2018年9月15日
家元教場研究会レポート(14)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
「貴人として」
岡田 宗春(土B:新潟不白会)
今回は、越後の豪農地主の奥方が、二人のお伴と江戸へ出てきたという設定でした。私は貴人にふさわしくないのでは、という重い心で臨みましたが、始まってみると、横山清輝筆の薄と月の掛物、サンマや菊など季節の食材を使ったお料理とお酒で、すっかり心がくつろぎ、お話も楽しく、いつしか時を楽しんでおりました。
後座はどんな花が生けられているか楽しみにして席入りしたところ、見事に盛られた秋の果物の数々、枝付きの柿に栗、葡萄に蜜柑、梨、色付いた柿の葉、秋の訪れを心ゆくまで楽しむことができました。天目茶碗にたっぷりと点てていただいた家元のお濃茶の美味しかったこと。
我が家には貴人はおいでにならなくても、お祝い事などのお客様を貴人点てでもてなしてみたいと思いました。
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皆が楽しめる観月茶会
柿崎宗恵(青森不白会)
みちのくの善知鳥の宮に茶の集ひ和むこころそ楽しかりけり(宗慶)
平成三十年九月十五日、善知鳥神社参集殿にて第二十三回観月茶会が開かれました。前日の神社の大祭、夜は百五十名の直会、それに続く茶会当日は、他流の方や、お茶の稽古をなさっていない方、お酒を飲みにいらっしゃる方と様々お集まりになり、準備は大変でしたが、賑やかな楽しい集いとなりました。
お酒は七戸のまごころ、つまみは地元の物を籠に盛り、お点前は立礼で氷点。陰点も薬罐に氷をたくさん入れて冷たいお茶を出しました。皆さん珍しいといってお替わりする方も多く、九州、八女のお茶をおいしいと味わっていただき、準備の甲斐がありました。皆様喜んで帰りました。支部長一年生の茶会は、とてもハッピーなひと時でございました。
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2018年9月12日
家元教場研究会レポート(13)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
「半東として」
小池 宗京(水B:久留米不白会)
茶室は秋の空気に包まれ、季節の料理が出され、貴人もお付きの方お二人も、亭主の家元と共に本当に楽しい会話でくつろがれていて、皆様に一献をお勧めする私も、とても幸せでした。
後座は息を呑むような静寂な世界。家元の真剣なお姿、臨まれる点前に緊張感が走りました。その心の込められたお濃茶を、柳原のお茶碗、堆黒の台を貴人にお運びする重圧に立居や足さばきが悪くなってしまいました。足腰を鍛える基礎から始めねばと、家元の推奨する体操がいかに大切か実感しました。
「水屋・料理担当として」
大塚 宗仁(水B:東京不白会)
料理の準備で気を遣った事は季節感と衛生面です。重陽の節句、中秋と続く季節を感じるものを、シンプルに、素材を大切に用意しようと考えました。
食べやすさ、お口に合ったかどうか気にかかっていましたが、お客様から美味しかったと言っていただき安堵しました。ただ、お客様が貴人という設定ですと、内容はどうだったのか、品数は絞った方がよかったか、など課題が残りました。
一緒に料理担当をした飯泉さんが中里花子さん作の皿を持参、それを見て雲鶴先生が花子さんのお父様の中里隆さん作の鴨の徳利を出してくださり、思わぬ出合いがありました。
昨年は自宅茶の実践をし、今年は一献の準備。我が家でも友人やお客様を招いてお茶を楽しめるような気がしてきました。
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2018年9月11日
家元教場研究会レポート(12)
課題ー古典(相伝物) 第三回 台天目
台天目の半東をしてみて
大野宗育(火B:東京不白会)
これまで、台天目の稽古というと、書物に沿って貴人のあしらい、台天目の点前の注意事項を学ぶことでした。しかし、今回の研究会では設いから実際にお客様と亭主、貴人とお伴の関係を明確にするものでした。初座では、貴人を恭しくお迎えし、後座ではまさに一座建立という雰囲気でした。
このような設いで実践してみると、やはり貴人は台天目で一碗でいただき、お伴は、別の茶碗で台なしでいただくことがしっくりきました。さらにここで、亭主相伴となると、普段稽古しているように、台天目で一同飲みまわすという方法より、亭主は、お伴と一緒に相伴するというのが、なるほど道理にかなうと思いました。
実際の半東の動きは、より複雑で、その場で臨機応変に動かなくてはならないので、もっと実践を重ねる必要性を感じました。
貴人様とお伴への接し方は、区別しているようで、区別の加減が難しく、また貴人様への接し方とともに、相伝式で使われるような大変貴重なお道具を使わせていただき、道具に対しても丁寧にしなければという気持ちになり、その両方への気持ちの使い方で動きがぎこちなくなってしまうような気もしました。
そのようなことから、傍から見ると動きにめりはりがなく見えてしまうのだと感じました。第一に貴人様を待たせないことに心を配ること、とご指導をいただき、納得しました。
