2018年10月24日
家元教場研究会レポート(15)
課題ー古典(相伝物) 第四回 茶通箱
次客として
斎藤 宗江(水A:東京不白会)
今回のような茶事形式での「茶通箱」ははじめてです。
最初に、家元から「茶通箱」は、到来のお茶と亭主のお茶との二種類のお茶を入れる箱というお話がありました。
家元 花月の間
そもそもなじみの薄いお点前がどのように展開するのか、興味津々でした。
床の掛物は「菊慈童」。一献ではお料理を堪能しながら先日大分で行われた全国大会のお話で楽しくお席が進みました。家元のお炭点前を拝見して中立そして、お濃茶です。。一碗目は「星の奥」、二碗目は正客持参の宇治のお茶です。「茶通箱」独特の指使いはありません。家元は箱を棚からすっと下ろされ、お茶入を出され、二種類のお茶をいただきますと、確かに味の違いがわかります。お濃茶を中にして一座の人達の思いが一つになったような気がしました。二種類のお茶の味の話題で盛り上がり、楽しいなと感じました。気の置けない人達と二種類のお茶について話ができるような「茶通箱」のお茶事をしてみたくなりました。
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2018年10月21日
山形不白会 家元招請研究会
家元招請研究会 - 課題「唐物(盆点)」
庄田宗雅(山形不白会)
数寄屋造りの和風で格調高い山寺芭蕉記念館研究室
宝珠山立石寺を一望
十月の秋晴れの日に、山寺芭蕉記念館にて「相伝物 盆点」の家元招請研究会が行われました。
敷地内からは俳聖松尾芭蕉が訪れた宝珠山立石寺を近くに眺めることができます。
茶碗、茶入、盆とご持参くださり貴重なお道具を拝見させていただきました。
家元のお点前で、お料理、お濃茶といただき、まさに「一座建立」と幸せな一時でございました。
家元は、山寺の風景と中村昌生先生設計のお茶室に深く感銘を受け、「山形の方々はこんな素晴らしいお茶室を活用しなくては、もったいないですよ」とご進言いただきました。。
随行の森田様には、水屋、半東をお手伝いいただき大変勉強になりました。
楽しい料理作り
笹原宗稜(山形不白会)
今回研究会で料理を任せていただく事になりました。幾度か料理を作る機会はありましたが、毎回初心のような緊張を覚えます。
家元は「濃茶には美味しい料理、美味しい酒、会話が如何に大切であるか」と話されておりますので、その言葉を肝に銘じながら五味、五色、五法のことも忘れずに時節の食材と器選びを楽しみながら進めました。
向付には「鯛の柚子酢じめにもって菊三種をあしらい」、汁は「づいき芋」つぼつぼには、お客様がお酒を召し上がるということで「鰹の酒盗麹合え」また、八寸は「むかごと銀杏、海老に卵と山芋の寿し詰」など、もちろん美味しい山形のお酒を召し上がっていただきました。
お席の様子を水屋で感じながら料理をお出しするタイミングも難しく勉強になりました。
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雲鶴先生をお迎えして
雲鶴先生招請研究会
土田宗春(新潟不白会)
新潟支部教授会が初めて雲鶴先生をお迎えして研究会が行われました。
午前中は且座をご指導いただきました。設いは季節的に中置でしたので、お棚のないお点前を雲鶴先生より丁寧にお教えいただきました。午後は花月を二回いたしました。ご指示をいただきながらの分かり易いご指導で、皆楽しみながら勉強させていただきました。最後に皆でお薄をいただき、和気靄々の実りの多い研究会でした。
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2018年10月8日
水屋を担当して
家元招請研究会 - 古典(相伝物)
下津浦靖雪(久留米不白会)
肩衝で肩の巾が少し広く威厳がある朝日春慶作瀬戸の濃茶器、唐津の中里重利作の奥高麗茶碗、銘作「木守」。流祖不白作十牛の茶杓も家元がお持ちくださいました。いずれも手に取って拝見するのもはばかられるような立派なものです。床は、立花大亀和尚の一行書。
家元は設えていた台子の位置をもっと前の方に進めてくださいと言い、畳一枚半前の方に置き換えました。その先にちょうど、書院造りの丸窓があり、前に進めた事により部屋全体に和の風情が漂い家元の見識の深さを改めて感じました。
後座で、青磁の花入に色付き始めたマユミ、ホトトギス(満点の星)、沢桔梗が入って床の矢筈板の上に置かれた時、緊張が解け、私はほっとした気持ちを覚えました。
水屋担当の私が今日一日、家元の亭主振りを間近で拝見させていただき、よい教訓を得させていただきました。全てにおいてお客様に精一杯のおもてなしを願う心意気を勉強致しました。
跡見の床
於 久留米少林寺
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