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2015年9月13日

研究会レポート『小習』

家元招請研究会 

佐藤宗博(静岡不白会)

 九月十三日、小習による茶席の支度のご指導をいただいた。普通の日本間が、床を飾り道具を据え風炉に火が入れられ、釜が掛けられ、と次第に茶席に変化していく様を初めて体験した者もおり、大変新鮮かつ有意義な内容であった。
 準備を担当した者としての反省点と参加者の感想を記す。
一、掛物は貼り風帯の他に垂風帯のお軸も用意すべきだった。
二、花入も焼き物の他に籠も用意すべきだった。
三、普段使っている実用品のみで茶掃箱を用意しなかった。
四、水屋瓶、水屋たらいを代用品のみで用意しなかった。
 研究会の課題への洞察の不足を思い知らされている。

●山村操雪  掛け軸の扱い方を丁寧に教わり、ご指導の通りお軸を掛けたら、床の間の空間がぱっと別のものになるのが分かりました。お花も添えられ日本の文化、芸術って素晴らしいなと思いました。今度は「書」等について知識を拡げたいと思いました。ご持参下さった短冊の時代を経た美しさに感動いたしました。

●片山宗稔  花を入れる事と、風炉に火を入れるお役をさせていただきました。
 花台に八種ほど用意し思案していたところお家元から 「迷っている時は一度挿してみなさい」とご助言がありました。結局ススキ、吾亦紅、白萩、青色藤袴を選びました。正面の少し離れた場所で吟味することが大事で、この場合は右側から見る景色の方が良いので花入を左に廻しては、とのご指導があり、それにより床の間が生き生きとした表情に変わりました。
 風炉に下火を入れる時は火花が畳に飛ばないよう、風炉の縁に台十能の底をしっかり乗せるようにとのご注意をいただきました。 たっぷりと炭をつぎ香をくべ釜にいっぱいの水を入れて掛けました。一時間ほどすると良い具合にお煮えがついており安堵しました。わずかな時間にたくさんのことを学び爽やかな気持ちになりました。

●末永惠雪  以前の稽古では、炭や茶の点前にのみ時間が費やし、仕度はいつも先生にお願いするばかりでした。最近では炭斗に炭を組み、種火をいれ、薄器、茶入に茶を掃き、あるいは香炉に火を入れる、軸を掛ける等、少しずつ茶席の仕度をさせていただいています。
 準備の重要性を今回改めて気付かされました。今後は機会があれば灰の上げ入れ、撒き灰の作り方、釜の始末などにも関わり、本当の意味での「自分の茶」が点てられるようになればと思っています。半東をさせていただきましたが、少しずつ茶席全体の様子を見渡せるようになりました。

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