2024年12月8日
大きな賜りものー相伝式を終えて
御堂島宗良(長野不白会)

十二月八日、東京池之端の空は青く澄み渡り、今朝発った上田の雪景色とは全く違う輝きでした。
オンライン研究会の画面越しでしか拝見したことのない家元邸の露地は、お手入れの行き届いた緑豊かな苔庭、木々の根元に散り添えられた錦の美しいこと。尊い歴史を守り受け継がれてきていることを目の当たりにすることができました。
重厚な佇まいのお屋敷、お茶室、数々の伝承されたお道具に圧倒され、「上伝相伝式」の大きな意義に改めて襟を正す思いでした。
名心宗匠の流れるようなお点前を間近で拝見することができ、また雲鶴先生のお手作りのお料理を大変美味しく頂戴し、最後には第十一代新家元による薄茶点前をいただき、生涯忘れられない一日となりました。
同席の皆様の豊富な話題と楽しい会話にとても和まされ貴重なご縁にも感謝いたしました。
帰途大切な「道号」を胸に、名心宗匠著『ひとゝき艸』の「絆」の一文を思い起こしました。人間として誠意を持ち、わけへだてなく人間を尊んでいくことこそ、茶道より学ぶ神髄の大切なひとつなのだと深く感じ入りました。そして本日を迎えられたのも、入門以来愛情深く情熱を傾けてお稽古をつけてくださった李宗福先生のお陰と深く感謝しております。
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