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2022年6月18日

ロビー茶会報告

 ―ウクライナ避難民へ寄付金支援動―

新潟不白会事務局

永野 宗与

 新潟市はウクライナからの避難民を五名受け入れたという発表がありました。連日報道されるロシアとウクライナの戦争をニュースで見るたび心が苦しくなるばかりです。同じ思いを共有した江戸千家新潟不白会会員は、ウクライナの避難民の方に心を寄り添えることができればと強い願いでロビー茶会を開催することにしました。
 茶券の売り上げ全額と募金箱の全額を新潟市を通して生活に必要な資金として使用していただければと計画いたしました。
 この茶会に賛同いただいた会場のホテルには無料でロビーを使用させていただき、市内の各お菓子屋さんには衣装協力やお菓子を格安に提供していただきました。コロナ感染禍の中、感染対策を徹底し他流儀や一般の方々、ホテルの利用客の方々など、土曜日曜の2日間でしたが大勢の方々が起こしになり一同一丸となってお迎えしました。各日三テーブルが密にならないように配慮し、三席は歩調を合わせながら二十分で入れ替え。両日共に予想を上回る売り上げと設置した募金箱にも多くの募金が投入され、皆さまのご厚意に感謝致しました。
 後日、新潟市副市長と面談の上、売り上げ金と募金を贈呈しました。悲惨な戦争が一日も早く終結されますことを切に願っています。

「新潟日報」2022.7,5

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2022年6月12日

家元招請研究会 高田不白会

高田不白会

岡倉天心六角堂

六角堂内部の天心座像(平櫛田中作)

(堂内の銅製花器と燭台が坂本繁二郎画伯の寄贈品であることが判りました)

前略
 研究会での「自宅の茶」「花月」、皆さまとても楽しんで居られ、久し振りに直に家元にお越しいただいて勉強ができたこと、とても喜んでいました。翌週にはさっそく「札なし花月」の稽古をいたしたほどです。
 赤倉でのわらび摘みのこと、楽しく思い出されます。六角堂の前での笛の音、流れる水の音。「この道」「蛙の笛」大好きです。母と一緒によく唄ったことが思い出されます。ありがとうございました。 今日は大雨が降っています。とても暑い日も続きました。皆さまもどうぞお元気でお過ごしくださいませ。
 六月二十二日   
    高田不白会 保阪宗洋
●研究会の翌日、家元、高田会員有志と地元赤倉温泉村の仲間で、ここ数年訪れることのできなかったの岡倉天心六角堂をお参りしました。家元による篠笛の供奏があり、笛の音を聴きながら皆で天心を偲び、再た人々が心配なく集えるような日々が戻りますようお祈りしました。

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2022年6月11日

2022年度 家元教場研究会レポート(3)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

六月十一日(土曜A)岡田宗春宅
     客 小川宗梢(東京)

 新潟の岡田家花中庵に伺い大正時代の歴史ある建物でのお茶事に参加でき光栄に思いました。
 懐石ではテーブル席を用意していただき、地元名産や新潟ならではの料理(醤油お赤飯、いねごり等)をいただいたり,ご亭主の心遣いを感じました。その後のお濃茶はとてもおいしく感じられました。
 炭点前からは畳の広間のお席になり、厳粛な雰囲気ながら、醤油お赤飯を作ってくださったご主人も加わり、和やかな濃茶席を体験できました。格式張らず自然体な雰囲気の茶事で、岡田先生のように、私もお茶事に積極的に取り組めたらと今後の目標が見えた気がしました。

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2022年6月8日

2022年度 家元教場研究会レポート(2)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

      桜井秀雪宅
客 小宮山宗裕(長野)

