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2018年3月10日

雛の茶事

(新潟不白会)

亭主を務めて 
木山宗真
三月の雛の茶事で初めて亭主を務めました。
 事前の準備から始まり、当日の段取りや水屋の仕度、大勢のお客様を前にしての挨拶など、日頃のお稽古の成果を問われているようで、緊張しました。
 緊張で会話もままならない亭主にお客様は優しい言葉をかけていただき、気持ちを奮い立たせ最後まで務めを果たすことができました。亭主、裏方ともに皆で一つの場を作りあげることの楽しさを感じました。
 また、今回のお茶事ではお道具組みもお料理も先生に用意していただきましたが、どれも桃の節句を彩る春満載のものでした。見た目にも華やかなちらし寿司や熱々のはまぐりのお椀など、お相伴にあずかりましたが、とても心温まるお料理ばかりで、張りつめていた気持ちもほころびました。後座では気持ちも新たにお茶を差し上げることに集中できました。これまでのお稽古でも承知していたことですが、あらためて大勢の支えがあってお茶は成り立っているのだと実感しました。
 やっとスタートラインに立ったところですが、これからも焦らずに先を目指し、楽しみながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。
半東を務めて 
中村宗由
 この度の雛のお茶事で半東のお役をいただきました。前日の準備の折、先生から掛け軸の歌の読み方を教えていただき、初めてその意味が判りました。
 平素のお稽古でもすばらしいお道具や掛け軸に触れる機会をふんだんに与えていただきながら、自ら求める姿勢が足りなかった事を痛感しました。当日も勉強不足を痛感する場面も少なくありませんでしたが、皆様に支えていただき貴重な勉強をさせていただくことができました。これからは自ら学んでいきたいと強く心に思いました。

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2018年1月17日

本廣寺で初の初釜

瀬古伸廣(新宮同好会)

 一月十七日家元を新宮にお迎えし、昨年五月新宮同好会が発足して以来始めての初釜を、流祖不白ゆかりの本廣寺さんで行いました。
 当日は男性六名女性四名の会員全員が集合し、家元のご指導の下、楽しい一時を過ごしました。会員一同、本年もやる気満々です。

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2018年1月13日

新春を寿ぎ、華やかに

伊達宗廣(仙台同好会)

 一月十三日、仙台同好会の初釜は、正月のお飾りも青々として、新春の香り漂う仙台の古刹国分尼寺(小枝宗誠師の自坊)の茶室逢庵にて開催されました。
 今年のお席は濃茶席、薄茶席、水屋の準備と国分尼寺様のご厚意により滞りなく用意することができました。
 床には白隠禅師の一富士二鷹三茄子のお軸、三宝飾りは三丸炭の水引結び、そして本年は戌年ということで仙台堤焼きの犬の焼物が置かれ、華やかにして凛とした床を作ることができました。
 本年は家元、雲鶴先生お二人をお迎えしての初釜をすることができ、仙台同好会といたしまして大変恐縮しております。私達としての喜びは最高でございました。

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2017年11月12日

ドイツで「茶の湯入門」

野尻明子(ドイツ在住)

 ドイツ在住の野尻明子さんの、お稽古の様子、いただいたメールと写真で紹介します。

 十一月十二日と十九日の日曜日に、私の日本語初心者コースの生徒の人達(ドイツ人、イタリア人、中国人、メキシコ人)の希望により、「茶の湯入門」を我が家の居間で催しました。皆和食ファンで、新鮮な抹茶と栗きんとん(フランスの栗と南アメリカ産の白豆とドイツの砂糖で作りました。大きさもドイツ版です。)をとても喜んで味わってくれました。

 

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2017年11月5日

新潟茶会

伊藤宗翠(新潟不白会)

