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2024年6月30日

山形家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

船山宗恵(山形不白会)

 これまでリモートでの研究会が行われていましたが、四年ぶりに家元をお招きする研究会が行われました。パソコンを介してではうまく話すこともできず緊張してしまいます。やはり直接にお会いしてお話できることを参加者一同楽しみにしていました。
 まずは軽い体操で身体を慣らしましたが、コロナ禍で茶の湯の稽古を三年もお休みし足腰が弱ったことを感じました。身体作りの大切さを感じます。
 課題は茶通箱でしたので、箱の扱いや、指の動きに注目していましたが、家元は、茶通箱の本来の目的は、箱の扱いではなく、二種の抹茶を飲み比べる楽しみであると強調されました。実践では次客になり濃茶を二服いただき、味わうことを幸せに感じました。

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2024年6月23日

青森家元招請研究会

家元招請研究会〈課題:茶通箱〉

川山宗初(青森不白会)

 今年度から新たな体制となったこともあり、青森不白会の新メンバーで亭主、正客、詰、通いを務めました。次客には、家元随行の平野様にお願いをいたしました。
 「茶通箱」は、相伝の点前にとどまらず、お客様からの心遣いに対して、亭主が趣向で返礼するという心の交流の象徴でもあると感じました。
 宗雪お家元には長きにわたり、多くの教えとお導きを賜りまして、心より感謝申し上げます。青森不白会も、支部発足から七十余年の歴史を持ち、多くの先生方のご尽力により支えられてまいりました。そのご恩に報いるためにも、今後とも江戸千家の茶の道をさらに深め、会員一同で青森不白会をさらに発展させてまいりたいと考えております。引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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2024年6月16日

熊谷支部研究会「且座」を学ぶ

原沢宗京(熊谷不白会)

 六月十六日、熊谷不白会の支部研究会がありました。はじめに理事の先生方に説明してもらいながら且座を見せていただきました。席入から花、炭、香、薄茶、濃茶。半東の動きも客の作法も無駄な動きが一つもなく、最小限の動きで成り立っていることがよくわかりました。 総評の後は、実際に道具を扱いながら香の稽古です。普段余り機会がないので皆が真剣でした。
 午後からは二組に分かれて且座の実践です。私は経験の少ない次客のお炭点前をしました。道具の置く場所、羽帚の持ち方、先生方につきっきりでご指導いただきました。自分にはまだ稽古が必要ですが、炭点前やお香を習得したら且座は面白そうだな、と思いました。
 研究会に参加して、他の社中の方々との交流も刺激になり、日々のお稽古の大切さを改めて感じました。これからも、中田先生のご指導の下で沢山の事を学んで行きたいと思います。

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2024年6月12日

2024年度 家元教場研究会レポート(6)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(水曜B組) 上村宗貴

不白筆 利休円窓図「心法双忘 一味常顕」
 かつては目に触れることさえ叶わなかった唐物ですが、美術館などで観賞の機を得ることができる現代において、その貴重さを実感できていなかったのが正直なところです。稽古で唐物見立ての点前を教えていただいていた際に、心が注げていただろうかと振り返りました。
 この度、家元がご所蔵の唐物茶入をご披露くださり、まず包みを解き、唐物を扱う一手一手、組み紐や箱さえも慈しむように扱う所作を拝見し、器物の重みを真摯に受け止めることができました。そうした所作が長い時間を重ねて培われたものなのだと感じ入りました。さらに午前中の余韻が午後の床に掛けられたお軸の言葉へと結びつきました。
「心法双忘 一味常顕」
 これまでの稽古はもとより、日常生活や仕事への姿勢など、点と点がつながるように人生のすべてに通じる想いです。大切な気付きを毎日の暮らしの中で自分を折り込みながら繰り返し巡らせ、これからの茶の湯の稽古へと投影したいと存じます。

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2024年度 家元教場研究会レポート(7)

家元教場研究会 古典「台天目」

(水曜A組) 関口宗紀

 台天目(貴人点)は、道具に対してでなく「人」に対して敬う気持ちが自然に動作に表れたもの。家元の話された小泉信三先生とのエピソードが面白く理解が深まりました。
 また「平等とは、お互いを尊重し合うことであり、己を主張し合うことではない」と言う参加者のお話も含蓄があり、心に刻みたいと思いました。
 御宸翰軸飾りでは大変貴重なものを拝見させていただき、ありがたく思います。歴史を肌で感じることができ、心が震えました。

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2024年6月11日

2024年度 家元教場研究会レポート(5)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(火曜B組) 大野宗育

 唐物の書物に、「~但し炉の時は四畳半にても台目に居る」とあり、これまで唐物の稽古をする時、炉の時は台目でするものと思っていましたが、なぜ「台目」なのかということには思い至っておりませんでした。
 今日、茶室の出来ていった流れをあらためて学び、古風では風炉で正面を向いていたのが、炉が出来て、風炉があった位置の「隅炉」から「向切」そして「出炉」が出来て、道具に向き合っていたのから、だんだんと客に近づいて斜めに居るように客に近づいていき、道具を流して置くようになったという経緯を学びました。
 逆に唐物点前では道具を大事に扱う為に道具を正面に置く。「台目に居る」の意味がよく理解できました。

青磁香炉 竜泉窯 南宋時代
堆朱長盆 明時代

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2024年度 家元教場研究会レポート(4)

家元教場研究会 古典「唐物」「盆点」

(火曜B組) 永島宗智

唐物茶入 銘 玉水
唐物青貝輪花盆 明時代

 お道具に感動すれば所作は自ずと決まってくる。心の顕れが所作に、所作は感動のあらわれである。
 掛物「夫茶道在心不在術 在術不在心 心術双忘 一味常顕 是茶道之妙道也」流祖の茶の湯の至上の境地に少しでも近づければとの思いを新たに致しました。

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