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2008年10月5日

実践したからこそ分かること

家元招請研究会−【茶会の実践】

今井光雪(熊谷不白会)

床の間
この日行われた、別会場の床の間
 私の家では、お家元をお迎えすることになりました。
 支部長先生にご指導をいただきながら、掛物、寄付、点心等を一つずつ調えていくうちに目鼻もついてきて、少しずつ考えることが楽しくなってきました。お客様をお迎えするのが好きな両親は、全面協力体制です。社中も「またとない勉強ができて嬉しい」と喜んで手伝ってくれました。
 当日は、お家元を正客に、くじ引きで決まった三名の方をお迎えしてのお席です。十三夜が間近でしたので、点心に鶉のゆで卵の黄身の小さなお月様を添えました。「十五夜は芋名月、十三夜は栗名月ですよ」というお菓子屋さんの助言で用意した焼き栗のお菓子は好評で、ほっといたしました。お茶は和韻点てを差し上げましたが、終了後「量はもう少しタップリの方がよかったですね」とお家元からご指導をいただきました。
 稽古の時は、交替で何服もいただくので、一服を少な目に点てていたことに気付き、稽古と実際の違いを実感いたしました。
席主四人の記念写真
席主を務めた四人に、記念の色紙授与
 反省会は参加者全員が集まり、食事をしながら和やかに進みました。お家元からも、実践をしたからこそのご指導をいただくことができ、大変有意義な時間となりました。
 私は「風」の色紙をいただきました。風の爽やかな季節になりましたら、いただいた色紙を掛けてお茶事をしたいと思っています。

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準備の工夫を楽しむ

家元招請研究会−【茶会の実践】

田中宗恵(熊谷不白会)

茶会後の記念写真
茶会で意気投合、記念写真
 四名が席主を担当する研究会で、私も初めての茶事ですが、引き受けることにしました。
 母屋の内や外、庭木、茶室周り、懐石献立、道具組等々の準備、あれもこれもとパニック状態になるほどでした。これではいけないと、家元教場研究会で学んだことを思い起こし、また支部長先生の温かい励ましや助言に後押しされて、気持ちもだいぶ和んでまいりました。
まず、母屋の和室を寄付にし、入口には木製の手作りの踏み台が完成。庭木の手入れ、つくばい、茶室周囲の清掃は主人が一手に引き受けてくれました。
 悩んでいた献立も決まり、以前東北旅行に行ったとき求めたとんぶりを使って工夫した一品、家庭菜園の野菜も仲間入り、海のもの、山のものも決まりました。床の軸や花など、やつれ風炉の灰も完成、次々と整ってくると不思議なもので冷静さを取り戻すことができました。
 いよいよわが家でのお茶事開始です。到着したお客様の案内、露地などへの水打ち役、寄付や半東役等、社中一致団結してのおもてなしが始まりました。若い支部会員四名をお迎えしました。互いに初対面でありましたがすぐに気持ちもほぐれ、会話もはずみ、まさに一座建立、楽しい時を過ごすことが出来ました。
 最後の報告会で亭主四人がお家元より色紙をいただきます。私は「花」でした。これを励みにこれからも精進していきたいと思います。

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2008年8月24日

招く事で学べる

家元招請研究会−【茶の湯実践】

石井良子(福島不白会)

点心
研究を重ねた点心
 家元招請「茶の湯実践」研究会が八月二十四日、福島不白会で行われました。九名の席主からとお正客の感想を発表いたしました。
 私も岩谷前支部長から「今年の課題は茶の湯実践だからとても勉強になるので席主をしてみたら」と声をかけられまして「はい」と受けてはみたものの、茶事についての経験はなく、どのように進めるかもわからないまま七月三十日十時から行う事にしました。茶道具が揃っているか調べたり、点心については手作りでもてなしたいと思い、料理本を参考にしつつ準備いたしました。
 当日床には中国寒山寺で求めた「日々是好日」を掛けまして、社中の先生方五名をお迎えしました。お正客から詰の方まで四名と一名は水屋を担当していただき、戸惑いながらも先生方のご指導を受けながら、なごやかに進める事ができました。
 はじめて席主を務めまして、茶の湯の奥深さを知る事ができましたことと、箱の中に眠っていた茶道具の出番があり、初のお披露目となりましたこと、とてもよかったと思います。これからも機会をつくり茶の湯を楽しみたいと思います。
庭で立礼の茶
この日行われた別会場の茶会-庭での立礼席
慰労の色紙を頂いて
家元の色紙を掲げる席主の皆さん