 十一月五日北方文化博物館沢海本館において、第六十五回新潟茶会が開催されました。
 新潟不白会は、大呂庵において薄茶席を中尾宗禮先生がお持ちになりました。私もお手伝いさせていただきました。
 最近は天候が急変し、前日の準備は凄い嵐でしたが、当日は青天に恵まれ安堵いたしました。立礼席でお床は、流祖不白筆「時雨画賛」、花入は「丹波らっきょう形」で残花十一種類が入り、香合は銘が「柚」駒沢春斎造、お客様は三百名で素晴らしいお道具にいつまでも名残惜しそうに見入っていらっしゃいました。
 私はお客様に一時を愉しんでいただきたいと重い、お正客をお願いしたり、お点前をしたりと何役もさせていただきましたが、お客様から素晴らしいお席でした、お茶が美味しかったです、という言葉が耳に入ってきて、安心いたしました。お社中全員で協力しあってお客様をお迎えできたことで、お茶会が終わった後も疲れを感じる事なく、楽しい余韻のまま帰途に着くことができました。

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2017年10月7日

家元の色紙を掲げて一席

福士宗久(岩手不白会)

「みちのくの 秋刀魚とどきし 舌づつみ」
 家元からいただいた我が家の宝です。
 十月七日、盛岡市の上田公民館まつりで立礼席を持つ機会があり、掛けさせて頂きました。当日は肌寒く雨模様でしたが公民館を利用しているお年寄りのご夫婦や子供連れのお母さんなど大勢が訪れ、栗しぼりのお菓子と暖かい抹茶を召し上がっていただきました。
 中には、抹茶がこんなにおいしいとは知りませんでした。お代わりできますか、と尋ね、おいしそうにいただくおじいさんもいました。
 今年は秋刀魚が不漁で水揚げされても細身が多く、家元が描かれた秋刀魚は脂が充分にのって美味しそうなので、お客様には目で秋刀魚を、舌で八女の抹茶を味わっていただくことができました。
 迎える私達は同期の仲間、阿吽の呼吸で足りないところは笑顔と声を掛け合い、一期一会の茶席を務めました。終えてみて、このような茶席は初めてだったがとても楽しかったと話されたお年寄りの言葉が嬉しかったです。

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2017年5月26日

十和田中学校二年生たちの大福茶

阿部行成(岩手不白会)

 盛岡桜山神社の例大祭では、毎年岩手不白会男子の亭主にて大福茶のお振る舞いを致しております。今年は鹿角市立十和田中学校の生徒五名様が大福茶席にお越し下さいました。
 「三十センチもある大茶碗で抹茶を皆でいただくのは大変貴重な体験ができた」と喜んでいただき、体験した生徒さんから岩手不白会にお礼状が届きましたので、ご紹介致します。
 「大きいお茶碗に皆で順番にお茶を飲み、和菓子を食べ、お茶の苦味に美味しく合わさってより美味しいなと関心しました。昔の文化にふれて楽しみながらも学べることができました。お茶の違う味も知ることができて楽しかったです。ありがとうございました」
 佐藤公英先生からは「鹿角市は以前、南部藩の領地であり百五十年の時を経て自分たちの殿様を祀る神社でこのような体験ができたことに不思議な縁を感じます」といただきました。
 こちらこそ中学生の皆様と楽しい時間を共有できましたことを、厚く御礼申し上げます。

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2017年5月7日

ロサンゼルスからの報告

西村宗櫛(羅府不白会)

 日米文化会館主催により毎日曜日、表千家、裏千家そして五月七日は江戸千家でお茶会をしました。草月流により竹やぶの庭など庭園が作られ、そこに野点を作り芝点でした。外では子供の日の催しも行われました。江戸千家のお点前にお琴の演奏を添え、その後津軽三味線の演奏という日本の伝統文化の紹介です。英語のナレーションも付き、多くの外国人が着物袴姿のお点前に感動して、是非お茶のお稽古に来たいと言われております。柏餅と星野園の星峰でお茶を出しました所、美味しいととても喜んでもらえました。夜は日本より狂言の野村万作、萬斎さんが来てくださり満席で盛り上げて下さいました。
 又ホンダモータースから依頼されアメリカ中の代表者に日本の文化、茶の湯にて毎年おもてなしをしております。今、アメリカでは、和食と共に日本の伝統文化が盛んです。特に抹茶ブームは凄いです。日本からの応援宜しくお願い致します。

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2017年5月4日

豪農の館「椿寿荘」で気楽な茶会

窪田宗恵(新潟不白会)

