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2010年11月27日

乱飾許状式に列席して

疋田宗静(静岡不白会)

 一昨年の暮、思いがけず主人の病を得、来年の家元での相伝式に三人の若い人達を連れて行くという責任のみを目的として、一年を過ごしてまいりました。
 通いなれたお家元の門前に立ち、歩進めた時の感激は一生忘れることのできない程の思いでございました。
 清められた玄関、水を打った中庭を通り、温められた寄付に、研究会でお世話になった先生方にお会いしたときは、嬉しうございました。
 床に飾られた、数々のお道具の箱書きも見、三々五々正装で集まっていらっしゃる皆様と緊張して待つことしばし。お家元自らのお迎え付け、入席。間もなく流れるような家元のお炭点前が始まり、続いて奥様お手づからのお懐石、お祝の御酒をいただき、一年分を、ゆったりと味わった思いでございました。
 中立ちの後、、白椿一輪、凛と生けられた床に迎えられました。自分自身がいただいたときは、ただただ夢中で、お看板を胸に抱いて夕暮れの街を帰路についたことしか覚えていないのに、この度、台天目、盆点から総合して乱飾へと続く、一連のお点前を夢中で拝見し、自分自身の相伝式のように感じました。
 三人の社中、それぞれによい御茶名をいただき、家元自ら許状、お看板を授けてくださいました。その重みを忘れることなく、日本の伝統美をである茶の湯を引き継げるよう、社中一同精進したいと思っております。
 どんなことがあったときも、この道一筋に歩んで来て、本当に良かったと思っています。これからも皆と一緒に一歩ずつ歩いて行きたいと思っています。

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2010年11月23日

「貴人清次」を学ぶ

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

飯野宗志(甲府不白会)

貴人清次
貴人点の指導
 十月に蓮鶴先生とお別れしたばかりの十一月二十三日、山梨県立文学館の「素心庵」において宗康先生に「貴人清次」を教えていただきました。
 蓮鶴先生お好みの雲鶴棚を使っての研究会としました。宮澤支部長が体調を崩され欠席され、心細い限りでした。少ない人数の研究会でしたが、宗康先生の「少人数の方がかえってよく勉強ができますよ」というお言葉に励まされました。
 身分制度がはっきりしていた時代の点前ではあるが、現代では客を敬うことの大切な点前として学び取ることがある。また、貴人のお供の清次は、貴人に対して十分に気を遣う役目であることがよく理解できました。
和やかに研究会
 午後は、入門して日の浅い者も特別参加させていただき、茶道の基本である挨拶を共にご指導賜り、真・行・草の実践を二名ずつ前に出て行い、緊張した雰囲気の中にも、多少の華やかさも生まれ、楽しい秋の一日を充実して過ごしました。
 遅々とした一歩ではありますが、根気よく学んで行きたいと思います。

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2010年11月20日

青森・七戸不白会合同研究会

宗康先生招請研究会−【貴人清次】

田中宗恭(七戸不白会)

茶筌供養
研究会の前に茶筌供養の式
○茶筌供養
 宗康先生をお迎えして「茶筌供養」を行い、続いて「貴人清次」のご指導をいただきました。会場は茶筌塚の建立地、青岩寺にお願いし、ご協力により準備を進めて当日を迎えました。
 午前の部は七戸不白会会長のご挨拶により、ご逝去なされた蓮鶴先生を哀悼し一同黙祷を捧げ、ご冥福をお祈りいたしました。
 この度の茶筌供養は久々だったのでたくさん持ち寄られた茶筅を三方に盛って釈迦如来の御許にお供えして始められました。和尚様のしめやかな読経が続く中、宗康先生のお点前により点てられたお茶は、青森不白会会長より厳かに供されました。
 そして滞りなく寺庭の一画に安置されている苔色をまとった茶筌塚の前に茶筌の火が焚かれました。
貴人清次
貴人を迎え挨拶
 ○貴人清次
 午後の課題「貴人清次」の研究会では亭主役を担いましたが、貴人を敬う気持ちを動作に表す等々不安を抱えたまま本番に臨んだ次第でした。先生の懇切丁寧なご指導によってどうにか貴人の一服を差し上げることができました。
 先生のまとめの講義をうかがってこれまで曖昧でありました台天目と貴人清次の相違点をしっかりと勉強できました。また主従の関係の厳しい時代の茶の心の一端に触れることができた貴重なお話でした。今回のお亭主役の経験から学んだことを今後のお稽古に活かして参りたいと思っております。

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2010年11月7日

「実りの秋」

家元招請研究会−【基本】

野辺宗美(熊谷不白会)

立居の稽古
 周りの木々も色づき始めた本庄児玉文化会館に、お家元をお迎えし、研究会が開催されました。
 午前中はお家元のご指導のもと、「基本の動作」。お辞儀、歩き方、間の保ち方の意義など立居振る舞いを、参加者皆で互いに向き合い、実践致しました。
 続いてお香の勉強。香炉の灰作りを拝見し、その美しさに感嘆しました。聞いたお香も素晴らしいものでした。
濃茶点前
 午後にはお濃茶のご指導をいただきました。私は亭主役を務めましたが、自分のお点前と、お家元の心のこもったおもてなしの違いがよくわかりました。程よい湯加減、そしてお茶の量をはじめ、いかに私がまだまだお客様に対する気持ちが未熟かを、痛切に感じさせられました。お点前の速度、お薄との違い、ひとつひとつの内容が心にしみるようでした。
 これからもお稽古に精進していかなければとつくづく思いました。
 参加者一同充実感に笑みこぼれ、素晴らしい一日でございました。

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2010年11月3日

青森市諸流の茶会に学ぶ

畑山智恵(青森不白会)

 去る十一月三日、地善知鳥神社において恒例の諸流の茶会が開催された。茶道の六流派が参加する中、江戸千家では青森不白会木立先生が席主を務められ、経験の浅い私も社中の一人としてお手伝いすることになり、前日の支度から参加した。
 先生のご指導のもと如何にお客様を快く迎えることができるか、会場の設営、道具の取り合わせ等、とてもよい勉強になった。
 はじめて目にした、脇床にどっしりと据えられた茶壺。木立先生の茶壺のお話と合わせて茶の湯の長い歴史を痛感した。
 当日はお菓子の盛りつけ、点前、半東と、未熟な私にはかなりの大役。日頃先生のおっしゃる「お客様においしいお茶を差し上げる」ということを心にしっかりとめて頑張ろうと思った。
 当日の朝早く床に花が活けられた。つわぶきのかげからそっと「照り葉」が覗くのを見て、秋の終わりがこんなに小さな世界に表現されている素晴らしさに思わず感動した。
 お菓子を盛り付けているとき、社中の若い方が次のように話しかけた。
 「ここの列を少しこちらに角度を変えたら、お客様はとりやすいと思いますけれど、どうでしょうか」。私は、この一言に全身を打たれたような感動を覚えた。私は自分から見た目、自分のやりやすいやり方、それがすべてでした。「お客様においしいお茶を」という精神が、こんな細やかな事にまで及んでこそつながるのだということを改めて考えさせられた。
 私の点前は最後だったので、気持ちの上で少しは余裕があるはずが、かなりの緊張でいくつか失敗がありました。しかしお道具の素晴らしさ、お花の見事さ、秀衡塗の見事に大きな菓子器、そしてお客様の感動の声等によって、救われた気がした。
 いろいろな面でお客様と同様、私自身の感性が少しずつでも上達すればそれがお客様に通ずる道と、とても勉強になった二日間でした。
 

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