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2022年9月19日

山形オンライン研究会

齋藤宗博(山形不白会)

 初座が始まり向付で一献ののち、皆様持参されたお弁当を広げられました。事前の知識がありませんでしたのでビックリしましたが、お手製のお弁当と山形ゆかりの食材のことで会話が弾み、皆様の楽んでいる様子が伝わってきました。こういう方法なら気軽に人を招く事ができると、思いました。
 後座は静寂と緊張感が漂うなか、久しぶりに拝見する家元の重厚なお点前、半東をされた雲鶴先生の所作に魅入りました。
 コロナ発生以来の自粛ムードの中、外出もためらわれ、お稽古も休止の状態で三年間を過ごしてきました。画面に映る何もかもが懐かしく感じられ、覚醒したかのような気分になりました。参加していた皆も同じ思いのようで、研究会が終わった後、まず山形市で再会される茶会に出席しようという話が決まりました。
 しばらくぶりの勉強会でただ見とれてしまうだけでしたが、松平不昧公直筆の軸と宗全籠に活けられた七種の花が飾られた床を実際に拝見してみたかったと思いました。

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2022年9月17日

2022年度 家元教場研究会レポート(11)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十七日(土曜B) 桜井宗信宅
      客 中川宗厚(東京)

 今回のお茶席で一番驚かされたことは、櫻井さんのご主人はもとより、ご親戚の皆様が三カ月もの間、準備に邁進され、素晴らしいおもてなしをして下さったことです。茶の湯では、一つのルールがあり、そのルールに則り客をもてなす。客もそのルールに則り、もてなしを受けるという暗黙の了解があります。人をもてなすのにルールなどないはずですが、何かに縛られるということが逆にもてなす、もてなされるの関係性に緊張感が生じそこに面白みが出てくるのかなと思います。
 しかし、今回の櫻井邸の茶席はそのようなものとは全く異なる、それを越える茶の湯の力を感じました。これこそ「自宅の茶」の真髄なのではないだろうかと感じた次第です。
 帰りもご主人、妹さんに運転をしていただき、駅でお別れをしました。災害も少なく、美しい田園である小川町ですが、人口は減る一方だとご主人は嘆いていらっしゃいました。「名物のお菓子をお嬢さんに創作していただいたらいいですよ」と元菓子屋の娘である私は無責任に申し上げました。

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2022年度 家元教場研究会レポート(10)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十七日(土曜B) 宮内宗迅宅
       客 岡田宗春(新潟)

 宮内宗迅先生宅のお茶事に、夫と玉田さん、武田先生とお招き戴き、暑いので洋服でおいで下さいとのことで、、甘えさせていただきました。東京駅まで送迎を車でしてくださいました。
 故宮本先生のご縁で宮内先生、北村先生、玉田さんに新潟においでいただいた喜びは忘れられません。この度夫と一緒に呼んで下さったことに感謝し、お茶事にまいりました。
 お食事は、初ものの大きな松茸の入った海老真薯の椀盛等とても美味でした。お酒は富山と新潟のお酒どちらも美味しくいただきました。
 お床にはさらさらとしたかな文字の万葉集の歌が、籠にはいっぱいの秋草、こんなに東京に野草があるのかと驚きましたが、先生がたくさん育てておられるそうです。田原陶兵衛でいただいた星の奥のお濃茶のおいしかったこと、お棚や水指等、秋が感じられる取り合わせのお道具に見とれました。お弟子さんの点てて下さる続きお薄に座がなごみ、その中で北村先生のお話がそこここに出てきて、嬉しい限りでした。ご一緒するのを楽しみにしておられたとのこと、ご回復をお祈りいたしました。なごりを惜しみつつ、東京駅まで車で送っていただき、家元のおっしゃる喫茶往来の楽しさを満喫して帰りの新幹線に乗りました。

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2022年9月16日

2022年度 家元教場研究会レポート(9)

家元教場研究会 実践「自宅の茶」

九月十六日(金曜B) 
     主 森田宗杲(東京)

 今年の研究会テーマ「自宅の茶」を我が家でさせていただきました。お客様は遠方より高橋様、倉持様御夫妻と社中の菅原の四名でした。テーマを「月」と決め、一元斎の「月」の軸を中心に、あれこれと設えをするのも楽しかったです。初めてお迎えしたお三方でしたが、時を忘れてお話に花が咲きました。
 招き招かれの「自宅の茶」は、長年お茶のお稽古を続けてきた集大成にも思えます。自宅の茶を行うにつれ、肩の力が抜け、自分流のお茶が少しずつ見えて来た気がします。今回は手伝いもなく、一人で致しましたが、疲れもなく良き日になりました。まだまだ反省点は多々有りますが、一歩ずつ進めて行きたく思っています。

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