 「椿寿荘」は、大正時代、新潟県に千町歩を越える大地主が五家あり、その内の一つである田巻邸の離れ座敷として約三年半をかけ、各地の銘木を集め、寺院様式で釘一本も使わず作られています。今は新潟市の隣にある小さな町、田上町の観光名所「豪農の館」として公開されています。
 私達がここで、年に二回、新緑の五月と紅葉の十一月に、気楽なお茶会をさせていただいて九年目になりました。お茶を初めて飲むという観光客の方、雰囲気がいいからと毎回お越し下さる方、着物を着る会の方等、今年の五月は、百五十人ほどの方からお越しいただきました。
 今年は新緑を眺めながら、野点風に設えてみました。どのお部屋でどんな設えをしようかと社中で楽しみながら決めています。昨年は広間を使って初めてのテーブル茶、気楽にお話ができてよかったと好評でした。今年の秋は今まで使ったことのない奥の間を使って、どんな設えにしようかと相談中です。
 お越しいただいた方に「楽しかった、また来たい」「お茶をまた飲みたい」と思っていただけるようにと努めています。
 最近は足腰が悪く座れないという方が多く、椅子の準備は必須です。無理をしないで、気楽に楽しんでいただくことを目的にしていますので、迎える私達も楽しんでいる事が大切だと思います。
 そして、私自身も体力の衰えを痛感していますので、これからもお茶を長く続けて行くためには、体操も必須だと感じているこの頃です。

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2017年3月26日

春の好日を、徒然に

水野宗美(高田不白会)

 未だ肌寒い弥生二十六日、上越茶道会定例総会が、謙信公ゆかりの、春日謙信交流館において開催されました。
 まず越後一の宮、居夛神社宮司、花ケ前盛明様に「NHK大河ドラマおんな城主直虎」と題して講演をいただきました。子孫にあたる井伊直弼は、『茶の湯一会集』を著された彦根城主で、余情残心、独座観念等、茶の精神性を再発見する事によって、近代における教養主義的な茶道の展開への道をひらいた素晴らしい大茶人でありました。
 さて、私が担当した呈茶席は、会の合間の一服で、できるだけ簡素にと考えました。お床は、孤篷庵関不羨斎筆の「茶徳拾条」、香合は、紀伊大納言様お好みの貝香合。茶杓は、家元作の銘「湧泉」を拝見盆に飾りました。銘の由来は「気功」からとのことですが、私には足を地につけてしっかりと生きなさいと感じて茶の道を歩んでまいりました。一碗のお茶に、おもてなしの心を込める難しさを感じたお茶席でした。一句を添えさせていただきます。

  かよい筒 一華そっと茶徳かな

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2017年3月4日

高知城歴史博物館茶室開き

大山宗貴(高知不白会)

 平成二十九年三月四日、待望久しき高知城歴史博物館が開館しました。
 国宝や重要文化財を含め約六万七千点に及ぶ土佐藩主山内家伝来の歴史資料や美術工芸品を収蔵展示する博物館です。
 同三月二十七日、博物館内にあります茶室で茶室開きが行われました。招待状の一部分を掲載いたします。
 「一階和室の一般貸出に先立ち、高知和敬会(昭和三十年県下六流会派をもって高知和敬会が創立)のご協力のもと、左記の要領でお茶会を開催致したく存じます。
 当日は土佐藩に縁の深い石州流と江戸千家不白流のお点前、山内家資料『御菓子帳』から復元した和菓子とお茶で皆様をお待ちしております」とありまして、館長自らの要請を受け、江戸千家と石州流とでお点前を担当させていただきました。当日のお軸は土佐藩十六代藩主山内豊範公の書「連璧」、花は牡丹、花入は青磁鳳凰耳付でした。
 招待客は、当代殿様豊功様をはじめ三十名、茶道関係者三十名と計六十名でした。後は私たち茶会担当の者も交代で入席させていただき午後三時過ぎ無事茶室開きを終えることができました。高知へお出での折には是非高知城歴史博物館へもお立ち寄り下さいませ。

