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2012年1月7日

初稽古 

高野宗廣(茨城不白会)

初釜・初稽古
 新年、一月七日、自宅で初釜を催しました。時間と労力を惜しまず、心からの「もてなし」を心がけ、大勢で参加する和やかな茶会をテーマにしました。昨年の暮れに、試行錯誤しながらの会記作り。徐々に気持ちを高めていきました。掛物は「無事是吉祥」竹台子、皆具は唐銅。茶碗は萩。十一名の客を迎えました。
 席入り後の献茶に始まり、炭点前をし、しばし湯音に耳を傾け、この静寂な心地よい時間を過ごせる事に、心から感謝いたしました。茨城支部では、昨年は皆で楽しみながら稽古ができる「花月」を数多くしましたので、それを実践してみようと思いました。
 初めは、花付き花月。次は香付き花月。香銘は、「梅の香」。休憩を入れ、続いて懐石料理が運ばれ、和やかに寛いだ雰囲気になっていきました。私が凝った一皿は幸運が重なりますようにと、食材に「ん」が二つ付く物。銀杏、半片、隠元、人参、蓮根、金柑。等々十二種を盛り込み、南天と金粉で飾った料理。笑い声が上がり、指を折ったり、声に出したりと、話がはずみました。お酒は甘酒。熱いうちにと気になる一つでしたが、満足していただけた様でした。
 中立ち後、最後は、いよいよ濃茶付花月。菓子は、富貴豆を栗きんとんで包み、花芯は梅肉で色付けしてみました。銘は「白梅」。集中した数回の練習の成果も出て、やっと安堵の面持ちになっていきました。茶銘は「妙寿」、詰は伊藤園、茶杓は「希望」。
 なるべく自分らしい手づくりでと心がけた初釜を兼ねた初稽古は、十時から二時までの四時間。終わってみれば、あっという間の感じがします。
 この年が、平和で健やかでありますよう、切に願い手を合わせました。多くのお仲間の方々と、お茶の稽古を楽しめる幸せを噛みしめた年のはじめでした。

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