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2011年4月24日

「空中茶会」

家元招請研究会−【茶事の実践】

原田宗晴(久留米不白会)

記念写真
席主へ記念の色紙が贈られた
 この度は、お家元をお招きしてのお濃茶の実践でした。マンションの十階という、和の風情どころか露地はなく、まして蹲踞もなく、下の階との兼ね合いもあり、炉は深く掘り下げられない、畳はマンションサイズの一回り小さめ、白い壁、侘び寂びはほど遠く……。
 試行錯誤の結果、ベランダには、青竹を編んでもらい、大振りの鉢を蹲踞に、大でまりの木と擬宝珠を添えに。
 初座は、早々に端午の節句のお軸にし、心ばかりのお凌ぎへ進み、楽しい一時を過ごしました。後座は、小さな床に、垂撥の代わりに作った煤竹に、白い山芍薬を掛花にし、お濃茶を亭主も交えていただき、楽しみました。
とあるお席
とあるお席で
 当日は、筑後の新緑の山々を眺めていただこうと期待していましたが、生憎、中国からの黄砂のシーズンではっきりお見せできなかった事が、心残りです。
 どなたかが、「空中のお茶会でした」と言っていただき、「ああ、空中の茶会を催したんだ」と、我に返った次第です。大変貴重な二時間でした。

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