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2017年3月1日

五智窯での「八寸のお茶」体験旅行

浅見恵子(新潟不白会)

 早春の一日を、新潟不白会青年部の日帰り旅行に参加しました。青年部とはいえ青年から八十代までの各世代の集まりです。まず、五智公園の山道を登って行くと様々な山草花が咲いていて皆様はよくその名前を知っておられ、初心者の私はびっくりでした。下の方で蕗の薹を採って喜んでいた方々も上の方で花開いた蕗の薹集団に「もったいないわー」という声。そして木村先生の五智窯を見学し無造作に置かれた作品を眺めたのち木村亭へ。
 木村先生がご用意下さった手作りの蕨の一本煮、おこわ、鰻の煮付けに舌鼓を打ち、花開いた蕗の薹の花弁をお汁に入れる食べ方にびっくり。上越の濁り酒を先生の作品の片口でいただきそのすっきり感が気に入り、「自宅のお茶」用に購入しました。
 作品の説明、昔話を聞きながら、先生のお点前でお茶をいただく至福のひとゝきを過ごさせていただきました。

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2017年2月7日

中野支部長先生の月釜に

桒原宗誠(新潟不白会)

 二月七日、中野先生が「今年は少し頑張ってみます」と始めてくださった月釜の第一回目に、社中でお招きいただきました。お家元の丹頂の絵の掛かった待合で春蘭の湯をいただき、路地を通っての席入の時には雪も止んでおりました。初めてのお茶室「忘己庵」では良寛の「思無邪」が掛けられ、その凛とした空気に身が引き締まりました。唐物の炭斗、筑前芦屋の釜、万慶寺の丸釘で作られた五徳に驚きました。
 掛物の通り、飾らずありのままのご亭主と正客との話に耳を傾け、楽しみつつ勉強させていただきました。先生の心のこもった懐石料理、平目のお造り、鮑の椀、のどぐろ、強肴の盛り付けも美しく美味しく感激いたしました。私にとって本懐石も久し振りで詰めをさせていただく事で良い経験となりました。
 後座には青竹の一重切にまんさくと白の妙蓮寺椿が入れられ、高麗のお茶碗(春の山)、不白の茶杓(六華)で星の奥をいただき、流祖の赤楽(末松神)、了入の黒楽(寒菊)でいただいた星の昔にも感動いたしました。
 私も背伸びせず自分なりのもてなしで、いつか先生方をお招きできればと思いました。

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2016年12月11日

慈恵の一服を味わう

千田文雪(岩手不白会)

 十二月十一日、支部恒例の歳末チャリティー茶会が開かれました。
 夫は突然の病魔に襲われ、「延命は?」と医者に問われる程でしたが回復し、一年ぶりの茶会です。
 三田宗明先生の立礼お席で、夫は病回復のご報告をし入席いたしました。
 会のお終い近くに、先生は主茶碗でもう一服点てられ、「千田さんのご主人、どうぞ」と。
 夫の表情が驚きに替わり、恐縮極まりない様子、やがてお茶を手にし、感慨深げな様子でゆっくりと頂戴し、茶席は終了となりました。
 お礼を申し上げたところ、「お元気になられて本当によかったですね」と笑顔で語られました。
 床のお軸は家元の筆による「慈恵」。茶席で「支部では毎年慈善茶会を行い、多くの方々にしあわせな暮らしができるよう義援金を届けています。今年も「慈恵」の言葉の通り、皆様に安穏で幸せな暮らしが続くよう願いを込めて一服を差し上げました」とお話くださった三田先生は齢百歳。息子のような年の夫に健やかであれと心を込めて点てて下さった一服のお茶は、夫にとっても私にとっても何物にも替え難い忘れられない慈恵の一服となりました。いくつになられても他人の幸せを願い最善を尽くす慈恵の念は私の心に深く焼きつくものでした。
 帰路、夫は先生のお心に感謝し、報いる事ができるよう励みたいと、言葉を詰まらせ語っておりました。
 お茶入も家元好み、お茶杓は宗康先生のお作、寄付の掛物は家元の消息と、江戸千家ゆかりのお道具で、たくさんの方々をおもてなし下さり深く心に残る茶会でございました。

