平成五年　天心巡り

2023(令和5)年9月7日

　岡倉天心の命日近くに、ゆかりの地・天心巡りが、今年は九月七日に行われました。
　この日、家元は幸田露伴に宛てた天心の手紙を持参しました。天心が東京美術学校を辞し日本美術院を設立した年のもので、下谷区谷中に教場の新築工事をしているさなか、露伴に対し日本美術院の賛助会員になってほしいこと、翌月開催される絵画会に足を運んでくれるよう要請する内容です。
　天心の筆跡を辿りながら日本美術院を立ち上げたときの強い気持ちに思いを馳せた後、新柳氏の点前による供茶を、平櫛田中彫刻美術館館長の平櫛京雪氏と美術院の忠利二氏で霊社へお供えしました。天心霊社は岡倉天心や歴代の日本美術院同人を祀る社です。その間、家元による能管の演奏が流れました。美術院の皆様と懇談しながらお抹茶を味わったのち院を辞し、東京芸術大学天心六角堂を巡り今年の天心巡りを終えました。