五智窯の木村隆先生の作品が使われ故人を偲びました。のどかな秋の一日、待ちに待った茶会に終始話が弾み、私は水屋でその様子を窺いながら、このような茶会が思う存分できる日常が戻る事を願っておりました。

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2022年8月27日

「自宅の茶事」復習編

星 宗京(福島不白会)

 八月二十七日に、同門の二人をお招きしてテーブル茶の盆点前で、初の自宅の茶を行いました。家元研究会の復習です。
 いつものコタツテーブルを片付け、山の友人に製作してもらったキャスター付きの箱台とテーブル板、手作りの椅子をセットしました。料理は、以前師匠のお茶事の席で担当した時のことを思い出しながら、厚焼き卵、オクラ、エビの煮付け、採りたてのみょうが甘酢漬け、庭に育った青じその葉等々、ふと気がつくと楽しく料理している自分がいて、思わず笑ってしまいました。
 まずは一献差し上げて料理を楽しみました。味付けも盛り付けもとても良かったと言われて、嬉しかったです。お濃茶もいい練り具合で飲みやすかったと。星の奥は甘くてやさしい味ですねと言ってました。掲げた色紙が話題になり、読み方や意味について家元に教えていただいた内容をお話しさせてもらいました。
 お客様も緊張していたそうですが、すぐにほぐれて楽しい時間を過ごせましたとお言葉をいただいた時、私も同じ思いでした。思い切ってやってみてよかったと思います。貴重な時を過ごすことができました。

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2022年6月18日

ロビー茶会報告

 ―ウクライナ避難民へ寄付金支援動―

新潟不白会事務局

永野 宗与

 新潟市はウクライナからの避難民を五名受け入れたという発表がありました。連日報道されるロシアとウクライナの戦争をニュースで見るたび心が苦しくなるばかりです。同じ思いを共有した江戸千家新潟不白会会員は、ウクライナの避難民の方に心を寄り添えることができればと強い願いでロビー茶会を開催することにしました。
 茶券の売り上げ全額と募金箱の全額を新潟市を通して生活に必要な資金として使用していただければと計画いたしました。
 この茶会に賛同いただいた会場のホテルには無料でロビーを使用させていただき、市内の各お菓子屋さんには衣装協力やお菓子を格安に提供していただきました。コロナ感染禍の中、感染対策を徹底し他流儀や一般の方々、ホテルの利用客の方々など、土曜日曜の2日間でしたが大勢の方々が起こしになり一同一丸となってお迎えしました。各日三テーブルが密にならないように配慮し、三席は歩調を合わせながら二十分で入れ替え。両日共に予想を上回る売り上げと設置した募金箱にも多くの募金が投入され、皆さまのご厚意に感謝致しました。
 後日、新潟市副市長と面談の上、売り上げ金と募金を贈呈しました。悲惨な戦争が一日も早く終結されますことを切に願っています。

「新潟日報」2022.7,5

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