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2016年11月23日

茶会を皆の〈和〉で

山崎宗明(八女不白会)

 十一月二十三日、開運寺様主催で「第六回山寺のもみじ茶会」が開催されました。現在八女支部の全行事はこのお寺様をお借りしておこなっています。
 多くの行事が開かれる時期で、その日参加できる方の自由参加ということで始めましたところ、各回二十数名集まり、無事に席を持つことができました。お寺様では、今年は座禅と写経の会をお持ちになりました。私共は室内に一席と庭に一席で、何か新しい工夫をと思い、市販ではなく山寺に似合ったもの、野点席にはカリンを使った手作りの菓子に銀杏の葉を添えて、もう一席には蓋付の平椀に栗と白玉団子に小豆あんを添え、小さめの折敷にて外の紅葉を眺めながら召し上がっていただく趣向にしました。
 会員の方々は当日参加ですので、朝色々な手順を知る事で最初は少し戸惑いアタフタとされましたが、今自分は何をすべきかを身体で感じられ、社中は違っても菓子所、内外の茶席と手すきの所へ声を掛け合い、楽しげにお客様をもてなしていました。最後に恒例のお寺の奥様の心尽くしの「だんご汁」をいただき、解散となりました。反省点は数多くありますが、それぞれの社中の垣根を越え茶会を終えることができ、これが一番の収穫ではと思います。
 会員数の減る中、まずは〈和〉をもっておし進めるのが大事ではないかと思う一日でございました。

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2016年9月25日

米寿のお茶会によせて

遠藤宗光(福島不白会)

 九月最後の日曜日、岩谷宗清先生、社中の金田恵雪様、須藤宗寛様のご三名の米寿のお祝いのお茶会が岩谷先生の自宅でありました。
 私達が率先して行うべきところ、「米寿を祝えるのも皆様あってこそ。八十八歳の年でお茶を点てられることは喜びであり、皆様に是非私達のお点前でお茶を差し上げたい」とお、岩谷先生が私達をお招きくださるという寿ぎの茶会となりました。
 お席に入ると、床には家元のお筆である『穂波』が掛けられ、台目にしつらえてある点前畳には、「もう私達は十分にやつれているから」と、やつれ風炉のお釜の中置き。茶入は虎渓三笑の蒔絵があり、茶杓は『寿輪』と、米寿の茶会にふさわしい取り合わせでした。
 お濃茶は岩谷先生のお点前で、大樋のお茶碗にたっぷりと練り上げられ、皆豊かな気持ちでいただきました。薄茶は金田様がお点前され、一同おいしくいただき、話も弾みました。お茶の奥の深さを感じた一日でございました。皆様の更なるご長寿と長くご指導たまわりたいと祈念した茶会でありました。

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2016年8月7日

七夕茶会記

澤住宗津(鳥取不白会)

 七夕茶会を小学校夏休み中の八月七日夕方六時から地区の公民館を会場に催しました。
 お客様は小学生十八名です。定年退職後始めた登校、下校時の見守り。公園の清掃、ラジオ体操で一緒に体を動かし、日頃から身近に接している子どもたちです。約三十畳の和室に短冊「竹有上下節」を掛け、庭に自生の高砂百合、水引き、秋海棠などを籠に生け、沢蟹蒔絵の香合で床としました。点前中ふと気付けば四、五人の子が右手側近くに真面目な顔で座っておりました。お互い真剣モード全開でした。筆に梶の葉の茶碗にお茶を点てました。この子等の健やかな成長と平和な世の中が続くよう願いました。一回目は低学年に高学年がお茶を点てて運び、二回目は、高学年に低学年が保護者の方に手伝ってもらいお茶を点て運びました。お菓子は小さなお口に合わせて干菓子二種にしました。服加減は「意外と全部飲めた」「苦かった」など率直な感想でした。
 盆点前は若い時稽古したのを思い浮かべ、教本の「基本の点前」を参考に練習しました。ずいぶん昔なので、もしや変わっているかも知れない、うろ覚えではいけないと思い、家元の事務所に確認いたしました。やはり心配的中。服紗の扱いが変わっておりました。詳しくご教授下さり有り難かったです。バックアップシステムに感謝しております。
 お客様をお迎えするには修行の足りない私ですが、嬉しい事がたくさんありました。終わって道具を持ち帰り茶碗など拡げておりましたら、天の川の牽牛、織姫の二星を見上げる事なく夜が更け、それだけが心残りでした。

