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2008年9月3日

茶の湯から拡がる好奇心

下津浦靖雪(久留米不白会)

林原美術館記念写真
林原美術館のお茶室前で記念写真
 私がお茶を習始めの二十三年前は、道具の名前や、お茶を点てる順序を覚えることで精一杯でした。でも、慣れてくると、稽古や、お茶会だけでなく、歴史上の人物を知り、史跡、名跡、美術館を巡ったりなど、楽しみが色々増えてきました。
 今年、七月のことですが、先生、友人達四人で、岡山に行ってきました。最初に行った林原美術館では、桃山時代の古備前、白磁に似せた白備前、色を施した彩色備前などを見て、こんなにも沢山の種類があるのかと、ただ驚くばかりでした。中でも「白備前獅子牡丹香炉」や、「絵備前」の、大皿、小皿などは、今でも目の前に浮かんでくるほど印象に残っています。
 昼食は珍しいことに、後楽園の中にある料亭でした。ここは岡山城家老の、伊木三猿斎様のお邸跡とのことで、玄関に足を踏み入れると、何故か、懐かしさを覚えゆかしい雰囲気に満たされていました。
 美味しい懐石料理に舌鼓をうったあと、つぎに訪ねたのは、日本で一番古い学校として有名な閑谷学校です。農民の子供達にも学問の場をと、藩主、光政公が、孔子廟をモデルに建てた学校とのこと。その広く静かな敷地に佇んでいると、大昔に学んでいた子供たちのかわいい声が、私の耳に、聞こえてくるような気がしました。本当に盛り沢山な有意義な一日。是非また、この様な新しい愉しみを見つけて、知識を拡げたいと思っています。

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