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2014年2月1日

江戸千家-学びながら、和やかに初釜(「羅府新報」から)

西村宗櫛社中(羅府不白会)

点心風景
 *ロサンゼルスに本社を置くアメリカ最大の日本語新聞である『羅府新報』に、ロサンゼルス支部西村宗櫛社中の初釜の記事が掲載されましたので、転載します。
    ◇   ◇   ◇
 茶道江戸千家西村宗櫛会長の初釜茶会が一日、西村会長宅の錦泉庵で開かれた。
 福茶に続く初座は、折りからのチャイニーズ・ニューイヤーを祝し、台湾から駆けつけた社中の李宗瑾さんによる台炭点前から始められた。釜は卍釜、高台寺蒔絵の炉縁、鶴の香合が使われた。
 初釜祝懐石膳は会員の毘沙門グループ社長、甲山貴明さんが「多聞」レストランにて自らも調理した料理が振る舞われ、見た目も味も絶品な懐石料理をお雑煮と大吟醸「獺祭」の名酒で味わった。
 銅鑼の音が静かに鳴り響いて中立ちとなり、つくばいを追えて後座の席入り。床には足立泰道老師の「福寿」の軸、竹鶴の花入には松、椿、木蓮などが生けられた。しめ縄飾りの竹台子には、朱塗手桶水指、唐金皆具、火舎蓋置が置かれた。
 濃茶席亭主は李宗瑾さんが、半東を乗富宗久さんが務め、正客を西村宗櫛、中詰を金野大吾郎、中正客をウルハウゼン宗円、詰を渡部久世の各氏が務めた。
 濃茶碗は金銀嶋台、出服紗・松喰鶴紋緞子、茶入は古瀬戸の大海、曾山作、仕服は龍亀甲長緒緞子、茶杓は象牙。茶は星野園「星の奥」、菓子は星野園の茶露饅頭、菓子器は松漆蓋付(享保時代)が用意され、厳かに濃茶が練られ、抹茶の醍醐味をそれぞれ味わった。
濃茶席
初釜濃茶席
 薄茶の立礼席には「松伯千年翠」の軸が飾られ、亭主を有村聖一、半東を乗富宗久の両氏が勉め、正客に甲山貴明、客に五十嵐達ほかの各氏が入る。
 釜は露地紋鶴首・菊池正直作、水指は十三代田原陶兵衛作の萩耳付き、茶碗は野々村仁清写の色絵金銀菱重筒茶碗、棗は鶴(加賀蒔絵・和歌の浦)高山作、茶杓は仙石作の枝松、茶は星野園の「星峰」、菓子は銀座花のれんの和三盆、鶴亀がそれぞれ使用された。
 初釜がはじめてという人も何人か出席していたことから、西村会長により要所要所で所作や決まりごとなどの解説が加えられ、茶歴の比較的長い人も含めて、一同楽しく茶の湯を学びながら進められ、和やかな初釜となった。最後に西村会長より皆にプレゼントが渡された。
 また、日本の江戸千家川上宗雪家元からは、平成二十六年度の課題「自宅の茶事-実践」が示されており、西村会長は「稽古ばかりではなく、自宅に客を招いて亭主の考えで一献、茶を差し上げることを楽しむ『おもてなし』を、アメリカでも各自で大いに実践してほしい」との希望を出席者に伝えた。「石原 嵩 写真も」
薄茶席
和やかな雰囲気に包まれた薄茶の立礼席
記念撮影
学びながら楽しんだ初釜の出席者たち

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