 新幹線で向かった私達を安中榛名駅から自宅までご主人様が地元を案内して下さり、有意義なひとときでした。
 半東さんの案内で、寄付には前大徳西垣宗興筆の「鳥啼山更幽」の短冊が、本席には「竹葉々起清風」が掛けられており、桜井様のお宅はまさに二幅の掛物の言葉そのものでした。目の前の山からか、ホトトギスが上手に啼いて、お茶席の雰囲気作りをひと役担ってくれました。点心はご亭主手作りの品々で器を上手に使い、味はもちろんのこと、盛り付けも見事でした。次に出されたのが、ご主人様がこの日の朝、打たれたというお蕎麦で、本職の店で修行されたとのこと、 蕎麦処信州から伺った私達もびっくりの腕前でした。
 お酒とワインで、たっぷりおもてなしを受けた後の炭点前、涼しげな主菓子をいただき、中立。後座は床の掛け軸はそのままに、耳付の唐銅の花入に夏椿、黒ほおずき、京鹿子、山紫陽花が入れられていて、ご自宅の夏椿とのことで、今日の席に彩りを添えてくれたようです。
 濃茶は宇治茶「雲鶴」、たっぷりと各服点で、八女の茶とはまた違った味わいでおいしくいただきました。
 薄茶は袴姿で点心からご一緒していただいたご主人のお点前。武道の嗜みがあるだけあり、立居がきりりとして小気味よいお点前でした。薄茶もおいしく、蛍のお干菓子が何とも風情がありご亭主(奥様)の今日のお茶席に込められたお心遣いが感じられました。最後は参加者全員で記念撮影をし、雑談。デザートまでいただき、帰宅の途につきました。

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2022年6月5日

高知・熊谷オンライン研究会

高知・熊谷不白会

●「友人を自宅に招いて気楽に茶事を。和室でなくても、洋室でもやり方次第でできるものです」。家元が自宅での茶会を提唱されて久しいですが、茶事といえば、和室、掛け軸、茶道具、料理、菓子、花とそれらをつなぐ季節感、さらにはテーマと課題は重く楽しむ余裕はありませんでした。
 しかし、今回の研究会は、コロナ禍の中、亭主にあまり負担を掛けないようにと客がお弁当を持参するという形式、すばらしいと思いました。互いに持ち寄った弁当を見せ合い、作り方などの話で盛り上がり、自然な会話の行き交う、楽しい雰囲気を感じました。コロナ禍に見舞われなければこういう工夫を必要としなかったかも知れません。
 何より友人と集うことの楽しさ、無事であることの有り難さを思うと、状況の変化にも柔軟に即して工夫し、勉強してゆけたらと思いました。
            (熊谷:吉田佐雪)

●初座、後座を通してテーブルのお席でしたので、日常に近く、お茶事は初心者の私でも取り入れやすいと思いました。何より、皆さまがとても楽しそうで、うらやましく拝見しておりました。
 お話が弾み和やかな初座から、中立をはさみ、喚鐘の響きで空気が澄み渡る中で始まった後座の緊張感が心地よく、簡略化したお茶事であっても、型があるからこそ生じる流れや主客の一体感と、形にばかりとらわれると生まれないであろう本当の心の交流が、画面を通して感じられました。
 オンラインでの研究会だからこそ、家元のお宅にお客様をお招きする様子を拝見することができ、大変貴重な学びお機会となりました。
            (熊谷:横井瑞雪)

「札なし花月」

●初座は各自ご用意のお弁当とのこと。これならば、友人たちとお茶事ができると思いましたが、一番驚いたのは、ご用意されたお弁当の自由さです。お茶事のお弁当にホットサンドとは、私には思いつかないことです。
 zoomでの一人参加の利点は、自由にメモをとり、わからない言葉をその場で検索できることだと思います。少々寂しいのは、場の共有ができにくいゆえだと思います。Webbとリアルは両輪のようなもので、そのバランスをとりながら、お茶の世界を身近なものにしていきたいと思いました。
            (熊谷:マリ西村)

○●今回の研究会はお軸の様な自宅茶事だったと感じました。よしずの障子が涼しげで静けさの中に会話が心地よく、お弁当持参で楽しげでお互いを思いやり、なごやかに語り合っていました。雲鶴先生の気配りのあるご亭主の有り様を学ばせていただきました。また、家元の半東が風のように動かれていた事に、日頃の体操で鍛えられているのだと思いました。テーブル茶の濃茶では、ガラスの瓶掛けがすがすがしく、見つめている中で双方の感謝の気持ちが感じられました。コロナ禍で工夫された「札なし花月」、これからも更に工夫されていくのでしょう。私達もお稽古で取り組んでいこうと思っています。この日はなんだか、涼しくてのどかで楽しい気分となりました。
 追伸 家元が以前、体に不調のある時こそ体操をと云われていましたので、寝ながら体操をしています。時間が経つにつれ身体がほぐれ動きやすくなっていくようです。始めてよかったと思っております。
                            (高知:浅野宗薫)

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