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2008年7月27日

朝取りの庭の野菜でおもてなし

家元招請研究会−【茶の湯実践】

遠藤柊雪(高田不白会)

簡略な点心
採れたての野菜を使った点心
 さる七月二十七日、まるで蒸し風呂のような暑さ、炎暑の中、家元招請研究会を致しました。
 私もお招きする事になり、初めての経験ですので少々不安でしたが、ある物でおもてなしをと心に決めました。しかしお客様をお迎えするまでの仕度の大切さ、大変さを改めて知り、勉強不足が悔やまれました。お客様はお家元随行の郡司様をお正客に、あと三名の方でした。茶事が始まり、一瞬の緊張もとけ、終始和やかにお話が尽きない一会となりました。
茶事のあとの記念写真
茶事のあとの記念写真
 一献には、朝取りの野菜を添え、中立ちの後、お茶箱でお薄を一服差しあげるというきわめて粗末な席でした。茶事の後、裏の畑を案内すると、キュウリの花、料理に用いた未だ熟さない小さな小さなキュウリ、ナス、茗荷等を珍しそうにしていらしたので、朝取りの残りのお野菜を紙袋に入れて差しあげました。
 後日、東京で洋風の味付けにして召し上がったとうかがい、とても嬉しかったです。お茶事を通してお茶以外にも和が広がる喜びを感じました。そして反省会にはいろいろな茶席の様子をお聞きした後、お家元から「和」の色紙をいただき、よい思い出の初体験でした。

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2008年7月22日

茶事は一人でするものではない

家元招請研究会−【茶の湯実践】

小田島 宗寂(岩手不白会)

床の「無門」
亡父上所蔵の掛け軸が茶事を見守る
 わが家において初めての茶事、それは実に慎ましいものだったと思います。しかしそれが私にとって特別なものとなったのは、正客にお家元をお招きすることとなったからでした。
 それまで仕事の多忙を理由に研究会での茶事の実践は辞退し続けてきたのですが、いよいよ仕事の都合もつき、お客様をお迎えするお役に付くことができました。今回は点心も控えめでよいということで、比較的心安く引き受けさせていただけたように思います。それから暫く後、正客にはお家元が決まったとの知らせを受けました。その時の私はまるで宝くじに当たったかのような心境でした。辺りの方々の心配を他所に、私は内心喜びでいっぱいだったのです。「何時かはお迎えしたいと思っていたお家元に、こんなに早くいらしていただけるなんて! しかも初めての茶事で」
 今回亭主として役の重さをひしひしと胸に刻みながらも、決して気負うことなく自分にできる限りのことを心を込めてやってゆこうと思いました。急にそうそう立派なことはできません。先ずはお家元をはじめ、いらしていただくお客様に、寛いでゆったりとした時間を楽しんでいただけるようにと心がけました。
 特に変わった趣向は設けなかったのですが、七月の暑い盛り、いかに涼やかに過ごしていただくかと思案しました。当日は朝のうち雨に見舞われたものの、幸いにも酷暑は免れたので、茶室の窓はすべて開け放って自然の風や野鳥の声が入るようにしました。わが家は比較的長閑な場所にあって、裏手には小山が臨めるのです。都会からいらしたお家元にも楽しんでいただければとの思いもありました。また、この土地ならではのおもてなしをしたく、点心の食材等は可能な限り県内産の新鮮なものを使用しました。
記念写真
名残を惜しみ記念写真 緊張のあまり、ちょっとピンボケ?
 この日の軸はお家元の筆による『無門』。私の父が生前にお家元から賜ったものです。私の父もまたお家元にわが家を訪れていただきたいと願った一人でした。存命中には叶いませんでしたが、この日お客様のほぼすべての方が父を存じていて下さり、有り難いことにそれぞれの方から思い出話をいただきました。その場に姿はなくても、さぞや満足であったろうと思います。私も茶杓の銘「おとずれ」に想いを込め、密かに父とともに喜びを分かち合いました。
 点心、茶席ともお客様全員が程よく会話に加わり、終始和やかにひとときを過ごすことができました。堅苦しくなく、楽しい席にしたいという願いを皆様がかなえて下さったのです。
 誰よりも私自身が一番楽しませていただいたのではないでしょうか。研究会の課題として行われた茶事ですので残念ながら時間に限りがあります。できることならずっとこの時が続いてくれはしないかと心の中で願って止みませんでした。まだ何かお客様にして差しあげられることがあるはずなのにと。茶席への名残惜しさを身をもって初めて実感した日でもありました。
 茶事の実際に際して、私は様々な事を学んだように想います。準備は苦労な反面、実にわくわくする過程であること。私のために惜しみなく助言下さった先生方、快く役を引き受け強力にサポートしてくださった半東さん、家の清掃と食材の調達や調理に協力してくれた家族、そして一緒に茶事のひと時を過ごしてくださったお客様……、茶事は一人でするものではない、沢山の方々の『和』が集まってでき上がる芸術作品なのだということ。実践して初めて得心できることだと感じました。
 このような素晴らしい機会を与えていただき、大変感謝しております。
三田会長も亭主を
この日行われた別会場の茶席 三田会長もご亭主として活躍
反省会の様子
笑いの絶えない反省会の様子

