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喫茶往来


 宗雪宗匠の呼んだり呼ばれたりの茶会の様子を紹介します。

花時雨

 神戸は朝から雨が降っております。
 家元にはお変わりなくご健勝であられますこと、心よりお慶び申し上げます。
 先日はスナップ俳句「行雲流水」をお送りいただきまして、誠に有り難うございました。
 私、衰えた身体を嘆いていたばかりの日々でしたが、若き池江璃花子さんの努力する姿に感動し、励まされています。家元のオンライン配信を拝見しますと、このままお稽古に伺っていた頃の元の生活に戻れる気持ちになっている自分を発見します。そして、今秋完成する新しい茶室でお茶事をすることが目標となっております。
 私の師匠であった大川先生は三十代で御主人を亡くされ、たった一人の娘さんを頼ってロサンゼルスに渡り、再び唯一の生き甲斐であった娘さんとの突然の別れ。「お茶が生きる力を与えてくれたのよ」と、お稽古の時に時々語られた先生のお話がずうっと心の隅にありました。今の私は同じことをお弟子さんに語っています。「私には茶の湯と尊敬する師匠に恵まれたことが生きる力になったのよ。それと皆さんとね」
 今はコロナに翻弄される日々ですが、オンラインではなく、実際に対面でご指導いただける日も近いと信じて私も、神戸も頑張ります。
 ご家族の皆様の安全、御無事を祈念申し上げます。    かしこ
 四月十七日                     渡辺宗倫

八戸の新席

 こちらはりんごの花も花吹雪となり牡丹が美しくなりました。社中が茶室建築の折は大変お心遣いをいただき、今も感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 以前、岩手不白会のあゆみ『峰の雪』に盛岡三十七代南部利雄公と共に八戸五代遠江守南部信興公が不白門人系譜の中にありましたが、この度、八戸に家元のお許しをいただき、お茶室花月の間が作られました事、私共だけでなくご縁がありました先祖の皆々様が喜んで下さっていると考えているところでございます。
 また、天保から明治になる頃、八戸九代藩主として九州島津家からやはり不白門人系譜にある薩摩藩八代藩主重豪公の五男にあたる方が八戸に婿養子にこられたということで、江戸千家流を嗜む家来衆もおられたのではと思います。今、南部庭園となっているところに、以前は南部たや、という古い茶室があったと聞いています。
 扨、お礼の気持ちをお届け致したくいろいろ考えまして、以前家元よりお譲りいただいて大切にしていた新宮水野家三楽園焼の黒楽茶碗を私よりふさわしい方に差し上げていただけたらと思い、早速お送り申し上げました。是非お引き受け下さいませ。無礼な申し出と思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 五月十日                      工藤宗幸

揚雲雀

 前略お許し下さいませ。
「行雲流水」嬉しく拝読させていただきました。御結婚四十周年おめでとうございます。四人お揃いでランチ、お幸せな御一家の景色に私も心が暖かくなりました。私の選。

  風に揺れていろは楓の花盛り

  天井に映る水槽亀動く

  思毎日が母の日となる朝の経

 いつも宗匠の挿し絵に感じ入っております。前回のお雛様も宗匠御夫妻のような暖かい雰囲気でした。今回のササユリ素晴らしいと思いました。
 楽しい一刻をありがとうございました。コロナ禍が一時も早く終息し、家元に伺えます日を毎日祈っております。

  飛行場己が物とし揚雲雀

 五月十八日       石渡宗槇

立夏

 シーボルトの図巻より見つけた七段花(紫陽花)が、吾が荒れ庭に気弱に咲き始めました。
 先日は行雲流水をお送りいただきまして、楽しみながら拝見させていただきました。

  南国に熊野桜という新酒

 いかにも香り良き、味よき、名も良き新酒でございましょう。お楽しみを分けていただいた心地で拝見致しました。

  時に思う国家って何柿若葉

 私も時に国家とはと思う事があります。下の句の柿若葉が自然の中に心を移して行かれたご様子がしのばれます。

  毎日が母の日となる朝の経

 今御母堂様へのお心が滲む句でございます。       草々

  夜の雨に土蘇る立夏かな

 五月二十五日                     岸宗眞

夏期講習会

 前略 本日はオンライン講習会「転ばぬ先の杖と智恵」を拝聴致しまして、我が家でも先日主人が転倒しまして、毎日通院。転ぶ事の怖さを実感しております。
 二人三脚での毎日、コロナと重なりストレス、呆けますね。家元のお話に勇気をいただき、早速七月七日点心にて茶事をしましょう、助けてくれる人たちと代点やら椅子を使ったりと、できる限りで自宅の茶を楽しみましょう、こんな風に宣言してしまい大丈夫かしら? 今少しの間頑張ってみます。終活は先に延ばします。有り難うございました。御家中の皆様もお健やかにお過ごしくださいませ。
 六月二十八日                    細野豊子

東京訪問 

 先日は厚かましくお邪魔したにも関わらず歓待して頂いたうえ、奥様や郡司さんにもご足労をお掛けし誠にありがとう御座いました。
 同行二人も一生に一度の感激を味わい、これからのお稽古にも熱が入ることと思います!心より御礼申し上げます。
 六月の熊野にお出でのスナップ写真と今回の記念写真を添付したのでご覧下さい。
 コロナ騒ぎもワクチンが普及し、無闇におそれるのではなくインフルエンザと同様、正しく付き合っていこうという風潮になって来ましたね。良い傾向かと思います。
 これから家元もお忙しくなるとは思いますが、ぜひ暇を見つけては熊野にお通い頂けますようお願い申し上げ、取り急ぎ御礼まで!
 七月八日                      瀬古伸廣
                             光子

熊野川 昼島

谷中 安立寺にて

遠い国から

 須坂や山形にご出張のスナップ句、楽しく拝読いたしました。時鳥の声は聞けなかったが、とお書きになっていらっしゃいましたが、私、ここ十年近く蝉の声さえ聞いた事がございません。それじゃお前さんは静寂の世界に生きているのか、と誤解なさるでしょうが、夜日中の別なく我が家の前の道路工事をやっているみたいに耳鳴りがやかましく、神様はひどい仕打ちをするものだと悲しくなります。
 ところで新聞成らぬ旧聞と叱られそうですが、同封の記事が出ました。佐世保黒島の教会が改修中でございます。文化財の回収ですから手間がかかると思います。新聞の写真では、まるで外側を除いた状況ですから黒島には完成までおいでにならない方がいいと思います。そうしますと、
 ①長崎市(大浦、浦上)→西杵木海岸の教会群→長崎空港→東京
 ②田平教会→平戸島→生月島
 ③五島
 と三回に分けて旅をなさるのがいいのではないかと思われます。
 これらのうち、平戸の情報に私は全く欠けており以前、私は格別見るものなし、と申し上げたかと思いますが、 新聞に平戸のことが色々書いてあり、平戸を調べねばと思っておりました。 ところが、何と、時々私の身の回りを世話してくれる女性が平戸の生まれと聞きました。ただ、この女性は何人もの老人を受け持っていてゆっくり話すなんてむつかしく、折をみて少しずつ聞き出しております。次回のお手紙は平戸特集にしたいと思います。
 世界遺産、大浦天主堂の記念切手を同封します。
       敬具
 二〇一九年七月二十五日
          田中 孝


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