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2012年10月22日

茶事の研究会から学ぶ

家元招請研究会−【相伝物:盆点】

久留米不白会

◎貴重な水屋の経験………大崎宗佐
 研究会で始めてお家元の水屋を担当させていただきました。九月から道具の準備を始め、八寸の献立を考え、試作もしてみました。気を使って準備をしたつもりでしたが、当日は足りないものが多々ありました。亭主であるお家元が水屋に戻られ、「料理が美味しかった」と言ってくださった時はほっとした一瞬でした。
 濃茶では、お家元の所作、立居を緊張して拝見しました。二十代でお茶を始めて、もう四十年以上になりますが、お茶を極めるのは難しいこと、でも最近ようやくお茶の面白さを感じられるようになりました。四季折々を肌で感じ、お花に、お料理に、お道具に心を配り、お客をおもてなしする、これからの人生を一期一会の精神で、工夫のお茶を楽しみたいと思います。
  ◇   ◇   ◇   ◇
◎研究会を活かし自宅の茶………大石宗清
 私はお詰の役をさせていただきました。お家元からは、亭主が心を込めて準備したお道具に対して、客は関心を持ってお尋ねする心配りが必要と、ご指導いただきました。点心の時は、お家元から会話をリードしてもらい、また勉強しなければという気持ちになりました。
 「人を招いて、点心とお茶を差し上げなさい」という家元の言葉に従い、数日後に、私も若い頃から一緒だった先輩三人を自宅にお招きしました。点心はお重と椀物にし、お重にはお刺し身や我が家で採れた季節の野菜なども入れました。お道具は先生や先輩にいただいた物も使いましたので、会話が弾みました。
 薄茶の後は、居間のソファで寛ぎながら亡き恩師、森田宗香先生や若かった頃の話になり、時間が過ぎるのを忘れる程でした。お茶事に不慣れな私のため、反省する事多々有りましたが、まずは、お客様に喜んでもらえた事で、私なりに充実感もありました。
 仕事していた頃は、職場の人に薄茶を飲んでもらったり、若い人を家に招いてお濃茶を出して、初めて飲みましたと、感動してもらったりで、お茶を飲むだけを楽しんでいましたが、これからは、お茶事の時に掛けた掛軸、「一志一道」のごとく、茶道一筋、お茶事も楽しでいきたいと思います。
茶事の一コマ

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