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京都大徳寺 玉林院月釜

平成30年3月16日(金)
 主 川上宗雪

 大龍宗丈の命日である三月十六日、玉林院洞雲庵で月釜が行われた。宗雪宗匠が席をもたれるのは二年ぶり四回目となる。今年は、神戸同好会に加え発足間もない新宮同好会の協力もあり、両会の交流が図られた。参加された瀬古光子様から文章をお寄せいただいた。

●玉林院月釜初参加

新宮同好会  瀬古光子
 家元の玉林院での月釜に、神戸同好会の皆さまとご一緒させていただくことになりました。新宮同好会発足から一年足らず、何もかも初めてです。大丈夫でしょうか? でも、私達平均年齢は高めでも、「初々しい」(と言っていただきました)のが取柄なのだと励ましあって、男性三人は袴姿もそれなりに凛々しく、トリオ・ザ・クマノ!
  満開の紅梅を仰ぎながら、ご門を入ります。雲鶴先生がにこやかに迎えて下さり気負いもなくなり、主人のフェイスブック友達でもある渡辺宗倫先生とも嬉しい再会です。
 すでに準備の整った本席の洞雲庵で打ち合わせ。家元のお手本の点前。神々しくて全員息を呑んで見つめます。憧れの蓑庵見学、中板の前で思わず背筋がのびました。
 さて、本番。水屋では、神戸の皆さまのすばらしいチームワークにみとれました。いろいろ教えていただきました。主人の点前ではお正客が声をかけ緊張をほぐして下さり、家元を交えてのやり取りは抱腹絶倒だったとか。和気藹々の様子が水屋まで伝わってきましたので、そのあとの私まで伸びやかな心持でお点前することができました。ここちよい緊張感。手にするお道具の美しさが伝わってきます。端正な逢雪棚からあらわれた七宝の水指は美しく神秘的です。
 おしまいの東京の谷中のお煎餅に、京都のお客達が相好をくずされました。江戸千家ならではの素敵なおもてなしでした。
 ほかの会員も、寄付のお手伝い、席入りの合図の鐘を打つお役目などをいただきました。皆それぞれ貴重な体験をさせていただき、満ち足りた気持ちで玉林院をあとにしました。これからもいっそうにお稽古頑張ろうと帰りの車中で話しました。

【会 記】

寄付  八寸と一献
 掛物 酒井道一 筆
      早桜図
  香合 不白作 赤楽 鴬
   
本席 洞雲庵 和韻点て
床 松平不昧 消息 円悟拝見云々
    玉林和尚 宛
 花入 唐銅 鶴首     浄雄作
 花  ときのもの
逢雪棚 名心庵古稀好み
 釜  玉林院 什器 炉縁共
 水指 古渡り七宝

 茶入 一閑 黒棗 
       菊桐蒔絵  喜三郎作
 茶碗 灰釉       辻清明作
 茶杓 無学宗衍作 南明軒 トアリ
       梅・寒菊二本の内
  替茶器 不昧好鮟鱇形 漆壷斎作
  数茶碗       中里重利作
  建水 塗曲
  蓋置 因久山焼 
 御茶  星の奥   八女 星野園
 御菓子 むさしの  半田 松華堂
  器  天竜寺青磁 小鉢
 干菓子 谷中煎餅
      焙じ茶

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