ご相伝の台天目では、書院の設いで大棚でお点前するものと思っておりました。ところが、今回は、糸巻棚で夏の涼しげな設いのまま、どのように台天目のお点前をされるのだろうかと思っていましたら、糸巻棚の上に天目台のみ飾られ、貴人のお茶が出される際に台にのせられました。それはとても自然で、流れるようにお席が進んでいきました。
状況に応じたおもてなしができるようになることを、今回の研究会で、学ばせていただきました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
貴人様を招くことはなかなかできませんが、どんな場面でもそれに準じたおもてなしができるよう実践していきたいと思いました。
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2018年9月8日
ロサンゼルス活動報告
西村 宗櫛(羅府不白会)
ロサンゼルス不白会は今年も様々なお茶会を頼まれ皆で楽しく江戸千家のお茶をしております。
どうぞ日本の皆様、応援してください。
・二月 ランチョパロスバーデスアートセンター茶会
・四月 トーレス文化祭
・六月 ホンダモータース おもてなし茶会
・七月 デリシャス リトルトウキョウ茶会
・八月一日 TVチャンネル7 朝のニュースで江戸千家LA不白会の紹介
・九月二日 ジャパンハウス オープニング茶会
・九月八日 パロスバーデス茶会
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2018年9月6日
長野不白会会長傘寿のお祝いと感謝の茶事
神津宗栄・下村宗悦・李 宗福(長野不白会)
平成七年より長野不白会支部長をお受けいただいている李宗福先生がめでたく傘寿を迎えられ、九月六日、「傘寿のお祝いと感謝の茶事」が菱野温泉茶寮「花おか」で行われました。
まず、支部長のお申し出により六名の物故者に献杯が行われました。続いて本懐石のお料理で始まり、貴人点、薄茶と続きました。最後に社中の方から花束贈呈、支部長のお言葉にもこれまでの長い年月への思いが込められ、皆様目頭を押さえていました。江戸千家のお茶を通し強い絆で結ばれている事を感じた一日でございました。厳粛の中にも楽しいお茶会でした。
●傘寿を迎えて
李 宗福
長野不白会の支部長をお受けいたし、今年で二十四年になります。今年傘寿を迎えました。先輩の方々、また会員皆様のご協力のおかげで無事今日まで、楽しい茶の湯の道を支部長として務めてまいることができました。会員の皆様が準備したお祝いの会、床には瑞雲、大徳寺の掛物が掛けられ、貴人席にご案内いただきました。本懐石で千鳥の盃、炭点前、貴人点て茶碗は、建窯天目で美味しい濃茶をたっぷりと、まさにお茶の醍醐味を感じ、茶道に精進し、本当に幸をしみじみと感じました。もう少し皆様と共に、江戸千家の和を広げていきたいと思います。
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2018年9月2日
新潟不白会支部講習会「都のお茶・江戸のお茶・東京のお茶」
高野邦子(新潟不白会)
九月二日、武者小路千家官休庵の千宗屋様と、川上博之様をお招きした講演会が、新潟不白会主催で催されました。
利休に始まる茶の歴史、流儀の歴史に始まり、現代のマンションならではの茶室の工夫など、お話は大変興味深いものでした。
なかでも、東京のマンション内にある宗屋様のお茶室「重窓」のお話や、リビングに置かれた立礼卓への思いが印象に残りました。現代の生活空間に違和感のない茶の湯のある暮らしは憧れです。これは「自宅の茶」を学ぶことと共通点があり、目指すものは同じでは……、という思いに至りました。宗屋様はたくさんのアイディアをお持ちなのだと思います。
お二人の対談では、博之様が武者小路千家で修行することになった経緯や、去りがたく修行を一年延ばされたことなど、仲のよいお二人のお話を楽しく聞かせていただきました。
各社中のテーブル茶のおもてなしもあり、その手伝いにも参加でき、有意義な一日となりました。
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2018年9月1日
茶の湯の普及をめざして
亀山 穂雪(高田不白会)
友人二人からそれぞれ依頼をもらいました。一件目は、和服を着て何かをしたいということでしたので、椅子とテーブルでお茶を点てる稽古をしました。まず、私が習っているヨガの呼吸法を取り入れてストレッチをした後、和服着用時の所作を実践し、テーブルに着きお菓子のいただき方やお茶の点て方を教え、自分でもお茶を点てたり飲んだりしてもらいました。友人以外三名のお客様は、お茶を点てるのが初めてでしたが、またやってみたいという声、帰りに茶筌を買って帰った方もいたと聞き、私もやってよかったと思いました。
もう一件は、高田城の復元を望む市民団体のシンポジウムでお茶席を用意してほしいという依頼でしたので、簡単な茶席を設け、高田藩と江戸千家の関係についてお話をする機会も得ました。、
今後のシンポジウムにも関わっていくことになり、自分ができる範囲で活動を広げていけたらいいなと思いました。
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