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福島不白会三十五周年記念式典・茶会

令和6年9月23日 (月・祝)
白河市南湖公園 翠楽苑

 江戸千家福島不白会が、三十五周年を迎え、松平定信公の庭園理念が引き継がれた池泉回遊式日本庭園である南湖公園翠楽苑で、式典と記念茶会が開催され、家元も釜を掛けられました。根本支部長から福島不白会のこれまでの歴史、そして記念の日を迎えた思いについて文章をお寄せいただきました。

●松楽亭

    主 根本宗久
式典

式典

寄付

寄付

松楽亭 本席

松楽亭 本席

寄付 田島碩慶老師筆 関
本席
 床 当代家元筆 一座建立
 花入 古萩 杵
 花  野岳 伊吹虎尾 玉紫陽花
 香合 黒柿七宝    日野拓也作
 風炉釜 唐銅朝鮮風炉 高橋敬典作
 棚 雪和棚 輪島塗  橋田勝博作
 水指 染付      加藤郷山作
 薄器 加賀蒔絵    下出光斎作
 茶碗 会津本郷      一樂作
  替 久谷焼
 茶杓 銘 吉祥      實州作
 建水 モール       哲匠作
 蓋置 思太田窯   太田由美子作
 御茶 星の昔      星野園詰
 菓子 やまづと     大黒屋製
 菓子器 瀬戸     清峯作

◎御挨拶

                 名心庵 川上宗雪
 一面にカタクリの咲く関の跡
 散り〴〵に在りし三春の桜かな
 福島不白会三十五周年おめでとうございます。僅かな会員で発足した頃の春の光景をなつかしく思い浮かべます。代々の支部長を中心に一生懸命に励んで来られた会員の皆様の当地での活動や、東京まで通われる方々の努力の積み重ねに敬意を表します。
 二十五周年を震災に、三十周年をコロナ禍に阻まれながら漸く迎えられた今回の記念祝賀茶会に参加出来ますことを嬉しく思います。私共祝意の添釜を担当しながら、南湖公園の水辺に映る夏から秋への風情を皆様と共に楽しみたいと思います。願わくばこれからも会員の皆様にとって、茶の湯の在る生活が少しでも有意義なものとなりますよう心から祈っています。
(記念誌「あゆみ」より)

●秋水庵

    主 川上宗雪
寄付 住吉具慶筆 徒然草
       ふたつもじ云々
  本席
床 白隠筆 孝の字 賛 君に忠云々
 花入 木耳籠 掛花入
 花 ムラサキシキブ、野アザミ
   吾木香、オミナエシ
 香合 一文字 立鶴蒔絵 中山胡民作
      為観阿 吉村観勢好
 風炉釜 切合せ
 水指 高取
 濃茶器 名心庵好 黒棗 川北良造作
 茶碗 古萩
 替 蓮鶴作 鼠志野
 茶杓 一元斎作 銘 窓の月
 御茶 永寿      丸久小山園詰
 菓子 上がり羊羹 栗入り 松華堂製
秋水庵 本席

秋水庵 本席

寄付

寄付

福島不白会三十五周年を迎えて

                  福島不白会会長 根本宗久
 記念式典では家元にご講演をいただき、午後から秋水庵にて家元の濃茶席、常磐の間で薄茶の根本席の二席に釜がかけられました。
 支部結成前は、徳山宗玉先生はじめ数名で池之端の江戸千家へ同好会として入会し十年間活動しました。平成五年に支部結成三周年記念式典・茶会を行いました。初代支部長は徳山宗玉先生でした。二代目支部長に岩屋宗清先生が十四年間、三代目に白井宗節先生が十年間歴任され会員をお導きいただきました。十周年は平成十二年に白河で行いましたが、二十周年目は東日本大震災にて急遽開催中止。その福島原発災害の続く六月、家元講演と会食会を催すことができ、会員の結束がより深まりました。三十周年はコロナの大流行で開催できず、この度ようやく三十五周年記念行事を開催できましたこと、心から嬉しく思っております。
 東京、岩手、山形不白会からも御参加いただき、支部会員共五十余名参加でした。楽しいよい茶会でしたとの声をいただき、会員もお互い協力して会を進めていく事の大切さを学ぶ経験になったようです。東北の小さな支部ですが、先輩方が築いてきたお茶の心を今後も大切に受け継いでいきたいと思います。
福島不白会発行記念誌「あゆみ」

福島不白会発行記念誌「あゆみ」


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