2019年7月28日
家元招聘研究会を終えて
家元招請研究会
中村良雪(岩手不白会)
令和元年前期研究会は7月28日(日)、盛岡市立上田公民館で行われました。今年度から清雪会員と合同の研究会となり、人数も増え、年齢も経験も幅が広くなり緊張感のある研究会となりました。
始めは体操十種です。
お家元様から、「無理なさらないで……。」とお言葉をかけていただきながらも、いつもの運動不足を解消しようと思い、体をゆっくりていねいに動かしました。精一杯伸ばした後は、爽やかな気持ちになりました。
お家元様の身体の柔らかさと、ピンと伸びた姿勢は、私の目標でございます。
体操の後は灰づくりです。
「灰も生き物。押さえ付けずに、筆で大方を整えて、底取で全体を軽く押さえて。」とのご指導でした。お家元様の手元を間近で、息をひそめて見入っているうちに見事な遠山が完成いたしました。自分の風炉で、早速作ってみたい衝動にかられました。
午後は興味津々そして、とても楽しみにしていた「テーブルでの花月」です。
随行様にもお客様として参加して頂きました。お菓子を頂きながらの自己紹介は、初対面とは思えないほど、お話が弾んでおりました。亭主の点前から始まり、折据を回して、「月」、「花」と発しての移動には、「ハイタッチ」を交わし、見学者にも楽しさが伝わって参りました。
お家元様からの丁寧なご指導を受けながらスムーズに流れる花月でした。テーブルでも花月ができるという新しい試みに、高齢になってもお茶を楽しめるという希望が湧いてきました。
今回、ご指導いただいた事を繰り返し稽古しながら、ますます楽しもうと思った至福の一日でした。
ご指導有難うございました。
後期研究会も今から楽しみです。
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2019年7月13日
2019年度 家元教場研究会レポート(6)
「茶を掃く」に思う
上村宗貴(土B:東京不白会)
先日は研究会におきましてご指導を賜り誠にありがとうございました。「茶を掃く」ということが、単に茶入れの準備を整えることにとどまらず、石臼を用いて茶を挽き、心を尽くして客人を想った時代を意識することでその意味合いが全く違うものに感じられました。
テーブル茶の実践では、最高の一服を振る舞うことに思いを巡らせながら、日常を深く生き抜くということを考えさせられました。
漢字から平仮名が生まれたように型を学びながら、どこまで自分なりに柔らかな気配へと変容できるか、更に日々の稽古に励みたいと気持ちを引き締めた次第でございます。
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2019年7月7日
山形不白会家元招請研究会
家元招請研究会
◦年に一度の研究会を七夕の日に
舟山宗恵(山形不白会)
山形不白会は小さな会なので、家元招聘も年に一度だけにして頂いております。年に一度の研究会を七月七日の七夕様の日に行うことができるとは大変喜ばしい事でございました。東京はずっとお天気が悪かったとの事ですが、前日の六日にお家元と随行の郡司さんがお着きになったとき、上山は晴れていました。ホテルにお着きになると郡司さんは、早速近くにある沢庵禅師の春雨庵を見学なさったと言っておられました。次の日は朝食前に上山城まで行ってこられたそうでさすが若い方は行動力がすごいと思いました。
七月七日の研究会当日は、九時半頃になると会員の皆様が集まって参りました。時間になると、お家元から今日一日のお話をお聞きしたあと体操が始まりました。柔軟体操、立居の基本動作からだんだんと難しい動作になり、私は身体が硬くなかなか言うことをきいてくれなかったのですが、何とかついていくことができましたが、やはり常日頃の運動不足を反省いたしました。
お昼をはさんでお茶の掃き方を実際に見せて頂き大変勉強になりました。薄茶器にとんがりお山のようにふわっと入れるとお茶も溶けやすいと言っておられました。
又テーブル花月は始めての事だったので、興味津々、半分不安でした。どんな事をするのか見当もつかなかったのですが、してみると足の運びも関係なく花月の仕方さえ知っていれば難しい事はないと思いました。「花月」の札を引いて場所を変わる時のハイタッチは和やかな気持ちにさせてくれて笑いもおこり楽しかったです。そのあと皆様にお薄を差し上げました。郡司さんがお一人でお茶を点てて下さって美味しく頂戴致しました。
年に一度の研究会ですが、本当に充実したお勉強会でございました。ありがとうございました。
◦茶歴四十年を経て今思う
大貫宗静(山形不白会 白鷹教室)
『上九十歳平均六十夏体操』
いつもながらの宗匠の即興の句です。いつもと違うのは、句の主題が私の事でした。
令和元年七月七日(七夕様の日)山形不白会の家元招聘研究会に出席いたしました。宗匠のお元気な姿を拝し、私は今年も勉強できますことがうれしゅうございました。
宗匠は、作務衣に着替えられ、床に花を活けられ、ご挨拶が始まりました。
宗匠を中心にして、バラバラ適宜に場所を取り体操が始まります。寝て、立って、中腰になって、体をほぐします。充分時間をかけます。研究会は大きく分けて、ご挨拶(趣旨)、体操、理論、実践、と私なりに受け止め、ひそかなお声も聞き逃すまいと集中します。
自分の身体も動いてくれました。ありがたいことです。
『九十歳。何がめでたい』という本を出版した方が居りました。が、自分が九十歳の声を聞いてみると、人間好むと好まざるに関わらず、みんなが歳を取ることを思えば、仕方がないかと思ったり。今年一年間は九十歳に逡巡することにしよう。
私の江戸千家入門は、昭和五十四年の秋、三十年間の教員生活に終止符を打ち、新たな人生にスタートを切ってからでした。決して若い時からではありません。
最後になりますが、平成十七年に自分史『日月』を出版しました。
これからも、高齢の私を支えて下さいます茶友の皆様とともに「道」を楽しんで参りたいと思って居ります。
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