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高田不白会五十五周年記念茶会/第十三回天心忌茶会

 平成二十八年九月二十五日(日)

 高田不白会創立五十五周年を迎え、妙高赤倉において記念の茶会が行われました。茶会に先立ち、六角堂前では平櫛京雪氏のお点前により天目茶碗で抹茶が点てられ、博之氏半東にて六角堂の天心座像へ供茶が行われました。
 家元席は岡倉天心山荘、地元赤倉温泉組合有志によるワインでの一献席、また、高田席は珈琲を供する初めての席。天心が暮らした五浦と終焉の地赤倉が、天心が好んだという珈琲を介して結ばれる事となりました。
 茶会の前日には、赤倉ホテルで懇親会が開かれ、茨城大学清水恵美子先生により「岡倉天心とオペラ《白狐》」という講話がありました。東京を始め、近隣支部、遠くは岩手などから多くの参加者があり、好天の下、茶会日和の一日となりました。
天心胸像 朝の供茶
六角堂

天心胸像
朝の供茶    平櫛京雪

記念茶会を終えて

高田支部長 小島秀雪
 高田不白会は発足五十五年を迎えました。この間、毎年稽古茶会を催し、また十周年を始めとしその後五年ごとの節目には記念茶会を開催してまいりました。
 この度の茶会には、家元に多大なご教示をいただき、十五周年記念茶会以来の妙高での記念茶会が実現いたしました。天心忌茶会は、ここ妙高で九年間続けられ、その後、家元邸、五浦での開催に続き、今回は十三回目を数えます。
 高田の珈琲席は、サザコーヒー鈴木会長様自らのご指導もあり、素晴らしく好評でした。清水恵美子先生のご講演では、五浦における天心を顕彰する様々な試みを知ると共に、天心の書いたオペラ《白狐》のこと、そして高田瞽女との関係について知り、天心をさらに身近に感じる事ができました。
 これからも、引き続き会の発展につとめてまいりたいと存じますので、皆々様の変わらぬご指導をお願い申し上げます。
 この赤倉温泉は、開湯二百年を迎えました。秋の妙高高原とさまざまな趣向の茶会を皆様とお楽しみいただけたことと存じます。願わくば、いつの日にか又、この天心ゆかりの地で、茶会が開かれることを願っています。
【会 記】
待合テーブル 一献席  赤倉温泉有志
       岩の原ワイン
家元席   天心山荘   和韻点て
扁額 伝 細川護立筆
    「亜細亜ハ一ナリ」
     香炉 黄瀬戸 竹節

床 会津八一筆 一行
    「茶熟松風香石鼎」
 花  白ホトトギス タムラソウ
    赤水引草
 花入 王子形水瓶 焼締め
             戸田浩二作
 長板飾り
  風炉 釜 切合せ      常什
 水指  吹ガラス 双彩鉢
             藤田喬平作
 茶入  根来薬器
 茶杓  自作
      天心大人うしを偲び「己等おいら」
 茶碗  御本「犬棒」
  替  川喜田半泥子作  志野 平
 御茶  雲鶴    宇治丸久小山園
 御菓子 むさしの   半田 松華堂
  器  平鉢      木村 隆作

珈琲席  高田不白会


クラブハウス
掛物 岡倉天心手紙
     森田思軒宛
拝啓 兼而得
御意候コヒー
器械差出候
御試し被下候(ハ)ゞ
大幸候
 十二月二日  覚三
思軒老兄

珈琲席に参加して 

且座珈琲  鈴木誉志男
 岡倉天心は明治三十七年から大正二年の日まで九年間ボストン美術館に招聘され、二十四回の船旅をした国際人である。天心ゆかりの地茨城五浦で、私どもは五浦文化研究所で、茨城大学主導のもと天心が飲んでいただろうコーヒーを「五浦コヒー」と名付け開発研究を進めていた。茨城大学の天心研究の第一人者、清水恵美子准教授から賛同を得、さらに、有力な資料を江戸千家川上宗雪家元が所蔵されていると伺った。東京美術学校の校長だった時の天心が、友人にコーヒーミルを贈ったという直筆の手紙だ。私は欣喜雀躍。天心がコーヒーを飲んでいた最重要資料となったからだ。
 二〇一六年九月に茨城大学国際シンポジウム岡倉天心で、珈琲茶会が企画され、私が亭主として珈琲を淹れることになり、川上宗雪家元を正客でお招きした。そんな縁もあり、この度、高田不白会五十五周年にお声をかけていただき、珈琲席で「五浦コーヒー」を皆様に飲んでいただくことができました。とても感謝しております。
 赤倉に来てもう一つの感動は、五浦海岸は名勝地として自負しておりましたが、妙高山の雄大さに驚き、海と山の双璧の名勝地を天心が選んだ偉大さに感激するばかりでした。

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