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2011年6月12日

初めての亭主を務めて

家元招請研究会−【茶事の実践】

村田宗照(静岡不白会)

 この道にはいりまして何年になるでしょうか。若い頃から今日まで夫の経営する会社の仕事を手伝いながら、週に一度、先生のお宅に伺い、社中の皆さんとご一緒にお稽古の日々を楽しみにしておりました。茶通箱のお許しをいただいてから次々と許状をいただくにつれ、支部研修、家元の研修で、正客、相客振りなど勉強させていただき楽しんでおりました。
 今回、「茶の湯実践」研究会で、先生より亭主を是非やるように仰せつかり、大変困惑いたしました。私にできるかしら……。今になってただお稽古に通っていただけかということがわかりました。
 一体何から手を付けていいのか戸惑いました。家が新築中とあって、お道具はほとんどしまってあり思うように出せないのです。家元の「青峰」の軸がやっと捜し出せたときには、ほっとしました。
 掛物に始まって、他の道具の合わせ方、水屋に必要なもの、お料理と器、他、戸惑う事ばかりでした。一人で何から何まで支度することは、大変に難しい事でした。一度は他の人にお願いしようかとも思いましたが、皆様がお手伝いして下さるということで、させていただくことになりました。二、三の出せないお道具は先生にお借りする事になりました。
 振り返ってみれば大変だった事が思い出されますが、先生のご心配はいかばかりだったかと案じました。水屋は、社中の皆様のお手伝いがあったお陰で、拙いながらもなんとか亭主を務めることができましたことは、感謝の気持ちでいっぱいです。
 当日は緊張しましたが、お話も弾み、楽しい一時を過ごすことができました。これからは、家元のご指導を基本に、新しい家で、友人、知人をお招きして、茶の湯を通して心豊かな人生を歩み、人との触れ合いを大切にしたいと思います。

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