江戸千家 >  不白会だより > ホタル愛でつ夜咄の茶事

2012年6月24日

ホタル愛でつ夜咄の茶事

影山直美(福島不白会)

夜咄の茶事
福島民報社に掲載された写真から
 さる六月二十四日、涼やかな風が肌に心地よい夕べに、岩谷宗洋先生のお宅でホタルを観賞しながら茶事をおこなうことになりました。
 ホタルはこの時期になると、郊外の水路や田んぼで、飛んでいるのを見ることができますが、町中で、ホタルが飛び交う河川を復活しようと取り組んでいる「南川ほたる愛光会」の協力を得て、その会長さんにもご出席していただきました。
 部屋には手燭の灯りがともされ、「清流無間断」のお軸のもとに、大きな水槽にたくさんの美しい光を発するホタルが放たれています。
 ご亭主は岩谷宗洋先生、正客には金田恵雪さん、次客にほたる愛光会の会長さん、詰は根本宗久さんが務められ、岩谷宗清先生のご指導のもとにお茶事はスムーズに進み、季節の食材を用いた心のこもったお料理に亭主のもてなしの心を感じました。
 正客の金田さんからはその都度作法や料理について説明をしていただき、お茶事の流れを学ぶとともに、普段のお稽古の一つ一つの所作の意味が理解できたように思えます。
 「ホタル愛光会」の会長さんには、ホタルの飛ぶ様を身近に見ながら、様々なお話を伺うことができ、地元の環境改善活動の取り組みについて、お茶を通じて理解が深まったことに、とても心が満たされたひとときでした。
   濃茶が出される頃には手燭の薄明りのなかに、ホタルも点々と光を放ち思い出に残るお茶事になりました。
 ホタルの放つほのかで優しい光に一同幻想的な気分にひたりながら散会致しました。

カテゴリー:行事・茶会 「ホタル愛でつ夜咄の茶事」のリンク