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2016年8月6日

はすまつり茶会--先人を偲ぶ

中村宗友(高田不白会)

 八月六日土曜日、高田公園内の小林古径邸において「はすまつり茶会」が開催されました。席主は木村蓑心氏。
 暑さの中、多くのお客様をお迎えして始まり、お席に入りますと床の掛物からは、舟遊びの水面に新月を感じ、美しい十六弁の蓮の水指には葉蓋が使われており涼やかで、そこには別世界が拡がっていました。黄泉の人々に想いを寄せた設えに心が洗われるような清々しさと同時に、席主の深い思いが伝わってまいりました。
 私は水屋のお手伝いでしたので、水屋での物の位置や動線を考え、日々の稽古で「自然に流れるような所作」という師の言葉を思い出し、流れるようなリズムでおいしいお茶をお出しできるように努めました。なかなかいつも通りにできずに反省もしながら多くを学んだ有意義な一日となりました。
 ときおり本席から水屋に届けられるお客様と席主の楽しそうな声を聞きながら、酷暑の中、お越し下さった皆様への感謝の気持ちでいっぱいでした。
床 荷香十里
  新月一鉤
     米寿雷斧
   権田雷斧 仏教哲学の権威、
        東大印度哲学教授

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2016年7月24日

千宗屋先生の審美眼に学んで

吉田英津子(新潟不白会)

 去る七月二十四日、武者小路千家官休庵十五代家元後嗣 千宗屋先生をお迎えし、講演会「茶碗との語らい~飲みたい茶碗、点てたい茶碗」を開催いたしました。茶道具のみならず古美術や現代アートにも造詣が深い宗屋先生のお話をお聞きできる貴重な機会であり、当日、会場の万代シルバーホテルは流派を超えた約三百人もの皆様の熱気に溢れておりました。
 講演会は博之様がかつて官休庵で四年間学ばれたご縁から実現したもので、宗屋先生と私共をお繋ぎくださった博之様に心より御礼申し上げます。
 宗屋先生のお話はたいへんわかりやすく、人を引きつける魅力がございました。溜息が出るほど美しい茶碗の写真の数々、豊富な知識……茶道具の世界の奥深さを堪能させていただきました。先生は『芸術新潮』で連載執筆中とのことで、ぜひ皆様もご覧いただけたらと存じます。
 また講演前、皆様へテーブル茶のお席が用意され、各テーブルの亭主がそれぞれ趣向を凝らしたおもてなしは大好評でした。
 学びを得ることの素晴らしさ、幸せを感じた一日となりました。

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2016年6月21日

ホンダモータース 茶の湯でおもてなし

西村宗櫛(羅府不白会)

 六月二十一日、ホンダ・モータースの幹部の方々三十二人がアメリカ中からロサンゼルスの本社に集まるため、日本の伝統文化の紹介を兼ねおもてなししてほしいと、江戸千家ロサンゼルス不白会に依頼がありました。ミヤコハイブリドホテルでお茶会のデモンストレーションとお琴の演奏を披露したところ、皆様興味深そうに見入っていました。和菓子とお抹茶も美味しそうに召し上がっていました。その後、和食とお酒で夕食が振る舞われました。
  今、アメリカ、世界中でお抹茶がブームです。六月十五日にはラスベガスのコンベンションセンターで二〇一六年ワールドTEAエキスポが行われ、八百人以上の人達が集まる中、茶の湯のデモンストレーションをして来ました。
 その他、五月にはUSCアジアンナショナル美術館で日本の茶の湯のおもてなしを依頼され、お茶のデモンストレーションでおもてなしをして来ました。皆楽しくお弟子達もお茶会をして日本の茶の湯を紹介をしております。日本からの応援宜しくお願い致します。

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