2019年11月24日
家元をお迎えして
佐藤雅子(岩手不白会)
令和元年十一月二十四日盛岡での家元研究会を終えて夕刻から家元が我が家においで下さいました。随行の博之様におかれましては十一月二十四日に斎号新柳をお受けになられたという事を漏れ承り、この度の茶席はそのお祝いを旨として準備を進めました。
当日はお迎えのご挨拶に始まり、手作りの粗餐と手持の道具にての濃茶、薄茶そしてその後のハーブティーでおもてなし申し上げました。
家元、新柳様そして岩手不白会会長の澤野宗桂様の幅広く深い話題に座はとても和やかに心地よく進みました。家元が前日東京でのお茶席で使われた楽直入のお茶碗をお持ちくださり、大振りでありながらも掌への収まり具合にいたく感激し、得難い経験で御座いました。
家元は水屋で控えていた友人たちにもお声をかけ心配りに感謝の思いでした。
外に出ますと街は深い霧に覆われておりました。お車が霧に吸い込まれるのをお見送りしておりますと、胸・心そして総身に心地よい爽やかさが満ちているのを感じました。翌朝めざめましてもその余韻が尚も溢れてこれもお客様のお人柄の賜物と感謝しました。
畳一枚も無い拙宅でのお迎えは家元が常々お話しの「自宅での茶事」の実践です。このような機会を頂けました事に厚く御礼申し上げます。有り難う御座いました。
秋麗や後嗣斎号受けらるる
掌に名のある茶碗冬初め
冬の霧茶席の余韻今もなほ
追伸
後日家元より句入りの葉書が届きました。
ロマネコンティ大気に触れて秋の宵
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2019年11月20日
二〇一九年研究会感想
家元教場研究会
加藤宗克(東京不白会)
今年(二〇一九年)の研究会の感想を述べさせていただきます。
体操十種について……
研究会での体操のお陰で関節のまわりがほぐれるせいか、身体が軽くなったように感じ、普段運動不足の私には大変効果があるように思います。特に動作と呼吸を連携させて行うことを意識するようになりました。スポーツの世界ではよく「心技体」といいますが、お茶の世界でも心・技ばかりでなく姿勢をはじめとする「体」の重要性を改めて認識するようになりました。あとは日々継続して実践していくことだけですが、これが難題です。
小習……
掛物の扱い、風炉の灰の作り方、茶掃き、茶入の扱いなど手本を示しその後実践させていただき、つい自己流になりがちなところ、基本の取り扱いを勉強することができました。特に風炉の種類と灰型が参考になりました。
テーブル茶……
テーブルでのお盆点ということで気軽な席の中に濃茶、花月、一献付を工夫しながら取り入れる方法について学びました。
特に花月は稽古性の高いものと考えていましたが、テーブル茶で行うことで主客間でのゲーム性が高まったように感じました。一献付テーブル茶では半東をしましたが、茶碗やお道具の拝見などが主客間で円滑になされるため、いつもより半東の動きが少なく若干とまどいを感じました。
末客として参加した際は、亭主と客の距離が近いせいもあるのでしょうか、一座の中にくつろいだ雰囲気が生まれ会話が弾むように思われました。亭主をなされた仙台の伊達様から来歴など詳しく伺うことができ、親近感が一層増しました。
今回のテーブル茶を通して亭主と正客の会話の進め方や日常生活の中にお茶事をどう取り入れていくかなどいろいろと勉強させていただきました。
その実践のためには断捨離と部屋のリニューアルが欠かせないと考えているところです。計画倒れにならないように無理せずに進めていこうと思っております。
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