江戸千家 >  不白会だより > 基本からお茶事までを集中的に学ぶ

2009年8月8日

基本からお茶事までを集中的に学ぶ

家元招請研究会

ロサンゼルス不白会

茶筌通し指導
茶筌通し-実のある動作で
 平成二十一年八月八日、九日の両日、ロサンゼルス不白会では、川上宗雪宗匠、博之氏を迎え招請研究会が開かれました。
 地元を代表する日系新聞『羅府新報』に、両日の様子が大きく取り上げられています。一部抜粋しながら紹介します。

 一日目の研究会は生徒が中心で、「茶の湯の基本」をテーマに、キョウト・グランドホテルに特設した茶室で学んだ。午前中ははじめに柔軟体操(八段錦)で身体を充分にほぐし、心を整えて、立居、挨拶、運びを家元の手本に従い、二手に分かれて復習し、一人ひとり指導を受けた。
 茶席のための呼吸法に関し、家元は「ゆっくり動くことの難しさ」を強調し、日頃から間の保ち方を意識して稽古を行うこと、基本にたちかえることの大切さを解説した。
 午後の研究会では、服紗さばき、茶筌通し、柄杓の扱いとその意味を学んだ。家元から、服紗の位置、扇子の位置、服紗から指を抜くタイミング、さらに茶筌や柄杓の持ち方と指の運び、お湯の量など、細部にわたる指導が行われた。「普段は当たり前にしている動作ですが、その重要性と意味を再認識できた」と、参加者の一人は茶の湯の基本の厳しさをかみしめていた。

所作-茶碗を運ぶ
茶碗を運ぶ所作-ゆっくりと
 二日目は教授者を中心に、禅宗寺で「お茶事」について学んだ。
 風炉の「正午の茶事」をテーマに、茶事の流れの基本について説明があり、午前中は初座の寄付、席入りと始まり、今回の研究会の中心である「本懐石」の料理の順序の指導を受けた。
 茶の湯懐石は本来食事であって料理ではなく、飯と酒を主体にして、菜を取り合わせたものであることを学んだ。
所作-おじぎ
おじぎの見本を示す
 「日本でもこの頃は本懐石をする人が少なく、アメリカでできるか心配しましたが、こんなにすんなりできるとは思いませんでした」との家元の感想があり、「本懐石」はスムーズに運んだ。その後初炭点前があり、中立、鳴り物の合図で後座の席入り濃茶付け薄茶と続いた。
 茶の湯の伝統を継承し、アメリカで学ぶ役割は大きいことを再確認して、江戸千家ロサンゼルス不白会にとって非常に意義のある二日間の研究会となった。
茶事の研究会
茶事の研究会-本懐石
濃茶の点前
懐石の後、改まって濃茶席
懇親会での記念撮影
懇親会での記念撮影

カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「基本からお茶事までを集中的に学ぶ」のリンク