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2024年9月5日

大分家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:台子〉

古屋宗恵(大分不白会)

 秋季家元招請研究会が、当地大分県日出町の深見邸において行われました。この度は「乱飾り」がテーマです。私は亭主という大役を仰せつかりました。ご相伝の際に家元のお点前を拝見して以来となりますから不安でしたが、大変光栄なことであり勉強させていただこうとお引き受けしました。
 当日は、書院造りの床の間に、家元ご持参の「達」のお軸が掛けられ、この書についてご説明をいただきました。
 銅鑼の音を合図にお席入りが始まり、私の心も引き締まり緊張しましたが、美味しいお茶を差し上げたいという思いが湧き上がってきました。お客様との会話、お相伴とお点前を終え、無事に亭主の任を務めることができたのか不安でしたが、お客様から「美味しかった」との感想をいただき、ほっとすると共に、亭主を経験させていただいて本当によかったと感じました。冒頭家元のお軸の説明の中にあった「自分が目指すもの」について、私が目指すものは満たされた瞬間ではないか、と思われました。
 八月二十九日から三十日に台風十号が当地区を襲い、お花の準備や会場準備等、今まで以上に大変ではありましたが、皆で協力して取り組みました。また、先生をはじめ多くの方からご指導を頂き、無事研究会を行うことができました。これからも満たされた瞬間を皆さんと共有できるよう、後進の育成の手助けをしながら江戸千家の茶の湯を精進してまいります。

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