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2008年7月13日

客となって学ぶ

家元招請研究会−【茶事の見本】

山本文雪(静岡不白会)

見本の茶事、一献
一献で気持ちも和む
 当支部の研究会は七月十三日、サールナートホール不二庵にお家元をお招きし行われました。静岡市内はお盆の時期でもあり、家を空けることもできない方もおられ、少人数となりましたが、有意義な一日となりました。
 今回は東をお家元にお引き受けいただき、半東、水屋、そして客三名とのことで、私は末客として御席に連ならせていただきました。
 緊張して入ったお席でしたが、支部長先生のお心尽くしの御膳が運ばれ、一献いただく頃には、床に掛けられた流祖由縁の瀧自画賛の御軸から那智の瀧へと話は進み、和やかな空気に満ちていました。
床の掛け物
床の掛け物は、不白筆「瀧画讃」
 中立後いただいた和韻点てのお茶の美味しかったこと、まさに至福の一刻の風情です。このひとときを生みだすため、東は勿論、半東、水屋の方まで皆様のこまやかな心遣いが伝わってまいります。前回何もわからず席を持たせていただいた私とは雲泥の差を感じ、これからの課題を突きつけられた思いです。
 これからも研鑽し、いつの日か皆様をお招きできたらと夢見ています。

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2008年6月15日

宗匠をお迎えして

家元招請研究会−【茶の湯の実践】

中野梅雪(大分不白会)

茶事のあとの記念写真
茶事の後の記念写真
 梅雨もはしりの六月十五日、家元招請研究会は、かねてより計画のありました各地区に分かれて行われる茶事の実践でした。
 大分支部は都合により、今回が初めての実践でしたので、宗匠には何かとご心配をいただきましたが、皆それぞれに覚悟を決めて、お役をいただきました。
 私方には、宗匠他二名のお客様をお迎えすることになり、当番はもとより社中を上げて準備の段階から取り組みました。何とも急のことでしたので、いざお受けしてみると、家の外も内も気になる所ばかり。たまたま近所の方が、庭木の剪定はどうかと立ち寄り、事情を話しますと、早速自分の裏山から竹を切ってきて、くぐり戸の屋根や垣根を取り換えて下さり、本職でないのでできあがりは程々でしたが、本当に有り難いことでした。
 さて、畳も新しい方がよいと、この際替えることになり、お稽古日は専ら大掃除、雨のことも考えて蹲は内と外に準備、火入れの灰形等日頃やらないことが急に現実となって、皆さん大変でしたがよい勉強をさせていただきました。
 研究会とはいえ、何の趣向もないわが家、到着までの道中を、大分の市街が木の間隠れに眺められる美術館へと通じる森の中を、露地として通っていただきましたが、当日は生憎の梅雨空、展望はきかず、せめて和の香りでと玄関にお香を焚いてお待ちしました。
 まず待合に、そこで先輩から譲り受けた恩師佐野宗秀先生のお写真に目を止めていただき、本当に嬉しく思いました。
 お席入り、心ばかりの点心は、地産地消をモットーに、国東半島の蛸の向付、別府湾の太刀魚の八寸、野菜は当番の方の菜園から。又夜の会食を美味しく召し上がっていただけるよう、軽めの碗盛は七夕「天の川」仕立に、星形や短冊など作る楽しさも存分に取り入れました。
 後座のお濃茶は私が務めさせていただきましたが不加減なできで、申し訳なく反省しきりです。続き薄茶は代点で、半東、水屋共よく頑張り、緊張の中、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 五組に分かれたお茶事が無事終わり、全員別府に集合して、それぞれ亭主のおもてなしの様子、客となって感じたことなど、思い入れの報告があり、なごやかな茶事の様子が手に取るように想い描かれる報告会となりました。
 当日掛けました「不立文字」の軸、文字や言葉によるのではなく、ひたすら自己のうちに向かって究明し、以心伝心、宗匠の心を心として、道は遠いですが、これからも茶の道に精進したいと想います。
 後日宮崎よりの遠来の客を交えて、跡見の茶事を行いました。

