江戸千家 >  不白会だより > 2022年度 家元教場研究会レポート(2)

2022年6月8日

2022年度 家元教場研究会レポート(2)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

      桜井秀雪宅
客 小宮山宗裕(長野)

 新幹線で向かった私達を安中榛名駅から自宅までご主人様が地元を案内して下さり、有意義なひとときでした。
 半東さんの案内で、寄付には前大徳西垣宗興筆の「鳥啼山更幽」の短冊が、本席には「竹葉々起清風」が掛けられており、桜井様のお宅はまさに二幅の掛物の言葉そのものでした。目の前の山からか、ホトトギスが上手に啼いて、お茶席の雰囲気作りをひと役担ってくれました。点心はご亭主手作りの品々で器を上手に使い、味はもちろんのこと、盛り付けも見事でした。次に出されたのが、ご主人様がこの日の朝、打たれたというお蕎麦で、本職の店で修行されたとのこと、 蕎麦処信州から伺った私達もびっくりの腕前でした。
 お酒とワインで、たっぷりおもてなしを受けた後の炭点前、涼しげな主菓子をいただき、中立。後座は床の掛け軸はそのままに、耳付の唐銅の花入に夏椿、黒ほおずき、京鹿子、山紫陽花が入れられていて、ご自宅の夏椿とのことで、今日の席に彩りを添えてくれたようです。
 濃茶は宇治茶「雲鶴」、たっぷりと各服点で、八女の茶とはまた違った味わいでおいしくいただきました。
 薄茶は袴姿で点心からご一緒していただいたご主人のお点前。武道の嗜みがあるだけあり、立居がきりりとして小気味よいお点前でした。薄茶もおいしく、蛍のお干菓子が何とも風情がありご亭主(奥様)の今日のお茶席に込められたお心遣いが感じられました。最後は参加者全員で記念撮影をし、雑談。デザートまでいただき、帰宅の途につきました。

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「2022年度 家元教場研究会レポート(2)」のリンク