2019年10月27日
家元研究会にて
家元招請研究会
田島宗実(次客)(八女不白会)
朝晩と冷えてきましたが、当日はとても秋らしい気持ちのよい日でした。
今年度の研究会の課題である体操十種は、三月の時より動きは静でしたが、大腿筋などがとても使われている事を感じました。また、腹式呼吸を取り入れた体操ですので、とても気持ちの良い眠気を誘う気分になりました。
その後、小習にて抹茶の支度でした。お客様をおもてなしするうえで、最も重要な事は、お客様に如何に美味しいお濃茶をお出しするかということです。お道具の取り合わせやお料理にも気を配りますが、それはお濃茶を美味しくするためのもので、何よりも大切なお客様のことを思い、どのようなお抹茶を選ぶかであるという事を教えて戴きました。
昼食後は、テーブルのお濃茶でした。私は、お家元のお濃茶を直々に戴けるという事でとても嬉しく楽しみでした。しかし、いざお家元の前に座りますと緊張してきました。お家元おもたせの空也最中をご一緒に頂き、お話をさせて戴きましたので、次第に緊張はとけてきました。ところが、お家元のお点前が始まった途端、袱紗さばき~茶筅通しと、その張りつめた空間を感じる事ができました。丁寧な心のこもったお濃茶の点前を目の前で拝見でき、緊張しながらも美味しく戴きました。
この一服のお濃茶に気持ちを込めてお茶を点てるという行為は、一朝一夕に習得できるものではありませんが、日頃のお稽古の時も常々心がけて臨むべきである事を学ぶことが出来ました。また、この機会を戴けたことに感謝いたします。
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2019年10月22日
秋の日の実り多き研究会
家元招請研究会
池内有紀子(茨城不白会)
当日は秋雨の中、家元と博之様にお出まし頂き、体操と小習(灰型のお勉強)そしてテープル茶と盛り沢山な一日を過ごしました。
先ずは笠間稲荷神社さまの大広間をお借りしての体操からでした。正しい姿勢を保つ事と年齢を重ねても若々しく生きていくためには、筋肉をきたえる事が大切だと言うお話を聞きながら、柔軟体操からはじめ、美しい立居に必要な足腰の筋肉を鍛えつつ最後に特別に足ツボ体操まで教えていただき、あっというまに2時間近くが過ぎてしまいました。
続けて道安風炉を用いた遠山型の灰作りを博之様より御指導頂きました。灰型を作る際になにより大切な事は五徳をしつかりと据え付ける事、そしてよく炭が起き、さらによく湯が沸くことを重点において作る事だと教わりました。見た目の美しさも大切ですが、湯がしつかりと沸かなければ台無しになってしまうという事です。また五徳をしつかりと据える際に、位置・高さ・釜とのバランスをミリ単位で調整するためにコインを使用する事もあるそうです。なんとも繊細で奥深い作業であると感じました。
最後に小さめの座卓を用いてのテープル茶(薄茶)をいたしました。亭主と正
客の距離が近く、お手前も緊張感溢れる雰囲気の中では御座いましたが、この日の感想なども交えながら会話も弾み、あっという間におしまいの時間となってしまいました。
お帰りの頃には降っていた雨もあがり、心地よい疲労感と共に家元をお見送りして、秋の日の実り多き研究会もお開きとなりました。
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2019年10月20日
体操・小習・テーブル花月
家元招請研究会
根岸宗昌(熊谷不白会)
初めに十種の体操のポイントを詳しく説明くださり、実践です。頭の位置を正し、良い姿勢を身につけることが一番の基本であり、呼吸を整えることで自分自身を見つめることが大切とのことでした。硬くなった筋肉や関節を動かす柔軟、気功太極と進むにつれ体が温まり、気持ちもほぐれてきました。実際に体を動かすことにより自分の体の状態を知ることが出来、「続けると効果がある」との励ましに実践の意欲が高まりました。
午後は「小習」の床飾り。茶人として一人前になるためには陰の準備が大切であり、自分で軸を掛けることにより、最適な軸の高さがわかるようになるとのご指導をいただきました。まず、自宅の掛軸で練習してみようと思いました。
最後は「テーブル花月」。テーブルを囲み花月をしながら会話を楽しむ実践で、亭主としてお客様四人をお迎えしました。お客様との距離が近く札を引く楽しさもあり、主客で一体感を感じられる「テーブル花月」は、自宅での茶として実践しやすいものだと感じました。
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2019年10月15日
神戸同好会家元招請研究会
家元招請研究会
◦テーブル濃茶で心の交流
鈴木宗陽
私は自宅外の和室なしの貸会場で初心者向け体験講座を時々開催しています。茶道は敷居が高いと感じている方にも正座なしのテーブル茶を謳って気軽に参加いただいております。研究会のテーブル濃茶で私は半東を受け持ちました。亭主がお点前に専念できるよう半東はその手助けをするとのことですが、テーブル茶の半東は従来の濃茶点前の動きとは違うので、まずその出番が分からず戸惑いました。
テーブル濃茶の亭主が点前を始める前の準備の段階から自分の心入れが足りず、時間がかかってしまったこと、初めて使用するポットに入れるお湯の量が多過ぎたこと、亭主に頼まれた建水の持ち出しのタイミングが遅かったことなど反省点が多々ありました。テーブル濃茶が初めてでも臨機応変に対応できる力を身につけることが必要だと感じました。自ら考えて亭主の痒い所に手が届くような半東になりたいと思いました。
テーブル濃茶のお正客は夏にご主がお亡くなりになり、喪が明けてのご出席でした。亭主である家元がお鳴物の場面で笛をお吹きになり、その曲が偶然正客にとって亡きご主人との思い出の曲であったのでいたく感動なさっておりました。いつもご夫婦でお茶を楽しんでいらしたので、亡きご主人も正客の隣で一緒に参加なさっていたに違いないとの話になりました。心をこめた丁寧なおもてなしから生まれた主客の心の交わりが感じられた感慨深い研究会でした。
◦心に残ったこと
安高宗幸
関東・東北に甚大な被害をもたらした超大型台風直後の十月十五日、お家元を神戸にお迎え致しました。
「体操十種」の身体をほぐす体操と呼吸法から始まりました。徐々に足元から温かくなり体も心も柔軟になる感じがしました。
休憩の後「茶の掃き方」などの準備と片付けを学び、参加者全員で食事を摂り中立となりました。後座のテーブル濃茶ではお家元が亭主で客は三人。寄付にて、席入りは美しい篠笛の音で「夜明けの歌」。お家元の選ばれたこの曲が、偶然にも心さびしくされていたお正客の想い出の曲であったため、お正客には驚きでもあり心慰められたのではないでしょうか。お家元のお茶事での心配りが、このような所にも表れ、お正客に対する亭主のおもてなしの心遣いを学ばせていただきました。
心がけがないと気付かず、つい通り過ぎてしまうことが多い中、お茶の稽古だけに留まらず、又身体を調え正しい姿勢と健康管理にまでご指導戴いた体操十種も生活に取り入れお茶に活していきたいと思います。
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