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2008年5月29日

喫茶往来

家元招請研究会−【茶事の実践】

大山宗貴(高知不白会)

 先の五月二十九日の家元招請研究会は、第二回目の「茶事の実践」でした。
 茶席は六席、茶席担当者(亭主・水屋二名)以外のすべての客は、お家元、随行の瀬津様を含めて、どの茶席へ行くかを百パーセントくじ引きで決めました。それぞれの茶事終了後、文学館ホールでの集会で、お家元のお話、主客それぞれの話などあり、成功裏に終わったことは実感できました。その辺の詳しい事は、誌面の都合も有り割愛させていただきます。
 くじ引きという前提の元に、思わぬ方と相席となり膝をまじえられたことによって、新たな展開もあったことと思われます。
 研究会終了後しばらくして、参加された会員の方から「この形式での茶事研究会を一年に一度くらい支部の研究会としても取り上げてほしい」という要望があり、そうすれば『喫茶往来』も行われやすくなるのではないかと、概略すればこういう話でした。
 確かに支部としてもこの研究会を、何回か行えば、他の社中とも、まだ知りえなかった会員の方とも親睦が増し、さらにはお家元の仰る『喫茶往来』が、より深まるのではないかと思ったことでした。まだ一つの課題としての段階ですが……。
 

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2008年4月29日

工夫を楽しんだ亭主役

家元請研究会−【茶の湯実践】

永田範子(青森不白会)

濃茶一服
広間での点心と濃茶のもてなし
 例年にない早い春の到来に散り始めた桜の下、四月二十九日に青森文化会館にて、家元招請研究会『茶の湯実践』が行われました。前もってくじ引きで決められた方々が、それぞれのお宅に伺う方式です。
 未熟ながら、私は初めての大役である亭主を務めることになりました。寄付は大きな六曲屏風を配し、お軸に見立て甲人の油絵をかけ、六名のお客様に白湯を差しあげ、ゆっくりしていただきました。蹲で清めた後、席入り、いよいよです。
 お客様一人一人とご挨拶の後、少し早めではございましたが、簡単なお食事をさせていただきました。大山桜の実で作りました薄ピンク色のお酒で、お席が一段と華やいで楽しい場になりました。
 床のお軸は「百花似開錦」。正に八甲田の山々は、そのようでございました。花入は耳付青磁に瑞々しいクマガイソウを一輪、脇床にはミャンマーの硯箱、水指はシックな海老の耳付、お菓子は縁高に入れてみました。桜色をした大振りな萩の茶碗にお濃茶を丁寧に心を込めて練りました。お客様の「とても美味しい」との声が大変嬉しく思いました。
ベランダのテーブル茶
お薄は、ベランダでの意表をつくお盆点て
 再び、中立ちの後、今まで閉めていましたベランダ側の障子を大きく開けますと、お客様より歓声があがりました。真っ赤な野点傘が目に入ってきたのです。席主山本の心ばかりの演出です。
 お薄席はベランダでのお盆点て。テーブルを囲んだ椅子にも赤い毛氈を敷き、ちょうど満開の菜の花をこんもり生けました。お干菓子と春の花々の数茶碗でお薄を一服、開放的な青空と心地よい涼風に、今までの緊張もすっかりほぐれ、会話がボンボンと飛び交いとても楽しい一時でした。
 文化会館での報告会においては、思っている事の十分の一も言えず、皆様が発表する度に、それぞれのお席の様子を想像しては楽しさが広がり、今回の講習会は私にとりましては如何に実のある会であったのか、最後にお家元様からのプレゼントは、直筆の色紙でございました。私は「和」をいただき、わが家のお宝として、茶の道を少しずつでも歩んで行きたいと思っております。

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