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平成二十三年 孤峰忌

江戸千家家元邸
十一月四日(金)

 昨年十一月四日、恒例の孤峰忌が家元邸花月の間に於いて執り行われた。十一月二日に、家元はじめ役員により、菩提所谷中安立寺に墓参が行われた。
 孤峰忌の飾り付けは、床に不白筆三幅対「空假中」が掛けられ、不白像が安置された。
 始めに、家元による供茶点前が行われ、広徳寺福富海雲和尚により、不白尊像に口切りの茶が供えられた。
 供茶式終了後、書家であり書跡研究家の渡部清氏により、「松花堂昭乗の書跡」と題して講義がなされた。手紙をはじめとする書跡が紹介され、松花堂の書風から伺うことができる人物像がわかりやすく解説された。実物を前にしたお話には説得力があり、参会者の、殊に書風への関心が高められた。
 午後には、花月の間にて、口切りの茶が振る舞われた。
 蓮華庵では恒例の通り、薄茶席が設けられた。床には松花堂昭乗宛ての遠州の消息が掛けられた。茶碗は、不白作「喝石巌」。影青が茶器として使われ、茶杓は小堀宗中、と当日の講義に重ね合わせた取り合わせであった。
【会記】
■ 供茶式  花月の間
床 不白筆三幅対
  假  一花五葉開
  空  本来是清浄  
  中  結果自然成
 不白座像 三具足
  花 秋明菊 ホトトギス 嵯峨菊

 爪紅及台子
  釜 布団釜        寒雉造
   炉縁 真塗雪輪紋
  皆具 梅翁不白好 亀紋瑠璃染付
  茶碗 油滴天目写 真塗天目台
  茶器 唐物茄子写 
   薄器 不白好菊平棗  松亭共箱
  茶杓 象牙
  御茶 口切り茶 星の奥 星野園詰
  菓子 伽藍餅       空也製

■ 呈茶席  花月の間
  茶入 瀬戸織部
  茶碗 中里重利作 木守 
  茶杓 蓮々斎  月星 
     
■ 一円庵
 床 不白辞世
  花入 銅製経筒 平安時代
  花 藍

■ 添釜   蓮華庵
床 遠州消息 松花堂昭乗宛
    高野より五筆(弘法大師)云々
 花  檀香梅 初嵐
 花入 須恵器       奈良時代
 香合 呉須赤絵 
 釜  竪筋姥口釜     長野烈作
 水指 現川寸胴 
 茶碗 不白作 黒      鶴叟箱
   銘 喝石巌     名心庵外箱
  替 金海堅手
 茶器 影青
 茶杓 小堀宗中作       共筒
     銘 於た巻
 蓋置 青竹
 御茶 星の昔 口切りの茶  星野園
 菓子 吹き寄せ
  器 愈好斎好
     名取川硯蓋写し
家元供茶式
花月の間 床
瀬戸空物茄子写

瀬戸唐物茄子写

一円庵床

一円庵床

蓮華庵床

蓮華庵床

添釜
渡部清先生により解説講義
渡部清先生
参会者

松花堂昭乗の書に見入る参会者


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